Get stu ff ck diary 入江敦彦の
足止め喰らい日記

　自己隔離はまだ3日だが、そのコロナの兆候らしき異変があってからは4日。昨晩は急変の確率が高い「運命の5日目」でまんじりともせずに明かす。疲れたなと思ったら横にはなるのだが、せいぜい1時間足らずうとうとしては起きてしまう。Anxiety。パニック障害・不安障害と呼ばれる症状だ。
　おそらくはコロナ禍が治まってきたとしても、この障害に悩まされる人がかなりいるやろなー。あるいはPTSDならぬPCSD（ポスト・コロナ・ストレス・ディスオーダー）みたいなものが社会的問題として残るに違いない。魔に襲われ高僧に「夜明けがくるまでお堂を出てはいけない」と言われた人みたいな気分。朝日がブラインド越しに射してきたときは脳内で『トゥーランドット』のフィナーレが鳴り響く。

　朝食の時間が来て熱を測ったら平熱以下。食べもんの味もちゃんとする。体の痛みもなく寝てへんわりには倦怠感も薄い。ほっとしてそのまま3時間ほど眠り気持ちよく目覚めた。今晩までは安心できないが明日からは急変の恐怖にもう震える必要はない。 ちょっとお祝いしたい気分になって、けど状況的にはなにを整えんのも不可能なので、あ、そや！　と、こんなときやないともったいのうておろせない俵屋石鹸（ギャラリー遊形）の包みを開ける。すっかり京都土産の定番になっているけれど、やっぱりええ匂い。手ぇ洗ろたあと鼻寄せてくんくんしてまう。
　あとは日本からファンの方が送って下さるお米を使ったお粥かいさんをたいてもらう。この7年、儂わしはちょっとばかし病気がちやったんで（手術11回）うちのツレはけっこうなお粥さん上手ですねん。紀州南高梅の酸い酸い「つぶれ梅」梅干しを乗せた日の丸粥。体が悪いときだけの贅沢を味わう。

　 儂もツレもここ数日の緊張が緩んで、ひさしぶりに明るい気持ちになっているところへ電話。義母さんが亡くなった。日記Day 02で心臓の発作起こさはった話は書いたけど、あのあともう一回あって、今朝がたまた大きなんがきて。そのまま逝かはった。コロナでないと確定してへんさかい儂はハグもしてやれん。