
ついに本日29日(木)から全国の書店店頭で『アラン・デュカスのひと皿フレンチ』
が発売となるが、昨年の1月に江弘毅が
「オモロいやろこの本、写真もバツグンやで。ルノーさんが、これ日本で出すんやったらウチからどないや言うてくれてんねん」
とフランス語で書かれたちょっと雑貨っぽいパッケージの料理レシピ本を持って来た日からもう1年半がたつ。
書名は『LECON(ルッソン=レッスン)』といい、10種類の料理に各4~8ページが割かれ、何か昔の『暮しの手帖』みたいな感じで、20カット以上の写真を使って行程を丁寧に紹介している。写真はリアルでナチュラル、もちろん旨そうであった。
そのLECONは「子羊編」「フォアグラ編」「サーモン編」「重ね焼き編」など素材や調理法別に編集したシリーズだったが、これだと日本では売れないので、もうちょっとなじみのある食材なら面白いんじゃないかと訊いてみた。するとグループ・アラン・デュカス日本代表ファブリス・ルノー(タフで明るくちょっとイケズな元サッカー少年です)さんは
「それは大丈夫ですヨ。日本で出すなら日本人に合った本の作り方をしないと売れませんからネ」
と事もなげに言ってくれ、話は動き出す。著者はパリを始めモナコ、NY、香港、東京などでレストランを展開し、世界最多のミシュランの星20個を持つアラン・デュカスである。
実は08年秋に大阪でデュカスのレストラン(西梅田のル・コントワール・ド・ブノワ)を立ち上げた際に、江がデュカス本人やグループの面々に「大阪の食文化にはスゴい歴史がある」「地場の魚も野菜も肉もバラエティ感があり旨いで」「でも高い店は絶対アカン」「常連客は口うるさいけど浮気せんと長いことひいきにする」と(もちろん通訳付きだが)様々なアドバイスをしていたのがご縁の始まりだった。
「食の本質は地元にある」という哲学を実践している彼には、その助言が大阪で店を成功させるきっかけになり、それで書籍を数点しか出したことのない大阪の零細出版社にお鉢が回ってきた。有り難いことだがそれだけでバカスカ売れて「やったぁ!」と喜べる訳ではない。やはり中身が大事なので、
「日本のスーパーや商店街でも買える、日常の食材を使ったレシピを頼んます」とお願いする。
「お米編」はコシヒカリで作るレシピ、「魚編」はイワシやサバを使った料理...とアラン・デュカスの料理だけど、いつも買う物で作れる本を目指した。編集は『あんこの本』(京阪神エルマガジン社)の著者で仏語も堪能な姜尚美さん、写真は料理も人物も強い清水奈緒さん。デザインはこの二人と組んでヒットを連発しているみやあきみささんに託す。最強メンバーである。
アラン・デュカスの「OK」が出たレシピが来たのがこの2月。レシピを書いて実際に料理するのはデュカスから全幅の信頼を置かれるダヴィッド・ブラン氏([ブノワ東京]シェフ)である。撮影は3月10日から、東京渋谷のミーレ・ジャパン(ドイツの家電メーカーです)ショールームのキッチンで始まった。

左で一心不乱にメモを取っているのが編集の姜さん、ダヴィッドさんの向こうでカメラを構えているのが清水奈緒さんである。まだ氷雨の頃。あれから5ヵ月近く経過したが、実は3年以上経っているような気がするほど発売までは長かったように思える。
特に編集の姜さんにとっては、レシピを見て、撮影に映える皿や鍋を調達する→現場でフランス語で取材→取材して肉付けしたレシピを日本語に落とし込む→本のページ構成を考える→その枠に入る写真を選び、それに応じた分量の原稿を書く→シェフ再度会い、フランス語で内容を確認する→それをもとに校正...etc.気の遠くなるような長い道のりだったと思う。ホンマにお疲れさまでした。

なので、この1,260円は安いと思いまっせ。この際2冊いっぺんにどうぞ。
「オモロいやろこの本、写真もバツグンやで。ルノーさんが、これ日本で出すんやったらウチからどないや言うてくれてんねん」
とフランス語で書かれたちょっと雑貨っぽいパッケージの料理レシピ本を持って来た日からもう1年半がたつ。
書名は『LECON(ルッソン=レッスン)』といい、10種類の料理に各4~8ページが割かれ、何か昔の『暮しの手帖』みたいな感じで、20カット以上の写真を使って行程を丁寧に紹介している。写真はリアルでナチュラル、もちろん旨そうであった。
そのLECONは「子羊編」「フォアグラ編」「サーモン編」「重ね焼き編」など素材や調理法別に編集したシリーズだったが、これだと日本では売れないので、もうちょっとなじみのある食材なら面白いんじゃないかと訊いてみた。するとグループ・アラン・デュカス日本代表ファブリス・ルノー(タフで明るくちょっとイケズな元サッカー少年です)さんは
「それは大丈夫ですヨ。日本で出すなら日本人に合った本の作り方をしないと売れませんからネ」
と事もなげに言ってくれ、話は動き出す。著者はパリを始めモナコ、NY、香港、東京などでレストランを展開し、世界最多のミシュランの星20個を持つアラン・デュカスである。
実は08年秋に大阪でデュカスのレストラン(西梅田のル・コントワール・ド・ブノワ)を立ち上げた際に、江がデュカス本人やグループの面々に「大阪の食文化にはスゴい歴史がある」「地場の魚も野菜も肉もバラエティ感があり旨いで」「でも高い店は絶対アカン」「常連客は口うるさいけど浮気せんと長いことひいきにする」と(もちろん通訳付きだが)様々なアドバイスをしていたのがご縁の始まりだった。
「食の本質は地元にある」という哲学を実践している彼には、その助言が大阪で店を成功させるきっかけになり、それで書籍を数点しか出したことのない大阪の零細出版社にお鉢が回ってきた。有り難いことだがそれだけでバカスカ売れて「やったぁ!」と喜べる訳ではない。やはり中身が大事なので、
「日本のスーパーや商店街でも買える、日常の食材を使ったレシピを頼んます」とお願いする。
「お米編」はコシヒカリで作るレシピ、「魚編」はイワシやサバを使った料理...とアラン・デュカスの料理だけど、いつも買う物で作れる本を目指した。編集は『あんこの本』(京阪神エルマガジン社)の著者で仏語も堪能な姜尚美さん、写真は料理も人物も強い清水奈緒さん。デザインはこの二人と組んでヒットを連発しているみやあきみささんに託す。最強メンバーである。
アラン・デュカスの「OK」が出たレシピが来たのがこの2月。レシピを書いて実際に料理するのはデュカスから全幅の信頼を置かれるダヴィッド・ブラン氏([ブノワ東京]シェフ)である。撮影は3月10日から、東京渋谷のミーレ・ジャパン(ドイツの家電メーカーです)ショールームのキッチンで始まった。

左で一心不乱にメモを取っているのが編集の姜さん、ダヴィッドさんの向こうでカメラを構えているのが清水奈緒さんである。まだ氷雨の頃。あれから5ヵ月近く経過したが、実は3年以上経っているような気がするほど発売までは長かったように思える。
特に編集の姜さんにとっては、レシピを見て、撮影に映える皿や鍋を調達する→現場でフランス語で取材→取材して肉付けしたレシピを日本語に落とし込む→本のページ構成を考える→その枠に入る写真を選び、それに応じた分量の原稿を書く→シェフ再度会い、フランス語で内容を確認する→それをもとに校正...etc.気の遠くなるような長い道のりだったと思う。ホンマにお疲れさまでした。

なので、この1,260円は安いと思いまっせ。この際2冊いっぺんにどうぞ。
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