第1回 カドマル建築(前編)

天満屋ビル 
港の建築だからだろうか、船を連想させる丸窓が
外壁は当時流行したスクラッチタイル。爪で引っ掻いたような模様が特徴
水平の帯に垂直の壁を対比させるデザインがとてもモダン
現在の入口は実は2階。この階段はあとから設けられた
道路に埋もれた1階のカドマル部に、かつてはたばこ屋があったという
1935年築
大阪市港区海岸通1-5-28 
設計:村上工務店
かつて築港は、世界に開けた大阪の玄関口。みなと通に面して、立派な近代建築が軒を並べていた当時の名残を今に伝える。大きなアールに水平・垂直の直線を組み合わせたモダンなデザイン。2階建のように見えるが、実はかつては3階建。水害対策の大規模な盛土工事で道路に土が盛られ、何と街全体が2mほど高くなって埋まってしまった。
カドマルに設けられた大きなガラス窓が天満屋ビルの特徴。構造的な理由から、近代建築は窓が小さく部屋が暗くなりがちだが、まったりとした時間の流れるここのカフェには、港の光が燦々とふりそそぐ。
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