朝日ビルと同様、大阪ガスビルの最上階にも、モダンなガスビル食堂が設けられた。やはりレストラン部分だけガラス面が大きく取られている。
水平線を強調する黒い小庇には、かつて間接照明が仕込まれていた。夜になると純白の外壁を照らし出し、まさに白亜の殿堂のような輝きを放ったという。
北の半分は戦後の増築。安井の意思を引き継いだ佐野正一が設計した。
低層階の基壇部と上階の基準階とは、一般的にデザインを切り替えることが多い。大阪ガスビルでは黒と白の対比が徹底されていて、1・2階は黒御影石が外壁に用いられている。
道路に埋もれた1階のカドマル部に、かつてはたばこ屋があったという