30年前に新しくしたカウンターは、米栂(ベイトガ)の一枚板。奥にある大テーブルの分厚い板も同じく一枚板で。
湾曲した後脚の木目が垂直方向に走っていることから、木を曲げたのではなく、削りだして作られたものとわかる。
2人がけテーブルの支柱を、スツールの支柱として再利用。約50年前、カウンターを高くしたときに継ぎ足したという鉄筋部分が、いい味を出している。
シュガーポットはオレンジ色のホーロー容器。蓋をくり抜いてスプーンが入る場所をキープ。
2代目・高坂明郎氏の代に変わったとき、低かった棚の位置を上へ付け替えた。
凝った細工の取っ手や蝶番などは、先代がこだわってヨーロッパまで行って買い付けてきたもの。
手先が器用だった先代の手がけた、精巧な幌馬車の模型。入り口付近の棚に飾られたブラジル丸のモデルシップも先代の作品で、世界各国の砂糖が積まれている。
店主・高坂明郎氏による手彫り看板は、正面が先代で父親の光明氏、右側は弟さんで左側はご本人。明郎氏も、先代から手先の器用さを受け継いでいる。
看板、カップや灰皿のアラビヤ人の絵は、先代・高坂光明氏の弟さんが『アラビアンナイト』の絵本を参考に描いたもの。グッズは購入もできる。カップ&ソーサー1800円。