3連窓のアーチと古典様式の柱がリズミカルに並ぶ。列柱は柱頭にアカンサスの葉を戴くコリント様式
クラシックな外観の屋上に、現代的なガラスのボックスを新たに設けた。
東側の延長には、ガラスカーテンウォールに旧館のデザインを転写した新館を建設した。
広場全体を1200m2のガラスの大屋根にしたことで、ロケット広場が自然光の降り注ぐ巨大なガレリアへと生まれ変わった。
3階へと一気に上る大階段は、関空へと向かう旅行者の気分を盛り上げる。
ガラス屋根は直径90cmの2本のマスト柱で、やじろべえのようにして支えている。
ガレリア内のデザインにはガラスを多用し、様々なアクティビティが大空間に表出するようにしている。
御堂筋の終点に、揺るがぬミナミのランドマークとして鎮座するのが大阪タカシマヤのある南海ターミナルビル。大阪の百貨店が次々と新しく建て替えられるなか、近代建築の良さを残して、再生リニューアルという手段を選択した英断にまずは拍手を送りたい。
170mもの長大な壁面に、16本のコリント様式の柱が並ぶクラシックな外観は、1932年に久野節が設計した。細かな装飾はテラコッタという焼きものだが、当時他に例を見ないほどの量が使用されたという。
その後増改築が重ねられて機能と動線が輻輳し、建築自体の魅力も損なわれていたため、21世紀に入って抜本的な改修と増築を行うことになった。設計を担当した建築家・大江匡率いるプランテックは、オリジナルの良さを引き立てながら、現代的な要素を加える大胆な再生計画を提案した。ミナミの待ち合わせのメッカであったかつての「ロケット広場」は、巨大なガラス屋根で覆われた大空間、なんばガレリアへと生まれ変わった。