階段室の上部に設けられた半円の小ドーム。屋根を華やかなドームや窓で飾るデザインは、辰野式の特徴のひとつ。
アーチ屋根の一番上に飾られているのは2体の神像。当時の人々が大阪の発展に願いを込めた、商業の神メルキュールと、科学と平和の女神であるミネルバだ。当初の神像は戦時の金属供出で失われたとされているが、復元工事によって甦った。
3階特別室に面した壮麗なステンドグラスのアーチ窓は、2本の円柱で縦に3分割されるパラディアンモチーフと呼ばれる様式で、中央上部には鳳凰が描かれ、224個の丸い凸レンズが埋め込まれている。
赤レンガの壁を背景に、クラシックな様式で装飾された窓が配されている。
大集会室の正面玄関。保存・再生工事ではオリジナルを重視しながらも現代のニーズや機能に配慮し、新しく現代的なガラスの庇が設けられた。
2002年の保存・再生工事の際に建物は地面から切り離され、地下にゴムの免震装置が設けられて、重要文化財を地震から守っている。
赤レンガの壁に、白い花崗岩を帯状に回すのが辰野式の大きな特徴。中央公会堂では5段のボーダーになっている。
中央公会堂を大きく特徴づける赤レンガの外壁は積んだものではなく、実は厚さ14ミリの化粧煉瓦を貼ったものだ。
灯具のまわりにビーズをあしらった華麗なシャンデリア照明。
西洋の様式に基づいた中央公会堂だが、所々に和風の意匠も見受けられる。舞台を縁取るプロセニアムアーチ中央には、舞楽面の石膏像が飾られている。
大集会室の折上げ天井は、日本建築の天井意匠を感じさせる。
コンポジット式の様式をもつ円柱は、大理石を模した擬大理石塗りが施されている。
1000席を超える大集会室の客席。当初はフラットな平床で椅子も固定されたものではなかったが、1937年の改修で劇場のような勾配床に改修され、固定椅子へと変更された。