第5回 喫茶店・バー

アラビヤコーヒー
30年前に新しくしたカウンターは、米栂(ベイトガ)の一枚板。奥にある大テーブルの分厚い板も同じく一枚板で。
湾曲した後脚の木目が垂直方向に走っていることから、木を曲げたのではなく、削りだして作られたものとわかる。
2人がけテーブルの支柱を、スツールの支柱として再利用。約50年前、カウンターを高くしたときに継ぎ足したという鉄筋部分が、いい味を出している。
シュガーポットはオレンジ色のホーロー容器。蓋をくり抜いてスプーンが入る場所をキープ。
2代目・高坂明郎氏の代に変わったとき、低かった棚の位置を上へ付け替えた。
凝った細工の取っ手や蝶番などは、先代がこだわってヨーロッパまで行って買い付けてきたもの。
手先が器用だった先代の手がけた、精巧な幌馬車の模型。入り口付近の棚に飾られたブラジル丸のモデルシップも先代の作品で、世界各国の砂糖が積まれている。
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ブレンドコーヒー400円
ブラジルコーヒー450円
アラビヤサンド550円

大阪市中央区難波1-6-7
TEL06-6211-8048
10:00〜22:00
無休

 昭和26年に開店。コーヒーがまだ贅沢品だった頃から、マクドナルドやセルフサービスの店で誰もが気軽に飲める時代になるまで、ずっとミナミを見つめてきた。木枠のガラス扉からして、ゴージャスだとかシンプルだとかいった形容を拒絶しているかのような感触がする。珈琲は自家焙煎した粗挽きの豆をネルドリップで淹れる。先代の焙煎機は店の看板になっている。