2019年9月29日・本渡章より、これをお読みのみなさまへ。
〈今回の目次〉
■新・古地図サロン(9/20)のレポートと次回予告
●9/27|朝日カルチャーセンター中之島「古地図地名物語」レポート
●10/28・11/11|朝日カルチャーセンター中之島「天保山街歩き」予告編
●10/18・11/1|大阪狭山市で講演など・予告編
●12/14|船場大阪を語る会で講演・予告編
●テレビ大阪「大阪LOVERS」で。
●大阪検定に関して
●その他(出版関連)
■新・古地図サロンのレポート
開催日:9/20(金)午後3~6時 大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて。
9月に行われた古地図サロンは、いつもの第4金曜ではなく第3金曜と開催日が変則になりましたが、いつもより来場が増えました。秋はやはり、出歩くにはぴったりの季節なのかもしれません。
今回は2点用意した西区の昭和の地図が注目のマトになりました。そのうちの1点が朝日新聞創刊70周年記念と銘打ち、一軒ずつの店名・社名・ビル名などが記された住宅地図風で、「この店は今もある」「市立大学は当時こんなところにあったのか」「YMCAはこの頃からあった」など、みなさんそれぞれの発見を披露しあって、大いに盛り上がりました。この地図の作成者欄に完全生活研究所と記入されているのも怪しく面白く、いろいろと想像が飛び交いました。
4時からの私のトークは、8月お盆の頃にオンエアされた毎日放送のテレビ番組「NEWSミント」でしゃべった大坂七墓めぐりの話題(特に梅田墓)、近日オンエアのテレビ大阪特番「大阪LOVERS」に情報協力した天王寺の毘沙門池(昭和初期に埋立て)の話題、西区・天王寺区と24区の変遷の話題など。大正14年に人口日本一の大大阪が誕生し、13区の大阪市になった当時の話は、サロンで何度か話していますが、地図が変われば話題の切り口も変わり、何回やってもネタは尽きない感じです。たとえば、なぜ当時の東成区や港区、住吉区はこんなに面積が広いのか。この問いに、みなさんはどう答えます?
この日は、来場の方から珍しい地図を見せていただきました。皇紀二六〇〇年記念の日本分県地図。戦争直前に刊行された分厚く装丁が美しい豪華版。目の保養になりました。他の来場の方からは、昭和35年発行の中学社会科の地図帳を寄贈していただきました。当時の地理情報が満載の貴重な資料です。有効に使わさせていただきます。お二方にはお礼申し上げます。サロンのオープン前から来られた方もあり、最後の終了時刻まで話し込んで帰られた方が多かったです。次回は今年最後の回になります。また、地図で遊びましょう。
今回のサロン古地図
《原図》
・増補大坂図 天明7年(1787)
・大大阪明細地図・大阪毎日新聞社 大正14年(1925)
・大阪市区分地図・地番入天王寺区地図 昭和7年頃(1932頃)
・最新西区地図 昭和8年(1933)
・西区地図・朝日新聞創刊70周年記念 昭和30年頃(1955頃)
・最新大阪電車地図 昭和13年(1938)
《復刻》
・内務省実測地図 明治21年(1888)
《複写》
・大阪ぶらり地図(鳥観図) 昭和38年(1963)
他に復刻版の古地図など約10点。
★次回は11/22(金)午後3~6時 会場は大阪ガスビル1階カフェにて開催。私のトークは午後4時頃からです。テーマは引き続き、大阪の区の変遷。
サロン参加は無料(但し、カフェで1オーダーして下さい)。途中参加・退出OK。
★2020年も奇数月の第4金曜に開催の予定です。
【最近の主な古地図活動】
●9/27の朝日カルチャーセンター中之島「古地図地名物語」レポート
住之江周辺と泉大津市がテーマ。古代の港の住吉津とゆかりの深い住之江エリアは、江戸時代以後は新田開発、近代以後は人工島開発の舞台に。泉大津市は市名のとおり、『土佐日記』にも登場する古くからの港があり、後に阪神工業地帯の一角を占める発展を見せました。なんとなく似ているふたつのエリアです。来年度からの「古地図地名物語」は内容をリニューアルした新シリーズになります。
●10/28・11/11の朝日カルチャーセンター中之島「天保山街歩き」予告編
10/28午前は教室講座(古地図を見ながら大阪の港、天保山の変遷をたどる)。11/11午前は現地の街歩き(築港高野山・港住吉神社・天満屋ビル・天保山公園など)。
問い合わせは06-6222-5222 または朝日カルチャーセンター中之島で検索を。
●10/18・11/1の大阪狭山市で講演など・予告編
10/18午前は大阪狭山市公民館にて座学(古地図入門と街歩きの予習)。11/1午前は街歩きは国史跡の狭山池周辺(西高野街道・池尻城跡・狭山藩陣屋跡など)。
問い合わせは072-366-0700
大阪狭山市立公民館はhttps://www.osakasayama-kouminkan.jp/
●12/14 第192回「船場大阪を語る会」で講演・予告編
12/14午後1時30分~4時、愛日会館(大阪メトロ各線・本町駅徒歩5分)にて。「大坂三郷から大阪24区まで古地図が語る街の過去と未来」がテーマ。江戸時代の大坂三郷をルーツに、「区」はどんな変遷をたどってきたのか。船場と関わりの深い東区・南区(現・中央区)の足跡なども。
船場大阪を語る会の事務局は、愛日会館06-6204-4100
●テレビ大阪特番「大阪LOVERS」で。
大阪で注目の地価高騰エリア、天王寺区の真法院町の話題をとりあげるコーナーに取材協力。四天王寺近くにあった毘沙門池は、むかし毘沙門天の像が出現したので、この名がつき、昭和の初めに地図から消えた等。(新・古地図サロンのレポート参照)
●大阪検定に関して
「大阪検定」第11回試験は12/8実施です。この一年のあいだに刊行された新しい大阪検定公式テキスト『大阪の教科書・ビジュアル入門編』及び『大阪の教科書・上級編』では、私も分担執筆者をつとめました(主な担当分野は地理・文学・大阪ことば)。
「大阪検定」も今年で11年目となり、いろいろとバージョンアップ。これまで以上に門戸を広げて、受験しやすくなっています。
「なにわなんでも大阪検定」に関心のある方はhttps://www.osaka-kentei.jp/
●その他(刊行予定など)
★★ナカノシマ大学「大阪24区物語」連続講座をもとに書き起こした新刊の原稿ができあがりました。現在、編集作業にとりかかろうとしているところです。刊行にはまだかなり時間がかかります。次のご報告は、しばらく後になると思います。お楽しみに。
★★近刊『カラー版・大阪古地図むかし案内』(創元社)に続いて、旧作書籍のリニューアル復刊が進行中です。今回の復刊は前回に増してデラックスな内容刷新が行われる予定。生まれ変わり企画の詳細のお知らせも、もうしばらくお待ちください。