編集担当/中島 淳
書名/Infix Spaces & Projects 1991-2022 間宮吉彦 クロニクル
著者/ Infix Spaces & Projects 1991-2022編集委員会
体裁/変形A4判(270×210mm)カバー一体型表紙本文100ページ
定価/2,970円(本体2,700円+税) ISBN978-4-903993-47-8
発売/2022年7月11日(月)
30年以上にわたって大阪に拠点を置き、京阪神・東京・堺などで「人があつまる店」「記憶に残る店」を設計し続けてきた空間デザイナー・間宮吉彦さんの「年代別作品集」と言える1冊が7月11日(月)に発売となりました。
間宮氏がデザインした店はその時代ごとの「街の顔」と言える影響力があり、街好き、店好きが必ずと言っていいほど通っていた店ばかり。
間宮デザインの大きな特徴は、店を容れる建築物が新築であろうと「古くさいもの」であろうと、「街の記憶となっているもの」「街の人から愛されているもの」のエネルギーを取り込んだ形で着地させる……というものでした。
名前を聞くと「あ〜! あの店!?」と多くの人が思い出す
難波の外れにあった結婚式場をクラブにしたり(QOO)、南船場の材木問屋を洋書店にしたり(ハックネット)、大淀の酒屋の倉庫をレストランバーにしたり(ノー スクラブ)、神戸・旧居留地の外資系銀行をカフェレストランにしたり(E.H.BANK)、本町の真ん中にある巨大オフィスビルにレストランウエディングの店をつくったり(mitte)、堺で築200年の町家を茶房にしたり(つぼ市製茶本舗)、堂島川の遊歩道沿いに店舗の集合体をつくったり(中之島バンクス)、北浜の旧いビルを滞在型ホテルにしたり(THE BOLY OSAKA)……などなど、デザインする店を街の「延長線上」に位置づけつつ、いい意味で「予想をちょっと裏切る」新鮮さを加えることで、間宮デザインの店は常に人気の第一線をキープしてきました。
その時代の街を知る人ならではの「固有名詞」も数多く登場
本の内容は、タイトルが示すように年ごとのいろんな仕事が、店のファンにとっては懐かしい写真と間宮氏のテキストで紹介されていますが、それだけにとどまりません。
DJのMARK’Eさんや中野亮さん(Marble)、松原眞由美さん(IN)、服部滋樹さん(graf)、久住有生さん(左官)、松宮宏さん(作家)など、時代を体現する街や店にかかわった多くの「関係者」「表現者」のインタビューや寄稿は、読み物としての面白さもたっぷり盛り込んでいます(筆者も編集者として寄稿)。
こんな「記憶に残る店」の軌跡をたどる
Bar Marble(鰻谷)、シーラカンス(南堀江)、Quixotic Bar(アメリカ村)、クック・ア・フープ(木屋町三条)、GRAND CAFE(アメリカ村)、クラブ エイジア(渋谷)、ドゥニーム(京都ほか)、ミュゼ大阪(南堀江)、UNDERLOUNGE(アメリカ村)、茉莉花(中目黒)、cor(北堀江)、正弁丹吾亭(法善寺)、ASSEMBLE ON EIGHT(堺)、e’ze(北浜)、Mia via(江坂)、中之島ダイビル、サカイノマ(堺)、中之島LOVE CENTRAL(西天満)、優り草(三条京阪)、Riverside Sushi Bar TOSA(北浜)……etc.
ぜひ、あなたが特別な時間を過ごしたあの店やこの店の記憶をたどってみてください。
〈お知らせ〉
この本の出版を記念して、7月28日(木)の18時から大阪府立中之島図書館3階多目的スペースで開催されるナカノシマ大学に、間宮吉彦さんが講師として登壇します。テーマは「記憶に残る店、30余年の軌跡をたどる」。
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https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20220728