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大阪コトバのマイスター金水先生が、大阪人=ケチの謎に迫る!

担当/中島 淳

毎月25日の夜席に天満天神繁昌亭で開催されている「天神寄席」、11月に登場するのは日本語学者の金水敏(きんすい・さとし)先生です

「大阪コトバ」については大阪に生きる私たちの大きなリスペクトを集める先生はナカノシマ大学でもお馴染みですが、2023年秋には北大路欣也、横尾忠則、川久保玲、観世清和らとともに「文化功労者」に選ばれた人でもあります。

言わば「権威」ですが、そのような人を「権威でござい」と奉らないのが天神寄席のおもしろいところ。今回も中入後の鼎談で、髙島先生のツッコミに対して飄々とした「金水節」で応戦されるやり取りが観られるかと思うと楽しみです。

寄席のお題は「けちん坊の柿の種」。出演も小梅、雀太、遊方、坊枝、そしてトリには四代目春団治と、たまらんラインナップなのでぜひ。

金水先生からは、こんなメッセージをいただきました。

私が今年出しました新書『大阪ことばの謎』では、大阪人のステレオタイプとして「守銭奴・けち、食い意地がはっている、おしゃべり、派手好き、やくざ」といったものがあると書きました。とくに「守銭奴・けち」という特徴に関しては、たしかにそういう人もいますが、大阪人は大事なものにはお金をポンと出す、金離れのいい面もたくさんあることも知られています。ではなぜ大阪人は「守銭奴」「けち」と思われているのでしょうか。

その原因は、ひょっとして上方落語にあるのでは、と思って調べてみたら、出るわ出るわ、お金に執着する人たちの噺がうじゃうじゃありました。たしかに大阪は江戸時代以来の経済の中心地、経済観念の発達した商売人がたくさんいましたが、そんな土地柄を誇張して、お金にまつわる噺がたくさんできたのでしょう。そこは落語のことですから、常人の思いも寄らないけちん坊、お金大好き人間がうじゃうじゃ出てきます。落語ならではの底抜けのアホもいますが、一度聞いただけではからくりの分からない知能犯もいます。ままにならない世の中ですが、せめてお金の噺で笑いに笑って、不景気を吹き飛ばしましょう!

 

株価ばかりが高くなるだけで、私らの懐はぜんぜんお寒い限りですが(汗)、でも笑ってたら不景気はどこかに行ってしまいそうな気もしますね。楽しくやりましょう。

当日、会場ではこちらの『大阪ことばの謎』(SB新書・税込1,045円)も販売します。

筆者は天神寄席では受付にいますが、今回はそれに加えて「キンスイ先生本」の売り子もしますんで、この機会にぜひ。受講申し込みはこちらへ→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20251125