第4回 大阪の橋

錦橋
リズムよく並ぶ垂直線と、小さな丸窓のデザインがモダン。
対比的に、橋脚は石積み風の重厚なデザインに。
橋に何故か窓が。
照明灯は1985年のリフレッシュ工事のときに復元された。
背景に泳ぐ阪神高速道路。S字カーブの高架道路は当時非常に難しい技術だった。
窓のフレームに切り取られた水辺の景色をみてみよう。
照明灯を支えるフレームや、窓の格子もとてもモダン。
橋脚部にも窓が。中に小さな部屋がある。かつての機械室か。
足元のラグビーボールのような突起も特徴的。衝突から橋脚を守る目的だろうか。
橋の下をくぐると謎の部屋が出現。
かつて可動堰だったときの操作室か。まるでジブリの映画の世界に紛れ込んだよう。
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■錦橋
建設年:1931年
所在地:大阪市北区中之島2
設計者:伊藤正文
構造:RCアーチ橋

 錦橋という名は、土佐堀川可動堰の橋の部分を指した名称で、1985年に橋面の美装化整備が行われた際に付けられた。可動堰は満潮時にゲートを閉じて河水を堰き止め、水位の落差を利用して勢いよく河水を流し、水質の悪化しやすい堀川を洗い流す目的で設けられた(1978年以降休止)。建設当時から歩行者専用橋として利用されていたが、日本のモダニズムを牽引したインターナショナル建築会の伊藤正文による、新しい時代を感じさせるモダンなデザインが最大の見もの。