いよいよ来週火曜日、新刊『ブラック・ジャックは遠かった』の発売記念イベントの第1弾となる、春野恵子さんとのトークショーです。ナカノシマ大学などイベントはよくやっているわけですが、やはり自社出版物のイベントとなると格別です。言ってみればお祭りみたいなものですから。
それもあって、3月4日(月)に難波の絵本カフェ「holoholo」で行われた春野恵子さんの浪曲を聴きに、久坂部さんと一緒に行ってきました。「カフェde演芸」というタイトルで、初心者の方にも親しみやすいようにと企画されたもの。背広のおじさんや女性3人組など、なかなかおもしろい客層で、会場のカフェは満員でした。
この日は講談とセットで、上方講談師の旭堂南青 がトップバッター。「左甚五郎」に続いて舞台に上がった恵子さんの演目は「番町皿屋敷」でした。ちなみに言っておくと、「春野」というのは亭号といって、落語家の「笑福亭」とか「桂」みたいなものなので、恵子さんと呼ぶのが自然で、特別に親しいからではありません。
旗本・青山播磨と腰元のお菊の身分違いの恋を題材にしたもので、お家に代々伝わる家宝のお皿を、お菊は播磨の気持ちを割ってしまい…という悲恋の物語です。声はもちろん顔や視線の強さまで演じ分ける恵子さんの姿に、久坂部さんは圧倒されていました。20人もみっしり満員となるカフェの店内は、一気に濃密な空気に。わたしたちが座っているすぐ目の前に恵子さんがおられるため、迫力に押されるような感覚に。
終演後、「いや、目の力の強さに圧倒されたわ…」ともらした久坂部さん。浪曲鑑賞は2回目とのことでしたが、その魅力を存分に味わっておられたご様子。お客さんが帰られたあと、3月12日のことで軽く打ち合わせ。『ブラック・ジャックは遠かった』の感想と共に、学生時代の話をお二人にふり返ってもらう予定です。医学部在学中から小説家を目指していたという久坂部さんですが、恵子さんも「時代劇と相撲が好きで、相撲界に入り込むために東大教育学部に入った」というなかなかの異色の経歴の持ち主。このトーク、かなり盛り上がりそうです。
さらに、「せっかくだし、浪曲の魅力についても聞きたい。わたしは小説、恵子さんは浪曲と、一生をかけて極めたいと思えるものを見つけられたという意味では共通していますよね」と久坂部さん。本の話や学生時代の思い出だけでなく、さらに展開しそうです。久坂部さんのファンや月刊島民読者はもちろん、春野恵子さんファンにもきっと楽しんでいただけるはず。どうぞお越し下さい!
☆お申し込みはナカノシマ大学のホームページからどうぞ。