7月25日の大阪と言えば、天神祭の本宮。その当日の昼間に、中之島のシンボル・大阪市中央公会堂で開催するというスペシャル企画の「丸わかり!天神祭」。平日の昼間にもかかわらず、200人以上の方々にお越しいただき、天神祭の日にふさわしいにぎやかなイベントとなりました。その様子を写真にてダイジェストでご紹介します。
会場はご存じ大阪市中央公会堂。その前には観覧席が準備され、天神祭陸渡御の到着を待っております。雨や夕立にたたられることも多い天神祭ですが、今年は1日中いい天気でした。そのぶん、暑かったわけですが。
続いてこちらは大集会室のロビー。ここでは「御迎え人形パネル展」が開催されていました。御迎え人形とは、船渡御の際に、神さまが乗った船団をお迎えする船が、賑々しく飾って祭を盛り上げようとしたもの。ふだん催しのない時には入れない場所であることもあって、じっくりと眺めていらっしゃいました。
入場の最中の様子。大集会室の中はこんな感じです。とても贅沢な造りに、初めて入るという方は驚いていました。
というような感じでいよいよ第一部の落語が始まっていったわけです。今回ご登場いただいたのは若手のホープと呼ばれる笑福亭たまさん。そしてもうお一人は、たまさんの師匠にあたる笑福亭福笑師匠。落語好きの間では「当代随一」との声もあるほどの名人。なんという豪華なメンバーでしょう!
先に舞台に上がった笑福亭たまさん。まずはおなじみ「ショート落語」で会場を沸かせた後に本ネタへ。この日は「菅原君の祟り」。会社の新人・菅原君を九州へ左遷させた藤原部長の身に、次々と災いが降りかかるという、あらすじだけでクスッと笑ってしまうような話。実はこれ、今回の企画者である髙島幸次先生からのお願いで、「天神祭に関する落語」というお題で今回のためにつくった新作! それを天神祭の当日に聞くという趣向だったわけです。
そして笑福亭福笑師匠。ネタは当日のお楽しみとしていましたが、この日、披露して下さったのは得意ネタの「葬儀屋」。天神祭と関係ないのは? と思いきや、「まあ、どっかで入れますわ」というマクラでのお言葉通り、見事に天神祭の要素を入れ込んだくだりが出てくると、会場からは拍手が起こった。このネタは、やり取りの面白さもさることながら、独特の「間」で笑わせるという性格が強く、福笑師匠の作り出す絶妙の間に、会場全体が引き込まれていくのを感じました。
落語2席が爆笑のうちに終わると、続いて第二部のトークショーへ。天神祭研究の第一人者である髙島幸次先生と、笑福亭たまさん、そして天神祭のボランティアガイドである天満天神御伽衆の一人で、この日の司会も務めて下さった馬場尚子さんの3人による鼎談です。
陸渡御や船渡御のコースがくわしく書かれた地図をスクリーンに映し出すなどして、祭の歴史やどこでどう見ればいいのかを解説。会場を出ればすぐそこでまさに祭が行われているとあって、聞く方も興味津々。その間に、船渡御の船に乗って話したこともある笑福亭たまさんが裏話を紹介して笑いを誘ったりと、こちらも落語に負けない盛り上がりを見せました。
最後はやっぱり、ということで、参加者全員で「大阪締め」。笑って学んで、参加者のみなさんはとても満足そうに会場を後にされました。きっと天神祭を観に行かれたのでしょう。さすが、みなさんのイベントの趣旨をよくわかっていらっしゃる。
天神祭の日に、大阪市中央公会堂で祭と関連したイベントが行われるというのは初めてのことだったそうです。願わくば、毎年恒例になってほしいですね。笑福亭福笑さん、たまさん、何から何までお世話になった髙島幸次先生、馬場さん、そしてお越しいただいたみなさん、どうもありがとうございました!