担当/中島 淳
「天神さんの日」毎月25日に天満天神繁昌亭で開催される「天神寄席」は、髙島幸次先生(歴史学者/大阪天満宮文化研究所所長)がプロデューサー、ブッキングマネージャー、鼎談ホストを務める、国内でも異色中の異色な寄席として注目を集め、10年以上続いている人気番組ですが、10月寄席に際して、鼎談ゲストの橋本幸士さん(京都大学教授)のことを紹介してくれました。
以下、実に髙島先生らしい「くすぐり」と「いけず」がてんこ盛りで、ちょっと期待できます。
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10月25日のゲストは、大阪生まれの天才物理学者・橋本幸士先生です。ちょっとオカシナ先生です。大阪生まれだから? 天才だから? きっとその両方だと思います。どんなにおかしいかと言いますとね。
皆さんは、炊飯器の蓋を開け、炊きあがったばかりのご飯を見たとき、どんなことを思います? 「美味しそうやな」とか、「うまい具合に炊けてるやないか」とかでしょう。ところが、橋本先生はちょっと違う。X(旧Twitter)で、こんな風につぶやいているのです。
「朝、炊き上がった玄米ご飯を覗き込んだら、多数の穴の配列が発見された。ベナール対流が最後に固化したものと思われる。六角格子を組むのか興味が湧いたので、やってみたが、どうも違うらしい。もっと巨大で薄い釜で玄米ご飯たかんと」
やっぱり変でしょう! 橋本先生は、日常生活のすべてについて、物理学的思考法で解決しなければ気が済まないようです。
現在は京都大学教授ですが、以前は大阪大学にお勤めでした。そのころ、私は、落語のイベントでご一緒したことがあります。落語「あたま山」(上方落語の「さくらんぼ」)について、凡人の私が日本史の立場から、橋本先生が物理学の立場から分析する企画だったのですが(「あたま山」をご存じない方は解りにくいかもしれませんが)、橋本先生は、主人公の頭にできた池に、その主人公が飛び込むことができることを、真剣に論証されたのです。
さて、今回の天神寄席でも、私たちが考えれば、あり得ない奇想天外、奇妙奇天烈な噺をお楽しみいただきますが、さて、橋本先生は何を言い出されるのか、ホスト役の私は不安でしかありません。高島幸次
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当日は、「髙島先生が不安になる顔を見る」という楽しみもあります♬
ちなみに、3年前に刊行された集英社の『物理学者のすごい思考法』の著者インタビュー(https://shueishaintbooks.com/n/n1fdf77e90e2c)がまたおもしろい。
橋本先生は1973年生まれで御年51歳。あのイチローと同い年っちゅうのも、なんとなく分かります。
天神寄席は、ナカノシマ大学のサイトから申し込んでいただくとちょっと安くなりますので、こちらからぜひ! →https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20241025