担当/中島 淳
『はにわラソン』の作者、蓮見恭子さんはサービス精神の権化のような人である。
「2月20日(木)のナカノシマ大学に投影する資料がありましたら、前日までに送ってください」とお願いしたら、早々と100ページ以上のパワーポイントが到着した。

蓮見さんは現地取材の際にほんまにたくさんの写真を撮っておられて、この画像もナカノシマ大学のタイトルバックとはちょっと違う時期に撮影したもの
内容は当日のお楽しみだけど、中身は「5部構成」になっている。
第1部『はにわラソン』への道
第2部 古墳とマラソンとの出会い
第3部 古市古墳群の衝撃
第4部 マラソン運営の取材
第5部 羽曳野市のもう1つの顔
ナカノシマ大学にはこれまでにいろんな小説家の方に登壇してもらっているが、ここまで自作に対して「頭の中」を見せてくれる人もほんまにレア中のレアで、そういう意味でも今回のナカノシマ大学は、古墳好きマラソン好き古市好きの人だけでなく、文学好きの人にもお薦めしたい講座である。
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読売新聞2025年2月11日(祝)朝刊
『はにわラソン』の売れ行きも好調だと聞く。2月11日(祝)には読売新聞の大阪府下全域版に、蓮見さんの写真入りインタビュー記事が掲載された。こちらから全文を読めます→ https://www.yomiuri.co.jp/local/osaka/news/20250210-OYTNT50120/
最近の蓮見さんは、「駅伝」「マラソン」を題材にした作品が多いので、「高校時代は陸上部?」だと勝手に思っていたがその逆で、作品をよりリアルに着地させるために走りはじめたという。以下、読売の記事から
構想のきっかけは約10年前。高校女子駅伝を題材にした作品の執筆中、登場人物の目標タイムやペースがイメージできず、「書くために走り出した」という。
(中略)雨にぬれながら声をかけてくれるボランティアらの姿が頭をよぎり、走る側ではなく、裏方に光を当てたいと考えた。コロナ禍でマラソン大会が中止となるなど、取材がスムーズには進まない時期もあったが、「スポーツ小説、ご当地小説、お仕事小説。私自身のキャリアの集大成」という形に仕上がったという。
蓮見さんは「近くにありながら、あまり古墳に親しみがなかったが、実際に歩いてみて面白さに気付いた。どうやったら古墳を『エンタメ』にできるか一緒に考えてもらえたら」と語る。
とある。
作品の登場人物は実に多彩で、主人公・倉内拓也が勤務する「土師市(モデルは羽曳野市)」の市長や市役所の面々をはじめ、土師市の北隣「白鳥市(モデルは藤井寺市)」で働く古代コスプレイヤー「白鳥姫子」こと坂口唯、南隣「山城市」の名産、鴨を売り出すべく被り物で有名な「カモネギ部長」、拓也がいた箱根駅伝の出場校「東都大学」の監督やメンバー、マラソン大会を支援するワイナリーのオーナー、マラソンの開催に反対する地元の有力者たち、元中学校社会科教師で退職後は観光ボランティアをやっている古墳ガイドの女性……と、百舌鳥・古市古墳群をご存じの方は「あの人やん!?」とニンマリしてしまうことだろう。
読売の記事はこう締め括られている。うれしゅうございます。
20日午後6時からは、府立中之島図書館で、蓮見さんが古墳群の魅力や作品の過程などを語る講座(2500円。ナカノシマ大学のウェブサイトで受け付け)も開かれる。
ナカノシマ大学の受講申込はこちらから。
お待ちしております→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250220






