担当/中島 淳
猛暑がどうにかゆっくり去って、「昼間はまち歩きしてもええかな」という季節にイケフェス大阪2026(生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2026=OPEN HOUSE OSAKA 2026)がやって来る。

青山修司さん。青山ビルは元々、野田源次郎邸として建てられたものなので、各部屋が小ぢんまりとしていて居心地がいい。蔦はあの甲子園球場から株分けされたものでいまや「本家」以上に名物だ
今年は10月24日(土)と25日(日)に大阪都心部をはじめ大阪市内・府下各所で開催される。参加建物数224は過去最多だ。
それに先駆けて、いつもイケフェス大阪で全国から「建物推し」のみなさんが殺到する船場近代建築の2大スター、青山ビル(1921年竣工)と生駒ビルヂング(1930年竣工)にちなんだ講座を開催する。テーマは「青山ビルと生駒ビルヂングの 『持ち主は』どんな人だった?」。講師はまち歩きの達人である陸奥賢さんだ。
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ナカノシマ大学は2009年10月1日に座談会「21世紀は街場で学べ!」(講師=鷲田清一、内田樹、釈徹宗、平松邦夫 ※敬称略)でスタートしたが、「建築」をテーマにした講座は早くも2010年8月26日(木)に「目指せ!ビルマニア養成講座」というお題でBMC(ビルマニアカフェ)の方々にそのおもしろさを紹介していただいた。
そして2014年10月、イケフェス大阪がはじまると10月のナカノシマ大学は、牽引者である髙岡伸一先生や倉方俊輔先生をはじめ作家の万城目学さん、建築家の遠藤克彦さん、イラストレーターのコジマユイさんたちに登壇していただいて今日に至っている。
今回の講師である陸奥賢さんは、いわば「建築畑」の人ではない。

生駒時計店会長の生駒伸夫さん。彼の祖父である生駒権七氏が建てた名建築を堺筋平野町の角で守り継ぐ。レンガの風合いがシブい
その時代ごとに流行った建築資材やデザイン、ディテールについて解説するよりも、少々違った角度から入ってくる。
「どんな人物がその建築物を発注したのか」「発注できるだけの資本力があったのはどんな事業をしていたからか」「どんな人物によってその建物は受け継がれたのか」そして「取り壊して最新のビルに改築、という道を選ばずに1世紀を生きながらえているのはなぜか」
そのようなところを、とてつもない資料の中からネタを厳選して話をしてくれる。
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陸奥さんが案内人となるまち歩きは、3桁どころか4桁に達するほど開催されているが、いつも思うのは「地場」についての好奇心と知識の集積。
「地場」の中身は、その土地にいる「人」と「産業」(ひとびとの「生業」)ではないかと勝手に感じている。
そういう人と一緒に街を歩くと、目には見えない街の「記憶」まで垣間見ることができて、とくに歴史の集積が深い大阪ではその「記憶の掘り起こし」がないと、薄っぺらいものになる。

陸奥さんのまち歩きは、大阪市内・府下を問わず広域にわたっている。写真は岸和田市と泉大津市、和泉市に囲まれた泉北郡忠岡町にて。「日露戦争を境に当地での包帯の生産が急増しました」
10月14日(水)のナカノシマ大学では、イケフェスで建物の中に入って見るのとは別の感慨に浸れることと思うので、まち歩き好きにも建築好きにもお薦めしたい。
きっと、「これまでには知らなかった船場」に出会えると思います。お申し込みはこちらへ→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20261014

発行/(一社)生きた建築ミュージアム大阪 発売/株式会社140B 税込1,300円(本体1,182円)
この本も会場で販売します!
























