すでにおなじみの『月刊島民』ですが、先日から8月号「(屋)上を向いて歩こう」が配布開始されています。ビルの屋上や、さらにもっと上の中之島の空を見上げるのもなかなか楽しいのでは、という特集であります。もうご覧いただきましたか?
奈路道程さんの表紙画はこちら。いただいた瞬間、「これはなかなか使い方が難しいのでは」と思ったのですが、果たしてこれがどうなったかというと。
仕上がりはこんな感じとなりました。デザインとしては画面左に水色のラインが入っているだけはありますが、それが空のように見える。すると、白い部分は建物のように見えて、人たちがビルの上を見上げているようにも見えてくる…と、なかなかシンプルながらも奥が深いデザインなのでした。
さて、この号では、センターのページでどんと大きなナカノシマ大学の告知が出ております。教育シンポジウム「街場の学びが目指すもの」です。
「生き延びるための教育論」と題し、鷲田清一・内田樹・釈徹宗・平松邦夫という豪華なメンバーで語り合います。今回のシンポジウムは、4人のうちの平松氏が呼びかけ人となって企画されましたが、その背景にはこんな意図がありました。
先日、大阪市は問題行動を繰り返す児童・生徒を隔離する「特別教室」を設ける方針を示した。また、学校選択制や小学校からの英語教育導入などの政策は、競争を煽り、子どもたちを偏差値によって序列化する狙いがある。それが将来の年収や生活に直結するとなれば、子どもたちは際限のない競争に晒されるか、疲れて学ぶことを放棄するか、どちらかの選択を迫られることになる。 しかし、偏差値や学歴といった固定した学力をいくら身に付けたとしても、世界情勢や景気の動向が変われば必要な能力はあっという間に変わり、不要なものは切り捨てられる。今、求められているのは、予測不可能な社会の中、それでもなんとか生き延びていくセンスと知恵ではないか。4人が揃って学びの場を開いて教えているのも、まさにそんな「生活力」だ。
こうした社会情勢を背景にして、競争から離れた「生き延びるための教育」とは何かを語り合うのが今回のシンポジウム。お気づきの通り、まさにナカノシマ大学のキックオフセミナーの顔ぶれと同じ。興味深いことに、4人それぞれが「身銭」を切って自ら学びの場をつくる動きを始めていることです。
内田氏は神戸・住吉に合気道道場兼学塾である「凱風館」を建てました。釈氏もこのほど「練心庵」を開き、寺子屋のような場を目指しています。また、鷲田氏は自宅に近所の学生を集めて私塾を開いており、平松氏は公共政策ラボを立ち上げさまざまな活動を行っているそうです。
今回は、それぞれの実践の中から得られた言葉を聞けるということで、とてもリアルかつ切実な内容となるでしょう。それはきっと私たちが「今、聞きたい」と思っていることであり、これからの指針となるはずです!
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