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拝啓・古地図サロンから⑥

本渡章のサロン
「古地図ものがたり」

毎回、古地図数点を公開。見るだけOK、話しかけOK、古地図マスターこと本渡章さんがお話し相手をつとめる楽しいひととき。ここでは、1月に開かれた初めてのサロンの様子をご紹介。本渡さんが訪れた人へ宛てたメールの形式で綴ります。

■毎月第4金曜、3:00PM~6:00PM
■大阪ガスビル1階カフェ[feufeu]にて開催


☆2018年6月25日付・本渡章より、これをお読みのみなさまへ。

拝啓

先日、地震がありました。まだ一部の交通機関が復旧作業中ですが、お変わりありませんか。被害にあわれた皆様にはお見舞い申し上げます。

本日、大阪ガスビル1階カフェ[feufeu]にて、午後3~6時、第6回目の古地図サロンをひらきました。今回は開催期間のちょうど半分、折り返しの月に当ります。地震後の梅雨空の晴れ間を見上げつつ、年末まで無事にサロンが進行できるよう願うばかりです。

先月もお知らせしたとおり、10月までは予定通り毎月第4金曜にサロンを開催します。11月はお休み。12月の最終回は、今のところ第1金曜で開催を検討しています。最終回といっても特別なことはしないと思いますが、もしかしたらするかもしれません。とりあえず日程のみ次回お知らせします。今しばらくお待ちください。

さて、今日は前回に続いてゆったりした時間の流れるサロンになりました。何度か来られてなじみになった方が、ぽつぽつと来られて、珈琲など飲まれたあと、サロン・コーナーで展示の古地図を眺め渡し、目にとまった図の前で立ち止まり、しばらく見入って、少しお話して、また見入って、少しお話して、次の図を見て、気がすんだら帰られる。このサイクルの、のんびりした繰り返し。私一人になる時間帯はちょっとだけで、みなさん、阿吽の呼吸で来場の時間帯をずらしておられるようです(そんなわけはないのですが)。

サロンにはほとんど(全員かもしれません)の方が一人で来られて、一人で帰って行かれます。話はたいてい私とされるのですが、来会者同志でうちとけて話される方もいます。質問のかたちで話しかけてこられることが多いですが、疑問を明らかにしたいというよりも、古地図をはさんでちょっと人と会話をしてみたいという雰囲気でしょうか。

中には、私が気づかなかったことを教えてくれる方もいます。今日も吉田初三郎の鳥瞰図に載っているお寺に番号が記されているのを見つけて「これは何でしょう」と尋ねてこられた方がいました。よく見ると、確かにそういうお寺がいくつかあって、他のお寺は番号無しです。どういうわけかと私も首を傾げましたが、おそらく西国三十三所の札所の番号でしょう、という結論に。「よくこんな小さい数字を見つけられましたね」と言うと、その方はうれしそうな顔をされました。

来会者のお名前をきいたり、住所などを記帳していただいたりはしていません。毎回来られても、次回も来られるとは限らないので、どの方とも今日が最後のつもりで接しています。私の知人にはあまり声をかけていませんので、来られる方もほとんどがサロンで初めて知り合った方たちです。サロンでだけお会いして、古地図をはさんでの会話を楽しんで、それだけのサロン。そこが、いいのです。続いているのが不思議に思えてきますが、これもやはり古地図に秘められた力のなせる技でしょう。

ジャンケンは前回に続いて、なんとなんと、またも私の全勝でした。今日の対戦者の中には「通算5連敗中です」という方もいました。勝つ気が全然ないと、反対に勝ってしまうみたいです。あまりに気の毒なので、今回も特別に本日のジャンケン地図(大正の広重・吉田初三郎の鳥瞰図・挿絵が多数載ったベストセラーのガイドブック)をみなさんに見ていただきました。次回は勝って、正々堂々とご覧ください。

カフェ(サロン会場)の松田店長さんから『大正・昭和の鳥瞰図絵師 吉田初三郎のパノラマ地図』(別冊太陽)をいただきました。古書店でしか入手できない貴重本。ありがとうございました。本日の展示に加えたあと、自宅でゆっくり拝見いたします。

 

サロン終了の午後6時。御堂筋は半袖姿が目立ちます。帰宅の人、仕事中の人、飲みに行く人、それぞれの顔が行き交うガスビル前。ちょっとだけ蒸し暑いような6月の夕暮れ。明日の天気予報は雨だそうです。

というわけで、本日の展示の古地図の題名は、次のとおりです。

鳥瞰図ミニ特集(第3弾)
「日本鳥瞰近畿東海大図絵」昭和2年(1927)吉田初三郎・作
「日本鳥瞰中国四国大図絵」昭和2年(1927)吉田初三郎・作
「日本鳥瞰九州大図絵」昭和2年(1927)吉田初三郎・作
「箱根名所図絵」大正6年(1917) 吉田初三郎・作
「UNZEN」大正10年(1921)吉田初三郎・作
「鉄道旅行案内」大正10年(1921)
※全300頁余の本。鳥瞰図・挿絵は吉田初三郎・作
「古京飛鳥路とその周辺」昭和中頃 井沢元晴・作
「京都府蝅葉図絵」昭和4年(1929)金枡長観・作
「びわ湖八景めぐり」昭和初期 京阪電車発行
「近畿名勝遊覧・大阪市街地図」大正7年(1918)
「最新交通遊覧案内地図」昭和9年(1934)
「日本遊覧旅行地図」昭和11年(1936)高橋勝・校閲

 

以上12点、すべて〔原図〕です。この他にナカノシマ大学特製復刻古地図15点、高島屋ギャラリーで展示した特製古地図ポスター6点も展示しました。

★鉄道旅行案内 大正10年(1921)が本日のジャンケン地図でした。

☆〔原図〕とは、発行年が明治であれば、明治のその年に発行されたオリジナル版という意味です。そのほかは原図をもとに作った復刻版です。ナカノシマ大学の復刻版と古地図ポスターはサロンに常設しますが、原図は展示内容が毎回変わります。

なお、本も5冊展示しました。

『古地図で歩く大阪ザ・ベスト10』本渡章(夏の街歩きは給水を忘れずに)
『大阪古地図パラダイス』本渡章(吉田初三郎・作の大阪府鳥瞰図が付録)
『古地図が語る大災害』本渡章(南海トラフ大地震、上町断層地震、どっちも怖い)
『大正・昭和の鳥瞰図絵師 吉田初三郎のパノラマ地図』別冊太陽(初三郎の鳥瞰図がたっぷり)
『江戸切絵図散歩』池波正太郎(江戸の2次元ウォークにぴったり)

 

古地図サロンは御堂筋の名建築・大阪ガスビル1階カフェ[feufeu]にて、毎月第4金曜の午後3~6時開催。どなたでも参加できます。もし、これを読んで興味をもたれた方がおられましたら、どうぞ気軽にお越しください。途中参加・途中退場オーケー、古地図を見るだけでもオーケー、私に話しかけていただいてももちろんオーケーです。

では、次回サロン(7月27日)で、みなさまとお会いできるのを楽しみにしています。

敬具
平成30年6月22日
本渡章

★本渡章のサロン
「古地図ものがたり」

第7回は7月27日(金)15:00〜
大阪ガスビル1階カフェ[feufeu]にて開催します。