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【新刊情報】『生きた建築 大阪 2』

『生きた建築 大阪 2』

著者:倉方俊輔 髙岡伸一
監修者:橋爪紳也
定価:本体1,600円+税
判型:A5判
頁数:192ページ(オールカラー)
発刊:2018年10月23日

 

 

 

いつの時代も建築は、その当時の社会背景や流行を反映して建てられ、建築を見ることは、その街がどのように歩んできたのかを知る手がかりになります。この本では、大阪を代表する建築を時代ごとに紹介する中で、大阪という都市の成り立ちについて考えます。

明治時代に建てられた近代化を象徴する重厚な建築群、大正〜昭和初期にかけての近代建築、そして戦後の高度成長期や大阪万博の空気感をまとった建築から、大阪ステーションシティやあべのハルカスなどの現代建築まで。今なお生き続ける建築の物語を紐解いていきます。

本書の著者のお二人、倉方俊輔さん(右)と髙岡伸一さん(左)  撮影/西岡潔

 

この本の構成について、著者の一人である髙岡伸一さんは、このように語っています。

本書では、53件の建築をおおよそ建設された年代順に並べました。建っているエリアで分類した前書とは、対照的な構成になっています。年代順に読み進めることで、近代から現代に至るまでの建築の変化がわかるだけでなく、そこから大阪という都市の歴史が読み取れるように配慮しました。また建築の歴史は木造からコンクリートへ、そして装飾的な洋風建築から合理的なモダニズム建築へと、必ずしも単線的に進化したわけではない、ということにも気づいていただけると思います。大阪という限られたエリアの中でも、常に建築は多様な可能性に開かれていたのです。

そして本書が歴史の教科書と大きく異なるのは、年代順に並べられたすべての建築が、私たちと共に現代に「生きている」ということです。それぞれが固有の物語を内包する建築の集積として都市はあり、私たちは複数の時空が絡まり折り畳まれた、実に豊かな多次元の空間を生きているのです。それこそが、都市という人類最大の創造物の魅力なのだと思います。一つひとつの建物は、その時空間への入口であり、本書が扉を開くきっかけになれば幸いです。

(髙岡伸一「まえがき」より)

 

生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪の盛り上がりに見られるように、今や大阪は建築の街といっても過言ではありません。その街を歩くのにぴったりのガイドとしても、建築史の教科書としても役立つ1冊です。シリーズの第1弾である『生きた建築 大阪』やイケフェス大阪の公式ガイドブックと合わせて、ぜひお読みください!

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