2019年11月29日・本渡章より、これをお読みのみなさまへ。
〈今回の目次〉
■新・古地図サロン(11/22)のレポートと次回予告
●10/18・11/1|大阪狭山市「大阪古地図から見た狭山」講座レポート
●10/28・11/11|朝日カルチャーセンター中之島「天保山ウォーク」レポート
●12/14|船場大阪を語る会「大坂三郷から大阪24区まで」講演・予告編
●2020年1/15|ナカノシマ大学「古地図で謎解き・なにわ七不思議」講座・予告編
●2020年1〜3月|朝日カルチャーセンター中之島「新・古地図地名物語」講座・予告編
●2020年3/14|住まいのミュージアム「災害古地図に学ぶもの」講座・予告編
●その他(出版関連)
■新・古地図サロンのレポート
開催日:11/22(金) 午後3~6時 大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて。
当日の天気予報は雨でしたが、3時過ぎからぽつぽつと来場が続き、4時にはテーブルをぐるりと囲む輪ができました。途中で、サロンをいつも応援してくれている「島民」編集部の大迫さん、山國さんのとび入りもあり、船場大阪を語る会の西岡さん、井ノ上さんの参加もあって、今年最後のサロンはなかなかに賑やかでした。マイ虫メガネ持参で古地図を熱心に覗き込む光景もおなじみになりました。
今回は、私が子供時代を過ごした港区にちなんだ地図がメインです。江戸時代の地図からはみ出た天保山、明治時代の砲台のある天保山、遊園地がいっぱいある昭和初めの大阪港周辺、港とひとつだった昭和中期の大正区・此花区。それぞれの地図をいっしょに見ながら、お話しました。大阪築港にあった(今もある)高野山は、案外とご存じない方が多いと思います。この話の発端は、空海が遣唐使の船で大阪を出発した時代にまでさかのぼります。築港には天保山誕生にあわせて鎮座した港住吉神社もあり、港の進化に神仏も一役かっていたのです。
港区に載っていた「パラダイス」も目を引いたようで、このエリアが一時期、大阪のエンターテインメントゾーンを形成し、今もその名残があることにも触れました。明治維新以後の近代化を牽引したエリアでもあり、個人的にも思い入れのある港の話を聞いていただけたので、私としては一年の締めくくりができた気分です。その場のみなさんから随時、突っ込みや合いの手の一言も入り、この臨場感は、お互いの距離が近いサロンならではのものだなとあらためて思った次第です。
さて、来年もこのサロンは続きます。3年目に入りますので、新たな趣向として、年代不明の古地図の発行年をみんなでよってたかって推理してみることにしました。とりあえず、下記の★印の明治初期の地図について、いったいほんとのところは明治何年の発行なのか考えてみます。あまり気張らず、気楽に、ああでもないこうでもないというやりとりができればいいなと思います。新しく参加される方は、見るだけ、聞くだけでも、もちろんかまいません。敷居の限りなく低いサロンです。
本日、また参加者の方から寝屋川の水源にまつわる資料など、いただきました。ありがとうございました。最近、いただきものが続いています。こう書くと、何やら催促しているようですが、そういうわけではありませんので、気をつかわず手ぶらでお越しください。
というわけで、2019年の更新はこれで終わりです。次回更新は来年1/24のサロン終了後になります。2020年もよろしくお願いいたします。
今回のサロン古地図
《原図》
・改正摂津大坂図 天保13年(1842)
★改正新版大阪市街新図 明治初期
・大阪港之図 昭和6年(1931)
・近畿遊覧交通略図 昭和10年(1936)
・大阪市案内地図 昭和15年(1940)
・大阪府管内地図 昭和21年(1946)
・此花区詳細図 昭和28年(1953)
・最新大正区詳細図 昭和中期
《冊子》
・大阪港の復興と其の沿革並現勢
(折込地図数点)昭和10年(1935)
《復刻》
・摂州平野大絵図 宝暦13年(1763)
他に復刻版古地図約10点。
★次回は1/24(金)午後3~6時 会場は大阪ガスビル1階カフェにて開催。私のトークは午後4時頃からです。テーマは「明治の大阪地図」を予定しています。
サロン参加は無料(但し、カフェで1オーダーして下さい)。途中参加・退出OK。
★2020年も奇数月の第4金曜に開催します。
【最近の主な古地図活動】
●10/18・11/1の大阪狭山市「大阪古地図から見た狭山」講座レポート
10/18午前10~12時は大阪狭山市公民館にて座学。主に大阪府の明治・大正・昭和初期の地と地質図を見ながら、南河内・狭山地域の地理的個性についてお話しました。ここは摂津・河内・和泉の歴史がまじわる交差点で、地質にも特徴があり、面白いエリアです。ちなみに大阪狭山市は私の現在の地元です。
11/1午前10~12時、国史跡の狭山池周辺(岩室観音・西高野街道・池尻城跡・狭山藩陣屋跡・旧末永博士邸など)を歩きました。アップダウンの多い道でしたが、晴天に恵まれ気もちのいいウォークでした。
大阪狭山市立公民館→ https://www.osakasayama-kouminkan.jp/
●10/28・11/11の朝日カルチャーセンター中之島「天保山ウォーク」レポート
秋と春は街歩き講座です(冬と夏は教室で「古地図地名物語」)。
10/28の10~12時は教室講座。古地図を見ながら大阪港、天保山の変遷をたどる。大阪港は(たぶん)永遠に未完成の港です。その波乱万丈の歴史をお話しました。
11/11午前10~12時半は天保山歩き。築港高野山、港住吉神社、築港レンガ倉庫、中央突堤(ダイヤモンドスポット)、天満屋ビル、商船三井築港ビル、天保山頂上その他。中央突堤の先端からの湾岸の眺望、楽しんでいただけたでしょうか。
お問い合わせは☎06-6222-5222 または「朝日カルチャーセンター中之島」で検索を。
●12/14の船場大阪を語る会「」大坂三郷から大阪24区まで」講演・予告編
12/14(土)午後1時30分~4時、愛日会館(大阪メトロ各線・本町駅徒歩5分)にて。「大坂三郷から大阪24区まで-古地図が語る街の過去と未来-」がテーマ。江戸時代の大坂三郷をルーツに、4区→13区→15区→22区→26区→24区へと変貌した150年間の「区」の軌跡(源は人口問題にあり)。船場と関わりの深い東区・南区(現・中央区)の足跡なども。当日参加OK。
問い合わせは船場大阪を語る会まで。同会の事務局は、愛日会館☎06-6204-4100
●2020年1/15のナカノシマ大学「古地図で謎解き・なにわ七不思議」講座・予告編
2020年1/15(水)午後7~8時30分、大阪市中央公会堂にて。とても人間臭いメディアである古地図には、まるで人間みたいにわけのわからない一面を、しばしば見せてくれます。小さな不思議から大きな不思議まで、七つ集めてみました。いつものナカノシマ大学古地図講座とは趣向を変えてお送りする令和版のなにわ七不思議をお楽しみください。参加者全員に古地図グッズ進呈。
ナカノシマ大学の情報→ https://nakanoshima-daigaku.net/
●2020年1~3月の朝日カルチャーセンター中之島「新・古地図地名物語」講座・予告編
大阪24区はそれぞれが独自の区史を持っています。2020年に予定されている都構想をふまえた住民投票で「区」の運命が決まりますが、投票の前に「区」とはいったい何なのか知っておきたいものです。第1回は「区」のルーツ、大坂三郷。第2回は東区(現中央区)。第3回は南区(現中央区)です。
2020年1/24(金)・2/28(金)・3/27(金)午前10時30分~12時。
問い合わせは☎06-6222-5222 または「朝日カルチャーセンター中之島」で検索を。
●2020年3/14の住まいのミュージアム「災害古地図に学ぶもの」講座・予告編
大阪メトロ天六駅にある住まいのミュージアム(暮らしの今昔館)にて開催の「住まいの大阪学」連続講座の第3回に登場します。テーマは「災害」。私の回は3/14「災害古地図に学ぶもの」。古地図に描かれた大阪の災害を通して、災害と向かい合ってきた人々の知恵を読み取りたいと思っています。
住まいのミュージアム(暮らしの今昔館)→ https://www.sumai-machi-net.com/
●その他(出版関連)
☆2006年刊の『大阪名所むかし案内』、2007年刊の『奈良名所むかし案内』(いずれも創元社)を新たにサイズも中身もアップした図典シリーズ(タイトル考慮中)として出版します。とりあえず奈良編が2020年2月頃に出版される予定です。大阪編もその数か月後に出ます。
☆ナカノシマ大学の「大阪24区物語」3回シリーズ講座をもとに書き起こした原稿は、出版元の140B編集部が現在超繁忙期とのことで、刊行は2020年の中頃になる予定です。とはいえ、半年なんて、あっという間。それまではナカノシマ大学の新講座、古地図なにわ七不思議(上記参照)をお楽しみください。