担当/中島 淳
11月20日(金)のナカノシマ大学は、6月26日(金)に予定していた講座の 「リターンマッチ」である。

その日、大雨警報が出て午前中に近鉄や南海が不通となり、堂島川も土佐堀川も水嵩が増してきたので慌てて本田さんに「すみません延期させていただきます」と連絡して、羽田空港に向かうタクシーの中だったのにキャンセルしていただいた(ほんまにすみませんとしか言いようがない)。
なので11月20日(金)は「きっと晴れる!」と信じているが本田さんは「ワタクシ、そうとうな雨女ですので(今のところ80〜90%)」ということなので、警報が出ない程度だったらそれはそれでおもしろいかもしれない(笑たらあきませんが)。
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さて、6月に書いたブログ「思わぬ本に登場する『小林カツ代』の足あと(その2『古本食堂』)」を見直してみたら、大事なところで尻切れトンボになっていた。
以下のようなところで「次回に」と無責任に締めくくっている。
「もしかしたら、今回登壇される本田明子さんは、初版にもこの文庫版にもかかわっていたのでは?」

文字とくぼあやこさんのイラストのみ。写真は1枚もないけど、とても見やすくて読みやすい(ハルキ文庫・924円税込)
と思ったら「案の定」どころか、「お弁当」が小林カツ代と本田明子をつなぐ最重要アイテム、ということを、本田明子さんがこの文庫に寄稿した巻頭文から知る。それをこの後に書くのは字数が足りないので、次回のブログでご紹介させていただきます。
そう書きながらも当日が来てしまい、延期になった。この続きからはじめないと。
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初版が出てから約40年が経過しているのにテキストが色褪せず、2022年に文庫版が発刊された『ハッと驚くお弁当づくり』の冒頭は、本田明子さんの「念願かなって小林カツ代に弟子入りした早々に」告げられたひとことからはじまる。
短大2年生の時だった。卒業の3月まではノホホンと、撮影のある日だけ呑気に通っており、明日から4月というときに、そのミッションは告げられたのです。
「明日からここにいる全員のお弁当を作ってくること」「1個500円で売って、その売り上げで翌日の弁当の食材を買う。食材が100円なら、400円の利益になるでしょ」
そして、それは次のお弟子が来るまでの間、2年半ほどの修行でした。
本田さんは「片っ端から本を探し、雑誌をよみまくり、美味しいといわれたくて」毎日4〜6個のお弁当を作って出勤する。それらを持って混んだ電車やバスに乗るのも大変だったと思う。そして「師匠」や助手さんたちに渡すのである。
修行初日のことです、味がぶつかっては嫌だなとアルミケースを仕切り代わりに使っていわれたのは、明日から仕切りもアルミケースも使わないこと。「えーーーーーーーーーーーーーーっ、仕切りもなし!!」
師匠のカツ代は「隣同士がくっついても嫌じゃないおかずを組み合わせること」「パズルのように考えればいい」「冷めてこそ美味しいおかずを考えてみる」というお題を本田さんに与えたのである。そして本田さんはこの「お題」をじきにクリアする。
師・小林カツ代がよく言っていた言葉があります。世の中にはレシピは星の数ほどある。コツとその理由を覚えれば、すべてのレシピに使えるから応用も利くし、レパートリーは増え、「美味しい」が増えるのは楽しい。だから、コツと理由は大事であると。(『ハッと驚くお弁当づくり』より本田明子さんの冒頭文)
この「本田明子お弁当作り千本ノック」の経緯を、小林カツ代は当時の担当編集者に話したようで、それがきっかけとなって『ハッと驚くお弁当づくり』という本(原題は『お弁当づくりハッと驚く秘訣集』)が誕生したということを考えると、とても感慨深い。
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なぜ感慨深いのか。それはこの本を読んで自分でもいつの間にか、弁当を作って出勤する生活をしているからである。

お弁当箱は意外に大きくて、茶碗1杯ぐらいでは全然足りなく感じてしまうのが微妙なのであるが
きっかけは、ほんの些細なことだが、ほとんど毎日のように行っていた老夫婦の定食屋が「店じまいした」ことで、代わりになる店をいろいろ探していたが、時間が合わなかったりすぐに売り切れたりとかで、自分のペースでお昼をいただくのがけっこう大変だなと思ったからである。
そういう意味では、弁当を持っていると「自分のリズムとペースでお昼がいただける」のでありがたい。もちろんこの本に書かれていることの1割もまだ実践できてはいないが、「冷蔵庫の在庫」「前日の食卓に上ったもの」を覚えておけば、「隙間に埋める食材」ぐらいを考えたら何とか形にはなる。
本日11月2日(月)の弁当は、昨日の昼に食べる予定だった「豚肉と野菜のトマトソース炒めカレー粉風味」を下に敷いて、その上に玄米ご飯をのせ、ふりかけをかけて、紫蘇の葉を散らして、ちくわと茹で玉子、たくあん、ミニトマトで色目を整えたもの。
生野菜は水分が大事なのでそこまではやらず、コンビニでコールスローなどを買って食べている。いつまで続くやら……であるが、ひと月続けてみると意外に苦ではなくなったことに、ちょっと驚いている。
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小林カツ代と本田明子の師弟本を読むことは、「自分の食生活のあたらしい扉を開く」ことでもあると最近つくづく実感しているので、あの「きょうの料理」でお馴染みの本田さんから目の前でお話をしてもらうと、きっとまたあたらしい発見があるはずです。
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