‘未分類’ カテゴリーのアーカイブ

作家の朝井まかてさん、4年ぶりで「天神寄席」に

2025年4月10日 木曜日

担当/髙島幸次(大阪天満宮文化研究所所長・天神寄席プロデューサー)

4月25日(金)「天神寄席」のゲストは、作家の朝井まかてさんです。あの売れっ子作家の3回目のご出演となりました。まかてさんが(なぜか「朝井さん」ではなく「まかてさん」ですね)、如何にすごい作家かを知っていただくには、その受賞歴を見れば、驚き・桃の木・山椒の木です。Wikipediaの「主な受賞歴」欄には次のようにあります。

4月25日(金)天神寄席のチラシ。ナカノシマ大学のサイトから申し込めば当日3,500円が2,300円で入れます

『実さえ花さえ、この葉さえ』小説現代長編新人賞奨励賞(2008年)

『恋歌』本屋が選ぶ時代小説大賞(2013年)

『恋歌』直木三十五賞(2014年)

『阿蘭陀西鶴』織田作之助賞(2014年)

『先生のお庭番』徳間文庫大賞(2015年)

『すかたん』大阪ほんま本大賞(2015年)

『眩(くらら)』中山義秀文学賞(2016年)

『福袋』舟橋聖一文学賞(2017年)

『雲上雲下』中央公論文芸賞(2018年)

『悪玉伝』司馬遼太郎賞(2018年)

〈数々の名作を出版した功績を讃えて〉大阪文化賞(2018年)

『グッドバイ』親鸞賞(2020年)

『類』芸術選奨(2021年)

『類』柴田錬三郎賞(2021年)

 

なんと、14年間に14賞ですよ。同じくWikipediaによれば、これまで出版された長編小説は25冊だといいますから、受賞歴は5割超えです。こんな作家が他にいるでしょうか。

このように書くと、眉間にシワを寄せて、資料の山の中で執筆している小難しい作家さんのイメージが浮かぶかもしれませんが、ご安心ください。素のまかてさんは、楽しい天然キャラのかわいい方です。

まかてさんの小説『悪玉伝』の角川文庫解説には「酒宴の席における朝井まかては、なんとも可愛い天然のやらかす人である」と書かれているくらいですから(書いたのはボクですけどネ)。

そういえば、昨年11月の「なにげに文士劇」でも、一人でやらかしてはりました(その様子は鼎談でお話ししましょうか)。

税込2,200円(徳間書店刊)

過去の「天神寄席」へのご出演は、2015年11月と2021年1月でした。1回目のテーマは「すかたんな人々」、2回目は「悪玉商人と善玉商人」、そして今回は、昨年9月刊行の『青姫』(徳間書店)にちなんで「異郷を垣間見る」です。

『青姫』の帯には、「武士と悶着を起こして村を出奔した若者・杜宇(とう)が迷い込んだのは、不思議な地。自由経済で成り立ち、誰の支配も受けない『青姫』の里だった」とあります。

まかてさんは、これまでに数々の歴史小説、時代小説を著してこられましたが、今回の作品は、それらとはちょっと違った幻想的な小説です。異郷にちなんだ落語5席の間の鼎談では、朝井まかてさんと桂春若師匠と私・髙島が、不思議なファンタジーな世界の魅力についてお話します(よう知らんけど)。

4月25日(金)天神寄席の申込はこちら→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250425

お待ちしております!

鷺珠江さんから河井寛次郎と民藝、リーチバーの話を聞く

2025年4月9日 水曜日

担当/中島 淳

2週間後の4月23日(水)に迫ったナカノシマ大学「炎の人、言葉の人。生誕135年、陶工・河井寛次郎と大阪」に登壇される河井寛次郎記念館学芸員の鷺珠江さん(寛次郎の孫)に、ゆかりの地の一つ、リーガロイヤルホテル1階の[リーチバー]でお話を聞きました。こちらをご覧ください。https://www.theroyal.rihga.com/story/2025_butai-kawai-kanjiro/

                          *

筆者は京阪七条から東大路通を歩いて訪ねることが多く、その場合は「馬町」交差点から西に入り、最初の角(市川屋珈琲)を右折するとこの外観が見える

筆者の「河井寛次郎」のとっかかりはご本人ではなく(亡くなったのは小学校2年の時だったし)、15年以上前に京都の雑誌『キョースマ!』(淡交社)を編集していた関係で記念館にお邪魔した際に案内してくださった鷺さんがはじまりだった。

仕事で毎日のように京都のいろんな人と会うことがあり、勉強になることは実に多かったがその反面、「あ〜、ここに住んでなくてよかったわ〜(京のみなさんすみません)」と感じていた自分にとって、上機嫌な空気を振りまいていた鷺さんとの出会いはとても新鮮だった。

そのときか(あるいは次のとき)、鷺さんが「よろしかったら母とお話ししませんか」とおっしゃってくださり、離れにおられたお母さまの須也子さん(故人・寛次郎の一人娘)宅に図々しくホイホイとお邪魔し、記念館となる前の河井寛次郎宅を建てた当時のお話などを聞いた。

須也子さん的には、寛次郎の図面に従って現場で奮闘していた大工さん(寛次郎の兄)がとてもカッコよく、まだ子ども心にも「色気のある人」だったと楽しそうに語っておられたのが忘れられない。

「鷺さんに輪をかけて上機嫌オーラがスゴい」

もうすっかりリラックスして、その時から「この母娘を育てた河井寛次郎という人は知る価値のある人だ」と思った次第で、大作家には申し訳ないが陶芸作品から入った訳では決してなかった。そんなアプローチもたぶん寛次郎さんは許してくれるかと思う。

誕生から105年。大正9年(1920)に寛次郎が開いた「鐘溪窯(しょうけいよう)」。記念館の敷地奥

筆者は作品も好きになったが、それ以上に河井寛次郎の「言葉」のファンになった。世界のどこの国の、どんな仕事をしている人間の心も射抜く言葉が実にたくさんあると思う。例えばこちら。

「新しい自分が見たいのだ−−仕事する」

 

「自分探し」の旅なんかしなくても、日々の仕事の中に好きな自分も嫌いな自分も古い自分も新しい自分もぜ〜んぶ出てくるのだなぁと、短いが強いこの言葉にいつも感じ入っている。

                          *

河井寛次郎記念館にも似た、このリーチバーの空気に改めて浸りたいと、昨日、大阪中之島美術館の帰りにお邪魔したら、なんと火曜日だけ定休日でした(涙)。みなさまどうぞお気をつけられたし。

リーチバーにて鷺珠江さん。視線の先には祖父の作品がある(撮影/川隅知明)

ちなみに、ナカノシマ大学の申込状況は85%を超えているので、みなさんどうぞお早めに。

こちらからアクセスしてください。https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250423

 

ヤマノウさんが目の前で語る『歩いて読みとく地域経済』

2025年3月11日 火曜日

担当/中島 淳

3月18日(火)のナカノシマ大学で「メディアタウン扇町の 意外すぎる歴史と、いま」というお題で講義してくれる山納洋さん(大阪ガスネットワーク エネルギー・文化研究所員)の新刊『歩いて読みとく地域経済〜地域の営みから考えるまち歩き入門』(学芸出版社)を読んだ。

本は3月12日(水)発売。山納さんの拠点の一つ、扇町ミュージアムキューブ1階の[談話室マチソワ]でも買えます!

手練れのまち案内人かつ地域分析のエキスパートが書いた本であるが、ページを開けると「私たちのまちの成り立ちを知る」という感じの、小学校で習った社会科教科書の副読本のような、懐かしい匂いがした。

山納さんが目の前で話してくれるように分かりやすくてフレンドリーな筆致なので引き込まれる。

写真3はJR姫路駅前にある、手延べそうめん「揖保乃糸」の看板です。ネオン看板はかつては大阪にも神戸にもありましたが、今となっては絶滅危惧種です。長く残ってほしいものです。

「揖保乃糸」はテレビCMも流していますが、ひとつの工場で作っているのではありません。そうめんを作っているのは兵庫県手延素麺協同組合に加盟する、つまり多くの生産者によって構成された組織なのです。原料は組合が組合員に支給または指定し、製造方法の指導を行い、厳密な検査を実施して商品のクオリティを保っています。

(『歩いて読みとく地域経済』より「二毛作地域の産物」)

山納さんがイベントやプレゼンの場などで話しているのを聞いたことがある人は同意してくれるだろうが、この文体は山納さんの語り口そのまんまです。「地域経済」というちょっとカタそうな字面でも入りやすい。目に入る視覚情報から順番に掘り下げて、「地域経済」の本質に迫っていく。この姫路や龍野のような土地の話が章ごとに展開されていく。

当たり前のことだけど、一つの土地で産業なり商売なりを立ち上げて根づかせ、それを続けていくことの大事さや困難さを考えたら、本当に気が遠くなる。けれどそういう先人がいたからこそ今の生活やまちがあるのだし、地域の産業なり商売なりがその土地の「代替不可能なキャラクター」として地元の人にもよその人にも認知されて育っていく。

本はどの章から、どの地域から読んでいただいても面白くて頭に入るが、第1章の「生活史のリテラシー」だけは最初に読もう。山納洋という人の「アタマの中」を公開してくれる。

まちを歩いていると、目の前にさまざまな「謎」が立ち現れます。そうした時には近くのお店で尋ねたり、ネットで調べたりします。するとそこから、そのまちの新たな側面が明らかになってきます。大事なことは、こちらから何らかの働きかけをしないと、謎は謎のままで終わるということです。

(『歩いて読みとく地域経済』より「まち読みのために その1」)

と書いた後で、「新開地の立ち食いうどん屋はどうしてパチンコ屋の前にあるのか」という、山納さんが主催するまち歩き“Walkin’About”の参加者の話を紹介している。こういう文章を読むと「まち読み、って誰でも気軽に参加できるんだ」と思ってしまえる。

大阪ガスで働いている人に、山納さんの話を聞いたことがある。曰く

「ヤマノウはね、とにかく目がカメラなのよ。本を読んでも写真を見ても、たちどころに画像情報として記録していく。その量と精度が半端じゃない」

 

NHKに「100カメ」というおもしろい実況エンタテインメント番組があるが、山納さんはいわば「ひとり100カメ」の人だろう。

そのまちに入った瞬間、さまざまな視覚情報が飛び込んでくるのだが、それらをカメラで記録するように脳内に取り込み、そして店に入ったり道ゆく人に聞いたりして、聴覚情報や味覚情報からその地域の「像」を言語化していく。『歩いて読みとく地域経済』はその集大成の一つだ。

あなたが登場しているまちに全く土地勘がなかったとしても、山納さんの目に映ったまちの風景写真や細かい地図を見ていると、ごりごりと掘り進んでいける。そんな知的かつ身体的プロセス(何せ、六甲全山縦走56kmを8時間台でやってのけるスーパー健脚ですから)を、本の中で追体験できるような楽しみにも溢れている。そして「続きはあなたがこの地域を歩いて体験してください」である。

3/18(火)ナカノシマ大学でも『歩いて読みとく地域経済』を販売。講座終了後はサイン会なのでお楽しみに

そんな山納さんが今回のナカノシマ大学でとり上げるお題は、30年以上働いて親しんでいるホームグラウンド「扇町」。

過去の話を掘り下げ、かつ自らのフットワークを駆使してネタをごりごり掘っておられる最中なので、どうぞお楽しみに!

ナカノシマ大学の申し込みはこちら→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250318

扇町、ヤマノウさんの「談話室マチソワ」本談義

2025年2月25日 火曜日

担当/中島 淳

3月18日(火)のナカノシマ大学「メディアタウン扇町の意外すぎる歴史と、いま」に登壇する山納洋(やまのう・ひろし)さんは、まち歩きの主催や地域プロデューサーとして、あるいはミーティングの名ファシリテーターとして有名な人だが、大阪ガスネットワーク株式会社エネルギー・文化研究所の研究員というのが本職だ。

山納さんのプロフィールだけを見てもA4用紙がぎっしり埋まってしまうほどたくさんあるので、それはこちらを見ていただくことにして……→ https://www.og-cel.jp/area/h_yamanoh/index.html#l03

この日(2月22日)は、山納さんが2023年秋から拠点の一つにしている、劇場・映画館の複合施設「扇町ミュージアムキューブ」1階のカフェ[談話室マチソワ]にお邪魔した。マチソワの店主は3人いて、その一人が山納さんである。HPにはこうなっていた。

大テーブルでメモを取る人、小テーブルから参加する人……堅苦しくないのがええ感じ。山納さんは「店主」なのでカウンターでコーヒーを淹れつつ、トークに参加していた

 

この日のイベントは

■BIBLIOPHILE’S CAFE(本を紹介する会) 店主:やまのう

2/22(土) 16:00-18:00 参加無料(1ドリンク制)

お気に入りの本、面白かった本を持ってきて紹介し合う会です。

というもの。

この[談話室マチソワ]は、街場のカフェとはちょっと違っていて、趣旨をこのように紹介している。

※以下、談話室マチソワHPより

 

人々が集まり、お茶を飲みながら知らなかった人とも話ができるお店。自然なかたちでつながりやアイデアが生まれる。どこからも自由な、リラックスできる場所。マチソワはそんな空間です。

マチソワでは、スタッフがお客さんに話しかけ、お客さんの話に耳を傾けます。情報を発信するだけでなく、受け皿ともなり、有機的につなぎ合わせ、開放するメディアとして、劇場の片隅にひっそりと佇んでいます。

 

扇町ミュージアムキューブの廊下とマチソワの間には扉がない。「面白そうだな」と思ったらスッと入っていける。

知らない同士で話をするのが「ここでは普通」であるとみなさん認識しておられる。

みなさん、山納さん同様に聞き上手で、ひとりが本を紹介すると、次々と質問が出てきたり、自分の経験を語ったりして、それで話が盛り上がって……という好循環が続く。

読むべき本のネタは仕入れられるわ、自分の読んだ本についても興味を持ってもらえるわ、ですこぶる楽しかった。これも主催者の人徳であろう。山納さんは各人の「お気に入り本」の話が広がりすぎて制限時間をオーバーした時だけ、サッと切り上げて次の人に移る。そのあたりが実にウマい。

この日、参加者がとりあげた「お気に入りの本」は以下の通り。

●中村博史『大阪城全史』(ちくま新書)

●中島岳志・磯崎憲一郎・若松英輔・國分功一郞『「利他」とは何か』(集英社新書)

●石川智久『大阪 人づくりの逆襲』(青春新書)、『大阪が日本を救う』(日経BP)

●北川央『おおさか図像学』(東方出版)

●山田鐘人・作、アベツカサ・画『葬送のフリーレン』(小学館)

●『日本の家紋とデザイン』(パイインターナショナル)

●雑誌『デザインのひきだし』(グラフィック社)

「大阪の本推し」の人が3人いた。

山納さんの本の解説はフレンドリーかつ理路整然としていて、聞く側のストレスが全くない

会の最後に、山納さんから「お気に入り本」の紹介があった。

●山崎亮『面識経済』(光文社)

これも読みたくなりました。
ちなみに、この日筆者が推したのは

⚫︎河井寛次郎『蝶が飛ぶ 葉っぱが飛ぶ』(講談社文芸文庫)

山納さんは3月18日(火)のナカノシマ大学に「扇町」というお題で講義するが、実はこの「扇町ミュージアムキューブ」は15年前まで大阪市水道局のビルで、水道局が移転した部屋に「MEBIC大阪(現在は本町の大阪産業創造館17階にある)」というクリエーターを育てるインキュベーションの拠点があって、山納さんはそこで働いていた。

その前は、神山の交差点近くにある小劇場演劇の拠点「扇町ミュージアムスクエア」にいたというから、まさに扇町の申し子のような人である。

だからナカノシマ大学は面白くなることは確実だと思うが、次回はもう少し扇町のことを書きます。

 

ナカノシマ大学の会場、中之島図書館が使いやすくなった!

2025年2月19日 水曜日

担当/中島 淳

ナカノシマ大学の会場である大阪府立中之島図書館は明治37年(1904)竣工の重要文化財。

ナカノシマ大学の会場(3階多目的スペース)へは2階正面玄関から入り、中央の曲線階段を登るか、カフェのある南端から上がるかのどちらかで

カメラやスマホを構えてパチパチ撮りたくなるディテールには事欠かないが、このような「年代物の近代建築物」は反面、使いづらさももちろんある。

「会場の3階まで階段上がるのしんどい」

「トイレ行くのにまた階段下りるの面倒だし」

 

というご意見が寄せられていた。ほんまによう分かります。

私たちスタッフも、会場で本を販売するとか、配布資料がたくさんあるときに階段を上り下りするのはちょっとなぁ……という感じでした。

それがこの2月から改善されました。

正面玄関に入らず、右(南)に歩いて、突き当たりを左折(東へ)してください。

北浜駅や栴檀木橋(せんだんのきばし)を渡って図書館に来られる方は、こちらの入り口の方が近いかもです

そうすると真新しい建物が待っている。こちらが「新館」で、本館とは階上でつながっています。自動ドアを入るとエレベーターがあるので、「本館3階連絡通路」のボタンを押してください。

ナカノシマ大学の会場は「3階多目的スペース」だがここは「4」を

本館連絡通路のフロアに着くと、あとは直進するのみです。

 

 

矢印の誘導に従って直進しましょう

 

 

 

 

 

これまでに見ることのなかった、年代モノの眺めでした

 

 

窓越しに中央のドームが望める新鮮な景色を見ながら、突き当たりを左に入れば会場です。どうぞお試しあれ。

それでは、明日のナカノシマ大学、作家・蓮見恭子さんによる「小説『はにわラソン』の作者が古墳の郷・古市の魅力を語る」、お待ちしております。

受講お申し込みはこちらまで(20日15時で締切)→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250220

 

 

蓮見恭子さん入魂のナカノシマ大学資料109ページ!

2025年2月17日 月曜日

担当/中島 淳

『はにわラソン』の作者、蓮見恭子さんはサービス精神の権化のような人である。

2月20日(木)のナカノシマ大学に投影する資料がありましたら、前日までに送ってください」とお願いしたら、早々と100ページ以上のパワーポイントが到着した。

蓮見さんは現地取材の際にほんまにたくさんの写真を撮っておられて、この画像もナカノシマ大学のタイトルバックとはちょっと違う時期に撮影したもの

内容は当日のお楽しみだけど、中身は「5部構成」になっている。

第1部『はにわラソン』への道

第2部  古墳とマラソンとの出会い

第3部  古市古墳群の衝撃

第4部  マラソン運営の取材

第5部  羽曳野市のもう1つの顔

ナカノシマ大学にはこれまでにいろんな小説家の方に登壇してもらっているが、ここまで自作に対して「頭の中」を見せてくれる人もほんまにレア中のレアで、そういう意味でも今回のナカノシマ大学は、古墳好きマラソン好き古市好きの人だけでなく、文学好きの人にもお薦めしたい講座である。

読売新聞2025年2月11日(祝)朝刊

『はにわラソン』の売れ行きも好調だと聞く。2月11日(祝)には読売新聞の大阪府下全域版に、蓮見さんの写真入りインタビュー記事が掲載された。こちらから全文を読めます→ https://www.yomiuri.co.jp/local/osaka/news/20250210-OYTNT50120/

最近の蓮見さんは、「駅伝」「マラソン」を題材にした作品が多いので、「高校時代は陸上部?」だと勝手に思っていたがその逆で、作品をよりリアルに着地させるために走りはじめたという。以下、読売の記事から

構想のきっかけは約10年前。高校女子駅伝を題材にした作品の執筆中、登場人物の目標タイムやペースがイメージできず、「書くために走り出した」という。

(中略)雨にぬれながら声をかけてくれるボランティアらの姿が頭をよぎり、走る側ではなく、裏方に光を当てたいと考えた。コロナ禍でマラソン大会が中止となるなど、取材がスムーズには進まない時期もあったが、「スポーツ小説、ご当地小説、お仕事小説。私自身のキャリアの集大成」という形に仕上がったという。

蓮見さんは「近くにありながら、あまり古墳に親しみがなかったが、実際に歩いてみて面白さに気付いた。どうやったら古墳を『エンタメ』にできるか一緒に考えてもらえたら」と語る。

とある。

作品の登場人物は実に多彩で、主人公・倉内拓也が勤務する「土師市(モデルは羽曳野市)」の市長や市役所の面々をはじめ、土師市の北隣「白鳥市(モデルは藤井寺市)」で働く古代コスプレイヤー「白鳥姫子」こと坂口唯、南隣「山城市」の名産、鴨を売り出すべく被り物で有名な「カモネギ部長」、拓也がいた箱根駅伝の出場校「東都大学」の監督やメンバー、マラソン大会を支援するワイナリーのオーナー、マラソンの開催に反対する地元の有力者たち、元中学校社会科教師で退職後は観光ボランティアをやっている古墳ガイドの女性……と、百舌鳥・古市古墳群をご存じの方は「あの人やん!?」とニンマリしてしまうことだろう。

読売の記事はこう締め括られている。うれしゅうございます。

 20日午後6時からは、府立中之島図書館で、蓮見さんが古墳群の魅力や作品の過程などを語る講座(2500円。ナカノシマ大学のウェブサイトで受け付け)も開かれる。

ナカノシマ大学の受講申込はこちらから。

お待ちしております→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250220

 

2月25日(火)の天神寄席に、作家の増山実さんが登場!

2025年2月5日 水曜日

担当/中島 淳

2月25日(火)、天満天神繁昌亭で開かれる月1回恒例の「天神寄席」に作家の増山実さんがゲスト出演します。

増山さんは朝日放送「ビーバップ!ハイヒール」などの人気番組を手がけた放送作家でもあります。

小説は西宮球場と阪急ブレーブスへのオマージュでもある『勇者たちへの伝言 いつの日か来た道』(ハルキ文庫)で2016年「大阪ほんま本大賞」を受賞し、その後も『空の走者たち』『風よ僕らに海の歌を』『波の上のキネマ』『甘夏とオリオン』を発表。『ジュリーの世界』では第10回京都本大賞に輝きました。

天神寄席の鼎談ホストでプロデューサーの髙島幸次先生が考えた2月のお題は「珍談奇談奇話逸文」。増山さんの『今夜、喫茶マチカネで』(集英社)を読んでこのお題をイメージしたそうです。

北摂の方にはピン、と来ると思いますが、そう、あの待兼山です。

増山さんからメッセージもいただいていますので、ご覧ください。

「待兼山」。なんと魅力的な響きの地名でしょうか。
大阪の池田・豊中・箕面市の境、現在は大阪大学豊中キャンパスの敷地になっています。
この駅前の喫茶店を舞台に書いた私の小説が『今夜、喫茶マチカネで』。
街にゆかりの人々が人生で経験した、心温まる「奇談」を集めた連作短編集です。
刊行を記念しての今回の天神寄席は、題して『珍談奇談奇話逸文』。
『今夜、喫茶マチカネで』とどこかシンクロする噺を集めました。
夢の話。人間に化ける動物の話。報恩話。怪談話……。「不思議な話」が大好きな方、
ぜひ一夜限りの「待兼山奇談倶楽部」ならぬ、「天神奇談倶楽部」に参加してみませんか。

2月の繁昌亭は、「大阪天満宮の梅見」と切っても切れません。日のあるうちからお越しください。

天神寄席の申し込みはこちらまで。お待ちしています!

https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250225

「古市」好きは蓮見恭子『はにわラソン』にヤラレる

2025年2月2日 日曜日

担当/中島 淳

作家の蓮見恭子さんは堺の旧市街の人で、子どもの頃から仁徳天皇陵古墳などが馴染みだったという。

2/20(木)ナカノシマ大学でも販売。税込924円

蓮見恭子『はにわラソン』(双葉文庫)より

その蓮見さんから「古墳のまちを舞台にしたマラソンを題材に小説を書きました」と聞いて、最初は「二つの世界遺産(百舌鳥と古市)を結ぶコースにしたんやろなきっと」と勝手に思っていた。

ところが、最新作『はにわラソン』(双葉文庫)を開けると、いきなりこの地図が出てくる。名前こそ変えているが、どう見ても

「土師市って……羽曳野市やん!?」「隣町の白鳥市って……藤井寺市やん!?」

である。百舌鳥古墳群は登場しない。小学校の終わりから高校までを堺で過ごした筆者もこれには驚いたが、よくよく考えると「そらそやろな」となった。

というのは、筆者も『ザ・古墳群〜百舌鳥と古市 全89基』というガイドブックの編集で「古市古墳群」に何度となく通ったことで「古墳めぐり」の面白さを知ったし、古市を知らなかったら「本を出したらそれでおしまい」になっていたかもしれない。

ナカノシマ大学のタイトル写真と同じ、応神天皇陵古墳の西側、外濠外堤(がいごうがいてい)の景色。秋にはコスモス畑と正面の金剛山(右)・大和葛城山を見ながらのハイキングである

百舌鳥古墳群(堺市堺区・北区・西区)は、確かに大阪市内からとても便利な場所にある。なんばから南海高野線、天王寺からJR阪和線、梅田や新大阪から地下鉄御堂筋線と、3本のルートがある。

それに対して、古市古墳群は大阪阿部野橋(地下鉄天王寺駅直結です)から出る近鉄南大阪線一択。20分は余計にかかる。

けれど断言するが、ここを歩いてみたらあなたの古墳に対する認識はきっと変わると思う。

空が広くて山が近い。カントリーロードを歩きながら古墳をめぐる気持ちの良さは「知らんかったわ〜」の世界だ。百舌鳥古墳群は、政令指定都市の中心部にあるために、「都市型住宅地に囲まれている」感がある。

「墳丘に登れる古墳」も百舌鳥に比べて圧倒的に多いし、ユニークな古墳にも多数会えるし、主要な古墳の近くには「葛井寺(ふじいでら)」「道明寺」「道明寺天満宮」「誉田(こんだ)八幡宮」……と国宝のある寺社が控えていて、そういった重層的な文化集積度も古市に軍配が上がる。

近鉄土師ノ里駅から鍋塚古墳〜仲姫命(なかつひめのみこと)陵古墳を通って15分ほど歩いたらこの景色に出会える。2月には墳丘に梅が見られます

6年前、「世界遺産に登録されたから行ってみよか」と一番大きな仁徳天皇陵古墳の拝所に行って、「中に入られへんのかいな……」と落胆して帰った人は、そのリベンジに古市に足を延ばしてほしい。ダマされたと思って。

例えば、藤井寺市の南、羽曳野市との市境近くにある「古室山古墳」は冬の夕方になるとこんな景色になる。

宮内庁が古墳を囲むように設置している無粋な柵もここにはない。

原っぱを歩いて墳丘に取り付くと、好きな斜面から登るだけ。冬から早春にかけては樹木の葉が抜け落ちて墳丘のラインがよく見えるので、実は一番推しの季節だ。

こんな土地を舞台にして公式フルマラソン大会をやるという小説『はにわラソン』の文中にも古墳がいろいろ出てくる。古墳好きなら「あそこのことや♬」とすぐに分かるはずだが、それは読んでのお楽しみということで。

「河内ワイン」の金銅農園によるシャルドネ畑

『はにわラソン』に登場するのは「土師市(羽曳野市)と白鳥市(藤井寺市)にまたがる古墳群」だけではない。

その東側、石川を渡った山裾エリア(羽曳野市駒ヶ谷)のこともしっかり取材している。

羽曳野市はブドウの生産が盛んで、出荷量も栽培面積も大阪府下でトップ。デラウエアの生産はなんと全国3位だ。

そういう土地柄ゆえにワインも「地場産業」として定着していて、デラウエアやシャルドネのワインが市内で普通に売っている。

デラウエアは5〜8月の出荷。農産物の売店で買える

駒ヶ谷の[河内ワイン館]では地場のワインがあれこれ買えるだけでなく、予約制でワイナリーの見学(7人〜)も受け付けているし、館内の「金食堂」は7人からの貸切オンリーだが、食事とワインの両方をここでゆっくり楽しめてお薦めです 。http://www.kawachi-wine.co.jp/index.html

美味いもん好きワイン好きの蓮見恭子さんは、「土師市」のワイナリーとオーナーも物語の重要な人物として登場させている。

彼女はここ10年、マラソンや駅伝の小説をよく書いているが、蓮見作品の主人公は競馬の女性騎手や女性国際犯罪捜査官、古道具屋に嫁いだ女性、たこ焼き屋のおばちゃんまで、その幅も広すぎるぐらい広い。

『はにわラソン』は、羽曳野市のような地場を舞台にして名産のええネタまでふんだんに盛り込んでいる上に、マラソンコースの設定や大会までの運営プロセスの緻密さが凄まじくリアリティがあって、最後まで面白く読ませてくれるのだ。

主人公は、蓮見小説では珍しく男性。ちょっとイケメンのようであるが、とにかく巻き込まれやすいキャラである。

東京・小金井にある大学生の時には箱根駅伝のメンバーになれず、クラブの「主務」となってチームを支えた。卒業後は地元にUターンして「土師市」の職員となり、市長の無茶ぶりで「マラソン大会プロジェクトリーダー」となって実現のために奮闘する。

……という物語と、「古市古墳群」「羽曳野市の名産」をどうやって結びつけたのであろうか?

蓮見恭子さんの登壇は、『たこ焼きの岸本』の大阪ほんま本大賞受賞にちなんだ2021年11月講座以来、3年3か月ぶり

そのあたりは2月20日(木)のナカノシマ大学でじっくりお聞きしたいものである。申し込みはこちらへぜひ♬

https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250220

建築イラストレーター・コジマユイさんの連載がスタート

2025年1月15日 水曜日

担当/中島 淳

コジマユイさんの「絵で残したい 船場の近代建築たち」の連載が140B ホームページで始まりました。

https://140b.jp/semba_no_kenchiku/

第1回は、船場の建築めぐりの「出発点」とも言える北浜1丁目交差点の「大阪証券取引所ビル」。

コジマユイさんは昨年10月17日(木)のナカノシマ大学と、その後のイケフェス大阪で来阪された際に、これまでに描いていなかった船場の近代建築物を集中的に取材しているので、この先の作品も楽しみです。

ボールペンでここまで仕上げるコジマユイさんの「建築愛」をこれからたっぷりとご堪能ください。

 

焼酎蔵元5社からナカノシマ大学受講者へプレゼント

2025年1月12日 日曜日

担当/中島 淳

1月16日(木)のナカノシマ大学「焼酎と大阪の 深くて意外な歴史」の講師で「黒瀬杜氏」の子孫の黒瀬暢子さん(焼酎プロデューサー)が、「講義だけでなく実際に飲んで感じてほしい」と、講座当日に受講者にプレゼントする焼酎のミニボトルの提供を、蔵元各社にお願いしてくれました。

薩摩酒造の大阪支店長執行役員の佐野竜三さん(右/北九州市出身)と営業本部の期待の星・山本優香さん(天草出身)のええお顔

すると立て続けに薩摩の5社から連絡が!

①薩摩酒造 芋焼酎「さつま白波」
②濱田酒造 芋焼酎「海童」
③大口酒造 芋焼酎「黒伊佐錦」
④小正醸造 芋焼酎「小鶴」
⑤喜界島酒造 黒糖焼酎「喜界島」

どの焼酎になるかは当日のお楽しみです。ただし……

大阪府立中之島図書館の3階多目的スペースでの講座なので、アルコールは御法度。なので終了後にお渡しいたします。

ほんまは黒瀬さんが講義している最中に香りだけでも嗅いでほしいところですが、「匂いだけ」で我慢できないのが普通の人間なので、講座の閉会までお待ちくださいませ。

お渡しするのはミニボトルなので、賢明なナカノシマ大学受講者のみなさんは、「こんな大きい瓶をいただけるんですか⁉︎」とはゆめゆめ誤解されませぬように(笑)
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小正醸造の大阪支店長、上機嫌でナイスガイの上妻(こうづま)元樹さん