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6月の140B出張販売の予定

2025年6月3日 火曜日

6月はこの2つ

6/15(日)11~16時
ブランチ大津京(大津市)のSELFBOOKSさんの「カギ開放day」に、京都の出版社、英明企画編集さんと一緒に本の店頭デモ販売に伺います。
SELFBOOKさんはもともと無人のシェア型古書店という実験的な店舗、いわゆる大型書店とも町の本屋さんともちがう新しいタイプの店舗です。今回、普段はID登録者のみ入店できる店内も自由にご覧になれます。
当日はNami.さんの「本の交換所」も開催されます、いろいろな本の楽しみ方がみつかると思います。ぜひ遊びに来てください。

 

 

6/21(土)~22(日)10~18時
大垣書店イオンモールKYOTO店さんでの「会いにゆける出版社フェス」期間中(6/14-7/13)に参加の12出版社スタッフとお客さまとの直接販売会が開催されます。
大垣書店さんはいまさら説明不要の京都のメジャー(近年では全国にも店舗展開中)、イオンモールKYOTO店さんは特に賑わいにあるお店、そんな店の雰囲気に負けないよう参加出版社も元気に出展します。大垣書店さん発行の雑誌「KYOTOZINE」の特別販売も予定のようです。
店内中央エスカレーター脇の特設ワゴン会場でお待ちしております。

 

6月はたくさんの京滋のお客さまと出会えること楽しみにしています(青木)

 

5月25日(日)の天神寄席は、札埜和男さんの「大阪弁」

2025年5月15日 木曜日

担当/髙島幸次

2025年4月28日発売。1,155円(税込)

5月25日(日)天神寄席にゲストとして登壇される札埜和男(ふだの・かずお)さんから落語ファン、大阪弁好きのみなさまにメッセージが届きました。以下、ぜひご一読ください。

 このたびPHPより『大阪弁の深み−その独特の魅力を味わう』という新書を出しました。

今回の天神寄席のタイトルが「ほんまもん」の大阪弁。テレビや小説、映画などバーチャルな世界で使われる疑似大阪弁ではなく、まさしく大阪の町をフィールドワークして、拾い集めた大阪弁をもとに、「ほんまもん」の大阪弁について使用場面ごとに分析した書です。

フィールドの場は地元・天神橋筋商店街はもとより、遊園地ひらパー、野球場のほか、大阪の裁判所・税務署・警察・役所・学校の現場など「お堅い」ところも含まれます。

 今回、トリの桂塩鯛師匠に「ふたなり」を演じて頂けること、大変嬉しく思います。

  初めて本を出したのが『大阪弁看板考』(1999年/葉文館出版)という、大阪弁のお店を取材し、その由来や店主のライフヒストリーを描いた内容でした。その取り上げた店の中に「いててや」というお店があります(今はもうありません)。最寄り駅は本町でした。店には灘の「白鷹」、アテはイカの足とメザシのみ。大阪弁で「いて下さいね、どうぞゆっくりしていって下さい」という意味ですが、店主に伺うともっと話は奥深かったのです。

「『ふたなり』ゆう落語があって、そこから付けてん。落語の中で娘さんが森の中で首つり自殺して男の者(もん)二人がそれを見に行くんやわ。ほんで二人とも怖なって『(ここに)いててや、いててや』いうセリフがあって、そこから採ったんや。その案出したらここのお店のブレーンの和多田勝さん(1942年大阪生まれ1994年没。6代目松鶴の甥、エッセイスト)や古川嘉一郎さん(放送作家)もOKしてくれはって・・・」(拙著『大阪弁看板考』p.103より)。

 店主の「おかん」は若野淑子さんという雑誌『上方芸能』元記者、「いててや」の暖簾の字は和多田氏によるものでした。僕が「大阪弁ゆうのんは要するに船場のことばですね」と水を向けると「何ゆうてんねん! 船場のことばなんぞ一部の特権階級が使てた特殊なことばやないの! 元々京都から来よった連中のことばやがな。あんなもん大阪弁ちゃう。ほんまの大阪弁は昔から大阪に住んでた庶民のことばを大阪弁ゆうねん」と激しく言われました。新たな視点が啓かれた瞬間でした。

松鶴、広澤瓢右衛門、三田純市、仁鶴、枝雀、松原千明、三林京子などが常連で、店内の和多田さんの絵を見ながら「いい文化人皆死んでもた」と寂しそうに呟いておられました。

強いもんにはまず疑ってかかり、権威をカサに着て偉そうにする人間に対してはボロクソ、弱い方に寄り添い、その道でコツコツ努力するいい文化人を評価していた方でした。とりわけ芸が素晴らしいのに認められていない人に優しかったそうです。桂文我さんが「ワシ、独演会したことがないねん」と言ったのをきいて「ほな、わしがやったろ」と言ってコスモホールが満員になったエピソードも残っています。

 若野さんとの出会いはこのときだけ(1995年11月滞在時間5時間)です。名残惜しく店を出る時、カウンターから出てまっすぐ立ってお辞儀して見送って下さいました。その時励まして下さったことばが「ほんまもんになりや」。心に深く染み込み、その後の研究の支えになりました。

もう一度イカの足とメザシで、白鷹を呑んで、若野さんと話がしたかった。そうずっと思ってきました。塩鯛師匠の「ふたなり」を通じて、若野さんとの再会を楽しみにしています。

5月25日(日)天神寄席の申し込みはこちらで→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250525

ナカノシマ大学5月講座(講師・平川克美さん)のご案内

2025年5月10日 土曜日

さる4/6(日)隣町珈琲で開催された『マル』(集英社インターナショナル刊)刊行記念対談での平川克美さんと青山ゆみこさんのトークイベントでは、通常はある「生配信」も「アーカイブ配信」がなかった。閉じられた空間でその場にいたものだけが本の誕生への経緯や秘話、裏話を知ることが出来た貴重な時間だった。そして「閉じた」意味は、活字のかたまりが紙に刷られて本になっていくまでの話と本の内容とは別にしておいてもよいのではないかという配慮があったと感じた。表に出しにくい葛藤の時間について語られた本の誕生前夜の話だったと思う。

今回その『マル』の著者・平川克美さんを東京からお招きしての5/23(金)のナカノシマ大学5月講座では本の内容についてぞんぶんに語ってもらえることだろう。『マル』で描かれる舞台は1950年代の工場のある東京の下町であり、まだ何者でもない若き「マル」が少年から青年へ成長、そしていわゆるリタイア世代となって戻ってきた町と仲間の話。著者自ら「自伝的青春小説」と語るように本の中には虚実入り混じっているだろう、それでもその時代にその場に立ち会ってきた「マル」にしか見ていない世界が描かれているはず、「他者に語れない」個人の人生を記録して残しておくこのとの大切さがそこにあると思う。それは全ての人々が本来持っているオリジナルのドラマでもあるのだから。大阪にも多くの町工場のある町があるだろう、むしろ今や東京より大阪の方が多いのではないかと思う、そういった町で生まれ育つことの意味や人生への影響などを新刊『マル』に絡めて語られるだろう。
そして小説的アプローチという新しい試みだった「小説家・平川克美」誕生について、書き終わってからの著者ご本人の気持ちや刊行後のまわりの反響など現在の状況も聞いてみたい。

その後は『マル』を読んだ読者や、ナカノシマ大学を受講された方やこの本を引き取って未来に残しておく作業をしていくことが『マル』への最大の敬意だと思う、私も含めて。

まずはナカノシマ大学で平川克美さんの肉声を聞いていただければ幸いです(140B青木)

【ナカノシマ大学 5月講座】
「平川克美が肉声で語る「町工場で育つ」ということ」
5月23日(金)
18:00〜19:40(開場17:30)
大阪府立中之島図書館3階 多目的スペース
2,500円(小学生以下1,500円)
お申し込み→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250523

 

 

4月23日のナカノシマ大学で販売する、河井寛次郎の本

2025年4月20日 日曜日

担当/中島 淳

左は1,760円。右は1,870円(税込)。右には『島根新聞』での河井のインタビューや盟友・柳宗悦(1889〜1961)の寄稿も載っている。両方とも中島の私物ゆえシワや汚れが目立ちますが、当日販売するのはもちろん新品です(笑)

おかげさまで受講申し込みも定員に達し、あとは「キャンセルを見越して」いつ締め切ろうかと考えている4月23日(水)のナカノシマ大学「炎の人、言葉の人。生誕135年 陶工・河井寛次郎と大阪」である。

当日は講師・鷺珠江さんの講義だけでなく、河井寛次郎(1890〜1966)のことをもっと知っていただこうと、講談社さんにお願いして代表的な著書2つを送ってもらい、会場で販売する。

一つは昭和28年(1953)に朝日新聞社から初版が発刊され、平成8年(1996)に文庫化された随筆集『火の誓い』。

もう一つは河井の没後40年の平成18年(2006)には文庫の形で発刊された『蝶が飛ぶ 葉っぱが飛ぶ』。いずれも講談社文芸文庫である。

前者も後者も、日々の仕事や旅、民藝のつくり手たちとの切磋琢磨から生まれる陶工・河井寛次郎の「言葉」を丹念に集めた著書。どのページを開いても、今回の講座名にした「言葉の人」である河井の姿が生き生きと浮かんでくる。

タイトルこそ違えど両者はシリーズのような感じで、併せて読むとより面白いかと思う。

どちらの本にも、前回のブログで紹介した河井の一人娘、河井須也子さん(1924〜2012)が寄稿している。『火の誓い』では「人と作品・点描記」を、『蝶が飛ぶ 葉っぱが飛ぶ』では「解説」を書かれていて、異なるエピソードが掲載されている。

記念館の奥にある登り窯「鐘溪窯(しょうけいよう)」。河井が使っていたのは手前の室

前者では彼女の少女時代。民藝メンバーの「たまり場」であった河井家での、バーナード・リーチ(1887〜1979)たちとの懐かしい交友の記憶を紹介している。

長身だったリーチに合う布団がないために、河井の妻で須也子さんの母であるつねさんは自分の着物をほどいて中に綿を入れ、細長い布団を急遽こしらえた。

須也子さんがそれを「八ツ橋のおふとん」と名付けてはしゃいでいたくだりが微笑ましい。

後者には、須也子さんの夫である陶芸家の河井博次(河井の養嗣子/1919〜93)のことも書かれている。

彼女が見た、父・寛次郎と夫・博次による「美のシーソーゲーム」についての記述が印象的だ。博次が「打掛釉」に仕事の突破口を見出し、新境地となる作品を次から次へと送り出すと、その出来栄えを見た河井が「ついにわしを越えた」と手放しで称賛する。

須也子さんはそのくだりを書くのに、きっと胸がいっぱいになったのではないか。こちらの本には二人の対談も載っている。

不世出のクリエイターには、その人の人生を間近に見ていて、没後も作品の価値や人間的魅力を大衆に伝える優れた「翻訳者」がいるかいないかで、その人の歴史的・社会的評価も変わってくるように思う。

中身は開けてのお楽しみです

岡本太郎には仕事と人生のパートナーで彼の養女でもあった岡本敏子がそうであったように、一人娘の須也子さんも見事な「翻訳者」として人生をまっとうされたのではないか。

河井がこの世を去った7年後の昭和48年(1973)に記念館を立ち上げ、開館から52年が経過したいまも国内外から連日、ファンが訪れる場になっているのは、須也子さんや河井家の方々、スタッフの人たちの献身的努力の賜物だろう。
記念館や資料館の維持がいかに大変かは、これまでに鳴物入りでオープンした館の「その後」を知るだけでもう十分だと思う。
4月23日(水)ナカノシマ大学の講師である鷺珠江さんは、河井の孫であり、博次と須也子さんの三女。
須也子さんの「翻訳者のDNA」と河井家に代々伝わる「上機嫌のDNA」を両方持っている、全国的に知られた河井寛次郎記念館の学芸員だ。
だから、話がおもしろくない訳がありません。「締切」になる前にぜひお申し込みください♬

記念館からは写真のおみやげも受講者全員にお渡しします。

受講お申し込みはこちらから→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250423

 

作家の朝井まかてさん、4年ぶりで「天神寄席」に

2025年4月10日 木曜日

担当/髙島幸次(大阪天満宮文化研究所所長・天神寄席プロデューサー)

4月25日(金)「天神寄席」のゲストは、作家の朝井まかてさんです。あの売れっ子作家の3回目のご出演となりました。まかてさんが(なぜか「朝井さん」ではなく「まかてさん」ですね)、如何にすごい作家かを知っていただくには、その受賞歴を見れば、驚き・桃の木・山椒の木です。Wikipediaの「主な受賞歴」欄には次のようにあります。

4月25日(金)天神寄席のチラシ。ナカノシマ大学のサイトから申し込めば当日3,500円が2,300円で入れます

『実さえ花さえ、この葉さえ』小説現代長編新人賞奨励賞(2008年)

『恋歌』本屋が選ぶ時代小説大賞(2013年)

『恋歌』直木三十五賞(2014年)

『阿蘭陀西鶴』織田作之助賞(2014年)

『先生のお庭番』徳間文庫大賞(2015年)

『すかたん』大阪ほんま本大賞(2015年)

『眩(くらら)』中山義秀文学賞(2016年)

『福袋』舟橋聖一文学賞(2017年)

『雲上雲下』中央公論文芸賞(2018年)

『悪玉伝』司馬遼太郎賞(2018年)

〈数々の名作を出版した功績を讃えて〉大阪文化賞(2018年)

『グッドバイ』親鸞賞(2020年)

『類』芸術選奨(2021年)

『類』柴田錬三郎賞(2021年)

 

なんと、14年間に14賞ですよ。同じくWikipediaによれば、これまで出版された長編小説は25冊だといいますから、受賞歴は5割超えです。こんな作家が他にいるでしょうか。

このように書くと、眉間にシワを寄せて、資料の山の中で執筆している小難しい作家さんのイメージが浮かぶかもしれませんが、ご安心ください。素のまかてさんは、楽しい天然キャラのかわいい方です。

まかてさんの小説『悪玉伝』の角川文庫解説には「酒宴の席における朝井まかては、なんとも可愛い天然のやらかす人である」と書かれているくらいですから(書いたのはボクですけどネ)。

そういえば、昨年11月の「なにげに文士劇」でも、一人でやらかしてはりました(その様子は鼎談でお話ししましょうか)。

税込2,200円(徳間書店刊)

過去の「天神寄席」へのご出演は、2015年11月と2021年1月でした。1回目のテーマは「すかたんな人々」、2回目は「悪玉商人と善玉商人」、そして今回は、昨年9月刊行の『青姫』(徳間書店)にちなんで「異郷を垣間見る」です。

『青姫』の帯には、「武士と悶着を起こして村を出奔した若者・杜宇(とう)が迷い込んだのは、不思議な地。自由経済で成り立ち、誰の支配も受けない『青姫』の里だった」とあります。

まかてさんは、これまでに数々の歴史小説、時代小説を著してこられましたが、今回の作品は、それらとはちょっと違った幻想的な小説です。異郷にちなんだ落語5席の間の鼎談では、朝井まかてさんと桂春若師匠と私・髙島が、不思議なファンタジーな世界の魅力についてお話します(よう知らんけど)。

4月25日(金)天神寄席の申込はこちら→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250425

お待ちしております!

鷺珠江さんから河井寛次郎と民藝、リーチバーの話を聞く

2025年4月9日 水曜日

担当/中島 淳

2週間後の4月23日(水)に迫ったナカノシマ大学「炎の人、言葉の人。生誕135年、陶工・河井寛次郎と大阪」に登壇される河井寛次郎記念館学芸員の鷺珠江さん(寛次郎の孫)に、ゆかりの地の一つ、リーガロイヤルホテル1階の[リーチバー]でお話を聞きました。こちらをご覧ください。https://www.theroyal.rihga.com/story/2025_butai-kawai-kanjiro/

                          *

筆者は京阪七条から東大路通を歩いて訪ねることが多く、その場合は「馬町」交差点から西に入り、最初の角(市川屋珈琲)を右折するとこの外観が見える

筆者の「河井寛次郎」のとっかかりはご本人ではなく(亡くなったのは小学校2年の時だったし)、15年以上前に京都の雑誌『キョースマ!』(淡交社)を編集していた関係で記念館にお邪魔した際に案内してくださった鷺さんがはじまりだった。

仕事で毎日のように京都のいろんな人と会うことがあり、勉強になることは実に多かったがその反面、「あ〜、ここに住んでなくてよかったわ〜(京のみなさんすみません)」と感じていた自分にとって、上機嫌な空気を振りまいていた鷺さんとの出会いはとても新鮮だった。

そのときか(あるいは次のとき)、鷺さんが「よろしかったら母とお話ししませんか」とおっしゃってくださり、離れにおられたお母さまの須也子さん(故人・寛次郎の一人娘)宅に図々しくホイホイとお邪魔し、記念館となる前の河井寛次郎宅を建てた当時のお話などを聞いた。

須也子さん的には、寛次郎の図面に従って現場で奮闘していた大工さん(寛次郎の兄)がとてもカッコよく、まだ子ども心にも「色気のある人」だったと楽しそうに語っておられたのが忘れられない。

「鷺さんに輪をかけて上機嫌オーラがスゴい」

もうすっかりリラックスして、その時から「この母娘を育てた河井寛次郎という人は知る価値のある人だ」と思った次第で、大作家には申し訳ないが陶芸作品から入った訳では決してなかった。そんなアプローチもたぶん寛次郎さんは許してくれるかと思う。

誕生から105年。大正9年(1920)に寛次郎が開いた「鐘溪窯(しょうけいよう)」。記念館の敷地奥

筆者は作品も好きになったが、それ以上に河井寛次郎の「言葉」のファンになった。世界のどこの国の、どんな仕事をしている人間の心も射抜く言葉が実にたくさんあると思う。例えばこちら。

「新しい自分が見たいのだ−−仕事する」

 

「自分探し」の旅なんかしなくても、日々の仕事の中に好きな自分も嫌いな自分も古い自分も新しい自分もぜ〜んぶ出てくるのだなぁと、短いが強いこの言葉にいつも感じ入っている。

                          *

河井寛次郎記念館にも似た、このリーチバーの空気に改めて浸りたいと、昨日、大阪中之島美術館の帰りにお邪魔したら、なんと火曜日だけ定休日でした(涙)。みなさまどうぞお気をつけられたし。

リーチバーにて鷺珠江さん。視線の先には祖父の作品がある(撮影/川隅知明)

ちなみに、ナカノシマ大学の申込状況は85%を超えているので、みなさんどうぞお早めに。

こちらからアクセスしてください。https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250423

 

ヤマノウさんが目の前で語る『歩いて読みとく地域経済』

2025年3月11日 火曜日

担当/中島 淳

3月18日(火)のナカノシマ大学で「メディアタウン扇町の 意外すぎる歴史と、いま」というお題で講義してくれる山納洋さん(大阪ガスネットワーク エネルギー・文化研究所員)の新刊『歩いて読みとく地域経済〜地域の営みから考えるまち歩き入門』(学芸出版社)を読んだ。

本は3月12日(水)発売。山納さんの拠点の一つ、扇町ミュージアムキューブ1階の[談話室マチソワ]でも買えます!

手練れのまち案内人かつ地域分析のエキスパートが書いた本であるが、ページを開けると「私たちのまちの成り立ちを知る」という感じの、小学校で習った社会科教科書の副読本のような、懐かしい匂いがした。

山納さんが目の前で話してくれるように分かりやすくてフレンドリーな筆致なので引き込まれる。

写真3はJR姫路駅前にある、手延べそうめん「揖保乃糸」の看板です。ネオン看板はかつては大阪にも神戸にもありましたが、今となっては絶滅危惧種です。長く残ってほしいものです。

「揖保乃糸」はテレビCMも流していますが、ひとつの工場で作っているのではありません。そうめんを作っているのは兵庫県手延素麺協同組合に加盟する、つまり多くの生産者によって構成された組織なのです。原料は組合が組合員に支給または指定し、製造方法の指導を行い、厳密な検査を実施して商品のクオリティを保っています。

(『歩いて読みとく地域経済』より「二毛作地域の産物」)

山納さんがイベントやプレゼンの場などで話しているのを聞いたことがある人は同意してくれるだろうが、この文体は山納さんの語り口そのまんまです。「地域経済」というちょっとカタそうな字面でも入りやすい。目に入る視覚情報から順番に掘り下げて、「地域経済」の本質に迫っていく。この姫路や龍野のような土地の話が章ごとに展開されていく。

当たり前のことだけど、一つの土地で産業なり商売なりを立ち上げて根づかせ、それを続けていくことの大事さや困難さを考えたら、本当に気が遠くなる。けれどそういう先人がいたからこそ今の生活やまちがあるのだし、地域の産業なり商売なりがその土地の「代替不可能なキャラクター」として地元の人にもよその人にも認知されて育っていく。

本はどの章から、どの地域から読んでいただいても面白くて頭に入るが、第1章の「生活史のリテラシー」だけは最初に読もう。山納洋という人の「アタマの中」を公開してくれる。

まちを歩いていると、目の前にさまざまな「謎」が立ち現れます。そうした時には近くのお店で尋ねたり、ネットで調べたりします。するとそこから、そのまちの新たな側面が明らかになってきます。大事なことは、こちらから何らかの働きかけをしないと、謎は謎のままで終わるということです。

(『歩いて読みとく地域経済』より「まち読みのために その1」)

と書いた後で、「新開地の立ち食いうどん屋はどうしてパチンコ屋の前にあるのか」という、山納さんが主催するまち歩き“Walkin’About”の参加者の話を紹介している。こういう文章を読むと「まち読み、って誰でも気軽に参加できるんだ」と思ってしまえる。

大阪ガスで働いている人に、山納さんの話を聞いたことがある。曰く

「ヤマノウはね、とにかく目がカメラなのよ。本を読んでも写真を見ても、たちどころに画像情報として記録していく。その量と精度が半端じゃない」

 

NHKに「100カメ」というおもしろい実況エンタテインメント番組があるが、山納さんはいわば「ひとり100カメ」の人だろう。

そのまちに入った瞬間、さまざまな視覚情報が飛び込んでくるのだが、それらをカメラで記録するように脳内に取り込み、そして店に入ったり道ゆく人に聞いたりして、聴覚情報や味覚情報からその地域の「像」を言語化していく。『歩いて読みとく地域経済』はその集大成の一つだ。

あなたが登場しているまちに全く土地勘がなかったとしても、山納さんの目に映ったまちの風景写真や細かい地図を見ていると、ごりごりと掘り進んでいける。そんな知的かつ身体的プロセス(何せ、六甲全山縦走56kmを8時間台でやってのけるスーパー健脚ですから)を、本の中で追体験できるような楽しみにも溢れている。そして「続きはあなたがこの地域を歩いて体験してください」である。

3/18(火)ナカノシマ大学でも『歩いて読みとく地域経済』を販売。講座終了後はサイン会なのでお楽しみに

そんな山納さんが今回のナカノシマ大学でとり上げるお題は、30年以上働いて親しんでいるホームグラウンド「扇町」。

過去の話を掘り下げ、かつ自らのフットワークを駆使してネタをごりごり掘っておられる最中なので、どうぞお楽しみに!

ナカノシマ大学の申し込みはこちら→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250318

扇町、ヤマノウさんの「談話室マチソワ」本談義

2025年2月25日 火曜日

担当/中島 淳

3月18日(火)のナカノシマ大学「メディアタウン扇町の意外すぎる歴史と、いま」に登壇する山納洋(やまのう・ひろし)さんは、まち歩きの主催や地域プロデューサーとして、あるいはミーティングの名ファシリテーターとして有名な人だが、大阪ガスネットワーク株式会社エネルギー・文化研究所の研究員というのが本職だ。

山納さんのプロフィールだけを見てもA4用紙がぎっしり埋まってしまうほどたくさんあるので、それはこちらを見ていただくことにして……→ https://www.og-cel.jp/area/h_yamanoh/index.html#l03

この日(2月22日)は、山納さんが2023年秋から拠点の一つにしている、劇場・映画館の複合施設「扇町ミュージアムキューブ」1階のカフェ[談話室マチソワ]にお邪魔した。マチソワの店主は3人いて、その一人が山納さんである。HPにはこうなっていた。

大テーブルでメモを取る人、小テーブルから参加する人……堅苦しくないのがええ感じ。山納さんは「店主」なのでカウンターでコーヒーを淹れつつ、トークに参加していた

 

この日のイベントは

■BIBLIOPHILE’S CAFE(本を紹介する会) 店主:やまのう

2/22(土) 16:00-18:00 参加無料(1ドリンク制)

お気に入りの本、面白かった本を持ってきて紹介し合う会です。

というもの。

この[談話室マチソワ]は、街場のカフェとはちょっと違っていて、趣旨をこのように紹介している。

※以下、談話室マチソワHPより

 

人々が集まり、お茶を飲みながら知らなかった人とも話ができるお店。自然なかたちでつながりやアイデアが生まれる。どこからも自由な、リラックスできる場所。マチソワはそんな空間です。

マチソワでは、スタッフがお客さんに話しかけ、お客さんの話に耳を傾けます。情報を発信するだけでなく、受け皿ともなり、有機的につなぎ合わせ、開放するメディアとして、劇場の片隅にひっそりと佇んでいます。

 

扇町ミュージアムキューブの廊下とマチソワの間には扉がない。「面白そうだな」と思ったらスッと入っていける。

知らない同士で話をするのが「ここでは普通」であるとみなさん認識しておられる。

みなさん、山納さん同様に聞き上手で、ひとりが本を紹介すると、次々と質問が出てきたり、自分の経験を語ったりして、それで話が盛り上がって……という好循環が続く。

読むべき本のネタは仕入れられるわ、自分の読んだ本についても興味を持ってもらえるわ、ですこぶる楽しかった。これも主催者の人徳であろう。山納さんは各人の「お気に入り本」の話が広がりすぎて制限時間をオーバーした時だけ、サッと切り上げて次の人に移る。そのあたりが実にウマい。

この日、参加者がとりあげた「お気に入りの本」は以下の通り。

●中村博史『大阪城全史』(ちくま新書)

●中島岳志・磯崎憲一郎・若松英輔・國分功一郞『「利他」とは何か』(集英社新書)

●石川智久『大阪 人づくりの逆襲』(青春新書)、『大阪が日本を救う』(日経BP)

●北川央『おおさか図像学』(東方出版)

●山田鐘人・作、アベツカサ・画『葬送のフリーレン』(小学館)

●『日本の家紋とデザイン』(パイインターナショナル)

●雑誌『デザインのひきだし』(グラフィック社)

「大阪の本推し」の人が3人いた。

山納さんの本の解説はフレンドリーかつ理路整然としていて、聞く側のストレスが全くない

会の最後に、山納さんから「お気に入り本」の紹介があった。

●山崎亮『面識経済』(光文社)

これも読みたくなりました。
ちなみに、この日筆者が推したのは

⚫︎河井寛次郎『蝶が飛ぶ 葉っぱが飛ぶ』(講談社文芸文庫)

山納さんは3月18日(火)のナカノシマ大学に「扇町」というお題で講義するが、実はこの「扇町ミュージアムキューブ」は15年前まで大阪市水道局のビルで、水道局が移転した部屋に「MEBIC大阪(現在は本町の大阪産業創造館17階にある)」というクリエーターを育てるインキュベーションの拠点があって、山納さんはそこで働いていた。

その前は、神山の交差点近くにある小劇場演劇の拠点「扇町ミュージアムスクエア」にいたというから、まさに扇町の申し子のような人である。

だからナカノシマ大学は面白くなることは確実だと思うが、次回はもう少し扇町のことを書きます。

 

ナカノシマ大学の会場、中之島図書館が使いやすくなった!

2025年2月19日 水曜日

担当/中島 淳

ナカノシマ大学の会場である大阪府立中之島図書館は明治37年(1904)竣工の重要文化財。

ナカノシマ大学の会場(3階多目的スペース)へは2階正面玄関から入り、中央の曲線階段を登るか、カフェのある南端から上がるかのどちらかで

カメラやスマホを構えてパチパチ撮りたくなるディテールには事欠かないが、このような「年代物の近代建築物」は反面、使いづらさももちろんある。

「会場の3階まで階段上がるのしんどい」

「トイレ行くのにまた階段下りるの面倒だし」

 

というご意見が寄せられていた。ほんまによう分かります。

私たちスタッフも、会場で本を販売するとか、配布資料がたくさんあるときに階段を上り下りするのはちょっとなぁ……という感じでした。

それがこの2月から改善されました。

正面玄関に入らず、右(南)に歩いて、突き当たりを左折(東へ)してください。

北浜駅や栴檀木橋(せんだんのきばし)を渡って図書館に来られる方は、こちらの入り口の方が近いかもです

そうすると真新しい建物が待っている。こちらが「新館」で、本館とは階上でつながっています。自動ドアを入るとエレベーターがあるので、「本館3階連絡通路」のボタンを押してください。

ナカノシマ大学の会場は「3階多目的スペース」だがここは「4」を

本館連絡通路のフロアに着くと、あとは直進するのみです。

 

 

矢印の誘導に従って直進しましょう

 

 

 

 

 

これまでに見ることのなかった、年代モノの眺めでした

 

 

窓越しに中央のドームが望める新鮮な景色を見ながら、突き当たりを左に入れば会場です。どうぞお試しあれ。

それでは、明日のナカノシマ大学、作家・蓮見恭子さんによる「小説『はにわラソン』の作者が古墳の郷・古市の魅力を語る」、お待ちしております。

受講お申し込みはこちらまで(20日15時で締切)→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250220

 

 

蓮見恭子さん入魂のナカノシマ大学資料109ページ!

2025年2月17日 月曜日

担当/中島 淳

『はにわラソン』の作者、蓮見恭子さんはサービス精神の権化のような人である。

2月20日(木)のナカノシマ大学に投影する資料がありましたら、前日までに送ってください」とお願いしたら、早々と100ページ以上のパワーポイントが到着した。

蓮見さんは現地取材の際にほんまにたくさんの写真を撮っておられて、この画像もナカノシマ大学のタイトルバックとはちょっと違う時期に撮影したもの

内容は当日のお楽しみだけど、中身は「5部構成」になっている。

第1部『はにわラソン』への道

第2部  古墳とマラソンとの出会い

第3部  古市古墳群の衝撃

第4部  マラソン運営の取材

第5部  羽曳野市のもう1つの顔

ナカノシマ大学にはこれまでにいろんな小説家の方に登壇してもらっているが、ここまで自作に対して「頭の中」を見せてくれる人もほんまにレア中のレアで、そういう意味でも今回のナカノシマ大学は、古墳好きマラソン好き古市好きの人だけでなく、文学好きの人にもお薦めしたい講座である。

読売新聞2025年2月11日(祝)朝刊

『はにわラソン』の売れ行きも好調だと聞く。2月11日(祝)には読売新聞の大阪府下全域版に、蓮見さんの写真入りインタビュー記事が掲載された。こちらから全文を読めます→ https://www.yomiuri.co.jp/local/osaka/news/20250210-OYTNT50120/

最近の蓮見さんは、「駅伝」「マラソン」を題材にした作品が多いので、「高校時代は陸上部?」だと勝手に思っていたがその逆で、作品をよりリアルに着地させるために走りはじめたという。以下、読売の記事から

構想のきっかけは約10年前。高校女子駅伝を題材にした作品の執筆中、登場人物の目標タイムやペースがイメージできず、「書くために走り出した」という。

(中略)雨にぬれながら声をかけてくれるボランティアらの姿が頭をよぎり、走る側ではなく、裏方に光を当てたいと考えた。コロナ禍でマラソン大会が中止となるなど、取材がスムーズには進まない時期もあったが、「スポーツ小説、ご当地小説、お仕事小説。私自身のキャリアの集大成」という形に仕上がったという。

蓮見さんは「近くにありながら、あまり古墳に親しみがなかったが、実際に歩いてみて面白さに気付いた。どうやったら古墳を『エンタメ』にできるか一緒に考えてもらえたら」と語る。

とある。

作品の登場人物は実に多彩で、主人公・倉内拓也が勤務する「土師市(モデルは羽曳野市)」の市長や市役所の面々をはじめ、土師市の北隣「白鳥市(モデルは藤井寺市)」で働く古代コスプレイヤー「白鳥姫子」こと坂口唯、南隣「山城市」の名産、鴨を売り出すべく被り物で有名な「カモネギ部長」、拓也がいた箱根駅伝の出場校「東都大学」の監督やメンバー、マラソン大会を支援するワイナリーのオーナー、マラソンの開催に反対する地元の有力者たち、元中学校社会科教師で退職後は観光ボランティアをやっている古墳ガイドの女性……と、百舌鳥・古市古墳群をご存じの方は「あの人やん!?」とニンマリしてしまうことだろう。

読売の記事はこう締め括られている。うれしゅうございます。

 20日午後6時からは、府立中之島図書館で、蓮見さんが古墳群の魅力や作品の過程などを語る講座(2500円。ナカノシマ大学のウェブサイトで受け付け)も開かれる。

ナカノシマ大学の受講申込はこちらから。

お待ちしております→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250220