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大河のようなカフェ・ヒストリー『大阪 喫茶店クロニクル』と西田辺の名店

2024年4月17日 水曜日

担当/中島 淳

喫茶店やコーヒーのことをさまざまな雑誌に寄稿し、自らも『甘苦一滴』という冊子の編集発行人である田中慶一さんという書き手のことは以前から存じ上げてはいたが、仕事での接点はあまりなく、「遠くから注目している」という感じであった。神戸や京都の喫茶店についての本を書かれていたのも知ってはいた。

この春、満を持してこちらの『大阪 喫茶店クロニクル  個性に満ちた憩いのワンダーランド』を上梓されたとSNSで拝見し、すぐに飛びついた。

4月上旬発売。税込2,200円(淡交社)

二人とも「洒落者やなぁ〜」と思わず唸らせる1枚。内装は現在も変わらない

150年の歴史が300ページに凝縮されたこちらの本を、カタい「150年史」と思っていたら、ぜんぜん違います。もちろん巻末にも年表(18ページもある!)が付いているから史料としても一級品だけど、そんな感じではない。

「珈琲好きの人たちはほんまに昔から、お客さんを喜ばせるために、こんなふうに試行錯誤しながら店やメニューを作っていたんやなぁ……」

先人たちの足跡の一つひとつが愛おしく感じられる。大阪のいろんな街(ほんまにいろんな街が出てくる)が舞台になった「喫茶店主と客の物語」という感じで、美味しいコーヒーのように体に沁みわたってくる本です。

文体がやわらかく、文字組みや紙の感じも品が良く、それでいて親しみも感じさせてくれて、スッスッスッと読める。あなたの好きなあの店この店が、どんな時代の中で、どんな人たちによって生まれ育まれたかを、知ることができる。

著者の田中慶一さんは5/17(金)のナカノシマ大学「カフェから大阪が見える 甘くて苦い、喫茶150年史」に登壇されるが、ナカノシマ大学を告知するために著書に掲載した写真をお借りしたが、その中に気になる1枚があった。

ご覧の通りお二方とも、洒落者であります。いまも内装は当時とほとんど変わらない

キタでもミナミでも天王寺でもない、阿倍野区は地下鉄御堂筋線の西田辺駅の近所にある[珈琲専門店チ・ケ]である。

65年前の1959年5月27日創業。中西俊二さんと泉子(みつこ)さん夫妻がはじめた店で、アルゼンチンタンゴの名曲からその名を取ったらしい。ターンテーブルのプレーヤーからタンゴが流れている。

「チ・ケ」は「名曲喫茶」という切り口でマニア向けの雑誌でも取り上げられ、本場からダンサーたちが来日したら必ず立ち寄るほどの店であるが、「タンゴ」で客を選別したりはしない。

田中慶一さんの『大阪 喫茶店クロニクル』で現店主の中西顕子さんが言っておられる通り、「タンゴ喫茶ではなくて、あくまでコーヒー専門店にタンゴがくっついている。タンゴはこっちの押し売りみたいなもんですから」ということで、美味しいコーヒーを飲んでただぼーっと過ごしても、ほんとうに「非日常」の豊かさに包まれるようで心地よい。

[チ・ケ]にお邪魔した日は、桜が散って初夏を思わせる日の午後だった。

長居で用事を済ませ、地下鉄に乗らずに住宅街をちんたら北上し、鶴ヶ丘を越えたあたりで長池公園の南端にたどり着く。

いつも感心するのだけど、大阪の公園で見かけるアオサギくんは人なつっこい。カメラを持って近づいてもお構いなし。

立ち姿が男前であった

「やっぱりコーヒーは食後の一杯にしょう」と、すぐにはお店には行かずに近所のスーパーで弁当を買って、アオサギくんの公園でお昼にした。日差しが眩しいので日陰に入り、スーパーのお弁当を広げてのんびりする。

(居酒屋の名店[スタンドアサヒ]もこの近くやったよなぁ……)現場に行くとあれこれと楽しい想像もわいてくる。

[チ・ケ]には30分ほどしかいなかったけれど、山崎豊子の話題になった瞬間に顕子さんが微笑みながら『ぼんち』の文庫本を取り出されたのを見て、「さすがや」と思いました。

ナカノシマ大学のチラシをお見せしたら、顕子さん曰く

「5月17日って……母(泉子さん)の誕生日じゃないですか!?」

告知のメインビジュアルに[チ・ケ]を選んだのは、偶然のようで偶然ではなかったのかもしれない。

後日、顕子さんと電話で話をしたら、もう一つオマケがあった。

「あの時、5月17日が母の誕生日だって話したでしょ?  実は田中慶一さんがウチの店に取材に来られた9月15日は、父の誕生日だったんです」

店に行くのがおもしろいのは、こういうことがあるからである。田中さんもきっと、その魔力にハマってしまったのだ。

いちばん奥の席でのんびりさせていただきました。次はチラシを持ってこよう

拝啓・古地図サロンから42

2024年4月8日 月曜日

2024年3月22日・本渡章より

【今回の見出し】

■2024年3月の古地図サロンレポートと5月の予定

  • 最近の主な古地図活動
  • お知らせ・電子書籍のご案内・プロフィル

■古地図サロンのレポート

開催日:3月22日(金)午後3~5時 御堂筋の大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて。

この日の参加は10名。いつもどおり、古地図を囲んでの歓談でゆるゆると時間が過ぎました。

サロン誕生は2018年1月26日。当初は毎月、翌年からは隔月開催。今月が42回目です。すでにお知らせのとおり、年内にガスビル大改修が始まる予定で、会場のカフェ閉店にともないサロンは終了いたします。もし、このささやかな古地図の集いに興味をお持ちの方がおられましたら、5月のサロンにお越しください。7月はたぶん開催される見込みですが、それ以後の予定は不確かです。大改修後のサロン再開はありませんので、参加の機会はあとわずか。勉強会でもなく会員制でもありませんので、どなた様も気軽にお越しください。

次回のサロンは2024年5月24日(金)開催です。


◉今回のサロンで展示した地図

◆原図
生野 大正8年(1919) 逓信協会大坂支部
京都府・滋賀県交通地図 大正9年(1920) 大阪毎日新聞社
大大阪実測地図 大正15年(1926) 和楽路屋
大阪府中等学校以上分布図 昭和6年(1931) 日下伊兵衛
大阪港案内図 昭和6年(1931) 大阪市役所港湾部
近畿観光地図 昭和36年(1961) 和楽路屋
最新大阪地図 昭和31年(1956) 和楽路屋
丹那隧道開通記念・日本全国鉄道図 昭和10年(1935) 東京日日新聞

★次回は2024年5月24日(金)午後3~5時開催予定

会場は御堂筋の大阪ガスビル1階カフェにて。私の30分トークは午後4時頃からです。サロン参加は無料(但し、カフェで1オーダーしてください)。途中参加・退出OK。勉強会でもなく会員制でもありませんので、どなたでも気軽にご参加ください。

諸事情により開催中止の場合は、事前にこの場でお知らせします。

 

【お知らせ】

●朝日カルチャーセンター中之島での講座 4月~6月

4月22日(月)・5月13日(月)午前10時~12時
此花区エリアをテーマに史跡ウォークと教室での座学による2回講座

「古地図むかし案内」

6月17日(月)午前10時30分~12時
大阪市電と阪堺電軌の追憶と今現在

「大阪の路面電車」

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サロン「東風(こち)」第4回

2024年5月10日(金)午後2~4時 豆玩舎ZUNZO(宮本順三記念館)/近鉄八戸ノ里駅前

古地図を囲んで街の話題を語ります。お茶付き。会場はグリコのおまけデザイナーで洋画家の宮本順三さんの作品&コレクションを集めたミュージアム・豆玩舎(宮本順三記念館)。近鉄八戸ノ里駅前。展示の観覧もかねて、お気軽にご参加を。

 

X(ツィッター)その他

X(ツィッター)始めました。本渡章 @hondo_akira1113
古地図以外の話題もいろいろ。その他まだ公開できませんが、進行中の案件あり。いずれご報告いたします。

●「大阪の地名に聞いてみた」ブログ連載、全12回24編

一年間の連載(題字と似顔絵・奈路道程)に追加取材を加え、ブログの内容を大幅に刷新して書籍化が進行中です。刊行までブログ「大阪の地名に聞いてみた」をお楽しみください。

第12回 ここは水惑星サンズイ圏【前編・後編】
第11回 島の国の島々の街【前編・後編】
第10回 仏地名は難波(なにわ)から大坂、大阪へ【前編・後編】
第9回  人の世と神代(かみよ)をつなぐ神地名【前編・後編】
第8回 語る地名・働く地名【前編・後編】(仕事地名・北摂編)
第7回 古くて新しい仕事と地名の話【前編・後編】(仕事地名・河内編)
第6回 街・人・物・神シームレス【前編・後編】(仕事地名・泉州編)
第5回 場所が仕事をつくった【前編・後編】(仕事地名・大阪市中編)
第4回 花も緑もある大阪【前編・後編】
第3回 桜と梅の大阪スクランブル交差点【前編・後編】
第2回 続・干支地名エトセトラ&その他の動物地名【前編・後編】
第1回 大阪の干支地名エトセトラ【前編・後編】

 

動画シリーズ継続中!
  本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み

大阪24区を順番に歩いてめぐる「古地図さんぽ」講座を年数回開催しています。5月のテーマは淀川区。詳細は大阪コミュニティ通信社まで。

第2回番外編 府と区と市の関係について再考

第2回その2 西へ西へと流れた街のエネルギーと水都の原風景…西区

第2回その1 「江戸時代の大坂」と「明治以後の大阪」の架け橋となった巨大区…西区

第1回その3 平成の減区・合区が時代のターニングポイント

第1回その2 大正~昭和は人口爆発、増区・分区の4段跳び時代

第1回その1 大坂三郷プラスワン、4つの区の誕生

|古地図ギャラリー休眠のお知らせ|

2020年9月から202311月まで、東畑建築事務所・清林文庫の所蔵地図、鳥瞰図絵師の故・井沢元晴氏の作品を中心に紹介してきた古地図ギャラリーは休眠期間に入りました。過去20回の公開作品には現役の鳥瞰図絵師、青山大介氏の作品や本渡章所蔵の古地図も含まれています。ラインアップは下記の通りです。
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過去20回の古地図ギャラリーで公開した全40作品

20(2023年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪新町夕陽廊の賑」安政5年(1859)

第19回(2023年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より黄華山・画「花洛一覧図」文化5年頃(1808)

 

第18回(2023年7月)

①東畑建築事務所・清林文庫より池田奉膳蔵「内裏図」

 

第17回(2023年5月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「地球萬國山海輿地全図」

②青山大介作品展2023

 

第16回(2023年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「天王寺・石山古城図」

 

第15回(2023年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より長谷川圖書「摂津大坂図鑑綱目大成」

 

第14回(2022年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より久野恒倫「嘉永改正堺大絵図」

②鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「私たちの和田山町」

 

第13回(2022年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「淀川勝竜寺城跡全図」

 

第12回(2022年7月)

①東畑建築事務所「清林文庫」より秋山永年「富士見十三州輿地全図」

 

第11回(2022年5月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大日本分境図成」

 

第10回(2022年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「新改正摂津国名所旧跡細見大絵図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「笠岡市全景立体図」

 

第9回(2022年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「暁鐘成・浪花名所独案内」

②本渡章所蔵地図より「大阪市観光課・大阪市案内図

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「躍進井原市」

 

第8回(2021年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「友鳴松旭・大日本早見道中記」

②本渡章所蔵地図より「遠近道印作/菱川師宣画・東海道分間絵図」「清水吉康・東海道パノラマ地図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「吉備路」

 

第7回(2021年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・江戸図鑑綱目坤」「遠近道印・江戸大絵図」

②本渡章所蔵地図より「改正摂津大坂図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉吉市と周辺 文化遺跡絵図」

 

第6回(2021年7月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・日本海山潮陸図」「石川流宣・日本国全図」

②本渡章所蔵地図より「大阪師管内里程図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉敷美観地区絵図」

 

第5回(2021年5月)

①2007清林文庫展解説冊子・2019清林文庫展チラシ

②本渡章所蔵地図より「近畿の聖地名勝古蹟と大阪毎日」

③フリーペーパー「井沢元晴漂泊の絵図師」・鳥観図「古京飛鳥」「近つ飛鳥河内路と史跡」

 

第4回(2021年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪湾築港計画実測図」

②本渡章所蔵地図より「大阪港之図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「福山展望図」

④鳥観図絵師・青山大介の作品より「梅田鳥観図2013」

 

第3回(2021年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「江戸切絵図(尾張屋版)」「摂津国坐官幣大社住吉神社之図」

②本渡章所蔵地図より「摂州箕面山瀧安寺全図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「小豆島観光絵図」

 

第2回(2020年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「メルカトル世界地図帳」「オルテリウス世界地図帳」

②本渡章所蔵地図より「A NEW ATLAS帝国新地図」「NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「大阪府全図(三部作)」

 

第1回(2020年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」

②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「ふたつの飛鳥と京阪奈」

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東畑建築事務所「清林文庫」は、同事務所の創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関しても国内外の書籍、原図など多数を収め、価値はきわめて高い。

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鳥観図絵師・井沢元晴(1915~1990)は戦後から昭和末までの約40年間に、日本各地を訪ねて多くの鳥観図を描き、昭和の伊能忠敬とメディアで紹介された。活動の前半期にあたる戦後の20年間は「郷土絵図」と呼ばれた鳥観図を作成。その多くは、子供たちに郷土の美しさを知ってもらいたいとの願いをこめて各地の学校に納められ、校舎に飾られた。学校のエリアは主に西日本。「郷土絵図」の活動は60年代半ばまで継続し、新聞各紙にとりあげられた。

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鳥観図絵師・青山大介(1976~)神戸生まれ。高校時代に都市鳥瞰図絵師の第一人者、故・石原正氏の鳥観図に出会い、感銘を受け、独学で鳥瞰図絵師を志す。2011年、制作に3年半をかけた「みなと神戸バーズアイマップ2008」を完成。2013年発行の「港町神戸鳥瞰図2008」は神戸市の津波避難情報板に採用された。以後、多数の作品を発表し、都市鳥瞰図の魅力を発信。2022年の「古の港都 兵庫津鳥瞰図1868」は同年開館の兵庫津ミュージアムのエントランス展示作品となる。2023年、神戸市文化奨励賞受賞。

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●電子書籍のお知らせ

本渡章の著書(古地図・地誌テーマ)のうち、電子書籍になった10冊(2022年末現在)は次の通りです。
(記載の刊行年は紙の書籍のデータです)

『鳥瞰図!』140B・刊(2018年)

思考・感情・直観・感覚…全感性を目覚めさせる鳥瞰図の世界にご案内。大正の広重と呼ばれた吉田初三郎の作品群を中心に、大空から見下ろすパノラマ風景の醍醐味を味わえます。併せて江戸時代以来の日本の鳥観図のルーツも紐解く、オールカラー・図版多数掲載の決定版。

『古地図で歩く大阪 ザ・べスト10』140B・刊(2017年)

梅田・中之島・御堂筋・ミナミ・天満・京橋・天王寺。阿倍野・住吉・十三・大正・平野の10エリアを古地図で街歩きガイド。さらに博物館、図書館、大書店、古書店での古地図探しの楽しみ方、大阪街歩き古地図ベストセレクション等々、盛りだくさんすぎる一冊。オールカラー・図版多数掲載。

*上記2冊は各電子書籍ストアでお求めください

*下記8冊は創元社(オンライン)の電子書籍コーナーでお求めいただけます

『図典「摂津名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

大阪の地誌を代表する「摂津名所図会」の全図版を掲載。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添えた。調べものに便利な3種類の索引、主要名所の現在地一覧付。江戸時代の大阪を知るためのビジュアルガイド。

『図典「大和名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

姉妹本『図典「摂津名所図会」を読む』の大和(奈良)版です。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添え、3種類の索引、主要名所の現在地一覧も付けるなど「摂津編」と同じ編集で構成。江戸時代の奈良を知るためのビジュアルガイド。

『古地図が語る大災害』創元社・刊(2014年)

記憶の継承は防災の第一歩。京阪神を襲った数々の歴史的大災害を古地図から再現し、その脅威と向き合うサバイバル読本としてご活用ください。歴史に残る数々の南海トラフ大地震の他、直下型大地震、大火災、大水害の記録も併せて収録。

『カラー版大阪古地図むかし案内』(付録・元禄9年大坂大絵図)創元社・刊(2018年)

著者の古地図本の原点といえる旧版『大阪古地図むかし案内』に大幅加筆し、図版をオールカラーとした改訂版。江戸時代の大坂をエリアごとに紹介し、主要な江戸時代地図についての解説も収めた。

『大阪暮らしむかし案内』創元社・刊(2012年)

井原西鶴の浮世草子に添えられた挿絵を題材に、江戸時代の大坂の暮らしぶりを紹介。絵解きしながら、当時の庶民の日常と心情に触れられる一冊。

『大阪名所むかし案内』創元社・刊(2006年)

江戸時代の観光ガイドとして人気を博した名所図会。そこに描かれた名所絵を読み解くシリーズの最初の著書として書かれた一冊。『図典「摂津名所図会」を読む』のダイジェスト版としてお読みいただけます。全36景の図版掲載。

『奈良名所むかし案内』創元社・刊(2007年)

名所絵を読み解くシリーズの第2弾。テーマは「大和名所図会」。全30景の図版掲載。

『京都名所むかし案内』創元社・刊(2008年)

名所絵を読み解くシリーズの第3弾。テーマは「都名所図会」。全36景の図版掲載。

※その他の電子化されていないリアル書籍(古地図・地誌テーマ)一覧

『古地図でたどる 大阪24区の履歴書』140B・刊(2021年)

『大阪古地図パラダイス』(付録・吉田初三郎「大阪府鳥瞰図」)140B・刊(2013年)

『続・大阪古地図むかし案内』(付録・グレート大阪市全図2点)創元社・刊(2011年)

『続々・大阪古地図むかし案内』(付録・戦災地図・大阪商工地図)創元社・刊(2013年)

『アベノから大阪が見える』燃焼社・刊(2014)

『大阪人のプライド』東方出版・刊(2005)

 

●本渡章(ほんど・あきら)プロフィール

1952年大阪市生まれ。作家。(財)大阪都市協会発行時の「大阪人」編集などを経て文筆業に。1996年第3回パスカル短篇文学新人賞優秀賞受賞。短編が新聞連載され『飛翔への夢』(集英社)などに収録。編著に『超短編アンソロジー』(ちくま文庫)がある。その後、古地図・地誌をテーマに執筆。
著書『鳥瞰図!』『古地図でたどる大阪24区の履歴書』『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』『大阪古地図パラダイス』(140B)『古地図が語る大災害』『カラー版大阪古地図むかし案内』『図典「摂津名所図会」を読む』『大阪暮らしむかし案内』(創元社)など多数。共著に『大阪の教科書』(創元社)がある。

ええ意味で疲れた!『こんだあきこの わたしの偏愛遺跡旅』

2024年4月2日 火曜日

担当/中島 淳

4.12(金)のナカノシマ大学に登壇する譽田亜紀子さんの新刊『こんだあきこの わたしの偏愛遺跡旅』(新泉社)を拝読。

2024年4月上旬発売。一部の書店ではすでに並んでます。1,980円(税込)

自分自身が、遺跡のある土地の自然や大気を浴びながら旅したようで、ええ意味でへとへとに疲れました。

北海道を除く各地に点在する古代遺跡を訪ねる旅が章立てになっていて、ロードムービーの感がある。縄文・弥生・古墳時代の遺跡が主だが、その前後、旧石器時代のサキタリ洞遺跡(沖縄県)や戦国時代の八王子城跡(東京都)まで全部で18章とバラエティ感がすごい。

なかでも世界遺産となった秋田県のストーンサークル(伊勢堂岱遺跡)は前編・後編の2本立て。「日本にもこんな場所があるのか」「これは死ぬまでに一度行かなアカンな」という感を強くした。

古代遺跡の場所は一部を除くと交通至便ではないし、歩く距離や高度差なども半端ではない。翌朝は常に筋肉痛に襲われたことだろう。

行間から、現地の空気の重さ軽さや湿気、臭い(匂いでなくて)まで伝わってくる。千葉市の・加曽利貝塚「北貝塚貝層断面施設」を訪れた章では、実際に積み上げられた約4,000年前の貝がいまなお臭っている訳でもないのに、譽田さんは想像力を駆使してずんずん書く。「臭ったほうがええんか!?」と言いたくなるほどである。

「ただの貝が積み重なっているだけなのに、こんなにもぐるぐると脳内をかき乱される。2メートルの積み重なりに、彼らの生きることへの執念を感じ、おののいていたのかもしれない。そして施設から出てふと思った。これ、当時は相当に臭ったんじゃあるまいか。」(第15章・加曽利貝塚)

写真で見るよりもおぞましさが増幅されるくだりだけど、譽田さんは逆にこう言って締める。

「この臭いがあるからこそわが集落。臭いはアンデンティティ」

それだけでは終わらない。縄文人たちの食生活を追体験しようと、翌日には木更津まで「貝採り」に出かけ、たっぷり採れたイボサキゴ(実際に貝塚に積み上げられていた直径2センチほどの貝)を土器鍋を使って「イボサキゴ汁」にして飲む。うまい!と唸り、縄文人の生命力にひたすら敬服していた。

こんな感じで譽田さんはどの場所を訪れても、遺跡で暮らしていた先人の営みに(若干の狂気を感じつつも)敬意を払い、懐かしい知り合いに話しかけるように、その時代に生きた暮らしのありようを書き綴っている。

海岸沿いに内陸そして沖縄本島。「偏愛」という言葉が実感できる

本文には富士山が何度も登場する。静岡から関東の人には珍しくもなんともないはずだが、先史時代の遺跡と「富士山」の組み合わせが新鮮、というか違和感があった。

しかし普通に考えたら縄文や弥生、古墳時代の人たちだって富士山を見て当たり前のように「ありがたいなぁ」と思っていたのだ。

逆に言うとそれだけ、百人一首(田子の浦に〜)や北斎、広重、横山大観などの絵で刷り込まれた「富士山のイメージ」にガキの頃から囚われていたんだなということが分かった。

譽田さんも「西日本に長く暮らしたわたしにとって、富士山は新幹線のなかから見るもの。」(第13章・三浦半島海蝕洞窟遺跡)と書いている。

この本は、譽田さんが古代を深掘りして訪ねる旅であり、同時に彼女が「かつて抱いていた偏見から自由になる旅」でもあることを、読者は読み進むうちにだんだん発見する。

あのパッション溢れるスタンディングの講演は、遺跡で先人から受けたパワーが源になっているのだということも、この本を読むことで改めて知った。

子ども時代に読んでいたら、きっと人生変わったと思いますわ。小学生にも勧めたい。

ナカノシマ大学当日には、『知られざるマヤ文明ライフ』(誠文堂新光社)と共に会場で販売するので、どうぞお楽しみに!

譽田さんは江弘毅のうまいもんの本も一緒に取材したぐらいだから、もちろん店好き酒好き美味いもん好きです。遺跡取材から帰ってきたら、カウンターでゴキゲンにやってはります(日本経済新聞2023年11月1日「焼酎特集」)

 

 

情熱の古代伝道師、譽田亜紀子さん再び来阪!

2024年3月25日 月曜日

担当/中島 淳

譽田亜紀子(こんだ・あきこ)さんが2022年の12月講座に続いて、ナカノシマ大学に講師として登壇してもらえることになった。4月12日(金)18時からである

当日はこのチラシの写真に写っているTシャツ(スソアキコさんが描いたマヤのサウナの絵柄)を着用して登壇されるそうだ。

譽田さんについては以前にも弊社ブログで紹介した通り、初めて一緒に仕事をした13年前の、雑誌『大阪人』の頃から一貫して変わらず、常に「上機嫌でフレンドリー」な書き手であり編集者であった。

その時は「うまいもん」「鉄道」という2つのテーマで仕事をしてもらったが、「譽田亜紀子の取材チーム」は笑顔が伝染する感じで、同行するカメラマン氏や取材協力してくれたお店の人も顔がユルんでいたのが懐かしい。

しかし当時の譽田さんとしては、「なんとしても土偶の本を出したい」ということが常に頭の片隅にあったのだろう。やがて関西から東京に拠点を移し、全国の遺跡や博物館をめぐって取材を行い、高名な学者から監修を受けて『はじめての土偶』(世界文化社)を上梓したのは2014年の夏のこと。

この本が出版された頃から、「土偶」「縄文」をテーマにした本が世の中に増え、その流れに拍車をかけるように譽田さんの著書も次々と生まれた。

そして「縄文」のみならず、譽田さんならではの視点で「弥生」「古墳」など日本の先史時代についての著書も生まれ、どれも10,000部以上を記録し、いまなお版を重ねている。

先ほど「譽田さんならではの視点」と書いたが、私なりの乱暴な解釈を書くと、縄文時代だろうが弥生だろうが古墳だろうが、そこにあるのは「歴史」というよりまず「ふつうに生きている人間」ということではないかと思っている。

それは博物館のガラスケースに入った「展示物」というよりも、「私よりちょっと前に生活していたあの人」という距離感だ。

「かわいいアクセサリーがうらやましい」「お母さん、子育て大変やったんやろな」みたいな目で古代の「歴史遺産」を見ている。だから著書も分かりやすいし親しみやすい(コンビを組んでいるイラストレーターのスソアキコさんの絵がまた抜群だ)。

ナカノシマ大学は、だいたい30代より上の年齢層の方が受講される多いが、譽田さんの講座には小学生から70代までお越しになる。ナカノシマ大学15年の歴史の中でも「受講年齢層の幅広さ歴代No.1」と言えるでしょう。ということで、今回は初めて「小学生以下の料金」も設定しました。古代好きの子どもさん、お孫さんのいる方はぜひご一緒に。

講座当日は、『知られざる縄文ライフ』『〜弥生ライフ』『〜古墳ライフ』に続く譽田亜紀子&スソアキコの4作目で、現在、中之島の国立国際美術館で開催されている特別展「古代メキシコ」のミュージアムショップでも販売されている『知られざるマヤ文明』(誠文堂新光社)と、4月上旬発売の最新刊『こんだあきこの わたしの偏愛遺跡旅』(新泉社)の2冊を発売します(後者については改めてご紹介します)。

遥か昔にその地で生活していた人間に、知り合いのように話しかけるような文章もさることながら、譽田さんの魅力は、なんと言ってもライブな講演に尽きる。

2022年12月17日、大阪府立中之島図書館でのナカノシマ大学にて

通常、ナカノシマ大学ではプロジェクターに資料を投影しながら着席して話をする講師の方が多いのだが、彼女の場合はオールタイムスタンディングで話し続ける。

2年前の12月も、子どもから人生の先輩まで、譽田トークに目が釘付けになっていた。あのパッション溢れる講演がまた聞けるとは、4月12日(金)が楽しみです。

 

 

 

金水敏先生から3.18(月)の講義資料が届きました

2024年3月15日 金曜日

担当/中島 淳

はっきり言ってむちゃくちゃおもしろいです。

プロジェクターに投影するパワーポイントの資料(50枚以上あります)を読むだけでも楽しいのに、これに金水先生の解説が付くと「たまらんやろなぁ」「みんな楽しそうに見るやろなぁ」と容易に想像できます。

パワポの投影資料をプリントアウトしました。肝心なところは当日のお楽しみ!

講義内容は大別すると

⚫︎本講義の目的(いきなりガツンときます) ⚫︎大阪弁の歴史 ⚫︎大阪弁の多様性 ⚫︎“コテコテ大阪弁” ⚫︎大阪コトバの広がり ⚫︎大阪型コミュニケーション

……などに分かれていて、皇居にも「ご進講」に出向かれた第一級の学者(金水先生のこと)が集めた豊富な資料が次々と登場するだけでなく、みんなが知ってるマンガやドラマ、小説、戯曲などの会話文が「事例」としてたくさん出てくるので注目ですわ。

また、3.18(月)ナカノシマ大学当日のみ、大阪府立中之島図書館2階のミュージアムショップにて(会場は3階多目的スペース)、金水敏先生の著書『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』と『コレモ日本語アルカ? 異人のことばが生まれるとき』(いずれも岩波現代文庫)を販売します。

 

本は先生が直接持参されるので、数に限りがあります。講座終了後にはサインをしてくださると思うので、ご期待あれ。

お楽しみはもう一つ。

かつて弊社は、雑誌『大阪人』の企画・編集を1冊まるごと、2011年5月から2012年4月まで、手がけていました。

1年間に隔月刊誌の『大阪人』を6冊、増刊号を4冊を編集しましたが、隔月刊誌では内田樹先生や町田康先生と並んで、金水先生の連載「新明解 現代大阪語辞典」がとても面白く、毎号人気でした。

毎回毎回、その時々の人気ドラマや身近な話を「つかみ」に持ってきて読者をリラックスさせ、「なんでそのコトバが使われるのか? それが意味するものは?」について、一つひとつ解きほぐすように解説していく。金水先生の上機嫌さとフレンドリーさが溢れる文章がとても読みやすく、「大阪のコトバについて一つ学んだなぁ」と実感できる内容でした。

この「新明解 現代大阪語辞典」には雑誌らしく4コママンガが添えらえていて、辻井タカヒロさんの、脱力系で笑えるけどちょっと毒のある絵がまた最高で、素晴らしいコンビだったと思います。

……と書いているだけでは「見てへんからぜんぜん分からんわ」と言われるのがオチなので、こちらも講義資料プラスワンとして、当日受講のみなさまにお配りします。

……というお楽しみ満載の3.18(月)ナカノシマ大学、当日朝10時に締め切りますが、その前に100人になったら終了ですので(あと15人)、どうぞお早めに!

 

3/20、23-24 本のイベントに出展します

2024年3月12日 火曜日

140Bは3/20(水・祝)、3/23-24(土・日)とそれぞれ本のイベントに出展します。

3/20(水・祝)11:00~16:00
おひがしさんブックパーク

会場は京都駅からもすぐの東本願寺前に新しく誕生した「市民緑地 お東さん広場」です。
初の試みでどんな出会いがあるか楽しみです。

3/23-24(土・日)10:00~17:00
江坂ブックフェスタ

吹田市江坂図書館および江坂公園等が会場です。
こちらも第1回とは思えない催し盛りだくさんのイベントになっています。

 

このような地域発のイベントが増えきそうですね。
どんどん、みんなで一緒に本の周辺を盛り上げていきたいと思います。たくさんのお運びをお待ちしております(青木)

 

3.18(月)のナカノシマ大学は定員を100人に増やしました

2024年3月11日 月曜日

担当/中島 淳

2023年度文化功労者の金水敏先生(日本学士院会員・放送大学大阪学習センター所長・大阪大学名誉教授)が登壇される3.18(月)ナカノシマ大学「どこへ行くのか大阪コトバ」の受講申し込みが、先週金曜日に定員の60人を超えましたので、大阪府立中之島図書館と協議して定員を100人まで増やすことにしました。

一人でも多くの方に、金水先生の「深くておもろうてためになる」大阪コトバの世界を体験していただければと思います♬

https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20240318

2.27(火)朝、細川貂々さん「おはパソ」に生出演!

2024年2月23日 金曜日

担当/中島 淳

ナカノシマ大学に出られる細川貂々(てんてん)さんに、生出演をお願いしたいのですが」

中村鋭一さん、道上洋三さんの時代から半世紀以上続くABCラジオ「おはようパーソナリティ小縣裕介です(おはパソ)」の放送作家・O氏から連絡があったのは2月22日(木)のこと。

2月20日(火)読売新聞には新刊『きょうはおやすみします がっこうのてんこちゃん』(福音館書店)発売の記事が。https://www.yomiuri.co.jp/national/20240219-OYT1T50181/

「それ、いつの番組です?」「27日の火曜日で、オンエアは8:00頃から25分ほどです」。ナカノシマ大学の当日ですやん(笑)。

貂々さん、たぶんその日は夕方のナカノシマ大学までに、忙しい用事をぜんぶ済ませてから大阪に来られる予定だったのだろうと想像するが、朝7時半に福島区の朝日放送に入ろうと思ったら、「5時台に起きて宝塚のご自宅を6時半前に出んと間に合わんやろなぁ……」とか「ラジオのあとナカノシマ大学(18時〜19時半)までどないされるんやろか……」とか心配しつつも「すんませんお世話かけます!」と図々しくお願いした。

通常、ナカノシマ大学の受講申し込みは、開催前日に締め切ることにしている。

しかし、開催日の朝に「おはパソ」を聴いたリスナーの何人かが「今日の夕方やったら行ってみたい」となる可能性は、貂々さんが講師なんだから十分にあります。鶴笑師匠の大爆笑パペット落語もやりますから。

なので、今回の申込締切は当日、開場の17時半まで延ばします。みなさんふるってどうぞ。この日は晴れです(笑)

〈2月27日(火)のスケジュール〉

8:00頃〜8:30頃 ABCラジオ「おはようパーソナリティ小縣裕介です」細川貂々さん生出演

18:00〜19:45 ナカノシマ大学「生きるのヘタもまた楽し! トーク&パペット落語の会」講師:細川貂々 聞き手:髙島幸次 パペット落語:笑福亭鶴笑「あたま山」 申し込みはこちら

〈お楽しみはまだまだ〉

新刊『きょうはおやすみします がっこうのてんこちゃん』(福音館書店)発売にちなんで、西区堀江のART HOUSEにて個展「ほそかわてんてん『てんこちゃん て なんだろう』」を開催。3/8(金)〜12(火) ※3/9(土)にはトークショーも。

ほそかわてんてん「てんこちゃんてなんだろう」

細川貂々さん、ナカノシマ大学に初見参!

2024年2月19日 月曜日

担当/中島 淳

ナカノシマ大学誕生15周年の2024年。この2月講座には、マンガ家でイラストレーターの細川貂々(ほそかわ・てんてん)さんが登壇する。

ドラマ&映画化もされたベストセラー『ツレがうつになりまして』(幻冬舎)の作者として有名な貂々さんは、地元の宝塚市で「生きるのヘタ会?」を開催するだけでなく、神戸新聞のWEBでも展開している。

©細川貂々・神戸新聞

こちらのタイトルイラストを見ると気持ちのハードルが下がるし、自らの弱いところ、しんどいところを話してみる、という行為はシリアスで深刻そうに見えるけど、話すことで自分が楽になる。「あ、それ私もある」と近くの人と共感の橋がかかったりする。

この会では貂々さんは、「生きるのがヘタな人間のひとり」という立場で参加はしているが、あくまで「聞き役」に徹しているらしい。そのココロは参加者が、話すこと、他の参加者の話を聞くことを通じて自分を「研究対象」として客観的に見ることが目的だからということである。

貂々さんは自らを「ネガティブ思考クイーン」と思っていて、それが人生のいろんなところで顔を出すことがあって、ずっとうまくいかなかったという。

その彼女がマンガ家となりベストセラーを生み、この「生きるのヘタ会?」に至るまでの道のりについては、神戸新聞の中島摩子さんによるこちらのインタビュー記事がとても興味深くて面白かったので、お薦めです。

 

福音館書店から発売。左1,210円、右1,320円

細川貂々さんの作品は『ツレうつ』だけでなく本当にたくさんあって絞るのが大変だけど、昨年にはじまった「がっこうのてんこちゃん」シリーズは必読です。

何かあるとすぐにネガティブ思考の「どうしようオバケ」が顔を出す「てんこちゃん」を含めた、10人のクラスメイトの群像劇。先生も含めてそれぞれのキャラクターが見事に立っていて、これがきっと「生きるのヘタ会?」で貂々さんが目指している、「そのメンバーの一人として、自分が無理せずいられる」感じなんだろうと思う。

1巻目は『はじめてばかりでどうしよう!』、2巻目は『きょうはおやすみします』。子ども向けの本だけど、大人も楽しめる。ささっと読めるけど、考えさせてくれる。

クラスメイト「てんいち」くんから「てんと」くんまで10人の登場人物のひとりに、「てんぱちくん」がいて、落語好きで、「すきな演目は『あたま山』」と紹介されている(1巻目)。

これは、パペット落語の第一人者、笑福亭鶴笑師匠へのリスペクトですな。師匠の「あたま山」は2月27日(火)のナカノシマ大学に、貂々さん×髙島先生のトークの後で登場します。みなさまお楽しみに!

拝啓・古地図サロンから41

2024年2月13日 火曜日

2024年1月26日・本渡章より

【今回の見出し】

■2024年1月の古地図サロンレポートと2024年3月の予定

  • 最近の主な古地図活動
  • お知らせ・電子書籍のご案内・プロフィル

■古地図サロンのレポート

開催日:1月26日(金)午後3~5時 御堂筋の大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて。

皆さま、いかがお過ごしですか。

新しい年は能登地震の悲報から始まりました。戦争、気候変動をはじめ難題山積みの世界の隅っこで、このささやかなサロンが誕生から7年目を迎えられたのは幸運のおかげです。会場のカフェがある大阪ガスビルの大改修が始まるまで、あと数回の開催になりますが、よろしくお願いいたします。

今回は大正末期、昭和30年代の大阪市街図、東住吉区と此花区の区分地図などを広げ、最後に日本全国の活断層地図を見ていただきました。「ちょっと前まで、ここにこんなものがあった」「ひと世代前まで、あそこにこんな風景があった」と、地図に見つけた時の流れを語らう楽しみも平穏な日々があってこそ。島国の日本が活断層の赤いラインに覆われ、震源地となるプレート境界のトラフ(海溝)に囲まれているのを示す活断層地図は、頭のどこかに置いておくのが、日々を大事に過ごすことにつながると思います。

ここしばらくメンバーが固定していたのですが、久々に初参加の方をお迎えしました。このブログを見て来られたとのこと。大歓迎です。残り少なくなった大阪ガスビルでのサロン、関心をお持ちの方は、3月、5月、7月の第4金曜日に1階カフェを覗いてみて下さい。夏までは従来通り開催しています。9月以後は未定ですが、ガスビル大改修が始まった時点で会場のカフェ閉店となるためサロンは終了いたします(改修後の再開はありません)。次回の古地図サロンは2024年3月22日(金)開催です。

 

 

◉今回のサロンで展示した地図

◆原図
大大阪最新地図 大正14年(1925) 時事新報社
大阪市新地図 昭和6年(1931) 日下伊兵衛
交通明細大阪市街新地図 昭和20年代後半 日地出版
最新大阪地図 昭和31年(1956) 和楽路屋
大阪市区分地図・此花区詳細図 昭和28年(1953) 和楽路屋
地番入東住吉区詳細図 昭和30年頃 発行者不明
日本の活断層図[地図と解説] 平成4年(1992) 活断層研究会編・東京大学出版会

★次回は2024年3月22日(金)午後3~5時開催予定

会場は御堂筋の大阪ガスビル1階カフェにて。私の30分トークは午後4時頃からです。サロン参加は無料(但し、カフェで1オーダーしてください)。途中参加・退出OK。勉強会でもなく会員制でもありませんので、どなたでも気軽にご参加ください。

諸事情により開催中止の場合は、事前にこの場でお知らせします。

 

【最近と今後の古地図活動】12月以降

●朝日カルチャーセンター中之島での講座 2月~5月

2月23日(金)・3月22日(金)午前10時30分~12時「古地図地名物語」
住吉区・住之江区の地名について連続講座でお話します。

4~5月は史跡ウォークと教室での座学による2回講座を予定

 

サロン「東風(こち)」第3回

2024年2月9日(金)午後2~4時 豆玩舎ZUNZO(宮本順三記念館)/近鉄八戸ノ里駅前

古地図を囲んで街の話題。古地図の楽しみ方についても語ります。お茶付き。会場はグリコのおまけデザイナーで洋画家の宮本順三さんの作品&コレクションを集めたミュージアム・豆玩舎(宮本順三記念館)。近鉄八戸ノ里駅前。ミュージアム観覧もかねて、お気軽にご参加を。

 

X(ツィッター)その他

X(ツィッター)始めました。本渡章 @hondo_akira1113
古地図以外の話題もいろいろ。その他まだ公開できませんが、進行中の案件あり。いずれご報告いたします。

●「大阪の地名に聞いてみた」ブログ連載、全12回24編

誰よりも大阪を知る「大阪の地名」の声、地名にひかれ地名で結ばれる人の想い。一年間の連載が2023年1月に完結(題字と似顔絵・奈路道程)し、書籍化が決定! 追加取材を加え、ブログの内容を大幅に再構成し、刊行されます。
それまではブログ「大阪の地名に聞いてみた」でお楽しみください。

第12回 ここは水惑星サンズイ圏【前編・後編】
第11回 島の国の島々の街【前編・後編】
第10回 仏地名は難波(なにわ)から大坂、大阪へ【前編・後編】
第9回  人の世と神代(かみよ)をつなぐ神地名【前編・後編】
第8回 語る地名・働く地名【前編・後編】(仕事地名・北摂編)
第7回 古くて新しい仕事と地名の話【前編・後編】(仕事地名・河内編)
第6回 街・人・物・神シームレス【前編・後編】(仕事地名・泉州編)
第5回 場所が仕事をつくった【前編・後編】(仕事地名・大阪市中編)
第4回 花も緑もある大阪【前編・後編】
第3回 桜と梅の大阪スクランブル交差点【前編・後編】
第2回 続・干支地名エトセトラ&その他の動物地名【前編・後編】
第1回 大阪の干支地名エトセトラ【前編・後編】

 

動画シリーズ継続中!
  本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み

大阪市のたどった道のりを、それぞれの土地の成り立ちと経済、文化など多様な要素を持つ24の「区」から見つめなおすシリーズ。続編はしばらくお待ちを。(制作・大阪コミュニティ通信社)

第2回番外編 府と区と市の関係について再考

第2回その2 西へ西へと流れた街のエネルギーと水都の原風景…西区

第2回その1 「江戸時代の大坂」と「明治以後の大阪」の架け橋となった巨大区…西区

第1回その3 平成の減区・合区が時代のターニングポイント

第1回その2 大正~昭和は人口爆発、増区・分区の4段跳び時代

第1回その1 大坂三郷プラスワン、4つの区の誕生


|古地図ギャラリー休眠のお知らせ|

2020年9月から202311月まで、東畑建築事務所・清林文庫の所蔵地図、鳥瞰図絵師の故・井沢元晴氏の作品を中心に紹介してきた古地図ギャラリーは休眠期間に入りました。過去20回の公開作品には現役の鳥瞰図絵師、青山大介氏の作品や本渡章所蔵の古地図も含まれています。ラインアップは下記の通りです。
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過去20回の古地図ギャラリーで公開した全40作品

20(2023年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪新町夕陽廊の賑」安政5年(1859)

第19回(2023年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より黄華山・画「花洛一覧図」文化5年頃(1808)

 

第18回(2023年7月)

①東畑建築事務所・清林文庫より池田奉膳蔵「内裏図」

 

第17回(2023年5月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「地球萬國山海輿地全図」

②青山大介作品展2023

 

第16回(2023年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「天王寺・石山古城図」

 

第15回(2023年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より長谷川圖書「摂津大坂図鑑綱目大成」

 

第14回(2022年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より久野恒倫「嘉永改正堺大絵図」

②鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「私たちの和田山町」

 

第13回(2022年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「淀川勝竜寺城跡全図」

 

第12回(2022年7月)

①東畑建築事務所「清林文庫」より秋山永年「富士見十三州輿地全図」

 

第11回(2022年5月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大日本分境図成」

 

第10回(2022年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「新改正摂津国名所旧跡細見大絵図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「笠岡市全景立体図」

 

第9回(2022年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「暁鐘成・浪花名所独案内」

②本渡章所蔵地図より「大阪市観光課・大阪市案内図

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「躍進井原市」

 

第8回(2021年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「友鳴松旭・大日本早見道中記」

②本渡章所蔵地図より「遠近道印作/菱川師宣画・東海道分間絵図」「清水吉康・東海道パノラマ地図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「吉備路」

 

第7回(2021年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・江戸図鑑綱目坤」「遠近道印・江戸大絵図」

②本渡章所蔵地図より「改正摂津大坂図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉吉市と周辺 文化遺跡絵図」

 

第6回(2021年7月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・日本海山潮陸図」「石川流宣・日本国全図」

②本渡章所蔵地図より「大阪師管内里程図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉敷美観地区絵図」

 

第5回(2021年5月)

①2007清林文庫展解説冊子・2019清林文庫展チラシ

②本渡章所蔵地図より「近畿の聖地名勝古蹟と大阪毎日」

③フリーペーパー「井沢元晴漂泊の絵図師」・鳥観図「古京飛鳥」「近つ飛鳥河内路と史跡」

 

第4回(2021年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪湾築港計画実測図」

②本渡章所蔵地図より「大阪港之図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「福山展望図」

④鳥観図絵師・青山大介の作品より「梅田鳥観図2013」

 

第3回(2021年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「江戸切絵図(尾張屋版)」「摂津国坐官幣大社住吉神社之図」

②本渡章所蔵地図より「摂州箕面山瀧安寺全図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「小豆島観光絵図」

 

第2回(2020年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「メルカトル世界地図帳」「オルテリウス世界地図帳」

②本渡章所蔵地図より「A NEW ATLAS帝国新地図」「NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「大阪府全図(三部作)」

 

第1回(2020年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」

②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「ふたつの飛鳥と京阪奈」

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東畑建築事務所「清林文庫」は、同事務所の創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関しても国内外の書籍、原図など多数を収め、価値はきわめて高い。

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鳥観図絵師・井沢元晴(1915~1990)は戦後から昭和末までの約40年間に、日本各地を訪ねて多くの鳥観図を描き、昭和の伊能忠敬とメディアで紹介された。活動の前半期にあたる戦後の20年間は「郷土絵図」と呼ばれた鳥観図を作成。その多くは、子供たちに郷土の美しさを知ってもらいたいとの願いをこめて各地の学校に納められ、校舎に飾られた。学校のエリアは主に西日本。「郷土絵図」の活動は60年代半ばまで継続し、新聞各紙にとりあげられた。

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鳥観図絵師・青山大介(1976~)神戸生まれ。高校時代に都市鳥瞰図絵師の第一人者、故・石原正氏の鳥観図に出会い、感銘を受け、独学で鳥瞰図絵師を志す。2011年、制作に3年半をかけた「みなと神戸バーズアイマップ2008」を完成。2013年発行の「港町神戸鳥瞰図2008」は神戸市の津波避難情報板に採用された。以後、多数の作品を発表し、都市鳥瞰図の魅力を発信。2022年の「古の港都 兵庫津鳥瞰図1868」は同年開館の兵庫津ミュージアムのエントランス展示作品となる。2023年、神戸市文化奨励賞受賞。

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●電子書籍のお知らせ

本渡章の著書(古地図・地誌テーマ)のうち、電子書籍になった10冊(2022年末現在)は次の通りです。
(記載の刊行年は紙の書籍のデータです)

『鳥瞰図!』140B・刊(2018年)

思考・感情・直観・感覚…全感性を目覚めさせる鳥瞰図の世界にご案内。大正の広重と呼ばれた吉田初三郎の作品群を中心に、大空から見下ろすパノラマ風景の醍醐味を味わえます。併せて江戸時代以来の日本の鳥観図のルーツも紐解く、オールカラー・図版多数掲載の決定版。

『古地図で歩く大阪 ザ・べスト10』140B・刊(2017年)

梅田・中之島・御堂筋・ミナミ・天満・京橋・天王寺。阿倍野・住吉・十三・大正・平野の10エリアを古地図で街歩きガイド。さらに博物館、図書館、大書店、古書店での古地図探しの楽しみ方、大阪街歩き古地図ベストセレクション等々、盛りだくさんすぎる一冊。オールカラー・図版多数掲載。

*上記2冊は各電子書籍ストアでお求めください

*下記8冊は創元社(オンライン)の電子書籍コーナーでお求めいただけます

『図典「摂津名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

大阪の地誌を代表する「摂津名所図会」の全図版を掲載。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添えた。調べものに便利な3種類の索引、主要名所の現在地一覧付。江戸時代の大阪を知るためのビジュアルガイド。

『図典「大和名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

姉妹本『図典「摂津名所図会」を読む』の大和(奈良)版です。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添え、3種類の索引、主要名所の現在地一覧も付けるなど「摂津編」と同じ編集で構成。江戸時代の奈良を知るためのビジュアルガイド。

『古地図が語る大災害』創元社・刊(2014年)

記憶の継承は防災の第一歩。京阪神を襲った数々の歴史的大災害を古地図から再現し、その脅威と向き合うサバイバル読本としてご活用ください。歴史に残る数々の南海トラフ大地震の他、直下型大地震、大火災、大水害の記録も併せて収録。

『カラー版大阪古地図むかし案内』(付録・元禄9年大坂大絵図)創元社・刊(2018年)

著者の古地図本の原点といえる旧版『大阪古地図むかし案内』に大幅加筆し、図版をオールカラーとした改訂版。江戸時代の大坂をエリアごとに紹介し、主要な江戸時代地図についての解説も収めた。

『大阪暮らしむかし案内』創元社・刊(2012年)

井原西鶴の浮世草子に添えられた挿絵を題材に、江戸時代の大坂の暮らしぶりを紹介。絵解きしながら、当時の庶民の日常と心情に触れられる一冊。

『大阪名所むかし案内』創元社・刊(2006年)

江戸時代の観光ガイドとして人気を博した名所図会。そこに描かれた名所絵を読み解くシリーズの最初の著書として書かれた一冊。『図典「摂津名所図会」を読む』のダイジェスト版としてお読みいただけます。全36景の図版掲載。

『奈良名所むかし案内』創元社・刊(2007年)

名所絵を読み解くシリーズの第2弾。テーマは「大和名所図会」。全30景の図版掲載。

『京都名所むかし案内』創元社・刊(2008年)

名所絵を読み解くシリーズの第3弾。テーマは「都名所図会」。全36景の図版掲載。

※その他の電子化されていないリアル書籍(古地図・地誌テーマ)一覧

『古地図でたどる 大阪24区の履歴書』140B・刊(2021年)

『大阪古地図パラダイス』(付録・吉田初三郎「大阪府鳥瞰図」)140B・刊(2013年)

『続・大阪古地図むかし案内』(付録・グレート大阪市全図2点)創元社・刊(2011年)

『続々・大阪古地図むかし案内』(付録・戦災地図・大阪商工地図)創元社・刊(2013年)

『アベノから大阪が見える』燃焼社・刊(2014)

『大阪人のプライド』東方出版・刊(2005)

 

●本渡章(ほんど・あきら)プロフィール

1952年大阪市生まれ。作家。(財)大阪都市協会発行時の「大阪人」編集などを経て文筆業に。1996年第3回パスカル短篇文学新人賞優秀賞受賞。短編が新聞連載され『飛翔への夢』(集英社)などに収録。編著に『超短編アンソロジー』(ちくま文庫)がある。その後、古地図・地誌をテーマに執筆。
著書『鳥瞰図!』『古地図でたどる大阪24区の履歴書』『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』『大阪古地図パラダイス』(140B)『古地図が語る大災害』『カラー版大阪古地図むかし案内』『図典「摂津名所図会」を読む』『大阪暮らしむかし案内』(創元社)など多数。共著に『大阪の教科書』(創元社)がある。