2017年ごろ、近代建築の魅力にハマり始めたころのわたしは、北浜界隈をひとりでめぐり、絵の資料にするためにたくさんの建築写真を撮影していました。
北浜駅の階段を上がった先の交差点にどーーんと鎮座する大阪証券取引所ビル。
近代建築に対する知識が浅かったころの自分は、このランドマークが近代建築であるということに気づけませんでした。
近代建築といえば「洋館のような見た目」「赤れんが」「コリント式柱」など、見た目が豪華で装飾のたくさんあるものを言うようなイメージがあったからです。
大阪証券取引所ビルは、北浜界隈の近代建築の中では外部の装飾は控えめで、奥にガラス張りのビルが建っていることもあり、なんとなく自分の近代建築のイメージとかけ離れていました。
2024年、あれから7年経ってあらためて訪れた大阪証券取引所ビルは「どうしていままできちんと見にこなかったのだろう」と思うほど魅力的な建築でした。外観の窓格子
こちらは小さい窓の格子。大きい窓にも似たようなデザインの模様の格子が嵌め込まれている。幾何学模様でかっこいい。
現在は、内部はかなり改装されており、創建当時のオリジナルの部分が残っているのは1階ホールと外観のみです。
1階ホールも、創建当時にあった円形の壁が取り払われ開放感のある空間となっています。外の照明
台座部分に絶妙な曲線が使われており、それに対して照明部分は直線のみで構成されている。台座と照明部分がお互いに引き立て合うデザインだなと思います。
1階ホール
現在は、内部はかなり改装されており、創建当時のオリジナルの部分が残っているのは1階ホールと外観のみです。
1階ホールも、創建当時にあった円形の壁が取り払われ開放感のある空間となっています。1階ホールのステンドグラス
外に面した窓になるステンドグラスですが、外観は幾何学模様の窓格子がハマっているのでその美しいステンドグラスの様子は内部からしか伺えません。
真ん中のすりガラス部分には彫って模様が入れられており、繊細なデザインは思わず時間を忘れて見惚れてしまいます。1階ホールの照明
照明は竣工当時のものではありませんが、ホールの雰囲気にあわせたデザインのものがあしらわれています。かわいい。
5階OSEギャラリー
大阪証券取引所ビルの5階には、株式や先物・オプションについて学べるOSE(大阪取引所の略称)ギャラリーがあります。大阪証券取引所の歴史等も展示しており、建築の昔の写真も見ることができます!
予約不要、見学可能時間内に1階アトリウムで入館手続きをして、大阪取引所専用エレベーターで5階まで行くだけでOK。撮影可!OSEギャラリーの展示物の一部。(左:記章/右:札)
昔使われていたものも展示されていて、レトロ好きも楽しめる展示になっていました。
個人的には昔の竣工当時の写真が見られる本や、電子パネルがとってもよかったです。OSEギャラリーの奥に展示されていた本「大阪証券取引所旧市場館 歴史報告調査書」が竣工当時の写真がたくさん掲載されており、見応えがありました。
大阪証券取引所専用エレベーター
竣工当時のエレベーターのデザインをかなり踏襲しています。扉の枚数が3枚から2枚に減っていますが、模様、ボタン、階数表示などは当時のデザインそのままです。