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拝啓・古地図サロンから44

2024年8月6日 火曜日

2024年7月26日・本渡章より

【今回の見出し】

  • 最終回のお知らせ
  • 2024年7月の古地図サロンレポートと次回(9月)の予定
  • お知らせ・電子書籍のご案内・プロフィール

大阪ガスビル古地図サロン最終回のお知らせ

2018年1月26日の第1回から全44回を数えたサロンが、あと2回で終了! 残る開催日は9月27日(金)と11月22日(金)、時間帯は午後3~5時です。 最終回の11月22日はサロン終了後、ガスビル近くの神農さん(少彦名神社)のお祭りをちょっとのぞいて解散といたします。
※次回レポートで後継サロンの発表をいたします。

■古地図サロンのレポート

開催日:7月26日(金)午後3~5時 御堂筋の大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて。

 

夏本番の暑さが続くなか、こじんまりした人数での開催になりました。この数年、7月サロンは8月の終戦祈念日に先がけて戦争関連の地図をいくつか見てきました。今回も中国での戦況を伝える「中支戦局詳解地図」など紹介。あわせて戦前~戦中の観光、交通の地図なども展示しました。最後に特別公開したのはガスビル近くの老舗喫茶店・平岡珈琲の3代目店主、小川さんから寄贈していただいた昭和の各地の地形図。山登りがお好きだった御尊父の遺品とのこと。山歩きには地形図が必携。故人を偲びつつ、みんなで拝見しました。

さて、上記お知らせのとおり、大阪ガスビルでのサロンはあと2回の開催で終了します。9月27日、11月22日のどちらも、どなた様もお気軽にご参加ください。


◉今回のサロンで展示した地図

◆原図
名勝・温泉・観光 最新全国旅行案内図 発行年不明 婦人倶楽部新年号付録
最新中部日本交通名所遊覧地図 昭和7年(1932)富山館
全日本最新名勝・名物地図 昭和10年代 大阪毎日新聞社
中支戦局詳解地図 昭和12年(1937)大阪毎日新聞社
大日本分県地図・大阪府 昭和16年(1941)日本統制地図
敬神・史蹟・探勝 厚生歩行地図 関急沿線編(16枚1組) 昭和18年(1943)日本統制地図
初等科地図(上) 文部省 昭和18年(1943)日本書籍
昭和の地形図各種・約20点 国土地理院

★次回は2024年9月27日(金)午後3~5時開催予定

会場は御堂筋の大阪ガスビル1階カフェにて。私の30分トークは午後4時頃からです。
サロン参加は無料(但し、カフェで1オーダーしてください)。予約不要、途中参加・退出OK。

諸事情により開催中止の場合は、事前にこの場でお知らせします。

【お知らせ】

●文学歴史ウォーク講演

9月1日(日)10時~14時「黒姫山古墳と日本鋳物師の発祥地を訪ねて」

堺市美原区は日本最多の鋳物出土品で知られる古墳と鋳物師発祥の歴史で知られるエリア。講演と現地ウォーク。主催・文学歴史ウォーク。

 

豆玩舎(宮本順三記念館)にて第6回サロン「東風(こち)」

9月6日(金)14時~16時 豆玩舎ZUNZO(宮本順三記念館)/近鉄八戸ノ里駅前 

古地図を囲んでのおしゃべり会。会場はグリコのおまけデザイナー宮本順三さんの作品&コレクションを集めたミュージアム・豆玩舎(宮本順三記念館)

 


朝日カルチャーセンター中之島での講座  9月

9月27日(金)午前10時30分~12時

特別講座「箕面新路線開業記念!箕面の新名所と瀧安寺絵図の世界」。北大阪急行の路線が延びて大阪の都心と直結した箕面。古い歴史と新名所が交差する街を紹介。

 

大阪古地図さんぽ

10月13日(日)14時~16時 

大阪の24区を順にめぐる旅。今回のテーマは大阪の朝日が昇る場所、旭区。現地を歩いた後、会場でまとめの話。
詳細は大阪コミュニティ通信社 まで。

 

 

X(ツィッター)

X(ツィッター)始めました。本渡章 @hondo_akira1113
古地図以外の話題もいろいろ。その他まだ公開できませんが、進行中の案件あり。いずれご報告いたします。

●「大阪の地名に聞いてみた」ブログ連載、全12回24編

一年間の連載(題字と似顔絵・奈路道程)に追加取材を加え、ブログの内容を大幅に刷新して書籍化が進行中です。刊行までブログ「大阪の地名に聞いてみた」をお楽しみください。

第12回 ここは水惑星サンズイ圏【前編・後編】
第11回 島の国の島々の街【前編・後編】
第10回 仏地名は難波(なにわ)から大坂、大阪へ【前編・後編】
第9回  人の世と神代(かみよ)をつなぐ神地名【前編・後編】
第8回 語る地名・働く地名【前編・後編】(仕事地名・北摂編)
第7回 古くて新しい仕事と地名の話【前編・後編】(仕事地名・河内編)
第6回 街・人・物・神シームレス【前編・後編】(仕事地名・泉州編)
第5回 場所が仕事をつくった【前編・後編】(仕事地名・大阪市中編)
第4回 花も緑もある大阪【前編・後編】
第3回 桜と梅の大阪スクランブル交差点【前編・後編】
第2回 続・干支地名エトセトラ&その他の動物地名【前編・後編】
第1回 大阪の干支地名エトセトラ【前編・後編】

 

 

動画シリーズ継続中! 本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み

大阪市のたどった道のりを、それぞれの土地の成り立ちと経済、文化など多様な要素を持つ24の「区」から見つめなおすシリーズ。続編はしばらくお待ちを。詳細は大阪コミュニティ通信社まで。

第2回番外編 府と区と市の関係について再考

第2回その2 西へ西へと流れた街のエネルギーと水都の原風景…西区

第2回その1 「江戸時代の大坂」と「明治以後の大阪」の架け橋となった巨大区…西区

第1回その3 平成の減区・合区が時代のターニングポイント

第1回その2 大正~昭和は人口爆発、増区・分区の4段跳び時代

第1回その1 大坂三郷プラスワン、4つの区の誕生

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【古地図ギャラリー休眠のお知らせ】

 

2020年9月から202311月まで、東畑建築事務所・清林文庫の所蔵地図、鳥瞰図絵師の故・井沢元晴氏の作品を中心に紹介してきた古地図ギャラリーは休眠期間に入りました。過去20回の公開作品には現役の鳥瞰図絵師、青山大介氏の作品や本渡章所蔵の古地図も含まれています。ラインアップは下記の通りです。
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過去20回の古地図ギャラリーで公開した全40作品

20(2023年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪新町夕陽廊の賑」安政5年(1859)

第19回(2023年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より黄華山・画「花洛一覧図」文化5年頃(1808)

 

第18回(2023年7月)

①東畑建築事務所・清林文庫より池田奉膳蔵「内裏図」

 

第17回(2023年5月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「地球萬國山海輿地全図」

②青山大介作品展2023

 

第16回(2023年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「天王寺・石山古城図」

 

第15回(2023年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より長谷川圖書「摂津大坂図鑑綱目大成」

 

第14回(2022年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より久野恒倫「嘉永改正堺大絵図」

②鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「私たちの和田山町」

 

第13回(2022年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「淀川勝竜寺城跡全図」

 

第12回(2022年7月)

①東畑建築事務所「清林文庫」より秋山永年「富士見十三州輿地全図」

 

第11回(2022年5月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大日本分境図成」

 

第10回(2022年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「新改正摂津国名所旧跡細見大絵図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「笠岡市全景立体図」

 

第9回(2022年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「暁鐘成・浪花名所独案内」

②本渡章所蔵地図より「大阪市観光課・大阪市案内図

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「躍進井原市」

 

第8回(2021年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「友鳴松旭・大日本早見道中記」

②本渡章所蔵地図より「遠近道印作/菱川師宣画・東海道分間絵図」「清水吉康・東海道パノラマ地図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「吉備路」

 

第7回(2021年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・江戸図鑑綱目坤」「遠近道印・江戸大絵図」

②本渡章所蔵地図より「改正摂津大坂図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉吉市と周辺 文化遺跡絵図」

 

第6回(2021年7月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・日本海山潮陸図」「石川流宣・日本国全図」

②本渡章所蔵地図より「大阪師管内里程図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉敷美観地区絵図」

 

第5回(2021年5月)

①2007清林文庫展解説冊子・2019清林文庫展チラシ

②本渡章所蔵地図より「近畿の聖地名勝古蹟と大阪毎日」

③フリーペーパー「井沢元晴漂泊の絵図師」・鳥観図「古京飛鳥」「近つ飛鳥河内路と史跡」

 

第4回(2021年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪湾築港計画実測図」

②本渡章所蔵地図より「大阪港之図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「福山展望図」

④鳥観図絵師・青山大介の作品より「梅田鳥観図2013」

 

第3回(2021年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「江戸切絵図(尾張屋版)」「摂津国坐官幣大社住吉神社之図」

②本渡章所蔵地図より「摂州箕面山瀧安寺全図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「小豆島観光絵図」

 

第2回(2020年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「メルカトル世界地図帳」「オルテリウス世界地図帳」

②本渡章所蔵地図より「A NEW ATLAS帝国新地図」「NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「大阪府全図(三部作)」

 

第1回(2020年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」

②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「ふたつの飛鳥と京阪奈」

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東畑建築事務所「清林文庫」は、同事務所の創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関しても国内外の書籍、原図など多数を収め、価値はきわめて高い。

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鳥観図絵師・井沢元晴(1915~1990)は戦後から昭和末までの約40年間に、日本各地を訪ねて多くの鳥観図を描き、昭和の伊能忠敬とメディアで紹介された。活動の前半期にあたる戦後の20年間は「郷土絵図」と呼ばれた鳥観図を作成。その多くは、子供たちに郷土の美しさを知ってもらいたいとの願いをこめて各地の学校に納められ、校舎に飾られた。学校のエリアは主に西日本。「郷土絵図」の活動は60年代半ばまで継続し、新聞各紙にとりあげられた。

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鳥観図絵師・青山大介(1976~)神戸生まれ。高校時代に都市鳥瞰図絵師の第一人者、故・石原正氏の鳥観図に出会い、感銘を受け、独学で鳥瞰図絵師を志す。2011年、制作に3年半をかけた「みなと神戸バーズアイマップ2008」を完成。2013年発行の「港町神戸鳥瞰図2008」は神戸市の津波避難情報板に採用された。以後、多数の作品を発表し、都市鳥瞰図の魅力を発信。2022年の「古の港都 兵庫津鳥瞰図1868」は同年開館の兵庫津ミュージアムのエントランス展示作品となる。2023年、神戸市文化奨励賞受賞。

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●電子書籍のお知らせ

本渡章の著書(古地図・地誌テーマ)のうち、電子書籍になった10冊(2022年末現在)は次の通りです。
(記載の刊行年は紙の書籍のデータです)

『鳥瞰図!』140B・刊(2018年)

思考・感情・直観・感覚…全感性を目覚めさせる鳥瞰図の世界にご案内。大正の広重と呼ばれた吉田初三郎の作品群を中心に、大空から見下ろすパノラマ風景の醍醐味を味わえます。併せて江戸時代以来の日本の鳥観図のルーツも紐解く、オールカラー・図版多数掲載の決定版。

『古地図で歩く大阪 ザ・べスト10』140B・刊(2017年)

梅田・中之島・御堂筋・ミナミ・天満・京橋・天王寺。阿倍野・住吉・十三・大正・平野の10エリアを古地図で街歩きガイド。さらに博物館、図書館、大書店、古書店での古地図探しの楽しみ方、大阪街歩き古地図ベストセレクション等々、盛りだくさんすぎる一冊。オールカラー・図版多数掲載。

*上記2冊は各電子書籍ストアでお求めください

*下記8冊は創元社(オンライン)の電子書籍コーナーでお求めいただけます

『図典「摂津名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

大阪の地誌を代表する「摂津名所図会」の全図版を掲載。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添えた。調べものに便利な3種類の索引、主要名所の現在地一覧付。江戸時代の大阪を知るためのビジュアルガイド。

『図典「大和名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

姉妹本『図典「摂津名所図会」を読む』の大和(奈良)版です。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添え、3種類の索引、主要名所の現在地一覧も付けるなど「摂津編」と同じ編集で構成。江戸時代の奈良を知るためのビジュアルガイド。

『古地図が語る大災害』創元社・刊(2014年)

記憶の継承は防災の第一歩。京阪神を襲った数々の歴史的大災害を古地図から再現し、その脅威と向き合うサバイバル読本としてご活用ください。歴史に残る数々の南海トラフ大地震の他、直下型大地震、大火災、大水害の記録も併せて収録。

『カラー版大阪古地図むかし案内』(付録・元禄9年大坂大絵図)創元社・刊(2018年)

著者の古地図本の原点といえる旧版『大阪古地図むかし案内』に大幅加筆し、図版をオールカラーとした改訂版。江戸時代の大坂をエリアごとに紹介し、主要な江戸時代地図についての解説も収めた。

『大阪暮らしむかし案内』創元社・刊(2012年)

井原西鶴の浮世草子に添えられた挿絵を題材に、江戸時代の大坂の暮らしぶりを紹介。絵解きしながら、当時の庶民の日常と心情に触れられる一冊。

『大阪名所むかし案内』創元社・刊(2006年)

江戸時代の観光ガイドとして人気を博した名所図会。そこに描かれた名所絵を読み解くシリーズの最初の著書として書かれた一冊。『図典「摂津名所図会」を読む』のダイジェスト版としてお読みいただけます。全36景の図版掲載。

『奈良名所むかし案内』創元社・刊(2007年)

名所絵を読み解くシリーズの第2弾。テーマは「大和名所図会」。全30景の図版掲載。

『京都名所むかし案内』創元社・刊(2008年)

名所絵を読み解くシリーズの第3弾。テーマは「都名所図会」。全36景の図版掲載。

※その他の電子化されていないリアル書籍(古地図・地誌テーマ)一覧

『古地図でたどる 大阪24区の履歴書』140B・刊(2021年)

『大阪古地図パラダイス』(付録・吉田初三郎「大阪府鳥瞰図」)140B・刊(2013年)

『続・大阪古地図むかし案内』(付録・グレート大阪市全図2点)創元社・刊(2011年)

『続々・大阪古地図むかし案内』(付録・戦災地図・大阪商工地図)創元社・刊(2013年)

『アベノから大阪が見える』燃焼社・刊(2014)

『大阪人のプライド』東方出版・刊(2005)

 

●本渡章(ほんど・あきら)プロフィール

1952年大阪市生まれ。作家。(財)大阪都市協会発行時の「大阪人」編集などを経て文筆業に。1996年第3回パスカル短篇文学新人賞優秀賞受賞。短編が新聞連載され『飛翔への夢』(集英社)などに収録。編著に『超短編アンソロジー』(ちくま文庫)がある。その後、古地図・地誌をテーマに執筆。
著書『鳥瞰図!』『古地図でたどる大阪24区の履歴書』『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』『大阪古地図パラダイス』(140B)『古地図が語る大災害』『カラー版大阪古地図むかし案内』『図典「摂津名所図会」を読む』『大阪暮らしむかし案内』(創元社)など多数。共著に『大阪の教科書』(創元社)がある。

ナカノシマ大学8月講座は本日で締め切ります。お早めに!

2024年8月1日 木曜日

担当/中島 淳

おかげをもちまして、マーキーさんが講師として登壇する8月9日(金)のナカノシマ大学「『遊び場』は自分らでつくろう〜サーフィン、アメ村、FM……」は受講希望者多数につき、本日で受付を締め切ります。

「アレ、どないしょうかと思ってたんや」の方、今すぐにお申し込みをよろしくです。

当日は、マーキーさんの「今日までの歴史」を追いかけるだけでも「90分ではぜったい足りん!」という感じですが、やっぱりてんこ盛りでした。

⚫︎高校時代(1968〜71年)に山登りやスキーに打ち込みつつ、ミナミの[プランタン]などの喫茶店に通っていたが、「御堂筋の西側になんか面白い店あるで」と入ったのが、のちにアメリカ村の「ママ」と呼ばれる日限(ひぎり)萬里子さんが開いた[LOOP]というカフェだった

⚫︎1975年、近畿大学を卒業して渡米し、音楽、スポーツ、芸能などの文化に触れ、帰国後はフリースタイルスキーやサーフィンなどのスポーツイベントの司会に携わる。この頃から[LOOP]界隈にサーフボードを持った若者の姿を見かけるようになり、やがて「アメリカ村」と呼ばれる

⚫︎1980年、OBC「JAM JAM OSAKA」木曜のパーソナリティとなったことを皮切りに、ラジオやテレビにも出演

⚫︎1982年にアメリカ村[アンクルサム]の2階に開いたマタニティウエアと子供服の店で、FM局「GOGOステーション」を開局、多くのメディアで取り上げられる

⚫︎1983年の第1回御堂筋パレードに「アメリカ村ユニオン」として参加。同時期に三角公園などで開かれた「アメリカ村カーニバル」で司会を務める

⚫︎1985年にテレビ東京系の深夜番組「From Aスキーチーム」の番組ナレーションを担当。その後、出演していた全番組を降板し、ヨーロッパ諸国を旅する

⚫︎1989年、長堀橋交差点近くの4階建てビルを借り切って1年間限定の[CLUB MARK’E]をオープン

⚫︎1991年、FM802で初の担当番組「FUNKY EXPRESS 802」がブレイクし。番組名も「Around the MARK’E SONIC STYLE」となる

⚫︎1993年のJリーグ発足の際にガンバ大阪のオフィシャルサポーターズソング「ビバ! ガンビーノ」をMFの礒貝洋光と共にレコーディング

⚫︎2002年、50歳の誕生日に「MARK’E -Rolling50-」をWTCオープンエアスタジアムにて開催

⚫︎2003年、CD付き雑誌『FM COCOLO765 MAGAZINE』が創刊され、「マーキーのわき道、寄り道、散歩道」を寄稿

⚫︎2010年、現在も続く「FM COCOLO MARK’E MUSIC MODE」(月〜木曜/17:00〜20:00)のDJに

⚫︎2012年、生誕60年記念「MARK’E -Rolling60-」を大阪城ホールにて開催

⚫︎2016年、FM COCOLO 「SUNDAY  MARK’E 765」のDJに(〜2023年まで)

⚫︎2023年、生誕70年を記念した「MARK’E  Rolling70〜RADIO DAYS」を二日間にわたってフェスティバルホールで開催

⚫︎2024年、FM802開局35周年。NHK大阪「かんさい熱視線」で日限萬里子さんとアメ村を特集。証言者として出演

……と、こういったマーキーさんの歴史は会場で配布する資料としてみなさんにお渡ししますんで、マーキーさんには昨日のABCラジオ「おはようパーソナリティ小縣裕介です」でお話しいただいたような「阪神大震災の時に被災者のリスナーから言われた意外なひとこと」のようなエピソードをたくさん話してほしいと思っていますし、会場からの質問にもバンバン答えていただきたいと思っています。

では、満員御礼御免ですので、ほんまにお早めに!

『沙界怪談実記』50篇の超バラエティ感

2024年7月15日 月曜日

担当/中島 淳

7月18日(木)のナカノシマ大学に向けて、講師の陸奥さんから『沙界怪談実記』の50篇を送っていただいた。

これらの怪談集はすべて「具体的な発生場所」が明記されているので、まち歩きにもうってつけ。怪談自体に「所在地」のタイトルが付いているのである。

「一、絹屋町の妖怪」「二、北蛇谷の飯縄の法術」「三、川尻町の老獺」「四、高須町に鬼の腕ありし話」「五、櫛屋町の戯れ狸」「六、万代庄金口の異獣」「七、寺地町大道より古銭掘出す」「 八、少林寺町の地下より古碑出土」などで、今はなき地名もあるが、かつての地図(前回のブログで投稿したアレです)を見てみると出てくる出てくる。

文久3年(1863)『堺大繪圖』。南北の太い道は大道筋で、現在の阪堺線。湯屋町はその後熊野町(くまのちょう)に名前が変わったが、明治5年(1872)に大小路沿いに開校した熊野小学校は「ゆや」小学校と読む

地図を拡大してオレンジの印をつけていたら結構な数になった。

それを今の地図に落とし込んだのが下のこちら(青いのが「怪談」の現場)。

京や大坂と同様に、堺も旧市街地は街の構造が基本的に変わっていないので、「かつての現場」をたどりやすい。

『沙界怪談実記』の現場をプロットした地図。こうやってみると、阪堺線の花田口〜大小路〜宿院〜寺地町間がとくに密集している

 

陸奥さんは、この『沙界怪談実記』の現場めぐりもライフワークにしていて、そのツアーは外国人観光客も参加するほどの人気コンテンツになっている。

その怪談50篇を読んでみたら(古文なので大雑把にしか分からないが)、「もののけ」が出てきて人間に悪さをするというのが多く、「もののけ」は、狐や狸のほか、大蝦蟇(オオガマ)とか獺(カワウソ)とか、想像上の動物である「河童」も出てくる。

「河童」と言えば水木しげるのマンガを思い出すが、そんな可愛いものではなく、人間を咬み殺してしまう困ったヤツと書かれている。

子どもが聞いたら恐ろしいから早く寝よう、夜遊びせんとこ……と思うだろうから、青少年教育に「怪談」はきっと役に立ったことはずである。

というより、18世紀半ばの堺はすでに刺激が満載の都会だったから、子どもが悪さをせんように、このような物語をこしらえて「教化」していったのかもしれない(筆者の勝手な推測ですが)。

35番目の怪談「千日橋下より霊泉湧出す」という話は、もののけも出て来ず、「怖い話」ではない。

「明和元年(1764)、堺の北の端、千日橋のあたりの堤の中腹からにわかに清水が湧き出た。当時ここに漁夫がいて、脚気で足が痛んで難儀していた。ある夕暮れ、僧が一人来てこう告げた。

『近々、お前の家の辺りに霊泉が湧き出るだろう。これは高野大師(弘法大師)から賜わられた霊泉だ。諸病に効く。痛む足を浸せばすぐに治るだろう。大師のお恵みに感謝せよ』

と言って僧は去り、その後の行方は知れない。漁夫は怪しくも思ったが、千日橋の堤に湧き出た流泉に『これは大師の教え』と足を入れると、次第に痛みが去っていき、完全に回復したと漁夫が伝えている」

 

「怪談」とはちょっと毛色が違う感じもするが、これも一種の「人智を超えた」超常現象なので、『沙界怪談実記』の50篇に加えられたのであろう。なかなかバラエティに富んでいる。

この話を読んで、2年前のことを思い出した。

陸奥賢さんが主催する「堺七墓巡り」のツアーで、「七墓」のほかにこの井戸も立ち寄ったのである。

左の車道は、堺と外の街を隔てるかつての環濠。奥は南海本線の七道駅ホーム(2022年9月4日)

残暑真っ盛りの9月上旬。20人ほどのメンバーでJR阪和線の浅香駅に集合し、駅の周辺の神社や史跡を巡った後、JR堺市北の東雲公園と東雲墓地(前回のブログで紹介)を散策してから昼食を摂って旧市街地に入り、月蔵寺(がつぞうじ)や紀州街道を経て、一番北にあるこの「千日井」にたどり着いたのであるが(他所の人には何のことかぜんぜん分からないと思いますが、すでに軽〜く6kmは歩いている)、隊列も長〜くなって、みなさんバテバテ。

陸奥さんはここでかなり大事なことを解説しておられたと思うのだが、お恥ずかしいことながら覚えていない。しかし今から考えると、ほんまに大事なところに寄っていたのだなと心から思う。その証拠に写真は撮っているし。

ファミリーマートの近くにある車道沿いにこんな場所があった。まち歩きをしていると、何百年も前の「過去」が、「現在」の景色の中に急に出現してくる。

それらは大抵、「今までに見たことがあるもの」なのであるが、先達が現場でその「過去」の物語を紹介してくれると、これまでと違った景色が立ち上がって、ぜんぜん違うところに来たような気さえする。

なので7月18日(木)のナカノシマ大学では、陸奥さんの話を通して「怪談」という視点からあたらしい堺の街を発見してほしいと思います。

当日の講義だけで飽き足らない人は、現地のツアーもあるのでお楽しみに。よその国の人たちと楽しく回りましょう。

大小路交差点にて。異国から来て堺を歩いた彼らの感想をぜひ聞いてみたい(背中の帽子が陸奥さん)

7/20-21 BOOK MARKET 2024に出展

2024年7月9日 火曜日

今年も140BはBOOK MARKET 2024に出展します。


7/20(土)-21(日)
10:00~17:00
台東館 7階南側会場 ブース55

20日(11:00~)は、現在企画進行中の著者・コジマユイさんが来場、自身の画集ZINE「東京近代建築」など7種を直接販売してもらいます。

「異界」と今を軽やかに往復する語り部・陸奥賢さん

2024年7月7日 日曜日

担当/中島 淳

7月18日(木)のナカノシマ大学「堺で江戸中期に生まれた怪談本  『沙界怪談実記』にお連れします」に登壇される陸奥賢さんには、 本当にいろんな顔がある。

2018年発刊のロングセラー(創元社刊)

陸奥さんが大阪市浪速区の『広報なにわ』に連載中の「なにわマニア話」vol.1(2024年5月号)

まわし読み新聞」という、楽しみながらグループで社会意識を高めるコミュニケーションツールを考案して、全国各地で実践し続けている人(2017年読売教育賞のNIE部門最優秀賞受賞)であり、歴史の中に埋もれた「ひとびとの足跡」を丹念に掬い上げておもしろい原稿にして読ませる記者であり、まち歩きのスーパー・エキスパート・ガイドであり、機嫌の良さを聴衆に伝染させるフレンドリーな講演者でもある。

最近は関西だけにとどまらない。東日本大震災で大きなダメージを受けた太平洋岸にある福島県いわき市の、各地域に存在する物語を可視化していく「いわき時空散走」のプロデューサーでもある。それで700km離れた大阪−いわきを頻繁に往復している。

「いわき時空散走」HPより、鉄道駅のホームで地元の人から話を聞く陸奥さん(右)

 

 

陸奥さんが登壇する講座はいつも満杯でまち歩きも大人気だ。しかしまち歩きで肉声が届くのはせいぜい10人以内。人数が増えると大声を張り上げたりマイクを使ったりもする。それをひと月のうち10回以上やっておられるから、よく体力が続くなぁと感心するしかない。

その陸奥さんの今回のお題は、『沙界怪談実記』。

江戸中期に先端産業(包丁や銀細工、線香、染色、浴衣、酒造、昆布加工、和菓子、三味線など)と町人文化が一気に花開いた大都市・堺で起きた摩訶不思議な事象や「もののけ」の出現を、鉄方堂という謎の人物が記した50篇からなる記録で、それぞれの「怪談」が生まれた場所は町名まで(一部は年月日まで)細かく載っている。

どれも、夢と現実がごっちゃになったような「ほんまかいな」の怪談ばかりであるが、陸奥さんはさらっと「怪異は『自然』『日常』のものであり、近世の堺の人々は飄々と『怪異と共に生きていた』ようです」と語る。彼もまた堺育ちの人なので、地場から漂ってくるなんとも言えない力(地霊)には敏感なのだ。

1615年の大坂夏の陣で焼失した堺の復興は早かった。「元和の町割り」で南北の紀州街道(大道筋)と東西の大小路(摂津と和泉の国境)を基軸とした碁盤の目の形に町割りされ、今日に至る(左が北)。地図は1863年だが、北側と東側の環濠が埋め立てられた以外は変わらない

しかもその怪談の現場となった「町名」の数々は、18世紀半ばも2024年の今もほとんど同じで、行政区画の変更が頻繁な政令指定都市の中でも、堺の旧市街地は同じ地名がずっと生きている。そういう街を歩くのはやっぱりおもしろい。

陸奥さんが案内する街は決して特異でも怪奇でも辺境でもなく、私たちが仕事や買い物や飲み食いでよく寄ったり通ったりしているところばかりだし、実際に人が住んでいる。

でも、そんな場所ですらちょっと視点を変えて見てみたり、数メートル移動したりすると、たちどころに「こんなところに……!」という風景が出現する。

写真は2022年9月4日に実施された「堺七墓巡り」のまち歩きツアーで、JR堺市駅前の商業施設のある有名なタワーマンションの裏手に開けた公園を歩くと、同じ緑地帯の延長に、古くから堺市民が供養に訪れる「東雲墓地」が目の前に開けた。

堺市堺区の東雲墓地。食べ物に困った人が飢え死にしないようにという趣旨で「お供え物」についても昔から暗黙のルールが存在しているそうだ(2022年9月4日)

緑の深い墓地には有力者や将校クラスの軍人の大きな墓も目立つが、人知れず亡くなったひとびとの「無縁群霊塔」が目立つ場所で存在感を示していた。決して「金や権力を持った強者」のための墓地ではなかったことが窺い知れる。

そのような解説を陸奥さんから現場で聞くたびに、「堺の本を出してる版元のくせに、ぜんぜん知らんねんな」という自責の念と、「おもしろいからもっと知りたい」という好奇心がミックスされて、何度でも行きたくなる訳です。

7月18日(木)当日は、『沙界怪談実記』の49篇をできるだけ数多く紹介して、堺の「地霊」を体感するまち歩きを一人でも体験できるように講義してくれるが……

一度、陸奥さんのまち歩きもぜひ体験していただきたい。クセになりますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

読まずにいられぬ本の魅力を「自分ごと」として伝えてきた人

2024年6月19日 水曜日

担当/中島 淳

6月21日(金)に迫ったナカノシマ大学6月講座「大阪の本好きに伝えたい、『参加』したくなる本屋の話」の講師である三砂慶明さんは、北区鶴野町、新御堂筋沿いにある[TSUTAYA梅田MeRISE]の書店員であるが、本好きの集まり「読書室」の主宰者であり、奈良敏行『町の本屋という物語〜定有堂書店の43年』(作品社)などの編集者でもある。

6月11日の140Bブログでも紹介。税込2,420円

もう一つあった。

『千年の読書〜人生を変える本との出会い』(誠文堂新光社)の著者でもある。

21日(金)の本番を前に一度さらっと読んでみたが、これが無茶苦茶おもしろい。

「明日から仕事はヤメて本読んで暮らせ」と言われても、ここで紹介されている本を1冊1冊じっくり読んでいきさえすれば、少なくとも10年は機嫌よく、前向きにものを考えられる人生を送るのではなかろうか……と思えるほど中身の濃いブックガイドである。

さすが書店員の著書だけあって、巻末にはここで取り上げられた200点以上の「タイトル・発行年・版元」が記されたBOOK LISTが揃っている。税込1,980円

 

この『千年の読書』はこんな章立てになっている。

まえがき なぜ人生には本が必要なのか

第1章  本への扉 人生を変える本との出会い

第2章  生きづらさへの処方箋 眠れない夜に読む本

第3章  新しい働き方を探す旅

第4章   「お金」から見た世界

第5章   「おいしい」は味なのか 現代の食卓と料理の起源

第6章  幸福の青い鳥 瞑想と脳と自然

第7章  本から死を考える 死の想像力

あとがき 本との出会いは人との出会い

どの章も、このしんどい時代を生きる人間にはきっと刺さるフレーズばかりだが、著者お薦めの本(章ごとに約30冊登場×7章)を紹介するアプローチが親和的で文章が読みやすいため、この『千年の読書』を読んで登場した本を手に取った人はきっと、読書好きの小学生から90代ぐらいまでいるのではないか、と思った。

なんと言ってもこれだけの本の情報が詰まっているのに、「詰め込んだ」感は一切なし。著者のテキストが、その本の一番美味しいところをスコーンと抜き取ることができる技術あってのことだが、ほんまにストレスなしで読めました。

「ナカノシマ大学に登壇する人が書いた本やから読んどかなアカンわ」と思って購入して読んだが、ちょっともったいなかった。「必要に迫られて」読むような本では決してないと思う。

できれば、旅に出る列車(新幹線でないほうがいいし、酒がお供にあればなおさら)でガタゴト揺られながらページをめくっていったほうが、もっと頭も心もクリアになって、幸せな読書体験ができたやろなぁ……と後悔しているが、この本をご紹介できることもまた幸せなことです。

この『千年の読書』がユニークなところは、どの章にも著者・三砂慶明氏の「自分ごと」がきっかけでその本を手に取り、彼の読書体験を通じて「救われた」「視界がクリアになった」「習慣が変わった」という箇所が随所に登場していることである。

面識のある人の文章を読む楽しみは、「今まで知らなかったその人のこと」が読めることだと思う。

『千年の読書』では、著者の交友関係や節目節目での葛藤や挫折、新たな出会いや出発など「知られざる三砂慶明の人生」を各章で知ることができるが、それが決して「他者と共有できない俺の話」にはならず、「この名著に至ったひとつのエピソード」としてさりげなく紹介されているところがいい感じである。

主役はあくまで「本」であり、それを推す語り部である著者の人生経験が絶妙なブレンド具合のテキストとなって、300ページのハードカバーなのにすいすいすらすら読ませてしまう。

またこの本の「あとがき」が、「これだけで1クールのドラマになるのではないか」というほどおもしろい。詳しくはお手に取ってご覧ください。

辻山良雄(Title)、モリテツヤ(汽水空港)、宇田智子(市場の古本屋ウララ)など18人の「本屋は焚き火だ」の肉声を。税込1,870円

定有堂書店の思想的支柱となった高校教師・濱崎洋三さんの教え子たちがこの出版に尽力した。鳥取という本好きの風土が羨ましい。税込3,080円

ナカノシマ大学当日は、今回のテーマとなった『町の本屋という物語〜定有堂書店の46年』と、こちらの『千年の読書〜人生を変える本との出会い』、そして彼が編集したもう一つの本『本屋という仕事』(世界思想社)を会場で販売します。

さらに、2023年4月に46年の歴史を閉じた、鳥取市の定有堂書店発行の、濱崎洋三『伝えたいこと』(定有堂書店・1998年刊)を販売します。

たぶんこの本の話も、きっと三砂さんの口から当日に披露されると思います。

お支払いは現金のみ(カードやPayPayなどのキャッシュレス決済不可)なので、すみませんがみなさまよろしく。

ナカノシマ大学終了後は購入いただいた本にサインもしてくれます。ぜひ

ただし、この日だけはどの本を買っても「特別付録」があるそうなので、どうぞお楽しみに。

ナカノシマ大学はあと5人で締め切ります。どうぞお早めに!

6/30(日)、イベント出展のお知らせ

2024年6月19日 水曜日

【急告】
140Bは、6月30日(日)の「ふたばZINEフェス2024」に出展します。

10:30-15:30
ふたば学舎(神戸市長田区二葉町7-1-18)

ZINEを中心とした「フェス」です。140Bは『いっとかなあかん 神戸』などの自社書籍の一部と「月間島民」のバックナンバーの特別販売をいたします。

神戸でのイベントは初出展です、神戸のお客さんとの出会いを楽しみにしてお待ちしています。よろしくお願いします(青木)。

 

記憶の本屋[定有堂書店]の記憶を呼び覚ました人

2024年6月11日 火曜日
ちょっと長くなりますが、筆者の昔ばなしを少し。
140Bを設立する前は、京阪神エルマガジン社に23年間(1983〜2006年)在籍していた。
LmagazineやSAVVY、Meets Regionalなどの編集に17年半、広告に1年半、そして最後の4年間は販売部に在籍していたが、自分の会社員生活では販売部での日々が最も充実していた時期だったように思う。
「出版社のカンバンを背負って、世の中に1冊でも多く届くように知恵を絞って、走り回った」という実感がすごくある。「ああしろ、こうしろ」とは言われずにのびのびと仕事させていただいたことは、ほんまに感謝している。
エルマガジン社は関西の雑誌業界ではそこそこ有名だと思っていたが、「日本の出版界」から見ると大海の小舟のような、ほんまにちっぽけな存在だと分かったのは販売部に移ってからだった。
そんな出版社が自社本を不特定多数の人に1冊でも多く届けるためには、本が売られている現場に行く必要がある。
「現場」はホームグラウンドの京阪神以外に、奈良も淡路も南紀もあったし、東京、名古屋、福岡……そして山陽・山陰路もあった。
JR西日本とのタッグで2004年にスタートした『西の旅』というシリーズMOOK(〜2008年)を売るにあたって、東京や、馴染みのなかった中国地方の書店や取次にお邪魔して、「平台のええとこになんとか置いたってください」と働きかける。こういう仕事は楽しかった。

初めて山陰エリアをメイン特集に打ち出した『西の旅』第4号(2004年11月10日発売)

その理由は、初めてお邪魔した島根・鳥取両県とも、書店の人たちが実にハートウォームな対応をしてくれたからである。
先方からすれば「大阪の雑誌社が私らの地元を紹介する? ふ〜ん……」というところだろうが、大昔からの親しい友人のような感じで接してくれて、少しでも実売が伸びるようにと注文書や表紙などに対して親身になってアドバイスしてくださった。今でも本当に感謝している。
販促ルートは、西は出雲市からスタートして、松江、米子、倉吉と東進し、最後は鳥取で終わって大阪に戻る、というもの。米子の、というより今井書店グループのシンボル的拠点[本の学校]の方にそのコースを説明すると、「じゃあ、帰りは必ず鳥取で定有堂書店」に寄らないとね」。
「テイユウドウ?」耳慣れない単語に面食らっていたら、その彼は「本好きの人が必ず寄る店ですよ」とうれしそうに言った。
「本好きが寄る店」という魔法のワードを聞いて、「それなら定有堂さんを鳥取の、いや今回の大トリにしよう」と、先に鳥取市内の他の書店をぐるぐる回った。

鳥取駅まで徒歩10分ほどの、若桜街道沿いにある定有堂書店(撮影/萱原健一)

夕暮れの鳥取駅前商店街に、この本屋さんはよく映えていた。
さして広くない店内の書棚からは「ええ匂い」が漂っていた。
店主は配達でまだ戻っていなかったが、「もうじき帰って来ますから、本でも見とってください」とおっしゃる奥さま(だったと思う)に従って、待たせていただく。
棚に付けられたタイトル(テーマ)を見ていたら退屈しない。
「小さな1冊の衝撃」という大タイトルの下に、棚の各区画にこんな小タイトルがぶら下がっていた。
「たった一人でも共同体」「ここから予見」「減速して自由に」
「名辞の虚妄」「ちいさな道しるべと自己肯定」「過剰適応をやめる」
「記憶は重荷ですから」……そういったコピーに、店の商品である本が並んでいる。

定有堂書店の棚。「穴が空くほど見た」人は多かったはずである(撮影/堀内菜摘)

ここに来た用事は、『西の旅』の注文書を渡して、できれば二桁仕入れてもらわんとアカンのだが、そのことをすっかり忘れてしまい、「さぁて、何買うて帰ろかな」にアタマが行ってしまう。
15分もした頃か、店主の奈良敏行さんが戻ってこられた。
腰の低い、穏やかでフレンドリーな人である。
奈良さんとはその後、こちらの書店に一度か二度ほど訪れて少しお話しした程度のことだったが、「何がどうというのはわからないけど、風通しがいい人だなぁ」という第一印象はずっと変わらなかった。
「本好きが集まる書店」というのは楽しそうだけど、「そうでない人間にとっては居心地が悪い」みたいなことがあったりする。けど、この店からはそんな匂いは全くしなかった。
子どもの頃からこんな本屋さんに通っていたら、さぞかしもっと人生楽しかったであろう。
鳥取駅に向かう帰り道の足取りは軽く、「スーパーはくと」の車中もゴキゲンだった。
……にもかかわらずズボラな筆者は、二度目か三度目の訪問のあと、会社を辞めて140Bという新しい仕事場を立ち上げたはいいが、鳥取で(というより定有堂書店で)売ってもらえそうな本を作っていないことを言い訳に、この店に立ち寄ることはなく、最後にお邪魔してから20年近くが過ぎてしまった、という次第である。
今年の3月9日(土)に摂南大学で、企業やら行政やら大学やらクリエイターやらいろんな現場に携わる人間が200人ほど集まる会合に出席した。この会合の名物は、あちこちの教室で同時に行われる「8分間のプレゼン大会」である。
同じ時間帯に、5つの教室でそれぞれ違う人間が違うテーマの発表をするプレゼンテーションが順繰りに行われる。
プログラムを見ても目移り必至だったけど、「なぜ人生には本が必要なのか?   三砂慶明」というタイトルを見て、「知らん人やけどここにしょうか」と教室に入った。
わずか3か月前なのに、彼が何を話していたかをほとんど覚えていないが(あかんやろ)、それまでざわざわしていた教室の空気が急に鎮まって、話者の言葉に場内が耳を澄ませていことだけは鮮明に覚えている。
プレゼンの最後に、この三砂氏が編集した『町の書店の物語 定有堂書店の43年』(作品社)という本が紹介された時に、懐かしさと、「あの、居心地のいい本屋がなくなってしまったのか……」という衝撃が一緒になってやって来た。

2024年3月発刊だが、すでに3刷。日本全国の「本好きが集まる書店」には必ずと言っていいほど置いてある

2日後にこの本を肥後橋の[Calo Bookshop and Cafe]で購入し、かつて「穴が空くほど見た」定有堂書店の棚のタイトルのように刺さりまくる、著者・奈良敏行さんの言葉(これを一つひとつ書いていたら夜が明ける)に何度もうなずいて、三砂慶明さんに「ナカノシマ大学で話してもらえませんか?」と頼んだ次第である。
2023年4月18日に43年の歴史を閉じた定有堂書店は、もう「記憶の中の書店」でしかないが、その「記憶を留めて呼び覚ます」人がいて、その人が編集した本が発刊された直後に偶然にも会うことができたのは、ラッキーだったという他にない。
そして、ここまで定有堂書店店主の奈良敏行さんの良さを引き出し、彼の哲学や思想を分かりやすい言葉で伝えた編集者(彼は、梅田鶴野町の関大ミライズにあるTSUTAYAの書店員でもある)には、「やりやがったな」というリスペクトである。
三砂氏は6月22日(金)のナカノシマ大学では、自らが編集した定有堂書店のことにはもちろん触れるが、大阪の本好きとしては、「定有堂のような書店が、大阪にはないんかいな?」ということを知りたいところである。
それで彼は今、大阪市内・府下にあるあちこちの書店を改めて訪れている。
どんな「大阪の本屋」の話が出るのか?
そして三砂氏が奈良敏行さんから直接聞いた、「人生に効くであろうお薦めの本」についても、当日のお楽しみにしてくだされ。
現在は75%まで埋まったいて、満席必至です。どうぞよろしく。

5月31日(金)、丸福珈琲店心斎橋PARCO店で行われた中川和彦氏(スタンダードブックストア店主・左)と三砂氏のトークイベント。定有堂書店をよく知る中川氏だけに、対話の呼吸とテンポがよく、みなさんどんどん引き込まれていきました

拝啓・古地図サロンから43

2024年6月7日 金曜日

2024年5月24日・本渡章より

【今回の見出し】

  • 2024年5の古地図サロンレポートと次回(7月)の予定
  • お知らせ・電子書籍のご案内・プロフィール

■古地図サロンのレポート

開催日:5月24日(金)午後3~5時 御堂筋の大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて。

 

この日の参加は12名でした。展示地図のいちばん人気は大正時代の「近畿名勝遊覧・大阪市街地図」。市街地は地図、近郊は趣向を凝らした絵図というスタイルが見て楽しく、自然と会話が弾みます。日本交通分県地図シリーズは今から百年前の都道府県の姿。これまでとりあげてこなかった地形図も見ていただきました。地図にはいろんな種類があり、時代によって表現も変わります。そんなうつろいが垣間見えるのも地図の面白さです。

さて、前々からお知らせしてきたガスビル大改修工事ですが、予定がまだ定まらないとのことで、7月も通常通り第4金曜日に開催します。以後も工事開始が延びるようなら9月、11月も開催できるかもしれませんが、その場合でも11月がサロンの最終回になります。詳細はこのレポートで毎回お知らせします。とりあえず、7月のサロンでよければお会いいたしましょう。地図がお好きな方、方向音痴(私も同類)の方、どなた様もお気軽にご参加を。


◉今回のサロンで展示した地図

◆原図
近畿名勝遊覧・大阪市街地図 大正7年(1918)林金礼堂
日本交通分県地図・大阪府 大正12年(1923)大阪毎日新聞社
日本交通分県地図・京都府 大正13年(1924)大阪毎日新聞社
日本交通分県地図・愛知県 大正13年(1924)大阪毎日新聞社
日本交通分県地図・福島県 大正14年(1925)大阪毎日新聞社
大阪東北部(地形図) 大正6年(1917) 大日本帝国陸地測量部
大阪西北部(地形図) 昭和7年(1932) 大日本帝国陸地測量部
大阪近郊(地形図) 昭和2年(1927) 大日本帝国陸地測量部
大阪西北部(地形図) 昭和57年(1982) 国土地理
古市・大阪東南部(地形図) 昭和59年(1984) 国土地理院

★次回は2024年7月26日(金)午後3~5時開催予定

会場は御堂筋の大阪ガスビル1階カフェにて。私の30分トークは午後4時頃からです。
サロン参加は無料(但し、カフェで1オーダーしてください)。予約不要、途中参加・退出OK。

諸事情により開催中止の場合は、事前にこの場でお知らせします。

 

【お知らせ】

●文学歴史ウォーク・講演

6月2日(日)10時~14時

「此花区伝法。仏教伝来と川湊の歴史、明治の近代化遺産を訪ねて」講演とウォーク。

●まちライブラリー北勝堂にて講座と天満ウォーク

6月9日(日)午前10時~11時30分 主催:まちライブラリー北勝堂
「西天満のむかしと菅原町の古くて新しい蔵めぐり」

旧町名が語る街の歴史と今も残る蔵を訪ねて。30分のレクチャーと1時間の天満ウォーク。
親子参加歓迎。大人または子供一人でのご参加も可能です。

●朝日カルチャーセンター中之島での講座 7月~9月

6月17日(月)午前10時30分~12時
特別講座「大阪の路面電車」(写真は朝日新聞掲載の案内)

年間5億1千万人を乗せて走った大阪市電と今も走り続ける阪堺電軌の物語

 

連続講座「古地図地名物語」 各10時30分~12時
7月26日(金)桜と梅の地名
8月23日(金)花と緑の地名
9月27日(金)地名と植物の風物詩・民俗誌

サロン「東風(こち)」第5回

2024年7月5日(金)午後2~4時 豆玩舎ZUNZO(宮本順三記念館)/近鉄八戸ノ里駅前
古地図を囲んでのおしゃべり会。

会場はグリコのおまけデザイナーで洋画家の宮本順三さんの作品&コレクションを集めたミュージアム・豆玩舎(宮本順三記念館)。近鉄八戸ノ里駅前。

 

●夏休みキッズ大冒険! 地図イベント

7月28日(日)時間帯未定 枚方市さだ生涯教育市民センター

枚方のユニーク地名といろいろな地図の話、自分だけの地図づくり体験ワークショップも。
子供と子供の心を持った大人向けのエンターテインメント講座。

dav

●「玉野人」「泉州人Vol.3」に執筆

月刊「歴史人」発行のABCアークが企画・制作した歴史探訪冊子に執筆。

「玉野人」(岡山県玉野市の歴史再発見)海と食の歴史の話
「泉州人Vol.3」(大阪府堺市・高石市・和泉市の歴史再発見)の高石市・和泉市の文芸の話

●紀伊国屋書店梅田本店「出張古地図サロン」

紀伊國屋書店梅田さんでの「今年もやります!あの、 #関西の出版社合同フェア 」店内イベントととして「出張古地図サロン」開催します。
大阪ガスビルカフェでの「古地図サロン」同様、私物の古地図をご覧いただき、ミニトークもご用意しています。入場無料(申込制)です、詳細は紀伊國屋書店梅田HPまで。

X(ツィッター)その他

 

X(ツィッター)始めました。本渡章 @hondo_akira1113
古地図以外の話題もいろいろ。その他まだ公開できませんが、進行中の案件あり。いずれご報告いたします。

●「大阪の地名に聞いてみた」ブログ連載、全12回24編

一年間の連載(題字と似顔絵・奈路道程)に追加取材を加え、ブログの内容を大幅に刷新して書籍化が進行中です。刊行までブログ「大阪の地名に聞いてみた」をお楽しみください。

第12回 ここは水惑星サンズイ圏【前編・後編】
第11回 島の国の島々の街【前編・後編】
第10回 仏地名は難波(なにわ)から大坂、大阪へ【前編・後編】
第9回  人の世と神代(かみよ)をつなぐ神地名【前編・後編】
第8回 語る地名・働く地名【前編・後編】(仕事地名・北摂編)
第7回 古くて新しい仕事と地名の話【前編・後編】(仕事地名・河内編)
第6回 街・人・物・神シームレス【前編・後編】(仕事地名・泉州編)
第5回 場所が仕事をつくった【前編・後編】(仕事地名・大阪市中編)
第4回 花も緑もある大阪【前編・後編】
第3回 桜と梅の大阪スクランブル交差点【前編・後編】
第2回 続・干支地名エトセトラ&その他の動物地名【前編・後編】
第1回 大阪の干支地名エトセトラ【前編・後編】

 

大阪古地図さんぽ

大阪24区を順番に歩いてめぐる「古地図さんぽ」講座を年数回開催しています。5月のテーマは淀川区。

詳細は大阪コミュニティ通信社(まで。

動画シリーズ継続中! 本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み

大阪市のたどった道のりを、それぞれの土地の成り立ちと経済、文化など多様な要素を持つ24の「区」から見つめなおすシリーズ。続編はしばらくお待ちを。詳細は大阪コミュニティ通信社まで。

第2回番外編 府と区と市の関係について再考

第2回その2 西へ西へと流れた街のエネルギーと水都の原風景…西区

第2回その1 「江戸時代の大坂」と「明治以後の大阪」の架け橋となった巨大区…西区

第1回その3 平成の減区・合区が時代のターニングポイント

第1回その2 大正~昭和は人口爆発、増区・分区の4段跳び時代

第1回その1 大坂三郷プラスワン、4つの区の誕生

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【古地図ギャラリー休眠のお知らせ】

 

2020年9月から202311月まで、東畑建築事務所・清林文庫の所蔵地図、鳥瞰図絵師の故・井沢元晴氏の作品を中心に紹介してきた古地図ギャラリーは休眠期間に入りました。過去20回の公開作品には現役の鳥瞰図絵師、青山大介氏の作品や本渡章所蔵の古地図も含まれています。ラインアップは下記の通りです。
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過去20回の古地図ギャラリーで公開した全40作品

20(2023年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪新町夕陽廊の賑」安政5年(1859)

第19回(2023年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より黄華山・画「花洛一覧図」文化5年頃(1808)

 

第18回(2023年7月)

①東畑建築事務所・清林文庫より池田奉膳蔵「内裏図」

 

第17回(2023年5月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「地球萬國山海輿地全図」

②青山大介作品展2023

 

第16回(2023年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「天王寺・石山古城図」

 

第15回(2023年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より長谷川圖書「摂津大坂図鑑綱目大成」

 

第14回(2022年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より久野恒倫「嘉永改正堺大絵図」

②鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「私たちの和田山町」

 

第13回(2022年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「淀川勝竜寺城跡全図」

 

第12回(2022年7月)

①東畑建築事務所「清林文庫」より秋山永年「富士見十三州輿地全図」

 

第11回(2022年5月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大日本分境図成」

 

第10回(2022年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「新改正摂津国名所旧跡細見大絵図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「笠岡市全景立体図」

 

第9回(2022年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「暁鐘成・浪花名所独案内」

②本渡章所蔵地図より「大阪市観光課・大阪市案内図

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「躍進井原市」

 

第8回(2021年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「友鳴松旭・大日本早見道中記」

②本渡章所蔵地図より「遠近道印作/菱川師宣画・東海道分間絵図」「清水吉康・東海道パノラマ地図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「吉備路」

 

第7回(2021年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・江戸図鑑綱目坤」「遠近道印・江戸大絵図」

②本渡章所蔵地図より「改正摂津大坂図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉吉市と周辺 文化遺跡絵図」

 

第6回(2021年7月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・日本海山潮陸図」「石川流宣・日本国全図」

②本渡章所蔵地図より「大阪師管内里程図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉敷美観地区絵図」

 

第5回(2021年5月)

①2007清林文庫展解説冊子・2019清林文庫展チラシ

②本渡章所蔵地図より「近畿の聖地名勝古蹟と大阪毎日」

③フリーペーパー「井沢元晴漂泊の絵図師」・鳥観図「古京飛鳥」「近つ飛鳥河内路と史跡」

 

第4回(2021年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪湾築港計画実測図」

②本渡章所蔵地図より「大阪港之図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「福山展望図」

④鳥観図絵師・青山大介の作品より「梅田鳥観図2013」

 

第3回(2021年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「江戸切絵図(尾張屋版)」「摂津国坐官幣大社住吉神社之図」

②本渡章所蔵地図より「摂州箕面山瀧安寺全図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「小豆島観光絵図」

 

第2回(2020年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「メルカトル世界地図帳」「オルテリウス世界地図帳」

②本渡章所蔵地図より「A NEW ATLAS帝国新地図」「NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「大阪府全図(三部作)」

 

第1回(2020年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」

②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「ふたつの飛鳥と京阪奈」

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東畑建築事務所「清林文庫」は、同事務所の創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関しても国内外の書籍、原図など多数を収め、価値はきわめて高い。

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鳥観図絵師・井沢元晴(1915~1990)は戦後から昭和末までの約40年間に、日本各地を訪ねて多くの鳥観図を描き、昭和の伊能忠敬とメディアで紹介された。活動の前半期にあたる戦後の20年間は「郷土絵図」と呼ばれた鳥観図を作成。その多くは、子供たちに郷土の美しさを知ってもらいたいとの願いをこめて各地の学校に納められ、校舎に飾られた。学校のエリアは主に西日本。「郷土絵図」の活動は60年代半ばまで継続し、新聞各紙にとりあげられた。

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鳥観図絵師・青山大介(1976~)神戸生まれ。高校時代に都市鳥瞰図絵師の第一人者、故・石原正氏の鳥観図に出会い、感銘を受け、独学で鳥瞰図絵師を志す。2011年、制作に3年半をかけた「みなと神戸バーズアイマップ2008」を完成。2013年発行の「港町神戸鳥瞰図2008」は神戸市の津波避難情報板に採用された。以後、多数の作品を発表し、都市鳥瞰図の魅力を発信。2022年の「古の港都 兵庫津鳥瞰図1868」は同年開館の兵庫津ミュージアムのエントランス展示作品となる。2023年、神戸市文化奨励賞受賞。

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●電子書籍のお知らせ

本渡章の著書(古地図・地誌テーマ)のうち、電子書籍になった10冊(2022年末現在)は次の通りです。
(記載の刊行年は紙の書籍のデータです)

『鳥瞰図!』140B・刊(2018年)

思考・感情・直観・感覚…全感性を目覚めさせる鳥瞰図の世界にご案内。大正の広重と呼ばれた吉田初三郎の作品群を中心に、大空から見下ろすパノラマ風景の醍醐味を味わえます。併せて江戸時代以来の日本の鳥観図のルーツも紐解く、オールカラー・図版多数掲載の決定版。

『古地図で歩く大阪 ザ・べスト10』140B・刊(2017年)

梅田・中之島・御堂筋・ミナミ・天満・京橋・天王寺。阿倍野・住吉・十三・大正・平野の10エリアを古地図で街歩きガイド。さらに博物館、図書館、大書店、古書店での古地図探しの楽しみ方、大阪街歩き古地図ベストセレクション等々、盛りだくさんすぎる一冊。オールカラー・図版多数掲載。

*上記2冊は各電子書籍ストアでお求めください

*下記8冊は創元社(オンライン)の電子書籍コーナーでお求めいただけます

『図典「摂津名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

大阪の地誌を代表する「摂津名所図会」の全図版を掲載。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添えた。調べものに便利な3種類の索引、主要名所の現在地一覧付。江戸時代の大阪を知るためのビジュアルガイド。

『図典「大和名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

姉妹本『図典「摂津名所図会」を読む』の大和(奈良)版です。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添え、3種類の索引、主要名所の現在地一覧も付けるなど「摂津編」と同じ編集で構成。江戸時代の奈良を知るためのビジュアルガイド。

『古地図が語る大災害』創元社・刊(2014年)

記憶の継承は防災の第一歩。京阪神を襲った数々の歴史的大災害を古地図から再現し、その脅威と向き合うサバイバル読本としてご活用ください。歴史に残る数々の南海トラフ大地震の他、直下型大地震、大火災、大水害の記録も併せて収録。

『カラー版大阪古地図むかし案内』(付録・元禄9年大坂大絵図)創元社・刊(2018年)

著者の古地図本の原点といえる旧版『大阪古地図むかし案内』に大幅加筆し、図版をオールカラーとした改訂版。江戸時代の大坂をエリアごとに紹介し、主要な江戸時代地図についての解説も収めた。

『大阪暮らしむかし案内』創元社・刊(2012年)

井原西鶴の浮世草子に添えられた挿絵を題材に、江戸時代の大坂の暮らしぶりを紹介。絵解きしながら、当時の庶民の日常と心情に触れられる一冊。

『大阪名所むかし案内』創元社・刊(2006年)

江戸時代の観光ガイドとして人気を博した名所図会。そこに描かれた名所絵を読み解くシリーズの最初の著書として書かれた一冊。『図典「摂津名所図会」を読む』のダイジェスト版としてお読みいただけます。全36景の図版掲載。

『奈良名所むかし案内』創元社・刊(2007年)

名所絵を読み解くシリーズの第2弾。テーマは「大和名所図会」。全30景の図版掲載。

『京都名所むかし案内』創元社・刊(2008年)

名所絵を読み解くシリーズの第3弾。テーマは「都名所図会」。全36景の図版掲載。

※その他の電子化されていないリアル書籍(古地図・地誌テーマ)一覧

『古地図でたどる 大阪24区の履歴書』140B・刊(2021年)

『大阪古地図パラダイス』(付録・吉田初三郎「大阪府鳥瞰図」)140B・刊(2013年)

『続・大阪古地図むかし案内』(付録・グレート大阪市全図2点)創元社・刊(2011年)

『続々・大阪古地図むかし案内』(付録・戦災地図・大阪商工地図)創元社・刊(2013年)

『アベノから大阪が見える』燃焼社・刊(2014)

『大阪人のプライド』東方出版・刊(2005)

 

●本渡章(ほんど・あきら)プロフィール

1952年大阪市生まれ。作家。(財)大阪都市協会発行時の「大阪人」編集などを経て文筆業に。1996年第3回パスカル短篇文学新人賞優秀賞受賞。短編が新聞連載され『飛翔への夢』(集英社)などに収録。編著に『超短編アンソロジー』(ちくま文庫)がある。その後、古地図・地誌をテーマに執筆。
著書『鳥瞰図!』『古地図でたどる大阪24区の履歴書』『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』『大阪古地図パラダイス』(140B)『古地図が語る大災害』『カラー版大阪古地図むかし案内』『図典「摂津名所図会」を読む』『大阪暮らしむかし案内』(創元社)など多数。共著に『大阪の教科書』(創元社)がある。

6/8-9本のイベント出展のお知らせ

2024年5月25日 土曜日

140Bは奈良市でのブックマーケットに出展します。

6/8-9(土・日)10:00~16:00
ブックマーケット

会場はかつて2010年に『読み歩き 奈良の本』を一緒に作った奈良県立図書情報館さん。

 

当日は、二日間にわたり奈良、大阪、京都、兵庫、三重、滋賀、広島、東京から古書店、出版社など各日約40店舗が出展します。
同時開催の「栞のマーケット」では、飲食や雑貨が各日約20店舗が出展、ブックマーケットとあわせてお楽しみください。

約一年ぶりの奈良でのイベント、たくさんのお運びお待ちしています(青木)