2021.01.20
再封鎖2週目
1/14-20 英国の一番暗い日
【春を待ちわびる英国人とワクチン】
英国の冬は暗い。寒いし、湿気ってるし、曇天や霧が多くて
個人的には格別心待ちにしてるわけでもないけれど、そんな鬱々とした
1月も後半になってくると冬至から一か月経過してそろそろ日照時間延長の実感が生まれるのですが、それまでが超厳しい。わたしはいつも「スノードロップが咲くまでの我慢」だと自分に言い聞かせています。そのあとは途切れることなくミモザ、クロッカス、水仙、プリムラ、ブルーベルと続いて爛漫の春へと英国人たちを導いてくれるからです。
なのでこの時期、英国の公園は花のシーズン以上に賑わいます。一日でも早く春を見つけたいという気持ちが足を近隣のパークへ向かわせます。特別な花園である必要はない。むしろ日常となるべく地続きであってほしいと彼らは考えています。スーパーの店頭は一束1ポンドのダフィデルで埋め尽くされ厭が応にも春待ち気分を盛り上げてくれます。
まして今年は
……だから気持ちは分かるんだよね。痛いほど。しかし先週末に歩いた(より正確には買い物帰りに〝抜けた〟だけなんですが)近くの公園風景にはゾッとさせられました。まるでクリスマス前のショッピングアーケードみたいな雑踏なんです。
誰もマスクをしていない。ソーシャルディスタンス守っていない。あきらかに現在は禁止されている同居人以外の人たちと混じった集団で楽しそうにお喋りしながら闊歩している。これが通常時なら平和で美しい景色。けれどこの状況下では自殺行為じゃないでしょうか。わたし自身はもうしばらくここへ来たくありません。犬の散歩優先でどうぞ。
公園みたいに人口密度が上っていた場所は例外ですが、散歩しながら垣間見る街の印象はさほど変わりません。静かになったとは思います。が、さほどゴーストタウン化しているようには見えません。シャッター店がかなりあるにもかかわらず活気もなくはない。
実はちょっとだけ想像してたんですよね。救急車やパトカーのサイレンがひっきりなしに往来するドップラー効果地獄みたいな街を。幸いムロタニツネ象的な悪い予感は当たりませんでした。気にして観察していてこれなんですからコロナ禍でないときと大きな差異はないはずです。
2020年春のロックダウンと今回の冬封鎖でなにが具体的に異なるのかといえば、これは警察の介入ではないでしょうか。わたしは犯罪者じゃないけど聖人君子でもありません。警察官が横を通り過ぎただけで冷や汗が出るタイプ。はっきりいって苦手です。けれど今回だけは歓迎ムード。
アンチコロナのデモが蹴散らされて逮捕者も出たって話は先週の日記に書きました。いつもならなんとなく不快感がある件だけど、いまは喝采を送っちゃう。公園でも交通整理みたいに仕切ってくんないかなとか。家の中でパーティしてた連中が踏み込まれて慌てふためく映像をニュースで観てもイケイケGoGo!とか拳を揚げちゃう始末。
80年代半ばくらいまでの官憲による黒人やゲイに対する〝いやがらせ〟を連想させるのは事実。ただそれらが偏見や差別に基づく純粋な棒力であったのに対して、此度のパトロール強化は市民生活にダメージを与える不届き者への現行犯懲罰なのです。
米のバイデン新大統領が、国会議事堂に乱入して
密な空間で酒呑んでウェ~イは、お開きのあと彼らが自分の住処に移動する以上テロ行為と同じなのです。アンチマスクにしてもそう。己の欲望でウィルスを拡散させて他者の生活を奪ってはいけません。ものすごく単純な理論なんですが、なぜか未だに理解できない人がいる。ならば官憲がそういった連中の欲望を規制するのは当然じゃないかしら。