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100年前、少年・宮本常一が大阪に来たことの幸運

2023年11月2日 木曜日

担当/中島 淳

宮本常一(つねいち)という名前を聞いたのはもう30年ほど前のこと。

『忘れられた日本人』(岩波文庫)などの名著を残した、20世紀の日本を代表する民俗学者・宮本常一(1907〜81)。没後40年以上経過した今でも、「曲がり角」にいる日本と日本人が「見落としてはいけない道しるべ」のようなものとして、年々存在感が増しているように思う。

宮本は「民俗学者」という範疇には決してとどまらない人だった。戦前から戦後、高度成長の時代にかけ、日本全国を足で歩いて各地に住む人びとの暮らしを訪ね、民話や日々の生業を細部まで聞き取って記録を残しただけでなく、「もっとこうしたら作物が増えるのではないか」「この土地ならこんな産業を興したら生活が楽になるのではないか」という助言や指導も忘れなかった人である。

「野」の人であったが多くの自治体などが彼の働きぶりに対して仕事を依頼した。

大河ドラマ『蒼天を衝け』のモデルとなった渋沢栄一の孫で、日銀総裁や大蔵大臣を経験した渋沢敬三(1896〜1963)は宮本のパトロンとして支援を惜しまなかった。昔の日本にはそんな財界人もいたのである。

宮本が73歳でその生涯を閉じるまでに歩いた総距離は地球4周分(約16万㎞)に及ぶという。1日1万歩(約7㎞)を1年間続けると2,555㎞。16万㎞歩くにはまるまる62年以上をこのペースで歩かなければならず、人生のほとんどが歩きっぱなしの人であったことが分かる。

筆者の家にも宮本の著書や、宮本をリスペクトした佐野眞一や毛利甚八の本がある。それらはすべて「書物」の中の体験でしかなく、「昔はスゴい人がおったんやなぁ」的なレベルだった。そういう訳なので、宮本常一をずっと研究対象として追いかけていた人から話が聞けるのは、とても興味深い。

11月のナカノシマ大学の講師である、大阪生まれ大阪育ちの民俗学者・畑中章宏さんは今年、宮本常一についての著書を上梓した。タイトルは、『今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる』(講談社現代新書)。

5月に刊行されたが、この本に込められたメッセージに共感する人が増え、早くも4刷を迎えた。

とくにこの中で触れられていた、「宮本の民俗学がほかの民俗学者の民俗学と際立って違うのは、フィールドワークの成果が実践に結びついていった」ということと、「庶民の歴史を探求するなかで、村落共同体が決して共同性に囚われてきただけではなく、『世間』という外側と絶えず行き来し流動的な生活文化をつくってきたことも明らかにする。そしてそれは、公共性への道が開かれていたと解釈することができる」ということはとても重要な指摘だと思う。

畑中さんは災害伝承・民間信仰から、最新の風俗・流行現象まで幅広いテーマに取り組んでいて、著書に『災害と妖怪』(亜紀書房)、『天災と日本人』『廃仏毀釈』(ちくま新書)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『日本疫病図説』(笠間書院)、『五輪と万博』(春秋社)などがある。

宮本常一の故郷で開かれる「周防大島郷土大学」でもたびたび講師を務めている人で、ナカノシマ大学では「大阪における宮本常一」をテーマに講義をしてくれることになった。

周防大島で生まれ育った宮本常一の転機は15歳の時に訪れる。

高等小学校を卒業してからは「一年ほど郷里で百姓をした」のだが、翌年の大正12年(1923)3月に祖母が他界する。大阪から葬式のために帰省してきた叔父(父の弟)は「常一も田舎で百姓させるのでなく、大阪へでも出して勉強させてみては?」と父に言ったという。

すると父は、「一年間百姓させてみてもう大丈夫だと思う。何をさせてみても一人前のことはできるだろう」と常一の大阪行きを認め、翌4月に大阪へ出ることになった。

宮本常一の父親・善十郎の凄さについて、宮本常一『民俗学の旅』(講談社学術文庫)から引用する。

出るときに父からいろいろのことを言われた。そしてそれを書いておいて忘れぬようにせよとて私は父のことばを書きとめていった。

(1)汽車に乗ったら窓から外をよく見よ、田や畑に何が植えられているか、育ちがよいかわるいか、村の家が大きいか小さいか、瓦屋根か草葺きか、そういうこともよく見ることだ。駅へついたら人の乗りおりに注意せよ、そしてどういう服装をしているかに気をつけよ。また、駅の荷置場にどういう荷がおかれているかをよく見よ。そういうことでその土地が富んでいるか貧しいか、よく働くところかそうでないところかよくわかる。

(2)村でも町でも新しくたずねていったところはかならず高いところへ上ってみよ、そして方向を知り、目立つものを見よ。峠の上で村を見おろすようなことがあったら、お宮の森やお寺や目につくものをまず見、家のあり方や田畑のあり方を見、周囲の山々を見ておけ、そして山の上で目をひいたものがあったら、そこへはかならずいって見ることだ。高いところでよく見ておいたら道にまようようなことはほとんどない。

(3)金があったら、その土地の名物や料理はたべておくのがよい。その土地の暮らしの高さがわかるものだ。

(4)時間のゆとりがあったら、できるだけ歩いてみることだ。いろいろのことを教えられる。

(5)金というものはもうけるのはそんなにむずかしくない。しかし使うのがむずかしい。それだけは忘れぬように。

(6)私はおまえを思うように勉強させてやることはできない。だからおまえには何も注文しない。すきなようにやってくれ。しかし身体は大切にせよ。三十歳まではおまえを勘当したつもりでいる。しかし三十すぎたら親のあることを思い出せ。

(7)ただし病気になったり、自分で解決のつかないことがあったら、郷里へ戻ってこい、親はいつでも待っている。

(8)これからさきは子が親に孝行する時代ではない。親が子に孝行する時代だ。そうしないと世の中はよくならぬ。

(9)自分でよいと思ったことはやってみよ、それで失敗したからといって、親は責めはしない。

(10)人の見のこしたものを見るようにせよ。その中にいつも大事なものがあるはずだ。あせることはない。自分のえらんだ道をしっかり歩いていくことだ。

 大体以上のようなことであったと思う。私はこのことばにしたがって今日まであるき続けることになる。

父の人生で培われた、力強いメッセージを胸に宮本常一が旅立った先は、空前の近代化で膨張する1923年の大阪だった。あの宮本常一が初めて体験した「世間」とは大阪のこと。今からちょうど100年前で、100年というのは遠い昔のようでもあるが……

ナカノシマ大学の会場である大阪府立中之島図書館も、隣の大阪市中央公会堂も、御堂筋を挟んだ日本銀行大阪支店もこの時すでに建っていたと思うと、実は「ほんの昨日のこと」でもある。

大阪にやって来た若き日の宮本常一の奮闘ぶりを、畑中章宏さんが詳しくお伝えします。タイトルは「フィールドワーカー・宮本常一を覚醒させた大阪の日々」。お楽しみに!

本日11.1(水)だけは「日経」を買ってください

2023年11月1日 水曜日

担当/中島 淳

本日11月1日(水)の日本経済新聞朝刊別刷(第二部)は「11月1日は、本格焼酎・泡盛の日」特集(10ページ)です。この表紙からp7までの編集紙面を弊社で担当しました。

新聞は全国紙(大阪本社)からのお仕事をこれまでにもやっていましたが、「紙面デザインも含めて一切」というのは初めてで、気合が入りましたな。

そこでデザインとイラストは、OsakaMetroのシニア向けフリーマガジン『アルキメトロ』などのビジュアルでおなじみ、神谷利男さんを起用。「焼酎の 熱源に出合う 秋の旅」という題字と1面の大部分を占めるイラストや、各ページの挿絵的イラストをすべて万年筆で描いてもらいました。

〈1〜3面〉

去年の1面は多くの取材写真をスクエアに分割した感じでデザインされていて、それはそれで分かりやすかったのですが、タイトルキャッチの世界観が一発で提示できるようなインパクトのある1面にしないと「最後まで読んでもらわれへんな」と感じ、「イラスト一発で」とお願いしました。

神谷さんは、日経さんへの提案用にカラーイラストと、万年筆イラストの2種類をテスト版として描いてくれたのですが、担当K氏の「もう絶対こっち!」とのセレクトに「これはおもしろいことになりそうやな」の予感。

というのも、「おもしろいページ」というのは現場の作り手だけがノッていてもダメで、発注者がある場合はその担当者のセンスや熱意で決まります。日経のK氏(たぶん社内の調整がほんまに大変だったと思いますが)をはじめ西部支社、大阪本社のみなさんは、よくこんなへそ曲がりの会社を指名して最後までやらせてくれたなぁとほんまに頭が下がります。

神谷さんの、60年代の平凡パンチのような感じのイラストは、シニア層には懐かしいけど(神谷さん自身も同時代人ではない)若い人たちには新鮮かも。彼らがどんな反響を示すかが楽しみです。

2-3面は「『焼酎の熱源』が集まる福岡から目が離せない」。

やっぱり福岡は、九州各県の焼酎産地を控えているから焼酎を売っているor焼酎が飲めるお店のバリエーションもほんまにたくさんあります。その福岡でお酒と食、そしてラグビーのことならまかさんかい、の寺脇あゆ子さんが、「香り系×ソーダ割り」「焼酎ブックバー」のネタを、その熱源である[とどろき酒店][ブックバーひつじが]を取材・執筆してくれました。

そして「焼酎プロデューサー」として女性がもっと焼酎に親しめる場所を積極的に開き、そこに蔵元や食材の生産者、地方自治体なども巻き込んで盛り上げていこうとしている黒瀬暢子さんのことも紹介しています。彼女は明治期後半に焼酎の量産化に貢献した鹿児島の「黒瀬杜氏」の子孫で、各地で「焼酎女子会」を開いていますが、「女子会」という言葉とはええ意味で裏腹に、「伝道師」として焼酎の素晴らしさを日々発信しまくっているほんまに「熱源」そのものの人です。

〈4〜7面〉

「焼酎の熱源を旅する」というお題で、東京・大阪・京都・福岡の「美味くてクセがスゴい店」を、いつも記事をお願いしている地元の強者ライターに紹介してもらいました。

どれも「取材のために行った」のではなく、「ふだん通っている店の魅力を伝えたい」ということで、四人四様の気合が入っています。

東京:譽田亜紀子さん(古代ライター)→世田谷区成城[季節料理 藤]

 

 

 

 

 

 

大阪:奥村康治さん(放送作家)→福島区福島[がじゅまる食堂]

 

 

 

 

 

 

京都:郡 麻江さん(京都&歴史ライター)→中京区四条富小路[薩摩焼酎バー 琥珀]

 

 

 

 

 

 

福岡:寺脇あゆ子さん(食&酒ライター)→中央区平尾[BAR スンクジラ]

どんなお店なのかを書こうと思いましたが、よくよく考えたら今からコンビニか駅売店、あるいは新聞販売店に行けばぜんぜん買えますので、読んでのお楽しみ。

日経はいま1部売りで200円ですが、この別刷10ページに本紙も読めて200円なら安い! たまには新聞を買うのもええですよ。

 

 

 

10/28-29 神保町ブックフェスティバル出展のお知らせ

2023年10月25日 水曜日

140Bは今年も神保町ブックフェスティバルに出展します。

10/28(土)-29(日)
10:00~18:00

出展ブースの場所は昨年とほぼ同じ場所< B-北-9 >になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

何度かの出展でここでしかお会い出来ないないお客さまも増えてきました、再会も新しい出会いも楽しみです。

そして今年もひとり店主ですので、差入れ大歓迎! この2日だけは厚かましくないと倒れてしまいますので!!

今年もたくさんのお運びお待ちしております。(青木)

 

 

 

 

 

昨年の出展ワゴンと140Bの出展イベント守護神ライオンさま

拝啓・古地図サロンから39

2023年10月16日 月曜日

2023年9月22日・本渡章より

【今回の見出し】

■9月の古地図サロンレポートと次回予定

  • 最近と今後の古地図活動★10月~12月
  • 古地図ギャラリー第20回
    東畑建築事務所「清林文庫」コレクション〈その20〉

■古地図サロンのレポート

開催日:9月22日(金)午後3~5時 御堂筋の大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて。

すっかり秋らしくなりました。皆さま、お元気でいらっしゃいますか。

古地図がテーマのサロンなのに、今回のメイン展示は令和の鳥観図になりました。作品は「岡山カルチャーゾーン鳥瞰絵図」で北・南に分割された2部作。作者は岡本直樹さん(倉敷市)。今夏、岐阜市で2日間にわたって開催された日本地図学会定期大会の「鳥瞰図セッション」でパネリストとして同席した鳥観図絵師です。もう一人のパネリストで鳥観図絵師の青山大介さん(神戸市)はこのレポートで何度か紹介しました。岡本さんは縮尺500分の1で街並みを手描きする細密な作風で知られている絵師。「岡山カルチャーゾーン鳥瞰絵図」は縮尺1200分の1ですが、後楽園や岡山城など岡山市の文化施設が集まるエリアの街並みや旭川の水辺、花咲く木々、道行く人の姿まで、筆をとった当時の見たままを描いているのは同じです。サロンでおなじみの古地図とは一見、異質の世界のようですが、描き手の視点と手技(てわざ)がものを言う点で、鳥瞰図は同じフィールドに属しています。見る人の想像力しだいで、その世界はどこまでも広がります。この日のサロンでも岡本さんの鳥観図が話題の中心になりました。

最近、岡山市の隣の玉野市の歴史発掘プログラムの仕事をしたばかりの私。岡山市にも興味が湧いてきました。

というわけで、11月のサロンでまたお会いいたしましょう。

◉今回のサロンで展示した地図

◆原図
岡山カルチャーゾーン鳥瞰絵図・NORTH 令和2年(2020) 岡本直樹
岡山カルチャーゾーン鳥瞰絵図・SOUTH 令和2年(2020) 岡本直樹
京都近郊(地形図) 大正9年(1920) 大日本帝国陸地測量部

◆復刻
五機内掌覧 天保12年(1841) 作・飄々山人 復刻年不明 古地図史料出版
摂州平野大絵図 宝暦13年 昭和41年(1966)中尾松泉堂
日本海山潮陸図(東日本)元禄4年(1691) 作・石川流宣 復刻年不明 人文社
日本海山潮陸図(西日本)元禄4年(1691) 作・石川流宣 復刻年・復刻者不明

◆絵葉書
御大典記念・奉祝「花電車」6枚組 昭和3年

★次回は2023年11月24日(金)午後3~5時開催予定

会場は御堂筋の大阪ガスビル1階カフェにて。私の30分トークは午後4時頃からです。サロン参加は無料(但し、カフェで1オーダーしてください)。途中参加・退出OK。勉強会でもなく会員制でもありませんので、どなたでも気軽にご参加ください。

諸事情により開催中止の場合は、事前にこの場でお知らせします。

 

【最近と今後の古地図活動】10月~12月

●「近代大阪の記憶が息づく大正区古地図さんぽ」★終了

10月1日(日)午後2~5時。
大阪24区で最も大規模な土地改造が行われた大正区で近代大阪の足跡をたどりつつ語るウォーク。大正橋を飾る「歓喜の歌」の楽譜の意味、尻無川畔のタグボート大正がなぜ船なのか、明治生まれの三泉商店街の現在、人工丘の昭和山、リトル沖縄のルーツを語る大阪沖縄会館と沖縄文庫、内港大開発の名残のはしけ桟橋など、大阪の近代化の光と影。昭和山の頂上で聞こえた三線の音色が沁みました。

朝日カルチャーセンター中之島での講座10~12月

「梅田の歴史、平安期から語りなおす」10月23日(月)・11月13日(月)午前10~12時
 ビル街に残る平安時代以来の梅田の歴史の数々。教室での座学と町歩きの2回講座。

「大正の広重・吉田初三郎の世界」12月15日(金)午前10時30分~12時
 日本全国の名所鳥瞰図で一世を風靡した吉田初三郎の大ベストセラー、鉄道開通50周年記念『鉄道旅行案内』を読み解き、観光ブームに湧いた大正時代の旅を再現。

サロン「東風(こち)」第2回

11月10日(金)午後2~4時 豆玩舎ZUNZO(宮本順三記念館)06-6725-2545 近鉄八戸ノ里駅前の山三エイトビル3階。東大阪観光協会後援。
「東大阪の七不思議」をテーマに、船場もあれば島之内もあった東大阪、ラグビー神社と日本書紀の遠くて近い関係、猫橋跡地蔵とカーネルの呪いなど、七つの謎解きで大いに盛り上がった第1回(9月8日)。その日は未解決だった「瓢箪山遊園の謎」が、後日の調査で解き明かされましたので、11月の第2回サロンで報告します。会場はグリコのおまけミュージアムとして知られる豆玩舎(おまけや)。

謎の「瓢箪山遊園」が載っている「奈良生駒ゆき電車路線案内」(東大阪市所蔵)の部分図。

街の話「江戸から明治へ~古地図の天満はこんな街」

11月23日(祝)15~16時30分 北勝堂 北区西天満3丁目7-7
 チラシの天満クイズ5問、解けた方も解けなかった方も、古地図を見るのが初めての方も大丈夫!親子連れもお一人様もみんなで昔の街をのぞいてみよう。西天満に根をおろしたまちライブラリー「北勝堂」さんにて、古地図を囲んでの気軽なお話の会です。

雑誌「歴史人」で3回連載(10~12月号)

京の都の大通り、「河原町通・烏丸通」の歴史の話(10月号)に続いて、「四条通・御池通」(11月号)、「丸太町通・綾小路通」(12月号)を執筆します。各2頁。歴史人×お通り男史タイアップ企画。

北海道の標茶町立中学校からのお便り

前回お知らせした岐阜市での日本地図学会定期大会「鳥瞰図セッション」登壇の後日談です。セッションで北海道標茶町(しべちゃちょう)の標茶中学校が、地元に残る吉田初三郎「標茶町鳥瞰図」を今年から鑑賞教育教材(写真)として活用しているとの話題を報告したところ、標茶中学校からお礼のメールが届きました。ネット公開されたセッションもご覧いただき、校内掲示のニュースで生徒さんたちも共有されたとのこと。嬉しいお知らせでした。先述のレポートで紹介の「岡山カルチャーゾーン鳥瞰絵図」は、鳥瞰図セッションで同席した岡本直樹さんの作品です。

養老天命反転地に行った

日本地図学会の会場から足をのばし、養老鉄道に乗って、かねてより興味のあった養老天命反転地を訪問。緑の丘陵に「極限で似るものの家」「日本列島」「精緻の棟」「楕円形のフィールド」「死なないための道」など奇妙な名前の建造物群がうねうねと連なり、人はゴールのない曲線と斜面の谷間や十字路をひたすらくぐり抜ける……異色の体感型アート。楽しめました。

●「大阪の地名に聞いてみた」ブログ連載、全12回24編

誰よりも大阪を知る「大阪の地名」の声、地名にひかれ地名で結ばれる人の想い。一年間の連載が2023年1月に完結(題字と似顔絵・奈路道程)し、書籍化が決定! 追加取材を加え、ブログの内容を大幅に再構成し、刊行されます。
それまではブログ「大阪の地名に聞いてみた」でお楽しみください。

第12回 ここは水惑星サンズイ圏【前編・後編】
第11回 島の国の島々の街【前編・後編】
第10回 仏地名は難波(なにわ)から大坂、大阪へ【前編・後編】
第9回  人の世と神代(かみよ)をつなぐ神地名【前編・後編】
第8回 語る地名・働く地名【前編・後編】(仕事地名・北摂編)
第7回 古くて新しい仕事と地名の話【前編・後編】(仕事地名・河内編)
第6回 街・人・物・神シームレス【前編・後編】(仕事地名・泉州編)
第5回 場所が仕事をつくった【前編・後編】(仕事地名・大阪市中編)
第4回 花も緑もある大阪【前編・後編】
第3回 桜と梅の大阪スクランブル交差点【前編・後編】
第2回 続・干支地名エトセトラ&その他の動物地名【前編・後編】
第1回 大阪の干支地名エトセトラ【前編・後編】

 

動画シリーズ継続中! 本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み

大阪市のたどった道のりを、それぞれの土地の成り立ちと経済、文化など多様な要素を持つ24の「区」から見つめなおすシリーズ。続編はしばらくお待ちを。(制作・大阪コミュニティ通信社)

第2回番外編 府と区と市の関係について再考

第2回その2 西へ西へと流れた街のエネルギーと水都の原風景…西区

第2回その1 「江戸時代の大坂」と「明治以後の大阪」の架け橋となった巨大区…西区

第1回その3 平成の減区・合区が時代のターニングポイント

第1回その2 大正~昭和は人口爆発、増区・分区の4段跳び時代

第1回その1 大坂三郷プラスワン、4つの区の誕生

|古地図ギャラリー|

【花洛一覧図】文化5年頃(1808) 黄華山・画 風折政香・発行

京都を俯瞰した一覧図の初期の成果として知られる作品。西方から街並みと東山を見渡す構図は、その後の俯瞰図でも踏襲され、都の風景のイメージをつくっていきます。記された地名は三条、四条河原、五条、八坂、キタノテンジン(北野天神)など一部のみ。碁盤の目の街路もゆるやかなカーブを描いています。地図よりも絵画に近いタッチが、古都の印象をやわらかに表現しているといえるでしょう。同じ頃、江戸では鍬形蕙斎が「江戸一目図」で富士山を遠景に隅田川に抱かれた江戸の街並みを描き、後の作品に大きな影響を与えました。「花洛一覧図」「江戸一目図」は近代の鳥観図流行の先駆にもなったと考えられます。
作者の黄華山(横山華山)は江戸時代後期の京都の絵師。晩年まで旺盛な創作意欲を示し、祇園祭を緻密に描写した代表作「祇園祭礼図巻」などの作品を残しました。

 

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東畑建築事務所「清林文庫」は、同事務所の創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関しても国内外の書籍、原図など多数を収め、価値はきわめて高い。
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過去の古地図ギャラリー公開作品

①東畑建築事務所・清林文庫より池田奉膳蔵「内裏図」

 

第17回(2023年5月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「地球萬國山海輿地全図」

②青山大介作品展2023

 

第16回(2023年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「天王寺・石山古城図」

 

第15回(2023年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より長谷川圖書「摂津大坂図鑑綱目大成」

 

第14回(2022年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より久野恒倫「嘉永改正堺大絵図」

②鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「私たちの和田山町」

 

第13回(2022年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「淀川勝竜寺城跡全図」

 

第12回(2022年7月)

①東畑建築事務所「清林文庫」より秋山永年「富士見十三州輿地全図」

 

第11回(2022年5月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大日本分境図成」

 

第10回(2022年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「新改正摂津国名所旧跡細見大絵図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「笠岡市全景立体図」

 

第9回(2022年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「暁鐘成・浪花名所独案内」

②本渡章所蔵地図より「大阪市観光課・大阪市案内図

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「躍進井原市」

 

第8回(2021年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「友鳴松旭・大日本早見道中記」

②本渡章所蔵地図より「遠近道印作/菱川師宣画・東海道分間絵図」「清水吉康・東海道パノラマ地図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「吉備路」

 

第7回(2021年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・江戸図鑑綱目坤」「遠近道印・江戸大絵図」

②本渡章所蔵地図より「改正摂津大坂図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉吉市と周辺 文化遺跡絵図」

 

第6回(2021年7月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・日本海山潮陸図」「石川流宣・日本国全図」

②本渡章所蔵地図より「大阪師管内里程図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉敷美観地区絵図」

 

第5回(2021年5月)

①2007清林文庫展解説冊子・2019清林文庫展チラシ

②本渡章所蔵地図より「近畿の聖地名勝古蹟と大阪毎日」

③フリーペーパー「井沢元晴漂泊の絵図師」・鳥観図「古京飛鳥」「近つ飛鳥河内路と史跡」

 

第4回(2021年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪湾築港計画実測図」

②本渡章所蔵地図より「大阪港之図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「福山展望図」

④鳥観図絵師・青山大介の作品より「梅田鳥観図2013」

 

第3回(2021年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「江戸切絵図(尾張屋版)」「摂津国坐官幣大社住吉神社之図」

②本渡章所蔵地図より「摂州箕面山瀧安寺全図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「小豆島観光絵図」

 

第2回(2020年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「メルカトル世界地図帳」「オルテリウス世界地図帳」

②本渡章所蔵地図より「A NEW ATLAS帝国新地図」「NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「大阪府全図(三部作)」

 

第1回(2020年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」

②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「ふたつの飛鳥と京阪奈」

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●電子書籍のお知らせ

本渡章の著書(古地図・地誌テーマ)のうち、電子書籍になった10冊(2022年末現在)は次の通りです。
(記載の刊行年は紙の書籍のデータです)

『鳥瞰図!』140B・刊(2018年)

思考・感情・直観・感覚…全感性を目覚めさせる鳥瞰図の世界にご案内。大正の広重と呼ばれた吉田初三郎の作品群を中心に、大空から見下ろすパノラマ風景の醍醐味を味わえます。併せて江戸時代以来の日本の鳥観図のルーツも紐解く、オールカラー・図版多数掲載の決定版。

『古地図で歩く大阪 ザ・べスト10』140B・刊(2017年)

梅田・中之島・御堂筋・ミナミ・天満・京橋・天王寺。阿倍野・住吉・十三・大正・平野の10エリアを古地図で街歩きガイド。さらに博物館、図書館、大書店、古書店での古地図探しの楽しみ方、大阪街歩き古地図ベストセレクション等々、盛りだくさんすぎる一冊。オールカラー・図版多数掲載。

*上記2冊は各電子書籍ストアでお求めください

*下記8冊は創元社(オンライン)の電子書籍コーナーでお求めいただけます

『図典「摂津名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

大阪の地誌を代表する「摂津名所図会」の全図版を掲載。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添えた。調べものに便利な3種類の索引、主要名所の現在地一覧付。江戸時代の大阪を知るためのビジュアルガイド。

『図典「大和名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

姉妹本『図典「摂津名所図会」を読む』の大和(奈良)版です。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添え、3種類の索引、主要名所の現在地一覧も付けるなど「摂津編」と同じ編集で構成。江戸時代の奈良を知るためのビジュアルガイド。

『古地図が語る大災害』創元社・刊(2014年)

記憶の継承は防災の第一歩。京阪神を襲った数々の歴史的大災害を古地図から再現し、その脅威と向き合うサバイバル読本としてご活用ください。歴史に残る数々の南海トラフ大地震の他、直下型大地震、大火災、大水害の記録も併せて収録。

『カラー版大阪古地図むかし案内』(付録・元禄9年大坂大絵図)創元社・刊(2018年)

著者の古地図本の原点といえる旧版『大阪古地図むかし案内』に大幅加筆し、図版をオールカラーとした改訂版。江戸時代の大坂をエリアごとに紹介し、主要な江戸時代地図についての解説も収めた。

『大阪暮らしむかし案内』創元社・刊(2012年)

井原西鶴の浮世草子に添えられた挿絵を題材に、江戸時代の大坂の暮らしぶりを紹介。絵解きしながら、当時の庶民の日常と心情に触れられる一冊。

『大阪名所むかし案内』創元社・刊(2006年)

江戸時代の観光ガイドとして人気を博した名所図会。そこに描かれた名所絵を読み解くシリーズの最初の著書として書かれた一冊。『図典「摂津名所図会」を読む』のダイジェスト版としてお読みいただけます。全36景の図版掲載。

『奈良名所むかし案内』創元社・刊(2007年)

名所絵を読み解くシリーズの第2弾。テーマは「大和名所図会」。全30景の図版掲載。

『京都名所むかし案内』創元社・刊(2008年)

名所絵を読み解くシリーズの第3弾。テーマは「都名所図会」。全36景の図版掲載。

※その他の電子化されていないリアル書籍(古地図・地誌テーマ)一覧

『古地図でたどる 大阪24区の履歴書』140B・刊(2021年)

『大阪古地図パラダイス』(付録・吉田初三郎「大阪府鳥瞰図」)140B・刊(2013年)

『続・大阪古地図むかし案内』(付録・グレート大阪市全図2点)創元社・刊(2011年)

『続々・大阪古地図むかし案内』(付録・戦災地図・大阪商工地図)創元社・刊(2013年)

『アベノから大阪が見える』燃焼社・刊(2014)

『大阪人のプライド』東方出版・刊(2005)

 

●本渡章(ほんど・あきら)プロフィール

1952年大阪市生まれ。作家。(財)大阪都市協会発行時の「大阪人」編集などを経て文筆業に。1996年第3回パスカル短篇文学新人賞優秀賞受賞。短編が新聞連載され『飛翔への夢』(集英社)などに収録。編著に『超短編アンソロジー』(ちくま文庫)がある。その後、古地図・地誌をテーマに執筆。
著書『鳥瞰図!』『古地図でたどる大阪24区の履歴書』『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』『大阪古地図パラダイス』(140B)『古地図が語る大災害』『カラー版大阪古地図むかし案内』『図典「摂津名所図会」を読む』『大阪暮らしむかし案内』(創元社)など多数。共著に『大阪の教科書』(創元社)がある。

「イケフェス大阪」の顔・2人のトークをたっぷりと!

2023年10月12日 木曜日

担当/中島 淳

この10月28日(土)、29日(日)に大阪市内各所で開催される「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2023」の開催に先駆けて、その立役者の2人である髙岡伸一先生と倉方俊輔先生が、10.17(火)のナカノシマ大学に登壇する。

開催まで2週間を切ったこのタイミングで登壇するのはお二方とも正直な話、「それどころやないわ」の状況だと思うが(よくぞ今年も!)、それだけに値打ちがありますので、建築好きの人はぜひご参加くださいませ。

筆者自身、大阪の近現代建築物のとてつもない集積についてはホンマに無知だった。知っているのはナカノシマ大学の会場である大阪府立中之島図書館(1904年)や大阪市中央公会堂(1918年)、綿業会館(1931年)、そして弊社の設立後に入居した(140Bというのはこの部屋番号である)旧ダイビル本館(1925年)ぐらい。

そんな状況であったが、中之島のフリーマガジン『島民』(2008〜21年)の発行を重ねるうちにこちらも建築物のことを少しずつ学習するようになるし、これまでにお付き合いのなかった人とも交流ができる。その一人が髙岡伸一先生だった。

「説明」ではなく「建築愛」を感じさせた髙岡伸一先生の街案内とテキスト

 

実は2011年4月から2012年3月まで、140Bは戦前から続く雑誌『大阪人』(発行・財団法人大阪市都市工学情報センター)の編集を1冊まるごと行っていて、1年間で隔月刊誌を6冊、増刊号を4冊企画・編集した。

思い出深い号の一つがこちらの2012年4月号増刊「ザ・大阪のデザイン」である。

表紙は弊社のWEB連載「阪急沿線 あの駅のこと」で駅前風景を描き続ける綱本武雄さんの、四天王寺五重塔の線画。デザインは『島民』『Wao! Yao! 八尾の入り口』『堺を歩けば。』『ザ・古墳群〜百舌鳥と古市 全89基』の山﨑慎太郎さん

特集の一つ「街のかたち。グッドデザインの散歩道」として、船場の近現代建築の「いちばん美味しいところ」を通る三休橋筋の、名建築の集積ぶりを髙岡先生に案内してもらった。歩きながらの案内だけでなく、北は重要文化財の適塾、大阪市立愛珠幼稚園から南は綿業会館(重文)、70年代らしい超高層ビルの大阪国際ビルまでなんと20の建築物。

それを実に楽しそうに、かつ初心者にもよく分かるように案内してくれて、かつ建築物への愛がたっぷりの原稿を書いてくれるので、いっぺんに髙岡先生のファンになった。「建築物を見るって、楽しいもんなんや」感化されていったのである。

髙岡先生の写真が見えへん(汗)。この2年後に「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」が始まる(同左)

 

『大阪人』2012年4月号増刊「ザ・大阪のデザイン」より。この頃の三休橋筋は電柱と電線が気になっていた

 

 

 

 

 

「陽気な人たらし」倉方俊輔先生の人間力

 

倉方先生は、イケフェス大阪が始まった2014年以降に出会うのだが、ナカノシマ大学では、この人の醸し出す「華」と明るさで会場がどんどんほぐれていくのを、いつも目の当たりにした。

弊社の販売隊長アオキは、「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」の公式ガイドブック(同実行委員会発行)を書店でも扱ってくれるように倉方先生と一緒に書店営業をした2016年のことを「版元ドットコム」のブログに書いている。以下はそこからの抜粋。

 販売初年度の2016年は実行委員会さんとの直取引ということで大阪の主要書店さんに「イケフェス大阪」とガイドブックの必要性を説明するところから始まった。(中略)倉方さんはまず、売場担当の書店員さんへの挨拶もそこそこに、いきなり「イケフェス大阪」について説明し出すのだが、倉方さんは大学の先生であり、実行委員会のメンバーであり、イケメンでもある。大方の書店員さんは、はじめ「イケフェス大阪」ってなんぞやとかなり怪訝な、しかし緊張した表情で説明を聞いているのだけど、次第に倉方さんの熱量溢れる隙のない、そして何よりも楽しそうなセールストークに心を掴まれ、「イケフェス大阪」が大阪の街中をミュージアムに見立てて公開された建築物を見て歩く企画だとわかると、途中からほとんど全員が笑顔になっていく。特に建築に興味がなくても、大阪の人でなくても、ほぼ例外なくみなさん「楽しそうですね」と声に出してもらったり、笑って話を聞いてくれる。

現在、『生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪公式ガイドブック(OPEN HOUSE OSAKA 2023)』はトーハン、日販、楽天ブックスネットワーク販売会社経由で書店に並んでいるが、初年度の2016年だけは違っていた。「直取引」というと書店さんにとっては「めんどくせえなぁ」と思う人もいる。だから相当のハードルだったと思うが、それを楽々とクリアする倉方先生、おそるべしである。

このような無敵のコンビが登壇するイケフェス大阪2023直前の、10.17(火)ナカノシマ大学は18時から19時45分まで。おもしろくないはずがないと断言します。満席にならないうちに、こちらへお申し込みよろしく

定価990円(生きた建築ミュージアム大阪実行委員会)

会場である大阪府立中之島図書館(重要文化財)2階のミュージアムショップでは、一般書店と同様に、すでにこの公式ガイドブックを販売中。ナカノシマ大学当日はもちろん、イケフェス当日の10/28(土)までずっと販売しているので、先にご購入していただくと、2日間の予定が考えられますよ。

イケフェス大阪の上機嫌コンビ、倉方先生(左)と髙岡先生。ご両人がナカノシマ大学に揃って登壇するのは、なんと4年ぶりです。請うご期待♬

10/7、8、9 三連休イベント出展のお知らせ

2023年10月4日 水曜日

今週末は京都・滋賀でのイベントに出展します。

下鴨中通ブックフェア2023
10/7(土)-8(日)
10:00-16:00
京都府立京都学・歴彩館

二年連続出展になります、
昨年好評だった品切れの蔵出し京都関連本もあるだけ持っていきます。
今年は本の雑誌社も上洛、
本好きは楽しめること間違いなし。

 

きのもと秋のほんまつり
10/9(月・祝)
10:30~
江北図書館駐車場(滋賀県長浜市)

内田樹関連本をいつもより多めに持っていきます。
そして、もちろん140Bの定番本も!
運営の能美舎さんとのファーストコンタクトも楽しみです。

2会場とも青木がお店におります。
いつもの版元さんや本屋さん仲間もたくさん出展されます
その会場でしか味わえない空気と一緒に本の世界をお楽しみください。

『生きた建築 大阪』重版出来

2023年9月26日 火曜日

「発売即」「たちまち」などは派手でかっこいいし羨ましい時もあるけど、じっくり時間をかけて丁寧に売ってきた書籍として充実感にもひとしおのものがあります。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年刊行の『生きた建築 大阪』は、今や日本最大級の公開建築イベント「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(イケフェス大阪)」で公開される建築物リストのベースになっている「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」の50の建物を紹介したもので、2016(取次扱いは2017)年より発売している「イケフェス大阪公式ガイドブック」の対となる定番の書籍となっています。

生きた建築の関連書としてふさわしい生きた書籍として8年ぶりに、『生きた建築 大阪』重版出来です。

平尾剛さんは9/28(木)にこんな話をします!

2023年9月22日 金曜日

担当/中島 淳

9/28(木)ナカノシマ大学の講師・平尾剛さんから、

日本代表時代。キックで前進をはかる平尾さん

「当日はこんな話をしたいと思います」というメールをいただいた。

「大まかな流れとしては、

1  ラグビーワールドカップ2023

2  スポーツの面白さ=具体的な人物を紹介しつつ

3 「日本のスポーツのアカンところ」をチクリと

 

でいこうかなと思っています」とのこと。どうぞご期待ください。

1(ラグビーW杯2023)について

 

9月28日(木)18時の時点で、実際にラグビーワールドカップ1999でFB(フルバック)としてプレーした平尾さんから見て、優勝候補の筆頭や「台風の目」となりそうなチーム、そして日本代表がサモア、アルゼンチンを下してベスト8に進出するには何が必要か(誰のどんなプレーが、ということも含めて)、という展望を。

2(スポーツの面白さとリスペクトする人物)について

 

こちらについては固有名詞も含めて当日のお楽しみですが、リスペクトする人物は多岐にわたっています。

体がきしむような肉弾戦もあれば、砂浜で気軽にプレーできるタッチラグビーもあったり。体力に応じたスポーツを日頃から楽しんでと平尾さん

ラグビー選手では「冷静な分析ができる、言葉に重みのあるアスリート」である、あのフォワードの選手。プロ野球では「古典的な筋トレをしないからだの鍛え方をしている」いまや孤高の存在であるあの投手。大リーグでは「若年層の成長を意識しつつ、技術を惜しみなく伝える」あの人や、ОBながらいまだに現役MLBプレーヤーから「憧れ」の眼差しで賞賛されるあの人のことをたっぷりと。

もちろん選手だけでなく、伝説の指導者やあの名著を書いたジャーナリストなど、「平尾剛リスペクト」の人物が続々登場します。

3(日本のスポーツのアカンところ)について


平尾さんは東京五輪や神宮外苑再開発など、スポーツを大義名分に「利権」を得たい人たちの動きに対して、元アスリートかつスポーツ教育学者の立場で警鐘を鳴らしてきましたが、それ以外にも「絶叫ワンパターンの実況中継」や「バラエティ番組で消費されるスポーツ選手」など、平尾さん自身が「今、スポーツを見ていても素直に楽しめない」と思える様々なことについて、ざっくばらんに語ってもらいます。

ナカノシマ大学終了は19:30で、日本vsサモア戦のキックオフは翌朝4:00。どうぞお楽しみに!

スポーツの魅力を「言葉」で語れる人・平尾剛さん

2023年9月13日 水曜日

担当/中島 淳

平尾剛(ひらお・つよし)さんの新刊『スポーツ3.0』の発売前夜となるオンライントークイベント(9月8日開催)を、砂かぶりの特等席で見せていただいた。

平尾さん(右)と、編集者でミシマ社代表の三島邦弘さん。2人とも1975年生まれの同い年

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平尾さんは神戸製鋼コベルコスティーラーズではウィング(WTB)とフルバック(FB)で活躍し、ウェールズなどで開催された「ラグビーワールドカップ1999」では日本代表として活躍。身長2m・体重100㎏ある外国選手の強烈な当たりや数々のずる賢いプレーに体を張って対抗してきた人である。そんな人からナマで話が聞けるなんてめったにないことだ。

それ以上に平尾さんの話に価値があると思うのは、引退後「スポーツ教育者」となって大学で教鞭をとる傍ら、「社会的に弱い人間を顧みない、問題だらけの東京五輪は中止するべし」など、常に堂々と社会に発言してきたからである。

「爽やかな体育会系」というのは、スポーツ団体を牛耳るエラいさんにとっては得てして「従順で使いでのある人間」として利用されることが多いのだが(JOCの会長がまさにそれですわな)、平尾さんは「爽やかでナイスガイのアスリート」ではあっても、「アカンもんはアカン」と声を出す人で、筆者は常にリスペクトしている。

その平尾さんが9/28(木)のナカノシマ大学に講師として登壇するので、真っ当かつ分かりやすくてオモロい「平尾トーク」をひと足お先に浴びておきたいという手前勝手な目的で京都にお邪魔する。

会場は京都御苑の東側にあるミシマ社の和室。日が落ちるといち早くひんやりした秋を感じられるロケーションの一軒家というのも実にうらやましい。ほっこりした空間で、平尾さんも聞き手の三島さんもリラックスした空気の中でトークがはじまった。

審判と協力して「いい試合」になるようプレーするのがラグビーの選手

将棋の名人戦中継みたいな感じがしないでも(笑)。背中はミシマ社の角智春さん(左)、山田真生さん

 

ラグビーワールドカップ2023フランスが開幕目前だったので、ラグビー観戦の魅力を。とくに審判(レフェリー)の役割とレフェリーに対する選手に関わり方について、興味深いことを話してくれた。

「日本の警察って、停止線のところで隠れて待ち伏せしていたりするでしょ。ラグビーの審判はそれと真逆ですわ」

どういうことなのだろうか。

「レフェリーは、判定者ではなく『指揮者でありデザイナー』なんです。いい試合に持っていけるように常に選手とコミュニケーションを取って、『そこから前でプレーしたらペナルティやで、出たらアカンで〜』と注意して反則でゲームが途切れないようにする」

たしかに笛ばっかり吹かれてその都度ゲームが中断してたら観るのはしんどい。「反則を未然に防ぐ」というのも審判の役割というのは目からウロコである。同時に

「ブレイクダウン(ボールの争奪戦)の攻防になった時に、密集に正面から入らないで斜めから入るとオフサイドを取るレフェリーと、それは流すレフェリーがいます」

そのあたりはかなり低めでもストライクを取る人、取らない人という野球の審判に似ている。

「斜めから入ってペナルティにされて文句を言う選手は子ども。大人のチームはその時点で審判のクセを見抜いて、『こっから入ると笛を吹かれるからもう少し正面から入ろう』と修正して次に備えます。手練れの選手は細かく、『いまのは角度が横すぎたんですかね』と確認して、できるだけ審判と話そうとする」

そんな審判や選手の動きも頭におきつつラグビーを見ると確かにおもしろくなる。「クレバー」だと言われる選手はさすがによく審判と話しているよなぁ。

平尾さんはこのほかラグビーワールドカップ観戦の思い出として、「敵味方のサポーターが肩組んで記念撮影するなんて、野球やサッカーでは考えられないでしょ。アレは両者の間に『ええ試合を観に来た同士』だという連帯感があるんですよ」と言うと、三島さんは驚いて、ミシマ社の地元・京都パープルサンガの応援に行った日のことを話してくれた。

「サンガのユニフォームで飲み物を買いに行ったら、係員から『ここから先は相手チームのサポーターがいるのでそれを脱いでください』と言われたんですよ」

Jリーグでもよく一触即発状態からサポーター同士が衝突してケガ人まで出る事件になることがあるが、そういう点でもラグビーは観客席の中に「敵味方のテリトリー」というのがない。同じブロックに対戦相手のサポーター同士が共存するのはぜんぜん普通なので、「スポーツ観戦に来たんだから、敵味方を超えて楽しめよ」と平尾さんではなくとも言いたくなる。

「ド下手なオッサンが楽しんで競技を続けている国」に学ぼう

 

このほか、日本の部活スポーツの問題点として平尾さんは「補欠というのをなくしたいですね。どんなレベルの選手でも、それに応じた形でたくさん試合ができるような方向に舵を切ることが、スポーツの豊かな国になる道だと思います」と。

野球マンガにもよく登場する、「一軍がバッティング練習をしている外野の奥で、球拾いと声出しだけをしている、背番号のない薄汚れたユニフォームの二軍三軍」というアレですな。たしかにそれも「青春の1ページ」かもしれんが、ボールゲームは試合をしてみないとその楽しさが分からない。なのに彼らは試合ができない。

平尾さんは著書の中で、元プロサッカー選手の中野遼太郎さんの言葉を紹介している。

「日本にサッカー文化が根づかないのは『めっちゃ楽しそうにサッカーをする、死ぬほどサッカーが下手なおっさん』がいないからではないかという」

そして

「つまり育成年代の子供たちは、プロ選手になれなくてもサッカーを楽しめる道が他にあること、そうして生涯にわたって続けられる安心感を、このおっさんたちから学んでいるのではないか」(平尾剛『スポーツ3.0』より)

トークイベントの中でも、「下手でもガハハと笑って一生続けられるスポーツ」の大事さが何よりも盛り上がった。体を動かしてチームでプレーするのは楽しいものだから、本当は。「やったことがないことをするとワクワクする、というのがスポーツの一番大事なところだから、生活全般がスポーツですよ」という平尾さんの言葉には、かなり考えさせられた。

「ケガを押して試合に出るのを『美談』とするような悪しき風潮はヤメましょう」同感です

「金メダル」や「世界一」を取った時はメディアが総動員で盛り上がるわが国のスポーツだけど、日常生活ではどうなんやろか? スポーツというと「死ぬほどサッカーが下手なおっさんが楽しそうにやる」姿よりも、「前回りができなくて恥ずかしかった体育の授業」を思い出してしまう。でもスポーツには、「落ちこぼれ」や「補欠」というものとはぜんぜん違うところに楽しさがあるはずだ。

平尾さんの言葉は、そんな「呪縛」を解いてくれるヒントになる。ちなみに、著書『スポーツ3.0』は9/15(金)にいよいよ発売です。

9/28(木)ナカノシマ大学の会場でも販売しますよ。

 

拝啓・古地図サロンから38

2023年8月16日 水曜日

2023年7月28日・本渡章より

【今回の見出し】

■7月の古地図サロンレポートと次回予定

  • 最近と今後の古地図活動★8月~11月(講座・テレビ・イベント・執筆など)
  • 古地図ギャラリー第18回
    東畑建築事務所「清林文庫」コレクション〈その18〉

■古地図サロンのレポート

開催日:7月28日(金)午後3~5時 御堂筋の大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて。

お暑うございます。皆さま、お元気でいらっしゃいますか。

これまでの展示は市街地図が主で、都府県単位の地図が少々というケースが多かったのですが、今回は地形図を1枚添えてみました。題名は「大阪近郊」(昭和2年発行)。地図の中でも理系の匂いがする地形図は、根っからの文系人間を自覚している私にはいまひとつなじめなかったのですが、この図には意外な新鮮味を感じました。長~いイモムシみたいな堤防の記号に着目すると、大阪府下のあちらこちらに延びていて、しかもしばしば地域をすっぽり囲んでいる。「囲堤」という呼び名は知っていたものの、こんなにたくさんあったとは驚きました。大規模で抜本的な治水が行き届かなかった時代に、水害から地域を守る役目を担っていたのです。一般的な市街図ではわからない治水の歴史が垣間見えました。地形図は基本的にモノクロで見かけが地味です。等高線と多種の記号でびっしり埋め尽くされているのもなんだか辛気臭い。そんな先入観を持っていましたが、これを機に認識をあらためます。

さて、古地図サロンの姉妹編「サロン東風(こち)」が近鉄八戸ノ里駅前の豆玩舎ZUNZO(宮本順三記念館)で9月8日に催されます。グリコのおまけミュージアムとして知られている豆玩舎(おまけや)さんでのサロンはまた違う雰囲気になると思います。情報は【最近と今後の古地図活動】をご覧ください。

では、9 月のサロンでまたお会いいたしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◉今回のサロンで展示した古地図

◆地図(原図)
大阪市街全図・著名諸会社・銀行・商店案内 大正2年(1913)大阪毎日新聞社
大阪近郊 昭和2年(1927)大日本帝国陸地測量部
大阪都市計画地域図 戦前 大阪市電気局
最新天王寺区地図 昭和11年(1936)和楽路屋
近畿遊覧交通略圖 戦前 作者不明

◆復刻
大阪実測地図・6枚組 明治20年(1987)内務省
五畿内掌覧図 天保12年(1841)河内屋喜兵衛・竹原好兵衛他

◆編集図
浪花の繁栄~大坂三郷の商工~ 『まちに住まう 大阪都市住宅史』付録
近代都市の構築~大大阪の生活と文化~ 『まちに住まう 大阪都市住宅史』付録

★次回は2023年9月22日(金)午後3~5時開催予定

会場は御堂筋の大阪ガスビル1階カフェにて。私の30分トークは午後4時頃からです。サロン参加は無料(但し、カフェで1オーダーしてください)。途中参加・退出OK。勉強会でもなく会員制でもありませんので、どなたでも気軽にご参加ください。

諸事情により開催中止の場合は、事前にこの場でお知らせします。

 

【最近と今後の古地図活動】

●絵師・井沢元晴が歩いた〈1945〉瓦礫の街」

8月1日(火)~15日(火) 大阪府立中之島図書館・2階多目的スペース
終戦まもなく、広島から大阪へ、焼跡の街を歩き描いた絵師がいました。歳月を経て完成された戦災画を遺品とともに公開。展示構成を担当。

展示の模様とインタビューが8月3日NHK(鳥取放送局)ニュース番組「いろ★どり」でオンエア。
8月4日付・産経新聞朝刊でも紹介されました。

 

●「家族で出かける東大阪むかし旅~古地図のまちをのぞいてみよう

8月20日(日)午前10~12時 旧河澄家
「古地図って何?」もしかしたら日本初かもしれない親子連れ夏休み古地図イベントをいたします。江戸時代に代々庄屋を務めた旧家の河澄家(東大阪市日下町)にて。

問い合わせは東大阪市役所06-4309-3283(文化財課)

日本地図学会「鳥瞰図セッション」にパネリストで出演

 

8月27日(日)10時30分~12時 岐阜県図書館ホール
8月26~27日に開催される日本地図学会・定期大会でもよされるセッション。鳥観図絵師の青山大介さん、岡本直樹さんと本渡章がパネリストを務めます。2日間の大会は他にも盛りだくさん。

 

もうひとつの古地図サロン「東風(こち)」

9月8日(金)午後2~4時 豆玩舎ZUNZO(宮本順三記念館)
グリコのおまけミュージアムとして知られる豆玩舎(おまけや)の大きな子供部屋みたいな会場で、風の向くままの新企画。豆玩舎(おまけや)は近鉄八戸ノ里駅前。東大阪観光協会後援。

 

朝日カルチャーセンター中之島での講座8~11月

「古地図地名物語」8月25日(金)・9月22日(金)午前10時30分~12時
阿倍野区・平野区の地名を訪ねます。
「梅田の歴史、平安期から」10月23日(月)・11月13日(月)午前10~12時
ビル街に残る平安時代以来の梅田の歴史の数々。教室と町歩きの講座。

銀杏歴史研究会「地図と資料でたどる[70年万博]と[あの頃の大阪]」

9月10日(日)9時30分~11時30分 大阪駅前第2ビル・第3研修室。
1970年開催の大阪万博はいったい何を残したか? 当時の世相をふりかえりつつ、万博から民博への大回転、太陽の塔の生誕など。

主催・銀杏歴史研究会

「古地図で知る大阪の災害史」

9月24日(日)13時30分~15時 平野区民センターで講演
6月の中之島図書館「江戸時代の災害に令和の私たちが学ぶこと」に続き、災害の話をします。今回は水害と街の暮らしがテーマ。

主催・平野区民センター

 

大正区ウォーキング(題名未定)

10月1日実施。詳細は後ほどお知らせ。

主催・大阪コミュニティ通信社

平野区民センターで講演「古地図が語る大災害」(仮題)

9月24日(日)13時30分~15時

6月の中之島図書館「江戸時代の災害に令和の私たちが学ぶこと」に続き、災害がテーマの講座です。主催・平野区民センター。

街の話「江戸から明治へ~古地図の天満はこんな街」

11月23日(祝)15~16時30分 北勝堂

西天満に根をおろしたまちライブラリー「北勝堂」さんの主催。地元の話たっぷりの講座。

雑誌「歴史人」10月号(9月4日発売)に執筆

京の都の大通り、河原町通・烏丸通の歴史の話(2頁)を執筆。歴史人×お通り男史タイアップ企画。

ABCアーク「歴史発掘プログラム」玉野市編

アートとポタリングと鳥人と製塩の街、岡山県玉野市の知られざる歴史発掘がテーマ。これまで伊丹市・泉州・紀の川市(和歌山県)・但馬播磨(銀の馬車道・鉱石の道)などの歴史発掘プログラムに参画。ABCアークは「歴史人」発行元。

●「大阪の地名に聞いてみた」ブログ連載、全12回24編が完結!

誰よりも大阪を知る「大阪の地名」の声、地名にひかれ地名で結ばれる人の想い。一年間の連載が2023年1月に完結(題字と似顔絵・奈路道程)し、書籍化が決定! 追加取材を加え、ブログの内容を大幅に再構成し、刊行されます。
それまではブログ「大阪の地名に聞いてみた」でお楽しみください。

第12回ここは水惑星サンズイ圏【前編・後編】
第11回島の国の島々の街【前編・後編】
第10回仏地名は難波(なにわ)から大坂、大阪へ【前編・後編】
第9回人の世と神代(かみよ)をつなぐ神地名【前編・後編】
第8回語る地名・働く地名【前編・後編】(仕事地名・北摂編)
第7回古くて新しい仕事と地名の話【前編・後編】(仕事地名・河内編)
第6回街・人・物・神シームレス【前編・後編】(仕事地名・泉州編)
第5回場所が仕事をつくった【前編・後編】(仕事地名・大阪市中編)
第4回花も緑もある大阪【前編・後編】
第3回桜と梅の大阪スクランブル交差点【前編・後編】
第2回続・干支地名エトセトラ&その他の動物地名【前編・後編】
第1回大阪の干支地名エトセトラ【前編・後編】

 

●動画古地図でたどる大阪の歴史」続編、作成中

江戸時代の大坂、近代以後の西区編に続き、街歩きスタイルの編集による港区編公開。他に「古地図サロン」、著書『古地図で歩く 大阪24区の履歴書』紹介編の動画もあります。「此花区・港区・大正区」の動画も作成中。(制作・大阪コミュニティ通信社)

|古地図ギャラリー|

【内裏図】文久3年(1863)池田奉膳蔵

内裏図は禁裏図とも呼ばれ、御所とその周りの公家屋敷を描いた京都ならではの絵図。文久から元治、慶応へとめまぐるしく年号が変わった1861年から1868年は、京都が幕末期の激動の舞台になったのを反映して、多くの内裏図が発行されました。改訂が繰り返されて出版され、反響が大きかった図です。
池田奉膳蔵「内裏図」はその一枚。華麗な多色刷り、各屋敷の家紋、家領・石高、正門の位置などが描か込まれ、さらには左端に、御所・公家町の外の宮・門跡・堂上の一覧図を載せるなど、見た目の美しさ、情報の豊富さで、他の内裏図を凌いでいます。公家屋敷群の北東部が白枠になっているのは、そこに屋敷がない空白地であるのを示しています。北東は鬼門にあたり、公家衆は鬼門とされる北東に屋敷を持つのを避けたのでしょう。同じ頃の他の内裏図にも同様の空白が見られます。

 

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東畑建築事務所「清林文庫」は、同事務所の創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関しても国内外の書籍、原図など多数を収め、価値はきわめて高い。
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過去の古地図ギャラリー公開作品

第17回(2023年6月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「地球萬國山海輿地全図」

②青山大介作品展2023

 

第16回(2023年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「天王寺・石山古城図」

 

第15回(2023年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より長谷川圖書「摂津大坂図鑑綱目大成」

 

第14回(2022年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より久野恒倫「嘉永改正堺大絵図」

②鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「私たちの和田山町」

 

第13回(2022年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「淀川勝竜寺城跡全図」

 

第12回(2022年7月)

①東畑建築事務所「清林文庫」より秋山永年「富士見十三州輿地全図」

 

第11回(2022年5月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大日本分境図成」

 

第10回(2022年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「新改正摂津国名所旧跡細見大絵図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「笠岡市全景立体図」

 

第9回(2022年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「暁鐘成・浪花名所独案内」

②本渡章所蔵地図より「大阪市観光課・大阪市案内図

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「躍進井原市」

 

第8回(2021年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「友鳴松旭・大日本早見道中記」

②本渡章所蔵地図より「遠近道印作/菱川師宣画・東海道分間絵図」「清水吉康・東海道パノラマ地図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「吉備路」

 

第7回(2021年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・江戸図鑑綱目坤」「遠近道印・江戸大絵図」

②本渡章所蔵地図より「改正摂津大坂図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉吉市と周辺 文化遺跡絵図」

 

第6回(2021年7月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・日本海山潮陸図」「石川流宣・日本国全図」

②本渡章所蔵地図より「大阪師管内里程図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉敷美観地区絵図」

 

第5回(2021年5月)

①2007清林文庫展解説冊子・2019清林文庫展チラシ

②本渡章所蔵地図より「近畿の聖地名勝古蹟と大阪毎日」

③フリーペーパー「井沢元晴漂泊の絵図師」・鳥観図「古京飛鳥」「近つ飛鳥河内路と史跡」

 

第4回(2021年3月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪湾築港計画実測図」

②本渡章所蔵地図より「大阪港之図」

③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「福山展望図」

④鳥観図絵師・青山大介の作品より「梅田鳥観図2013」

 

第3回(2021年1月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「江戸切絵図(尾張屋版)」「摂津国坐官幣大社住吉神社之図」

②本渡章所蔵地図より「摂州箕面山瀧安寺全図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「小豆島観光絵図」

 

第2回(2020年11月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「メルカトル世界地図帳」「オルテリウス世界地図帳」

②本渡章所蔵地図より「A NEW ATLAS帝国新地図」「NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図」

③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「大阪府全図(三部作)」

 

第1回(2020年9月)

①東畑建築事務所・清林文庫より「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」

②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「ふたつの飛鳥と京阪奈」

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●電子書籍のお知らせ

本渡章の著書(古地図・地誌テーマ)のうち、電子書籍になった10冊(2022年末現在)は次の通りです。
(記載の刊行年は紙の書籍のデータです)

『鳥瞰図!』140B・刊(2018年)

思考・感情・直観・感覚…全感性を目覚めさせる鳥瞰図の世界にご案内。大正の広重と呼ばれた吉田初三郎の作品群を中心に、大空から見下ろすパノラマ風景の醍醐味を味わえます。併せて江戸時代以来の日本の鳥観図のルーツも紐解く、オールカラー・図版多数掲載の決定版。

『古地図で歩く大阪 ザ・べスト10』140B・刊(2017年)

梅田・中之島・御堂筋・ミナミ・天満・京橋・天王寺。阿倍野・住吉・十三・大正・平野の10エリアを古地図で街歩きガイド。さらに博物館、図書館、大書店、古書店での古地図探しの楽しみ方、大阪街歩き古地図ベストセレクション等々、盛りだくさんすぎる一冊。オールカラー・図版多数掲載。

*上記2冊は各電子書籍ストアでお求めください

*下記8冊は創元社(オンライン)の電子書籍コーナーでお求めいただけます

『図典「摂津名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

大阪の地誌を代表する「摂津名所図会」の全図版を掲載。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添えた。調べものに便利な3種類の索引、主要名所の現在地一覧付。江戸時代の大阪を知るためのビジュアルガイド。

『図典「大和名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)

姉妹本『図典「摂津名所図会」を読む』の大和(奈良)版です。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添え、3種類の索引、主要名所の現在地一覧も付けるなど「摂津編」と同じ編集で構成。江戸時代の奈良を知るためのビジュアルガイド。

『古地図が語る大災害』創元社・刊(2014年)

記憶の継承は防災の第一歩。京阪神を襲った数々の歴史的大災害を古地図から再現し、その脅威と向き合うサバイバル読本としてご活用ください。歴史に残る数々の南海トラフ大地震の他、直下型大地震、大火災、大水害の記録も併せて収録。

『カラー版大阪古地図むかし案内』(付録・元禄9年大坂大絵図)創元社・刊(2018年)

著者の古地図本の原点といえる旧版『大阪古地図むかし案内』に大幅加筆し、図版をオールカラーとした改訂版。江戸時代の大坂をエリアごとに紹介し、主要な江戸時代地図についての解説も収めた。

『大阪暮らしむかし案内』創元社・刊(2012年)

井原西鶴の浮世草子に添えられた挿絵を題材に、江戸時代の大坂の暮らしぶりを紹介。絵解きしながら、当時の庶民の日常と心情に触れられる一冊。

『大阪名所むかし案内』創元社・刊(2006年)

江戸時代の観光ガイドとして人気を博した名所図会。そこに描かれた名所絵を読み解くシリーズの最初の著書として書かれた一冊。『図典「摂津名所図会」を読む』のダイジェスト版としてお読みいただけます。全36景の図版掲載。

『奈良名所むかし案内』創元社・刊(2007年)

名所絵を読み解くシリーズの第2弾。テーマは「大和名所図会」。全30景の図版掲載。

『京都名所むかし案内』創元社・刊(2008年)

名所絵を読み解くシリーズの第3弾。テーマは「都名所図会」。全36景の図版掲載。

※その他の電子化されていないリアル書籍(古地図・地誌テーマ)一覧

『古地図でたどる 大阪24区の履歴書』140B・刊(2021年)

『大阪古地図パラダイス』(付録・吉田初三郎「大阪府鳥瞰図」)140B・刊(2013年)

『続・大阪古地図むかし案内』(付録・グレート大阪市全図2点)創元社・刊(2011年)

『続々・大阪古地図むかし案内』(付録・戦災地図・大阪商工地図)創元社・刊(2013年)

『アベノから大阪が見える』燃焼社・刊(2014)

『大阪人のプライド』東方出版・刊(2005)

 

●本渡章(ほんど・あきら)プロフィール

1952年大阪市生まれ。作家。(財)大阪都市協会発行時の「大阪人」編集などを経て文筆業に。1996年第3回パスカル短篇文学新人賞優秀賞受賞。短編が新聞連載され『飛翔への夢』(集英社)などに収録。編著に『超短編アンソロジー』(ちくま文庫)がある。その後、古地図・地誌をテーマに執筆。
著書『鳥瞰図!』『古地図でたどる大阪24区の履歴書』『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』『大阪古地図パラダイス』(140B)『古地図が語る大災害』『カラー版大阪古地図むかし案内』『図典「摂津名所図会」を読む』『大阪暮らしむかし案内』(創元社)など多数。共著に『大阪の教科書』(創元社)がある。