担当/中島 淳
いよいよ来週18日(木)に迫った、今年最後のナカノシマ大学に、楠木新(くすのき・あらた)さんが2年半ぶりに登壇してくださる。
お題は「淀屋橋サラリーマンに『たのしい老後』はあるか」。

12月8日(月)の毎日新聞13ページ(くらしナビ)では紙面の大部分を割いて「『いい顔』で過ごす人が集まってくる」と題して楠木新さんの「関係再構築」術を取り上げた
お題だけ聞くと、なんか「NHKクローズアップ現代」的な「老後資金が〇〇万円必要」みたいな世知辛さ満点のイメージだけど、「ご近所ではたらくみなさ〜ん、この先のことをちょっとだけ考えてみません?」という肩の力が抜けた講座であることだけは保証します。
講座の参考文献として、当日も会場で販売する最新刊の著書『定年後、その後』(プレジデント社)がある。この目次は以下の通り
第一章……定年後は10年で終わる
第二章……年齢を重ねる意味合い
第三章……生涯現役を目指す
第四章……居場所を発見する
第五章……私の「定年後、その後」の取り組み
第六章……老いと死と隠居
おわりに……「いい顔」で生きる
この本を読むと楠木さんの「スタンス」がとても分かりやすく伝わると思うし、取材力がとにかくスゴい人なので中身が濃いけど、筆者としてはまず「楠木さんの顔と話っぷりを見ることが大事」と言いたい。なので何の予習もせずに手ぶらで来ていただいてもぜんぜん大丈夫です。
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楠木さんは、「顔つき」の大事さを私たちに解いてくれる。
現役時代が終了すると、周囲の人が見るのは過去に勤めていた会社でもなく、肩書でもありません。私には顔つきが、その人のプラカードのように思えて、かつての名刺の役割を果たしていると感じています。
会社員から他の仕事に転身した人たちを取材した時に気がついたことがあります。それは、私が「いい顔をしている」と感じた人に話を聴くと、不思議とヒントを得られることが多い。また彼らから取材にふさわしい人を紹介されることも少なくありませんでした。(『定年後、その後』より「おわりに」)
取材の人間に対して好感が持てなかったら、「こんな人もいるからぜひ取材してみたら」とは絶対に言わないだろう。

同じ12月8日(月)、週刊ポスト12月19日号の「人生最後の10年」と題した特集にも楠木さんが登場。「5つの寿命」はナカノシマ大学でも取り上げられます
取材された人は楠木さんが「いい顔」をしていたので、彼に対するエールとして、絶妙のパスを送ったのではないかと思う。
そう考えると自分自身も「ええ顔で人に会って、取材してんのやろか?」とわが身を振り返ってしまう。
この本は、内容が多岐にわたっているから興味のあるところだけつまみ読みしてもオッケーだと思うが(ですよね、楠木さん)、気になるフレーズに「立ち止まって振り返ってみる」きっかけをたくさん与えてくれる。
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ナカノシマ大学のチラシには、楠木さんの肩書として(文筆家・ビジネス評論家)と一応入れているが、よく考えると楠木さん自身も「肩書」が不要な人。たぶん今後、「シニアライフコンサルタント」などの肩書をつけるメディアがどんどん出てくると思うけど、楠木さんは「楠木新」というジャンルの人である。
今回のナカノシマ大学は、これからの人生の「特効薬」的な情報ではなく、「年の瀬だし、今後のことをちょっと考えてみよか」というときに「いい顔で過ごせるヒント」をたくさんもらえるような気がする。
「人というのは死ぬ間際まで変わることができるし、やりたいことに挑戦することができる」という当たり前のことを、日々楽しそうに実践している人の話はやっぱりおもしろい。みなさんもぜひ「ええ顔」でお越しください。
もう8割を超えましたので、お申し込みはほんまにお早めに→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20251218













デザイン&イラストはOsaka Metroのフリーマガジン『アルキメトロ』や、日本経済新聞の焼酎特集でいつもお世話になっている。神谷利男デザイン事務所の力作で、表紙&本文イラストもすべて神谷さん。















