古書店で新刊を売りたいというわがままをいつも笑って許してくれる二号店のみなさま、ありがとうございます。

古書店で新刊を売りたいというわがままをいつも笑って許してくれる二号店のみなさま、ありがとうございます。

担当/中島 淳
甲子園の出場校紹介みたいなタイトルですみません。
久しぶりにご登壇いただく釈先生のことを書きたいと思って、これまでのナカノシマ大学の記録を調べてみたら……2009年10月1日に開催されたキックオフセミナー「21世紀は街場で学べ!」(下の写真)から数えて、これまでになんと17回もナカノシマ大学のために、その溢れる知見をフレンドリーな語り口調で受講生に伝えてくれていたのでした。

中之島のフリーマガジン『月刊島民』(その後『島民』に)2009年9月号(第14号)に掲載した、第1回ナカノシマ大学の告知
〈釈徹宗先生登壇のナカノシマ大学と、共に登壇された講師(敬称略)〉
●2009.10.1「21世紀は街場で学べ!」鷲田清一・内田樹・平松邦夫
●2010.3.9「仏教がわかれば、落語がわかる!」桂文鹿
●2010.4.16「大阪アースダイバーへの道」中沢新一
●2010.10.29「懐徳堂スーパースター列伝」湯浅邦弘
●2011.1.24「大阪の神さん、仏さん」part1〈神社編1〉髙島幸次
●2011.2.8「アースダイバーで読み解く、東京・大阪」中沢新一・平松邦夫 ※初の東京講座
●2011.5.19「大阪の神さん、仏さん」part1〈神社編2〉髙島幸次
●2011.7.22「大阪の神さん、仏さん」part1〈神社編3〉髙島幸次
●2011.9.30「大阪の神さん、仏さん」part2〈お寺編1〉髙島幸次
●2011.11.24「大阪の神さん、仏さん」part2〈お寺編2〉髙島幸次
●2012.3.23「アースダイバーでわかった、大阪のこと」中沢新一・江弘毅
●2012.7.18「大阪の祭りと〈水〉」髙島幸次
●2013.1.26「上町台地の神社仏閣を語る」髙島幸次・中村文隆・坂本峰德
●2013.8.9「絵解き仏教案内1」入澤崇 ※龍谷大学コラボ講座
●2013.11.26「絵解き仏教案内2」入澤崇 ※龍谷大学コラボ講座
●2014.3.11「絵解き仏教案内3」入澤崇 ※龍谷大学コラボ講座
●2014.9.11「街場の学びが目指すもの」 鷲田清一・内田樹・平松邦夫
釈先生に忙しい合間を縫ってヘビーローテーションで登壇いただいたおかげで、ナカノシマ大学が「街場でもこれだけのことを気軽に学べる」ということが広く認知されるようになり、『おせっかい教育論』や『大阪の神さん仏さん』を皮切りに、「ナカノシマ大学生まれの本」も数多く世に送り出すことができました。
この場を借りて、釈先生とナカノシマ大学の受講者のみなさんに改めてお礼申し上げます。


今年で15年目となるナカノシマ大学の5月講座のお題は「大阪人にとって“御堂さん”とは?」。
2023年は地下鉄御堂筋線開業90周年の記念すべき年。御堂筋が全通する(1937年)前に地下鉄が先に開通した(1933年)というユニークな成り立ちでした。
「見たこともない巨大な幹線道路建設と地下鉄の敷設」という大事業を船場のど真ん中で実施するにあたっては、さぞかし多くの困難や障害があったと思うのだが……。ところが船場の商人たちは概ね承諾し、エリアの南北にまたがる「御堂さん」に至っては土地を新しい道路のために提供してこのプロジェクトに協力した。
それはなぜだったか?
相愛大学の学長を務められる釈先生のホームグラウンド(本願寺津村別院)にちなんだお話なので、どうぞお聴き逃しなく。
なお、地下鉄の全駅で配架しているOsakaMetroのフリーマガジン『アルキメトロ』には、御堂筋誕生にちなんで釈先生を取材した記事が掲載されているので、こちらで「予習」してからお越しいただいても楽しいかと。もちろん当日は全受講者に『アルキメトロ』を配布します。
釈先生の講義のあとは、仲良しの林家染雀師匠の落語「宗論(しゅうろん)」。

熱心な浄土真宗門徒の息子がキリスト教に感化されてしまったと嘆く船場商人の「おもろさと哀しさ」を熱演していただきます。ちなみに染雀師匠のナカノシマ大学登壇は、2016年11月講座「落語で楽しむ! 道修町と神農祭」(のちに「道修町たなみん寄席」が誕生)以来7年ぶり2回目です。どうぞダブルでご期待ください。
たぶん当日までに「満員御礼」が来ると思いますので申込はお早めに!
↓
https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20230531

担当/中島 淳
この仕事をはじめてもう40年になる。雑誌・書籍を問わず全国の出版関係者にはひとかたならぬお世話になってきたが、その中で江部拓弥(えべ・たくや)という編集者は「お世話になっている」という以上に、「いてくれて有り難かった」「見習えないけど見習いたい」という意味でリスペクトしている人である。
4月21日(金)のナカノシマ大学にはその江部さんが『あまから手帖』の編集長として登壇する。お題は「“おいしい”の向こう側を知りたい」。

dancyu編集長に就任して最初の2013年1月号。「シズル感のある料理の表紙」を変えた
江部さんと出会ったのは、人物をフィーチャーしたビジネス誌の『プレジデント』から食のエンターテイメント誌『dancyu』に彼が異動してまだ間もない頃(本人によると食に興味がなかったのでそれなら会社を辞める、と言っていたらしい)、江弘毅が同誌の焼肉特集で鶴橋を取材したことがきっかけだったと思う。
鶴橋の取材現場に立ち会い、かつ堂島浜の古河大阪ビルにあった140Bにもわざわざ訪ねてくれて、「エラい腰の低い、愛想のええ人やなぁ」と思ったのをよく覚えている。「商売っ気」で腰が低かったり愛想が良かったりする人もたまにいるが、江部さんはそうではなく相手を武装解除させる魅力があった。
2012年の秋にその江部さんがdancyuの編集長になった時には「そらそやろ」と思ったが、それだけではなく雑誌の佇まいまでガラリと変わった。「デザインと写真」を徹底的に見直したという。
その結果、低迷していたdancyuの部数は大きく伸び、編集長を植野広生(こうせい)さんにバトンタッチした後も人気が続いている。
江部さんの編集長在任中に京都の酒場ライター、バッキー井上の連載がはじまったのも大きな変化だった。

dancyuの連載が大半を占める『いっとかなあかん店 京都』
『Meets Regional』の創刊(1989年)以来ロングランで続いている連載とは趣が違っていたが、内容は書き手の京都への想いがより凝縮された印象で、文章に添えられる打田浩一さん(マンペイさん・故人)の写真がまた魅力的だった。
毎月、錦市場を通り抜ける季節の匂いが漂ってくるような誌面は、平松洋子や小山薫堂の連載に引けを取らない佇まいで、いつもページの真ん中あたりに割り付けられた。
dancyuを買う用事がないときも、バッキーの連載を立ち読みしに本屋さんに寄ったりした。
江部さんがdancyuの編集長を下りた後、dancyu WEBの立ち上げに奔走していた中でどうしてもやりたかったのが「店で働くこと」であったらしい。
食の雑誌を作っていていつも引っかかっていたのが、「一度だけロケハン(下見)に行って、店に頼んで取材してページになって、それだけでいいのか?」。そのことが原動力になって、福岡市中央区赤坂の[珈琲美美]や佐渡の酒蔵[尾畑酒造]、バッキーが店主を務める京都の漬物店[錦・高倉屋]で、それぞれ1週間から1カ月ほど働いたそうだ。
この経験を通じて江部さんは、「店のことなんか、何もわかっていなかった」という想いに至り、仕事のあり方を全面的に見直すようになったという。
先ほど、江部さんはdancyuに異動が決まった際に「辞めます」と言っていたと書いたが、それでもプレジデント社には江部さんを贔屓にする上司がいて、彼のことを何かと目をかけて引き止めていたという。江部さんはdancyuの編集部に移っても「グルメ業界人」っぽくはならなかった。それを見ていた上司はdancyuの部数が頭打ちになった時にすかさず、「誌面を劇的に変えられるとしたら江部しかいない」と彼を編集長に推薦したのである。
『あまから手帖』にも同じ考えの人がいたのだろう。同誌は昭和59年(1984)の創刊。版元は創刊時の京阪神エルマガジン社から何度か変わったが(現在はクリエテ関西発行)、来年で40年になる老舗雑誌が、関西で生活したことがない人に初めて編集長を託すというのは冒険だったはずだ。でもええとこを突いていると思う。

目に鮮やかな「残像」として残る4つの表紙
リニューアルしてもう4冊が刊行された『あまから手帖』の評判を、天神橋筋商店街[西日本書店]の槌賀啓二店長に聞いた。
「最初は表紙に驚きましたけど、時間をかけて読めるようになったのがうれしいですね。お客さんからも好評だし。もうちょっと号が出たら、バックナンバーをまとめて目立つところに置こうかなと思っています」
日本の雑誌販売金額は、1997年の1兆5644億円をピークに、2022年は4,795億円にまで落ち込んだ。
かつての超人気業界は、25年前の3分の1以下に縮小した斜陽産業であるが、江部さんはきっと「市場規模」とか「前年対比」とか関係ないところで雑誌を作っているはずだ。作る人たちが魅力的で内容がおもしろかったら雑誌は売れる。
何よりも、江部さんみたいな人が飲食店の客だったら、店主はきっと「ずっとウチの常連さんでいてくれたらいいな」と思うだろうから。

2017年1月、江部さんの出身地・新潟県のイベントでゲスト出演してくれた(新潟県観光協会大阪事務所提供)
江部さんが登壇するナカノシマ大学の4月21日(金)は、偶然にも『あまから手帖』5月号の発売日と重なった。当日は会場である大阪府立中之島図書館のミュージアムショップで、写真のバックナンバーを含めて最新号(京都特集)も販売します。
バッキー井上もこの号で、移転した[京都サンボア]のことを寄稿している。
「メールとか電話とかなしに、江部さんいきなり[高倉屋]にやって来てなぁ、『京都特集で書くことないですか』言うねん」。まず現場に、というこの編集者らしい。
表題の「安心させてくれる」というのはバッキーの江部さん評であるが、同感である。
ナカノシマ大学、お申込みはお早めに→ https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20230421
2023年3月24日・本渡章より
【今回の見出し】
■3月の古地図サロンレポートと次回予定
東畑建築事務所「清林文庫」コレクション〈その16〉
開催日:3月24日(金)午後3~5時 御堂筋の大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて。
皆さま、お元気でいらっしゃいますか。すっかり春になりました。6年目に入った古地図サロンはあいかわらずのマイペースで続いていますが、新聞等で「大阪ガスビル大改修決定」のニュースが発表され、サロン会場となっているカフェがどうなるのか、参加のみなさんから質問がありました。カフェについては改修工事が始まるまでの2024年の末頃までは営業を継続する予定で、サロンも引き続き開催(隔月)されると思います。それ以後のことは未定。とりあえず今年と来年は今まで通りです。新情報がありましたら、この場でまたお知らせいたします。
さて、今回の展示は主に大正から昭和の市街地図、観光地図を中心に並べました。最も古かったのが「日本交通分県地図・其の一 大阪府」大正12年(1923)で、今からちょうど100年前の発行。皇太子(後の昭和天皇)御成婚記念の全国都道府県地図シリーズ「其の一」が大阪府になっているのは、発行元が大阪毎日新聞社(現・毎日新聞社)だからです。かなり大量に作成されたようで、この地図は今でも時折り、古書店や古書市で見かけます。彩色が美しく、まだ4つしか区がなかった頃の小さな大阪市の姿とともに摂津・河内・和泉の旧国名、東成郡・西成郡の旧郡名をはじめ古い地名がたくさん見られ、この日の参加者にも人気でした。
もう1点、注目されたのは幕末期の大坂図の復刻版でサロン会場のカフェ店長(松田さん)提供。市販の江戸時代図・復刻版は通常、原図に修正が加えられていますが、これは無修正なので私製と思われます。丈夫なコート紙が用いられ、テーブルで広げてみんなで見て楽しむにはぴったり。この日は天王寺周辺や天満宮周辺の寺町など古地図の中を散策しました。江戸時代の原図は持ち運びも展示も気軽にできないので、今後も活用させていただきます。
では、5月のサロンでまたお会いいたしましょう。

◉今回のサロンで展示した古地図
地図(原図)
日本交通分県地図・其の一 大阪府 大正12年(1923)大阪毎日新聞社
全日本最新名勝・名物地図 昭和7年(1932) 大阪毎日新聞社
京阪沿線ハイキング図 昭和11年(1936) 京阪グラビヤ印刷
最新大阪市街地図 昭和12年(1937) 和楽路屋
最新中部日本交通名所遊覧地図 戦時中 富山館
新観光地図 箱根・湯河原 昭和30年(1955) 日本交通公社
近畿観光地図 昭和36年(1961) 和楽路屋
大阪都市計画街路及土地区画整理事業区域図 昭和39年(1964) 大阪市区画整理局
復刻(私製)
弘化改正大坂細見図 弘化2年(1845) 播磨屋九兵衛
会場は御堂筋の大阪ガスビル1階カフェにて。私の30分トークは午後4時頃からです。サロン参加は無料(但し、カフェで1オーダーしてください)。途中参加・退出OK。勉強会でもなく会員制でもありませんので、どなたでも気軽にご参加ください。
①「道明寺天満宮と世界遺産古市古墳」2023年4月24日(月)・5月8日(月)午前10時~12時、中之島での教室講座と近鉄道明寺駅(藤井寺市)集合の町歩きがセットになった2回講座。
世界遺産の古墳群と埴輪づくりの土師氏(菅原道真の祖)ゆかりの道明寺天満宮を訪ねます。

②「地図で訪ねる戦中大阪」2023年6月30日(金)10時30分~12時。戦時体制下での地図検閲、地図会社の統合、終戦後の空襲跡図など戦争と地図を通して大阪の歴史再発見。
「大阪駅前歴史さんぽ」2023年5月30日(火)午後2時~4時・大阪市総合生涯学習センター梅田(大阪駅前第2ビル)にて。
大阪駅前にこんな史跡があったとは……見慣れた風景の中の隠れた歴史・文化の跡を訪ねる教室講座です。

「江戸時代の災害に令和の私たちが学ぶこと」2023年6月17日(土)午後1時30分~3時30分・中之島図書館 本館2階多目的スペースにて。江戸時代の大坂を襲った大災害を当時の人々はどのように乗り越えたか。そのたくましさ、明るさに学ぶもの。

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誰よりも大阪を知る「大阪の地名」の声、地名にひかれ地名で結ばれる人の想い。
一年間の連載が2023年1月に完結(題字と似顔絵・奈路道程)し書籍化が決定! ブログの内容を再構成し、刊行されます。
2023年2月18日(土)午前10時~11時30分。大阪府立中之島図書館・多目的ホールブログ連載「大阪の地名に聞いてみた」に新たな現地調査データを加えての講座を開催しました。

江戸時代の大坂、近代以後の西区編に続き、街歩きスタイルの編集による港区編公開。他に「古地図サロン」、著書『古地図で歩く 大阪24区の履歴書』紹介編の動画もあります。「此花区・港区・大正区」の動画も作成中。(制作・大阪コミュニティ通信社)
今回ご紹介する「天王寺・石山古城図」と似た図を、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。大阪の歴史資料でしばしば登場する「浪花往古図」と内容が類似しています。「浪花往古図」とは中世の大坂の姿をイメージした一連の図の総称で、「浪華往古図」「難波往古図」とも表記され、江戸時代になって歴史を振り返るよすがとして作成されました。大阪湾が奥深く入り組み、福島や江之子島、衢壌(九条)島など、今は陸地になった湾岸の島々が描かれています。
「天王寺・石山古城図」に盛り込まれた地理情報は「浪花往古図」と同様ですが、独自の内容も付け加えられました。図の北側、天満山に「織田信長本陣」とあり、周辺に織田方の武将の名が記されています。合戦の相手は本願寺。図のほぼ中央に「小坂村」とあり、かたわらに「蓮如杉」「石山御堂」と記されています。小坂は大坂の由来となった地名。そこに蓮如が開いたのが石山本願寺で、今は大阪城が建っています。「石山御堂」の横に「当時籠城門徒四万余人」とあり、まわりに本願寺に味方した諸勢力の名が記されています。
この図は、「浪花往古図」を流用して作成された石山合戦の配陣図でした。作者は不明ですが、推量の手がかりはあります。「織田信長本陣」の周囲の川辺に、ここで本願寺門徒による百姓が土嚢などを積んで川をせき止めたという主旨の文言が2箇所あるのをご覧ください。石山合戦の幕開けともいえる元亀元年(1570)の水攻めのしるしです。水攻めは織田方の勢いをくいとめ、以後も十年間にわたって抵抗は続きました。図は本願寺側の視点で描かれています。江戸時代になって大坂に根をおろした本願寺勢力が、織田信長を相手に石山御堂が奮闘した記録を残したのでしょう。題名が「天王寺・石山古城図」となっているのは、天王寺庄(図中の旧地名)を背にする「織田信長本陣」と城砦化した石山本願寺が対峙する構図を意識しての命名と思われます。古城という呼び名も、「門徒四万余人」が籠城との記述も、戦国時代の懐古にふさわしいといえるでしょう。
※題名「天王寺・石山古城図」は図中になく、表紙に記載されていたもの。
※天王寺庄は聖徳太子による四天王寺建立の候補地だったとする故事が地名由来で、淀川岸にあった。

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東畑建築事務所「清林文庫」は、同事務所の創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関しても国内外の書籍、原図など多数を収め、価値はきわめて高い。
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第15回(2023年1月)
①東畑建築事務所・清林文庫より長谷川圖書「摂津大坂図鑑綱目大成」
第14回(2022年11月)
①東畑建築事務所・清林文庫より久野恒倫「嘉永改正堺大絵図」
②鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「私たちの和田山町」
第13回(2022年9月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「淀川勝竜寺城跡全図」
第12回(2022年7月)
①東畑建築事務所「清林文庫」より秋山永年「富士見十三州輿地全図」
第11回(2022年5月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「大日本分境図成」
第10回(2022年3月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「新改正摂津国名所旧跡細見大絵図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「笠岡市全景立体図」
第9回(2022年1月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「暁鐘成・浪花名所独案内」
②本渡章所蔵地図より「大阪市観光課・大阪市案内図
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「躍進井原市」
第8回(2021年11月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「友鳴松旭・大日本早見道中記」
②本渡章所蔵地図より「遠近道印作/菱川師宣画・東海道分間絵図」「清水吉康・東海道パノラマ地図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「吉備路」
第7回(2021年9月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・江戸図鑑綱目坤」「遠近道印・江戸大絵図」
②本渡章所蔵地図より「改正摂津大坂図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉吉市と周辺 文化遺跡絵図」
第6回(2021年7月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・日本海山潮陸図」「石川流宣・日本国全図」
②本渡章所蔵地図より「大阪師管内里程図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉敷美観地区絵図」
第5回(2021年5月)
①2007清林文庫展解説冊子・2019清林文庫展チラシ
②本渡章所蔵地図より「近畿の聖地名勝古蹟と大阪毎日」
③フリーペーパー「井沢元晴漂泊の絵図師」・鳥観図「古京飛鳥」「近つ飛鳥河内路と史跡」
第4回(2021年3月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪湾築港計画実測図」
②本渡章所蔵地図より「大阪港之図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「福山展望図」
④鳥観図絵師・青山大介の作品より「梅田鳥観図2013」
第3回(2021年1月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「江戸切絵図(尾張屋版)」「摂津国坐官幣大社住吉神社之図」
②本渡章所蔵地図より「摂州箕面山瀧安寺全図」
③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「小豆島観光絵図」
第2回(2020年11月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「メルカトル世界地図帳」「オルテリウス世界地図帳」
②本渡章所蔵地図より「A NEW ATLAS帝国新地図」「NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図」
③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「大阪府全図(三部作)」
第1回(2020年9月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」
②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「ふたつの飛鳥と京阪奈」
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本渡章の著書(古地図・地誌テーマ)のうち、電子書籍になった10冊(2022年末現在)は次の通りです。
(記載の刊行年は紙の書籍のデータです)

【『鳥瞰図!』140B・刊(2018年)
思考・感情・直観・感覚…全感性を目覚めさせる鳥瞰図の世界にご案内。大正の広重と呼ばれた吉田初三郎の作品群を中心に、大空から見下ろすパノラマ風景の醍醐味を味わえます。併せて江戸時代以来の日本の鳥観図のルーツも紐解く、オールカラー・図版多数掲載の決定版。

『古地図で歩く大阪 ザ・べスト10』140B・刊(2017年)
梅田・中之島・御堂筋・ミナミ・天満・京橋・天王寺。阿倍野・住吉・十三・大正・平野の10エリアを古地図で街歩きガイド。さらに博物館、図書館、大書店、古書店での古地図探しの楽しみ方、大阪街歩き古地図ベストセレクション等々、盛りだくさんすぎる一冊。オールカラー・図版多数掲載。
*上記2冊は各電子書籍ストアでお求めください
*下記8冊は創元社(オンライン)の電子書籍コーナーでお求めいただけます
『図典「摂津名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)
大阪の地誌を代表する「摂津名所図会」の全図版を掲載。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添えた。調べものに便利な3種類の索引、主要名所の現在地一覧付。江戸時代の大阪を知るためのビジュアルガイド。
『図典「大和名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)
姉妹本『図典「摂津名所図会」を読む』の大和(奈良)版です。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添え、3種類の索引、主要名所の現在地一覧も付けるなど「摂津編」と同じ編集で構成。江戸時代の奈良を知るためのビジュアルガイド。
『古地図が語る大災害』創元社・刊(2014年)
記憶の継承は防災の第一歩。京阪神を襲った数々の歴史的大災害を古地図から再現し、その脅威と向き合うサバイバル読本としてご活用ください。歴史に残る数々の南海トラフ大地震の他、直下型大地震、大火災、大水害の記録も併せて収録。
『カラー版大阪古地図むかし案内』(付録・元禄9年大坂大絵図)創元社・刊(2018年)
著者の古地図本の原点といえる旧版『大阪古地図むかし案内』に大幅加筆し、図版をオールカラーとした改訂版。江戸時代の大坂をエリアごとに紹介し、主要な江戸時代地図についての解説も収めた。
『大阪暮らしむかし案内』創元社・刊(2012年)
井原西鶴の浮世草子に添えられた挿絵を題材に、江戸時代の大坂の暮らしぶりを紹介。絵解きしながら、当時の庶民の日常と心情に触れられる一冊。
『大阪名所むかし案内』創元社・刊(2006年)
江戸時代の観光ガイドとして人気を博した名所図会。そこに描かれた名所絵を読み解くシリーズの最初の著書として書かれた一冊。『図典「摂津名所図会」を読む』のダイジェスト版としてお読みいただけます。全36景の図版掲載。
『奈良名所むかし案内』創元社・刊(2007年)
名所絵を読み解くシリーズの第2弾。テーマは「大和名所図会」。全30景の図版掲載。
『京都名所むかし案内』創元社・刊(2008年)
名所絵を読み解くシリーズの第3弾。テーマは「都名所図会」。全36景の図版掲載。
※その他の電子化されていないリアル書籍(古地図・地誌テーマ)一覧
『古地図でたどる 大阪24区の履歴書』140B・刊(2021年)
『大阪古地図パラダイス』(付録・吉田初三郎「大阪府鳥瞰図」)140B・刊(2013年)
『続・大阪古地図むかし案内』(付録・グレート大阪市全図2点)創元社・刊(2011年)
『続々・大阪古地図むかし案内』(付録・戦災地図・大阪商工地図)創元社・刊(2013年)
『アベノから大阪が見える』燃焼社・刊(2014)
『大阪人のプライド』東方出版・刊(2005)
1952年大阪市生まれ。作家。(財)大阪都市協会発行時の「
著書『鳥瞰図!』『古地図でたどる大阪24区
担当/中島 淳
昨年12月、大阪府文化財保護課の仕事で堺市北区百舌鳥赤畑町にある重要文化財の古民家、「髙林家住宅」の公開イベントにお邪魔し、髙林家に代々伝わる滋味たっぷりの料理をいただいた。
詳しくはこちらの取材記をご一読いただきたいが、都市型住宅の中に点在している百舌鳥古墳群の中でも、百舌鳥八幡宮周辺のエリアだけは「別格」の趣があるのは、この界隈の「へそ」の位置にある髙林家が16世紀末から、古墳や地域の「世話人」の役割を果たしてきたことが大きな理由ではないだろうか。「地域の責任を引き受ける」とか「周囲の自然と折り合いをつける」ということを400年以上担ってきたことが、周囲の景観になんとも言えない「重し」を与えているように思う。
その髙林家では最近、敷地内にある建造物の老朽化と損傷が顕著になって、大幅な修繕の必要性に迫られている。現場もはっきりと確認できた。これについては微力ながら協力したいと思っているのだが、問題は行政の補助金が当てにできないことである。
17世紀前半に建てられた現役の古民家なんて、国内にもほとんど残っていない。大阪府文化財保護課のみなさんはこのようなイベントを通じて地域の文化財保護への関心を高めようとしていてほんまに頭が下がるが、肝心の大阪府のトップがなんちゃら博覧会や賭場づくりばかりに力を入れて(コロナ死者数は全国一ときている)、「それで世界に大阪が誇れるんかい?」と思ってしまう。
そんなことも少しだけ書かせてもらったが、文化財保護課の担当者さんも「このくだりはちょっと……」などとは決して言わず、スルーしてくれた。やっぱり現場の人たちも分かっているんだと思う。

代々伝わるかまどで雑煮を作る26代目当主の髙林永統(ながつね)さん
担当/中島 淳
3月18日(土)のナカノシマ大学に登壇するライターの郡麻江(こおり・まえ)さんは、1990年代から関西を拠点に、旅や食、歴史、伝統工芸、漢方などを東京・関西を問わず雑誌などいろんな媒体で書いている、「好きこそものの上手なれ」を地で行くような人である。ナカノシマ大学では、最近なにかと話題の有馬温泉の「今、こんなことができる」と「有馬と長くお付き合いしたくなる楽しみ方」について、掘り下げて紹介してくれます。

有馬は名刹の地でもある。秀吉の正室・ねねの別荘があったとされる念仏寺で「写仏」を楽しんだ郡さん
140Bでは、これまで郡さんにさまざまな制作物で記事を書いてもらったが、自社出版物ではロングセラーとなっている2つのガイドブックで取材・執筆をしてくれた。2017年4月の『堺を歩けば。』と2018年5月の『ザ・古墳群〜百舌鳥と古市 全89基』である。
『堺を歩けば。』では、全ページの入稿が終わってあとは色校正を2日後に返却するだけ……という時に、急遽「お香づくりの実演と体験」という堺らしいイベント取材のページを作って差し替えることになった。
「ハードな日程やけど、だれに書いてもらお?」と悩んでいた時に、ある雑誌で弊社を取材してくれた「郡麻江さん」というライターが「伝統工芸も得意ジャンルです」と話していたのを覚えていて、「大急ぎの原稿ですんませんけど」とお願いした。郡さんは4月上旬の土曜日、堺伝統産業会館(現・堺伝匠館)での「お香づくり」を、ワイワイはしゃぐ子どもたちのテーブルを回り、お香の作り手からも話を聞いて2時間ほど取材し、4時間後には原稿を送ってくれた。夜更けのデスクで「おもろい原稿やないですか!」と返信したのを覚えている。
伝統工芸のようなものは、「堅く」「難しく」「格調高く」書こうと思えばいかようにも表現できるが、読んだ人が「おもしろい」と感じてくれなかったらファンが増えない。かと言って「◯◯の前途は明るい」みたいな能天気な話はだれも期待していない。そんな難しいハードルを郡さんはうまい具合に越えて着地してくれたのだが、ご本人が京都の老舗表具店の奥さま(家業は夫君が担っておられるそうだ)であることを知って、「そらそうでないと書けんわな」と腑に落ちた。
『堺を歩けば。』から半年後のこと。「古墳のガイドブックを誰に書いてもらうか?」という時にも、百舌鳥・古市にある89基すべての古墳の取材と執筆を迷わず郡さんにお願いした。
百舌鳥・古市古墳群は、多くが宮内庁が監理しているため石室はおろか墳丘に登れる古墳も少ない。ビジュアル的にもそんなに「スペクタクル」とは言えない。古墳の基本的なデータやスペックなどを押さえるのは当然ではあるが、本文テキストの部分は「妄想」も含めた想像力を駆使して、「読者を楽しませる」表現がとても大事だと考えた。
郡さんは2017年秋から18年春にかけて、百舌鳥では堺市博物館学芸員の橘泉さんと、古市では藤井寺市の世界遺産登録推進室長(当時)の山田幸弘さんという2人のプロフェッショナルに現場で解説をしてもらいながら一緒に回り、4か月間「古墳漬け」の日々を過ごして、彼女なりのフレンドリーな文体で読者に、百舌鳥・古市古墳群の素晴らしさを伝えてくれた。現在、『堺を歩けば。』は3刷15,500部、『ザ・古墳群〜百舌鳥と古市 全89基』は4刷14,500部まで広がっている。
筆者はいろんな書き手の方と仕事をする機会があるが、郡さんほど「初めて手がけた仕事がいつの間にか超得意技になっている」という人も少ないように思う。『堺を歩けば。』の後、郡さんは「堺おたく」となって、いろんな友人を連れてたびたび堺を訪れては堺観光ボランティア協会の川上浩さん(元理事長)を指名し、知らない名所を案内してもらっては見聞を深めている(夜は堺東に出没するらしい)。
古墳についてはなんと東日本にも「遠征」し、現地の専門家と一緒に古墳をめぐって『都心から行ける日帰り古墳〜関東1都6県の古墳と古墳群102』(ワニブックス)というガイドブックをまるごと1冊執筆した。それだけでなく、2020年には「旅程管理業務主任者」を取得し、全国の古代および世界遺産専門のツアーの添乗員を、ライターの仕事をしながら務めている。

有馬の窯元[温馨窯(おんけいがま)]ではやきもの体験が味わえる。郡さんは自分用に前方後円墳の絵柄を描いた
そういう人が有馬温泉のことを体験取材して話してくれるので、「民放の情報番組」とはぜんぜん違うアプローチで紹介してくれると思います。
有馬温泉では、「クアワーケーション(湯治+仕事+休暇)」という体験プログラムが昨年秋から実験的にはじめられている。(一社)有馬温泉観光協会は「旅行や仕事でいい湯につかって滞在しながら、有馬でしかできない体験をしてほしい」という趣旨で30のプログラムを作成し、本ツアーがこの1月に実施された。郡さんは昨年秋のプレツアーから多くのプログラムを体験して、そのレポートをWEBに書いている。
「プログラム」といっても、国内外のリゾートホテルがよくやっているようなにわか仕込みの「アクティビティ」とはぜんぜん違って、六甲山の麓にある有馬の自然や1400年にわたる歴史が育てた「日本建築」「食文化」「花街文化」「仏教文化」「伝統工芸」などを体験する本格的なもの。古刹の住職や温泉病院の院長、現役の有馬芸妓さん、日本とくに兵庫県の歴史の権威、BMXの日本チャンピオン、老舗のお香店主、400年続く竹細工の当主など一流中の一流が講師になっている。この春以降も随時開催される予定なので(常時体験できるプログラムもある)、これをきっかけに有馬にお出かけするのも絶対にお薦めだ。
いま有馬温泉に行った人は、外国人旅行客の多さと、メインストリート湯本坂の多国籍なにぎわいに驚くと思うが、「温泉と飲み食い」だけにはとどまらない深くて多彩な楽しみがたっぷりある。しかも有馬はコンパクトな温泉街だから、半径100mぐらいをあちこち歩けばいろんな楽しみに出会えるので、ぜひこの講座でたっぷりとネタを仕入れてください。当日は有馬温泉観光協会からのおみやげもあります。

1月の本ツアーポスター。イラストは『島民』でもおなじみ奈路道程さん。この絵が表紙になった32ページのハンドブックを、受講者にもれなくお渡しします
ちなみに、郡さんが6年前にハマって大好きになった堺と、この有馬には大きな共通点がある(答えはナカノシマ大学で)。なので堺好きの人にもぜひ来ていただきたいものです。
2023年1月27日・本渡章より
【今回の見出し】
■1月の古地図サロンレポートと次回予定
東畑建築事務所「清林文庫」コレクション〈その15〉
開催日:1月27日(金)午後3~5時 御堂筋の大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて。
皆さま、お元気でいらっしゃいますか。2023年最初のサロンレポートをお送りします。早いもので2018年1月のサロン誕生からまる5年が経ちました。最初の1年は毎月開催で、2年目からは隔月になりました。コロナ禍初期の頃に一度だけお休みしましたが、あとはマイペースで継続。少なくとも今年いっぱいは、この調子で続けていくつもりです。
この日、注目を集めたのは1枚の展示古地図に載っていた「ラサ」の2文字でした。ラサといえばラサスケートリンク。来場のみなさんも同じ連想をした方が多く、大阪市内にかつてあった巨大スケート場の思い出が次々と出て、盛り上がりました。そのわりに、そのラサスケートリンクの最寄り駅がどこだったかなどの記憶は曖昧で、過ぎた年月の長さをあらためて知ったという次第。歴史をたどると、此花区にあったラサ工業大阪工場の跡地に昭和38年(1963)オープンしたラサスポーツセンター内の施設として、ラサ国際スケートリンクがあったんですね。その名のとおり国際試合ができる本格派で、屋内アイススケート場としては当時の世界最大級だったとか。私も小さい頃にラサで滑って転んだのをおぼろげに覚えています。
サロン終了後、同じ会場で初の懇親会を催しました。10人の方が参加。1時間だけの会食でしたが、ふだん聞けないお話など聞けて面白かったです。カフェ「feufeu」名物のスープも美味しくいただきました。
というわけで6年目もサロンをよろしくお願いいたします。これまでお越しになった方も、新しい方もお気軽にご参加くださいませ。

◉今回のサロンで展示した古地図
地図(原図)
市区改正設計入・大阪市街新地図 大正13年(1924) 駸々堂
里程・町名早わかり大大阪実測地図 大正15年(1926) 文進堂
大阪市区分地図「東成区地図」 昭和15年(1940)頃 和楽路屋
交通明細・大阪市街地図 昭和25年(1950) 日地出版
最新大阪市案内図 昭和31年(1956) 和楽路屋
大日本大阪名所双六 大阪城天守閣特製
嘉永改正堺大絵図 河内屋清七他
復刻
新改正摂津国名所旧跡細見大絵図 天保7年(1837) 河内屋喜兵
会場は御堂筋の大阪ガスビル1階カフェにて。私の30分トークは午後4時頃からです。サロン参加は無料(但し、カフェで1オーダーして下さい)。途中参加・退出OK。必ずマスク着用のこと。
(サロンは基本、奇数月の第4金曜開催。但し、祝日と重なる場合は変更します。)
誰よりも大阪を知る「大阪の地名」の声、地名にひかれ地名で結ばれる人の想い、ついに一年間の連載が完結です。
(題字と似顔絵・奈路道程)

第12回ここは水惑星サンズイ圏【前編・後編】
第11回島の国の島々の街【前編・後編】
第10回仏地名は難波(なにわ)から大坂、大阪へ【前編・後編】
第9回人の世と神代(かみよ)をつなぐ神地名【前編・後編】
第8回語る地名・働く地名【前編・後編】(仕事地名・北摂編)
第7回古くて新しい仕事と地名の話【前編・後編】(仕事地名・河内編)
第6回街・人・物・神シームレス【前編・後編】(仕事地名・泉州編)
第5回場所が仕事をつくった【前編・後編】(仕事地名・大阪市中編)
第4回花も緑もある大阪【前編・後編】
第3回桜と梅の大阪スクランブル交差点【前編・後編】
第2回続・干支地名エトセトラ&その他の動物地名【前編・後編】
第1回大阪の干支地名エトセトラ【前編・後編】
2月15日(水)ABCラジオ「おはようパーソナリティ小縣裕介です」、朝8時~8時半の間の15分間、生出演予定です。
「大阪の地名」、ブログ、ナカノシマ大学2月講座などの話をしてみたいと思います。
誰よりも大阪を知る「大阪の地名」の声、地名にひかれ地名で結ばれる人の想い……ブログには書けなかった話を新たな現地調査の報告も加えて、たっぷりお聞かせします。テーマは「梅と桜」。訪ねるエリアは梅地名尽くしの梅田、朝ドラで話題の東大阪(桜井)など。当日、会場でお会いしましょう。

「道明寺天満宮と世界遺産古市古墳」2023年4月24日(月)/5月8日(月)午前10時~12時
中之島での教室講座と近鉄道明寺駅(藤井寺市)集合の町歩きがセットになった2回講座。
世界遺産の古墳群と埴輪づくりの土師氏(菅原道真の祖)ゆかりの道明寺天満宮を訪ねます。
江戸時代の大坂、近代以後の西区編に続き、街歩きスタイルの編集による港区編公開。他に「古地図サロン」、著書『古地図で歩く 大阪24区の履歴書』紹介編の動画もあります。「此花区・港区・大正区」の動画も作成中。
制作・大阪コミュニティ通信社
「摂津大坂図鑑綱目大成」が刊行された宝永年間、地図出版は転機を迎えていました。江戸・京都と並んで地図出版が盛んだった大坂では、大絵図などの名で呼ばれる市街地図が元禄期に一定の完成度を達成。後発の地図が注目されるためには、先行作にはない何かを加えなければなりませんでした。時代の空気が掲載図の題名にもうかがえます。「図鑑」とは図版を用いた解説書、「綱目」は概要と細目、大成は蒐集し構築すること。「摂津大坂図鑑綱目大成」は、題名にふさわしく武家屋敷群、蔵屋敷群を網羅し、寺院群についてはひとつひとつの寺の宗派まで区別できる凡例付き。
奥付欄(写真参照)に、宗派の別まで明記した一文を併記してあることからも情報量による差別化の意図が汲みとれます。掲載図の左下には住吉大社の境内も描かれました。正確な位置関係に基づくなら、この図に住吉大社を載せる場所はありません。あえて挿入したのは、大名所の住吉大社が載っている絵図として売り出したい版元の意向の反映でしょう。この図は正徳5年(1715)に再版されており、苦心の甲斐はあったようです。絵師の名は長谷川圖書(はせがわずしょ)。版元は万屋彦太郎でした。
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東畑建築事務所「清林文庫」は、同事務所の創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関しても国内外の書籍、原図など多数を収め、価値はきわめて高い。

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第14回(2022年11月)
①東畑建築事務所・清林文庫より久野恒倫「嘉永改正堺大絵図」
②鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「私たちの和田山町」
第13回(2022年9月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「淀川勝竜寺城跡全図」
第12回(2022年7月)
①東畑建築事務所「清林文庫」より秋山永年「富士見十三州輿地全図」
第11回(2022年5月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「大日本分境図成」
第10回(2022年3月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「新改正摂津国名所旧跡細見大絵図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「笠岡市全景立体図」
第9回(2022年1月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「暁鐘成・浪花名所独案内」
②本渡章所蔵地図より「大阪市観光課・大阪市案内図
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「躍進井原市」
第8回(2021年11月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「友鳴松旭・大日本早見道中記」
②本渡章所蔵地図より「遠近道印作/菱川師宣画・東海道分間絵図」「清水吉康・東海道パノラマ地図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「吉備路」
第7回(2021年9月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・江戸図鑑綱目坤」「遠近道印・江戸大絵図」
②本渡章所蔵地図より「改正摂津大坂図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉吉市と周辺 文化遺跡絵図」
第6回(2021年7月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・日本海山潮陸図」「石川流宣・日本国全図」
②本渡章所蔵地図より「大阪師管内里程図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉敷美観地区絵図」
第5回(2021年5月)
①2007清林文庫展解説冊子・2019清林文庫展チラシ
②本渡章所蔵地図より「近畿の聖地名勝古蹟と大阪毎日」
③フリーペーパー「井沢元晴漂泊の絵図師」・鳥観図「古京飛鳥」「近つ飛鳥河内路と史跡」
第4回(2021年3月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪湾築港計画実測図」
②本渡章所蔵地図より「大阪港之図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「福山展望図」
④鳥観図絵師・青山大介の作品より「梅田鳥観図2013」
第3回(2021年1月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「江戸切絵図(尾張屋版)」「摂津国坐官幣大社住吉神社之図」
②本渡章所蔵地図より「摂州箕面山瀧安寺全図」
③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「小豆島観光絵図」
第2回(2020年11月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「メルカトル世界地図帳」「オルテリウス世界地図帳」
②本渡章所蔵地図より「A NEW ATLAS帝国新地図」「NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図」
③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「大阪府全図(三部作)」
第1回(2020年9月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」
②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「ふたつの飛鳥と京阪奈」
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本渡章の著書(古地図・地誌テーマ)のうち、電子書籍になった10冊(2022年末現在)は次の通りです。
(記載の刊行年は紙の書籍のデータです)

【『鳥瞰図!』140B・刊(2018年)
思考・感情・直観・感覚…全感性を目覚めさせる鳥瞰図の世界にご案内。大正の広重と呼ばれた吉田初三郎の作品群を中心に、大空から見下ろすパノラマ風景の醍醐味を味わえます。併せて江戸時代以来の日本の鳥観図のルーツも紐解く、オールカラー・図版多数掲載の決定版。

『古地図で歩く大阪 ザ・べスト10』140B・刊(2017年)
梅田・中之島・御堂筋・ミナミ・天満・京橋・天王寺。阿倍野・住吉・十三・大正・平野の10エリアを古地図で街歩きガイド。さらに博物館、図書館、大書店、古書店での古地図探しの楽しみ方、大阪街歩き古地図ベストセレクション等々、盛りだくさんすぎる一冊。オールカラー・図版多数掲載。
*上記2冊は各電子書籍ストアでお求めください
*下記8冊は創元社(オンライン)の電子書籍コーナーでお求めいただけます
『図典「摂津名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)
大阪の地誌を代表する「摂津名所図会」の全図版を掲載。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添えた。調べものに便利な3種類の索引、主要名所の現在地一覧付。江戸時代の大阪を知るためのビジュアルガイド。
『図典「大和名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)
姉妹本『図典「摂津名所図会」を読む』の大和(奈良)版です。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添え、3種類の索引、主要名所の現在地一覧も付けるなど「摂津編」と同じ編集で構成。江戸時代の奈良を知るためのビジュアルガイド。
『古地図が語る大災害』創元社・刊(2014年)
記憶の継承は防災の第一歩。京阪神を襲った数々の歴史的大災害を古地図から再現し、その脅威と向き合うサバイバル読本としてご活用ください。歴史に残る数々の南海トラフ大地震の他、直下型大地震、大火災、大水害の記録も併せて収録。
『カラー版大阪古地図むかし案内』(付録・元禄9年大坂大絵図)創元社・刊(2018年)
著者の古地図本の原点といえる旧版『大阪古地図むかし案内』に大幅加筆し、図版をオールカラーとした改訂版。江戸時代の大坂をエリアごとに紹介し、主要な江戸時代地図についての解説も収めた。
『大阪暮らしむかし案内』創元社・刊(2012年)
井原西鶴の浮世草子に添えられた挿絵を題材に、江戸時代の大坂の暮らしぶりを紹介。絵解きしながら、当時の庶民の日常と心情に触れられる一冊。
『大阪名所むかし案内』創元社・刊(2006年)
江戸時代の観光ガイドとして人気を博した名所図会。そこに描かれた名所絵を読み解くシリーズの最初の著書として書かれた一冊。『図典「摂津名所図会」を読む』のダイジェスト版としてお読みいただけます。全36景の図版掲載。
『奈良名所むかし案内』創元社・刊(2007年)
名所絵を読み解くシリーズの第2弾。テーマは「大和名所図会」。全30景の図版掲載。
『京都名所むかし案内』創元社・刊(2008年)
名所絵を読み解くシリーズの第3弾。テーマは「都名所図会」。全36景の図版掲載。
※その他の電子化されていないリアル書籍(古地図・地誌テーマ)一覧
『古地図でたどる 大阪24区の履歴書』140B・刊(2021年)
『大阪古地図パラダイス』(付録・吉田初三郎「大阪府鳥瞰図」)140B・刊(2013年)
『続・大阪古地図むかし案内』(付録・グレート大阪市全図2点)創元社・刊(2011年)
『続々・大阪古地図むかし案内』(付録・戦災地図・大阪商工地図)創元社・刊(2013年)
『アベノから大阪が見える』燃焼社・刊(2014)
『大阪人のプライド』東方出版・刊(2005)
講座担当/川嶋亜樹
次回のナカノシマ大学は2/18(土)。当大学、最多登壇数を誇る古地図コレクターの本渡章(ほんど・あきら)さんが、昨年春から連載してきたブログ「大阪の地名に聞いてみた」より、「梅地名vs桜地名。実はここが一番多かった!」というタイトルでお届けします。
本渡さんといえば「古地図」。その人が新たな題材に「大阪の地名」を選んだのは――
「大阪の地名を事典的ではなくキーワードで再編集することで、地域の風景を身近に感じ、新たな目で見直すきっかけにしたい」。こんな思いが出発点でした。

本渡さん(写真奥)が淀屋橋のガスビル1Fカフェで隔月主催する古地図サロンの一コマ。「なあなあ、本渡さん。これ知ってる?」と、ご近所さんのように気付けば周りに人が集まってくる親しみやすさが本渡さんの人間力であり魅力
連載では動物、花や草木、職業、神様や仏、水……と普遍的なキーワードで「大阪の地名」を紐解いてきました。
地名というのは不思議なもので、まったく同じ名前であっても生まれや成り立ちはバラエティ豊か。いろいろな地域で育まれた名前を比較することで、街の歴史や昔の風景、地元の人たちの暮らしぶり、そして地名に込められた人びとの願いがより鮮明に浮かび上がってきました。
古地図を片手に大阪の街をあちこち歩き、大阪の歴史を誰よりも俯瞰的に見つめてきた本渡さんにとって、街の風景を何よりも記憶する「大阪の地名」に辿り着くのは、必然だったように思います。
講座ではそんな本渡さんの眼差しを通して、日本にある最も美しくて身近な地名の一つ「梅」と「桜」の花地名をテーマにお届けします。中之島図書館のある大阪市北区や、いま朝ドラで話題の東大阪の地名も取り上げます。
その東大阪へ先日、本渡さんの現地調査に同行してきました。ルートは生駒山麓に広がる瓢箪山から枚岡(ひらおか)まで。消えた「桜」地名を探すべく、住宅街の中にある小さな神社にはじまり、山の中を抜けて枚岡神社の梅林まで4時間かけてみっちり歩きました。が、これが想像以上につらかった!

東大阪の消えた地名「桜井」の謎を探しに瓢箪山の梶無(かじなし)神社へ。境内に合祀された櫻井神社に見入る本渡さんは、どんな思いを巡らしているのでしょう?
実は、東大阪は筆者のホームタウン。けれど地元といっても、中小企業の密集するリアル『舞いあがれ!』な町工場の生まれなので、自然豊かなこのあたりを歩くのは、ほぼ初めて。特に枚岡神社に向かう途中、終わりなき上り坂を颯爽と進む本渡さんとは対照的に、息も絶え絶えで絶望すら感じてしまう。
でも、こんなに急勾配な坂が住宅街にあることも、消えたはずの「桜」地名が実は街のあちこちで大切にされていることも(地元の人が教えてくれました)、地図を眺めたり、本を読んだりしているだけでは分からないものです。たとえ、どんなにその地に思いを馳せたとしても。
「街のことは実際に街を歩き、街の人と会話し、体感してこそ分かることがある」
身近な場所であっても歩けば歩くほど、知れば知るほど、おもしろい発見がある。それが積み重なって愛着となり、いつもの道を歩いているだけで何だか楽しい。そんな体験をみなさんにお届けしたいと願っています。

梶無神社から生駒山麓をめざして徒歩30分、紀元前657年に創建されたと伝わる枚岡神社の梅林に到着。現地調査当日(2/2)は見ごろを迎える前でしたが、講座当日には愛らしい花満開になっているはず
さて、「梅」と「桜」の花地名。みなさんの住む街や生まれ育った街にもありませんか? どの地域にもある地名を比べてみることで、意外な歴史ドラマが潜んでいることに驚くはずです。
当日は、本渡さんの数ある著書の中から、『古地図でたどる 大阪24区の履歴書』『鳥瞰図!』『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』『大阪古地図パラダイス』(以上、140B)を販売いたします。講座終了後にサイン会もあるのでお楽しみに!
お申し込みはこちら↓
https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20230218
2022年11月25日・本渡章より
【今回の見出し】
■11月の古地図サロンレポートと次回予定
東畑建築事務所「清林文庫」コレクション〈その13〉
昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図〈その11〉
開催日:11月25日(金)午後3~5時 御堂筋の大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて。
皆さま、お元気でいらっしゃいますか。2022年最後のサロンレポートをお送りします。
もともと誰でも気軽に参加できる場として生まれたサロンで、来場された方々のお名前や連絡先を尋ねることもなく、毎回、一期一会の顔ぶれで古地図を囲み雑談を楽しむスタイルで続けてきました。そうしてまる5年が経ち、この頃は人数もほどほどで落ち着き、参加者も固定しつつあるようです。かと思うと、今回のように、また新しい方が参加されたり、しばらく顔を見なかった方が来られたりして、同じようでも毎回ちょっとずつ雰囲気が違います。4時からの私の30分トークは講座という趣ではなく、展示の古地図を手にとって、その場で浮かんだあれこれをしゃべり、参加者からの声も聞きます。2時間のサロンですが、途中入退出もオーケー。「日本一気軽に古地図と遊べる場」がキャッチフレーズです。
さて、今回の展示古地図で目立ったのは明治32年(1899)発行の「大阪市明瞭新地図 」でした。横に並んだ「大日本大阪名所双六」と発行者が同じで、あわせて見ると、明治後期の街の活気がうかがえます。1世紀以上前の印刷物なので、色褪せや破れ目がありますが、それも過ぎた歳月のしるし。古さは味わいの深さでもあります。虫眼鏡をとりだし、地名の文字をみんなで読みとる場面もサロンではおなじみになりました。いつまで続けられるかわかりませんが、とりあえず2023年もこんな調子でサロンはゆるゆると続いていく予定です。
というわけで、みなさま、よい年をお迎えください。2023年にまたお会いしましょう。

◉今回のサロンで展示した古地図
地図(原図)
大日本大阪名所双六 明治31年(1898) 東新太郎
大阪市明瞭新地図 明治32年(1899) 東新太郎
最新大日本鉄道地図 昭和11年(1936) 大阪毎日新聞
日本産業大観図豊中市・昭和28年(1953)若山太陽社
大阪府近郊地図・昭和27年頃(1952)朝日新聞社
大阪都市計画街路及土地区画整理事業計画区域図・昭和39年(1964)大阪市区画整理局
復刻
大日本大阪名所双六 大阪城天守閣特製
嘉永改正堺大絵図 河内屋清七他

★次回は2023年1月27日(金)午後3~5時開催予定
会場は御堂筋の大阪ガスビル1階カフェにて。私の30分トークは午後4時頃からです。サロン参加は無料(但し、カフェで1オーダーして下さい)。途中参加・退出OK。必ずマスク着用のこと。
(サロンは基本、奇数月の第4金曜開催。但し、祝日と重なる場合は変更します。)
誰よりも大阪を知る「大阪の地名」の声、地名にひかれ地名で結ばれる人の想い。
月1回ペースで一年間の連載予定(題字と似顔絵・奈路道程)。

第10回仏地名は難波(なにわ)から大坂、大阪へ【前編・後編】
第9回人の世と神代(かみよ)をつなぐ神地名【前編・後編】
第8回語る地名・働く地名【前編・後編】(仕事地名・北摂編)
第7回古くて新しい仕事と地名の話【前編・後編】(仕事地名・河内編)
第6回街・人・物・神シームレス【前編・後編】(仕事地名・泉州編)
第5回場所が仕事をつくった【前編・後編】(仕事地名・大阪市中編)
第4回花も緑もある大阪【前編・後編】
第3回桜と梅の大阪スクランブル交差点【前編・後編】
第2回続・干支地名エトセトラ&その他の動物地名【前編・後編】
第1回大阪の干支地名エトセトラ【前編・後編】
本渡章の著書(古地図・地誌テーマ)のうち、電子書籍になった10冊(2022年末現在)は次の通りです。
(記載の刊行年は紙の書籍のデータです)
【次の2冊は各電子書籍ストアでお求めください】

『鳥瞰図!』140B・刊(2018年)
思考・感情・直観・感覚…全感性を目覚めさせる鳥瞰図の世界にご案内。大正の広重と呼ばれた吉田初三郎の作品群を中心に、大空から見下ろすパノラマ風景の醍醐味を味わえます。併せて江戸時代以来の日本の鳥観図のルーツも紐解く、オールカラー・図版多数掲載の決定版。

『古地図で歩く大阪 ザ・べスト10』140B・刊(2017年)
梅田・中之島・御堂筋・ミナミ・天満・京橋・天王寺。阿倍野・住吉・十三・大正・平野の10エリアを古地図で街歩きガイド。さらに博物館、図書館、大書店、古書店での古地図探しの楽しみ方、大阪街歩き古地図ベストセレクション等々、盛りだくさんすぎる一冊。オールカラー・図版多数掲載。
【次の8冊は創元社(オンライン)の電子書籍コーナーでお求めいただけます】
『図典「摂津名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)
大阪の地誌を代表する「摂津名所図会」の全図版を掲載。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添えた。調べものに便利な3種類の索引、主要名所の現在地一覧付。江戸時代の大阪を知るためのビジュアルガイド。
『図典「大和名所図会」を読む』創元社・刊(2020年)
姉妹本『図典「摂津名所図会」を読む』の大和(奈良)版です。主要図版(原寸大)には細部の絵解きの説明文、その他の図版にもミニ解説を添え、3種類の索引、主要名所の現在地一覧も付けるなど「摂津編」と同じ編集で構成。江戸時代の奈良を知るためのビジュアルガイド。
『古地図が語る大災害』創元社・刊(2014年)
記憶の継承は防災の第一歩。京阪神を襲った数々の歴史的大災害を古地図から再現し、その脅威と向き合うサバイバル読本としてご活用ください。歴史に残る数々の南海トラフ大地震の他、直下型大地震、大火災、大水害の記録も併せて収録。
『カラー版大阪古地図むかし案内』(付録・元禄9年大坂大絵図)創元社・刊(2018年)
著者の古地図本の原点といえる旧版『大阪古地図むかし案内』に大幅加筆し、図版をオールカラーとした改訂版。江戸時代の大坂をエリアごとに紹介し、主要な江戸時代地図についての解説も収めた。
『大阪暮らしむかし案内』創元社・刊(2012年)
井原西鶴の浮世草子に添えられた挿絵を題材に、江戸時代の大坂の暮らしぶりを紹介。絵解きしながら、当時の庶民の日常と心情に触れられる一冊。
『大阪名所むかし案内』創元社・刊(2006年)
江戸時代の観光ガイドとして人気を博した名所図会。そこに描かれた名所絵を読み解くシリーズの最初の著書として書かれた一冊。『図典「摂津名所図会」を読む』のダイジェスト版としてお読みいただけます。全36景の図版掲載。
『奈良名所むかし案内』創元社・刊(2007年)
名所絵を読み解くシリーズの第2弾。テーマは「大和名所図会」。全30景の図版掲載。
『京都名所むかし案内』創元社・刊(2008年)
名所絵を読み解くシリーズの第3弾。テーマは「都名所図会」。全36景の図版掲載。
※その他の電子化されていないリアル書籍(古地図・地誌テーマ)一覧
『古地図でたどる 大阪24区の履歴書』140B・刊(2021年)
『大阪古地図パラダイス』(付録・吉田初三郎「大阪府鳥瞰図」)140B・刊(2013年)
『続・大阪古地図むかし案内』(付録・グレート大阪市全図2点)創元社・刊(2011年)
『続々・大阪古地図むかし案内』(付録・戦災地図・大阪商工地図)創元社・刊(2013年)
『アベノから大阪が見える』燃焼社・刊(2014)
『大阪人のプライド』東方出版・刊(2005)
江戸時代の大坂、近代以後の西区編に続き、街歩きスタイルの編集による港区編公開。他に「古地図サロン」、著書『古地図で歩く 大阪24区の履歴書』紹介編の動画もあります。「此花区・港区・大正区」の動画も作成中。
制作・大阪コミュニティ通信社
2023年1月8日(日)午前10時・近鉄藤井寺駅前集合、講演と道明寺天満宮周辺ウォーク
当日参加OK。主催・文学歴史ウォーク
2022年12月16日(金)午後1時~2時30分「古地図で訪ねる大阪の60年代と万博」
2023年1月27日(金)・2月24日・3月24日午前10時30分~12時「古地図地名物語」
江戸時代・幕末期の堺を描いた絵図としてよく知られた作品。凡例の他に「附言」として堺の地名由来が記されています。それによると、堺は狭小ではあるけれど三国の境を地内に擁し、他の地域にはみられない特徴を持つ故に、名を堺(境)と呼ぶとのこと。三国とは旧国名の摂津・河内・和泉をさします。現在も残る地名の三国ヶ丘が、三国の境界が接する場所なのですが、不思議に思われる読者もおられるかもしれません。現在の堺市は、泉州に属する街で、摂津との境界は大和川とされ、三国ヶ丘が境界とは言えなくなっています。では、絵図の附言は誤りなのかというと、そうではありません。大和川が宝永4年(1704)に現在の川筋に付け替えられ、摂津と泉州を隔てる太々としたラインとして横たわるようになったので、境界線が変わったのです。
図中の北側には大和川が描かれています。川向うに住吉大社、住吉浦が載っています。江戸時代の堺は、政令指定都市になった堺市の中心街と重なり、三国は図の中央右にあり、近くに方違の風習で有名な方違神社が載っています。悪い方位による災いを避ける方違ができるのは、この地が三国の境界が接する場所だからです。三国ヶ丘にはJRと南海の三国ヶ丘駅があり、方違神社には今でも方災除けのために訪れる参拝者が絶えません。この絵図は、新大和川が開通してから100年以上経って生まれましたが、三国の境の逸話を附言として伝えました。伝承は三国ヶ丘で今も生きています。
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東畑建築事務所「清林文庫」は、同事務所の創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関しても国内外の書籍、原図など多数を収め、価値はきわめて高い。

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古地図ギャラリー第1~10回で紹介した昭和の伊能忠敬・井沢元晴の幻の作品発見のニュースが届きました。郷土絵図と題して各地の学校に寄贈された鳥瞰図は、いずれも井沢元晴が戦後の日本の街々を足で歩いて描き残した労作。寄贈から半世紀を経た今、その消息を知るのが難しくなっていました。今回の発見は今年、神戸市の安養寺で開催された井沢元晴「戦災画スケッチ展」(前回のサロンレポート参照)を記事にした神戸新聞・中島摩子記者の丹念な調査が実ったもの。兵庫県和田山市の大蔵小学校にその1枚が現在も校舎に掲げられていたとの知らせをきっかけに、郷土絵図「私たちの和田山町」と遺族との対面が実現。当日は私も同席の機会を頂戴し、感動を分けていただきました。鳥瞰図絵師・井沢元晴の活動の原点となった郷土絵図が、半世紀の作品とは思えない風合いを保っていたのは驚きです。絵図を見上げながら元気に階段を駆け上がる子供たちの姿も印象的でした。
その後も郷土絵図発見の続報がありました。絵の由来を知って共鳴された大蔵小学校の先生方のお力添えのおかげです。和田山訪問の詳細は中島記者が記事にされました(12月17日付・神戸新聞夕刊1面)。今後の展開に注目を。
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鳥観図絵師・井沢元晴(1915~1990)は戦後から昭和末までの約40年間に、日本各地を訪ねて多くの鳥観図を描き、昭和の伊能忠敬とメディアで紹介されました。活動の前半期にあたる戦後の20年間は「郷土絵図」と呼ばれた鳥観図を作成。その多くは、子供たちに郷土の美しさを知ってもらいたいとの願いをこめて各地の学校に納められ、校舎に飾られました。学校のエリアは主に西日本です。「郷土絵図」の活動は60年代半ばまで継続し、新聞各紙にとりあげられました。

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第13回(2022年9月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「淀川勝竜寺城跡全図」
第12回(2022年7月)
①東畑建築事務所「清林文庫」より秋山永年「富士見十三州輿地全図」
第11回(2022年5月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「大日本分境図成」
第10回(2022年3月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「新改正摂津国名所旧跡細見大絵図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「笠岡市全景立体図」
第9回(2022年1月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「暁鐘成・浪花名所独案内」
②本渡章所蔵地図より「大阪市観光課・大阪市案内図
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「躍進井原市」
第8回(2021年11月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「友鳴松旭・大日本早見道中記」
②本渡章所蔵地図より「遠近道印作/菱川師宣画・東海道分間絵図」「清水吉康・東海道パノラマ地図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「吉備路」
第7回(2021年9月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・江戸図鑑綱目坤」「遠近道印・江戸大絵図」
②本渡章所蔵地図より「改正摂津大坂図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉吉市と周辺 文化遺跡絵図」
第6回(2021年7月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「石川流宣・日本海山潮陸図」「石川流宣・日本国全図」
②本渡章所蔵地図より「大阪師管内里程図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「倉敷美観地区絵図」
第5回(2021年5月)
①2007清林文庫展解説冊子・2019清林文庫展チラシ
②本渡章所蔵地図より「近畿の聖地名勝古蹟と大阪毎日」
③フリーペーパー「井沢元晴漂泊の絵図師」・鳥観図「古京飛鳥」「近つ飛鳥河内路と史跡」
第4回(2021年3月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「大阪湾築港計画実測図」
②本渡章所蔵地図より「大阪港之図」
③鳥観図絵師・井沢元晴の作品より「福山展望図」
④鳥観図絵師・青山大介の作品より「梅田鳥観図2013」
第3回(2021年1月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「江戸切絵図(尾張屋版)」「摂津国坐官幣大社住吉神社之図」
②本渡章所蔵地図より「摂州箕面山瀧安寺全図」
③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「小豆島観光絵図」
第2回(2020年11月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「メルカトル世界地図帳」「オルテリウス世界地図帳」
②本渡章所蔵地図より「A NEW ATLAS帝国新地図」「NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図」
③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「大阪府全図(三部作)」
第1回(2020年9月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」
②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「ふたつの飛鳥と京阪奈」
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コロナ禍の感染の波を避けるように出展してきたイベントも
2022年はこれでファイナルになります。
12/17(土)-18(日)
10:00-16:00
奈良県コンベンションセンター
コンベンションホールB・C(屋内です)
#givemebooksnara
2022年、様々な会場で140Bの手に取って頂きありがとうございました。
