本渡章のサロン
「古地図ものがたり」
毎回、古地図数点を公開。見るだけOK、話しかけOK、古地図マスターこと本渡章さんがお話し相手をつとめる楽しいひととき。ここでは、1月に開かれた初めてのサロンの様子をご紹介。本渡さんが訪れた人へ宛てたメールの形式で綴ります。
■毎月第4金曜、3:00PM~6:00PM
■大阪ガスビル1階カフェ[feufeu]にて開催

☆2018年7月30日付・本渡章より、これをお読みのみなさまへ。
拝啓
台風一過。地震、豪雨からこのかた、大荒れの天地。陽射しが戻ったかと思うと、酷暑も再来。難儀なこの夏、皆様どのようにお過ごしですか。
今月の古地図サロンは、台風12号上陸目前の7月27日午後3~6時、大阪ガスビル1階カフェ[feufeu]にて、予定どおり開催されました。当日は御堂筋を行き交う人も台風情報を耳にして、どこか空模様をうかがうようす。私もちょっと落ち着かない気分での会場入りでした。
結果は天気の崩れはなかったものの、「明日あさっては外出禁止令?」などの報道の心理的影響か、サロン来場者は過去最低の3人のみとなりました。お越しくださった皆様ありがとうございました。
というわけで、最初に、2018年後半のサロン日程のお知らせです。
8月24日、9月28日、10月26日(いずれも第4金曜)
11月はお休み。
12月7日(第1金曜)※サロン最終日。2019年以後の開催は未定
こんなオープンなかたちで古地図のサロンを定期的にひらく機会は、もう無いかもしれません。少なくとも、大阪ガスビルでのサロンはあと4回で終了です。お見逃しなく。

さて、今回の公開地図の主役は江戸時代(天保年間)の大坂絵図です。題名を「改正摂津国大坂図」といいます。草花の文様が浮き彫りされた臙脂色の表紙が渋いです。折りたたまれた図を広げると、木版刷り独特の落ち着いた色調に彩られた大坂の姿があらわれます。虫食いが数箇所ありますが、これも発行からおよそ180年を経た歴史のしるし。今まで残ったのが幸運だったといえます。
天保山の載っている部分が、地図からはみ出ています。木版では、今のように簡単に版をつくりなおせないので、あとから築造された天保山を、こんなかたちで地図に付け足したのです。面白いですね。つまり、天保山の部分と他の部分は作成時期がずれているのですが、それを何食わぬ顔で(?)ひとつにしてしまっているわけで、今とは感覚がちょっと違います。
というような話を本日の来場者といたしました。毎回、こんなふうに会話が弾むとは限りません。二、三度目の来場で、会話ができるようになった方も少なくありません。
サロンでは私から解説はしますが、会話が一方的になるのは避けています。関心を持つツボはみんな違うと思うので、私としてはその違いの部分を知りたい。なので、来場の方が口をひらくのをじっと待つこともしばしばです(決して解説を惜しんでいるのではないのです)。
来場者によっては、静かに地図を眺めていたいというオーラを発している場合もあって、そういう時は、私も椅子に座るなどして、邪魔をしないようにしています(無愛想に見えたらすみません)。時々、距離の置き方に迷うケースもあり、話をするタイミングがつかめないまま、来場者が帰ってしまったりすると残念な気持ちが残ります。迷い多きホストです。
古地図サロンは「見るだけオーケー、話しかけオーケー」ということで始めたのですが、あまり他にないタイプのイベントなので、来場された方も勝手がわからず、とまどいがあると思います。そういう時は、ホストのほうもとまどいながらお迎えしているのだと思っていただくと、気が楽(?)になるかもしれません。いちどお試しください。私としては楽しく、くつろいでいただきたいのです。
というわけで、本日の展示の古地図の題名は、次のとおりです。
●本日の公開古地図
★「改正摂津国大坂図」天保13年(1842)
「日本府県管内地図・大阪府」大正7年(1918)
「大大阪市街全図」大正15年(1926)
「近畿名勝遊覧早わかり地図」昭和6年(1917)
「大阪市電車地図」昭和12年(1937)頃
「全日本最新名勝名物地図」昭和初期
「改正神戸市地図」大正4年(1915)
「新版京都案内地図」昭和21年(1932)
※近畿名勝遊覧・実測大阪市街地図 大正9年(1920)
以上9点、※の1点を除く8点が〔原図〕です。この他にナカノシマ大学特製復刻古地図15点、高島屋ギャラリーで展示した特製古地図ポスター6点も展示しました。
☆〔原図〕とは、発行年が明治であれば、明治のその年に発行されたオリジナル版という意味です。そのほかは原図をもとに作った復刻版です。ナカノシマ大学の復刻版と古地図ポスターはサロンに常設しますが、原図は展示内容が毎回変わります。
★「改正摂津国大坂図」天保13年(1842)が本日のジャンケン地図でした。次回からはジャンケンをやめ、希望があればその都度お見せする形式に変えたいと思います(ジャンケンで負けたショックをひきずる方もおられるようなので)。
なお、本も3冊展示しました。
『鳥瞰図!』本渡章(私の最新刊。大正~昭和の鳥瞰図全盛期の作品満載)
『パノラマ地図の世界』別冊太陽(現代の鳥瞰図絵師たちの作品世界)
『宇宙の目』P,K.ディック(究極の鳥瞰は宇宙を見下ろす)
古地図サロンは御堂筋の名建築・大阪ガスビル1階カフェ[feufeu]にて、8~10月は毎月第4金曜、11月休み、12月は第1金曜の午後3~6時開催。どなたでも参加できます。もし、これを読んで興味をもたれた方がおられましたら、どうぞ気軽にお越しください。途中参加・途中退場オーケー、古地図を見るだけでもオーケー、私に話しかけていただいてももちろんオーケーです。
では、次回サロン(8月24日)で、みなさまとお会いできるのを楽しみにしています。
敬具
平成30年7月30日
本渡章







本日、大阪ガスビル1階カフェ[feufeu]にて、午後3~6時、第6回目の古地図サロンをひらきました。今回は開催期間のちょうど半分、折り返しの月に当ります。地震後の梅雨空の晴れ間を見上げつつ、年末まで無事にサロンが進行できるよう願うばかりです。
さて、今日は前回に続いてゆったりした時間の流れるサロンになりました。何度か来られてなじみになった方が、ぽつぽつと来られて、珈琲など飲まれたあと、サロン・コーナーで展示の古地図を眺め渡し、目にとまった図の前で立ち止まり、しばらく見入って、少しお話して、また見入って、少しお話して、次の図を見て、気がすんだら帰られる。このサイクルの、のんびりした繰り返し。私一人になる時間帯はちょっとだけで、みなさん、阿吽の呼吸で来場の時間帯をずらしておられるようです(そんなわけはないのですが)。
中には、私が気づかなかったことを教えてくれる方もいます。今日も吉田初三郎の鳥瞰図に載っているお寺に番号が記されているのを見つけて「これは何でしょう」と尋ねてこられた方がいました。よく見ると、確かにそういうお寺がいくつかあって、他のお寺は番号無しです。どういうわけかと私も首を傾げましたが、おそらく西国三十三所の札所の番号でしょう、という結論に。「よくこんな小さい数字を見つけられましたね」と言うと、その方はうれしそうな顔をされました。
ジャンケンは前回に続いて、なんとなんと、またも私の全勝でした。今日の対戦者の中には「通算5連敗中です」という方もいました。勝つ気が全然ないと、反対に勝ってしまうみたいです。あまりに気の毒なので、今回も特別に本日のジャンケン地図(大正の広重・吉田初三郎の鳥瞰図・挿絵が多数載ったベストセラーのガイドブック)をみなさんに見ていただきました。次回は勝って、正々堂々とご覧ください。
カフェ(サロン会場)の松田店長さんから『大正・昭和の鳥瞰図絵師 吉田初三郎のパノラマ地図』(別冊太陽)をいただきました。古書店でしか入手できない貴重本。ありがとうございました。本日の展示に加えたあと、自宅でゆっくり拝見いたします。
★鉄道旅行案内 大正10年(1921)が本日のジャンケン地図でした。
★本渡章のサロン
本渡章さんの最新刊『鳥瞰図!』の発売を記念したイベントが各地で開催されます。大阪だけでなく、東京にも登場。読者のみなさんとお会いできるのを楽しみにしております!
大正2年(1913)、デビュー作となる「京阪電車御案内」が時の皇太子(のちの昭和天皇)の目にとまり、お誉めの言葉を賜ったことから鳥瞰図絵師としての人生を歩み始めた吉田初三郎。大胆なデフォルメやわかりやすさを重視した作風は、大観光時代の旅行ブームに沸く日本人を魅了し、鳥瞰図ブームと言える流行をつくり出しました。




いつも思うことですが、何を面白いと感じるかは人によってまちまちです。しかし、まったくバラバラなのかと言うと、そうでもなく共通しているところがある。矛盾するようですが、本当です。サロンでは毎回、古地図を展示していますが、どれに興味を持つかは人によって違います。それでも、話をしてみると、古地図を通して感じとっている面白さには共通したものがあるのです。
本日のジャンケン地図は、なんと私の全勝でした。申し訳ないので、挑戦してこられた方には、その意欲にお応えして、ジャンケン地図をお見せしました。本日の挑戦者はラッキーでした。
『古地図で歩く大阪ザ・ベスト10』本渡章
古地図サロンは御堂筋の名建築・大阪ガスビル1階カフェ[feufeu]にて、毎月第4金曜の午後3~6時開催。どなたでも参加できます。もし、これを読んで興味をもたれた方がおられましたら、どうぞ気軽にお越しください。途中参加・途中退場オーケー、古地図を見るだけでもオーケー、私に話しかけていただいてももちろんオーケーです。
『ザ・古墳群

また、古墳と共に発展してきた地元の神社仏閣や教育文化施設、古墳の地元らしい店などもご紹介。現地で古墳を案内してくれる観光ボランティアガイドやレンタサイクル、空から古墳が見られる遊覧飛行、近ごろ話題の古墳イベントなどの情報もてんこ盛り。交通アクセスが便利な大阪近郊の住宅地でありながら歴史が深い、百舌鳥・古市という「街」を歩きたくなるガイドです!
本渡章のサロン
4回目になって、気のついたことがあります。これまでのところ、サロンに来られる方は全員がお一人さまなのですね。不思議といえば不思議ですが、それはそうかもしれないと妙に納得してしまうところもあります。古地図とは孤独を愛する人の趣味なのか。同好の人が周りにいないだけなのか。あるいは、これまでが単なる偶然で、次回は同伴、団体の来場がどっと増えるのか(なさそうな話ですが)。私としては、お一人さまで気ままに来られて、自由にくつろいで、好きなだけ居て、気がすんだら帰るという利用の仕方が、サロンの基本イメージだったので、予想どおりの経過です。気にしていません。来場者数の多い少ないも、実はあまり気にしていません。たくさん来ていただければ、もちろんうれしいのですが、サロンという場では大事なことがほかにある気がするのです。
今日は、サロンのオープン前から来られて、私が地図の展示など準備しているのを見て手伝ってくださる方がいました。3時間のサロン開催中、いつもにも増して熱心に古地図を見ていく方が多く、もうひとつ言えば、珍しいことに女性の来場が男性を上回った日でもありました。同じことをやっていても、その日によって空気は少しずつちがっています。今日の空気は今日だけのもの。その日に来られた方たちとのあいだで自然にできあがったもので、再現は二度とできません。文章でお伝えしようとしても、限りがあります。このブログの読者で、まだサロンにお越しでない方も、よければ一度、空気を吸いに来てみませんか。別に古地図の話をしなくてもかまいません。サロンはマニアの集まりではありません。私はいつも本の中で、古地図はとても人間的なメディアだと書いていますが、サロンもそのような場だと考えています。
とはいえ、古地図の話ももちろんいたします。今回の展示の中心は「鳥瞰図」でした。じっくり覗きこんでいく方が多かったのは、各地の美しい風景を絵画のように描いた作品の力でしょう。鳥瞰図はすべて原図(オリジナル原版の地図)で、特に色合いの鮮やかな図には立ち止まって見入る方が目立ちました。次回(5月25日)の展示も鳥瞰図を特集する予定です。今回とはまたちがう趣きの作品を用意いたします。一方で、常設の復刻地図の方も時間をかけて見ていかれる方が多かったのですが、それは展示の仕方を変えたからでしょう。復刻地図は台紙入りのビニールに入れるようにしましたので、手にとって見やすくなりました。
終了はいつもよりちょっと遅くなりました。片づけを終えて大阪ガスビルを出ると、黄昏の御堂筋でした。この時間帯は、街角が一番きれいに見えるマジック・アワーです。
本日、大阪ガスビル1階カフェ[feufeu]にて、第3回目の古地図サロンをひらきました。1回目からお越しの方が数人お見えになり、新しく参加の方の方も数人おられ、古地図を見ながら歓談されたほか、いま執筆中の本(ナカノシマ大学で進行中の講座の書籍化)に載せる鳥瞰図10数点の撮影も行なわれました。鳥瞰図とは3Dタッチの絵のような地図です。今回はサロン展示の古地図に加えて、鳥瞰図が午後のひとときに華やかさを添えてくれました。
いつもどおり3時にサロンをオープンしますと、まもなくカメラマンの浜田さんが登場。先に来ていた編集者の大迫さんと息のあったコンビで、次々と鳥瞰図の撮影がはじまりました。いずれも戦前の絵師たちが技を尽くした美しい鳥瞰図ばかり(乞うご期待)。著者の私も次の本の完成を楽しみにしています。撮影がすすむ間に、サロンにも来訪者がぼつぼつ。珈琲やジュースを飲みながら、テーブルに広げた本日の展示古地図をのぞきこんだり、隣の人としゃべったり。いつもの時間が流れていきます。
今日はそのほかに大正時代の大阪市街図、終戦直後の大阪府図、1960年代の大阪観光写真集も見ていただきました。大相撲春場所にちなんで、およそ50年前の出身地別入幕力士分布図という変り種地図もお披露目したのですが、大相撲がゴタゴタ続きのせいか不人気でした。
午後6時、サロンを終え、本日3杯目の珈琲をいただいて、ほっとひと息。カフェの松田店長と少しお話。最後に、スタッフの巴里さんといっしょに写真を撮らせていただきました。いつもいろいろ気をつかっていただいて、ありがとうございます。珈琲も美味しくいただいております。
古地図サロンは御堂筋の名建築・大阪ガスビル1階カフェ[feufeu]にて、毎月第4金曜の午後3~6時開催。どなたでも参加できます。もし、これを読んで興味をもたれた方がおられましたら、どうぞ気軽にお越しください。古地図を見るだけでもオーケー、私に話しかけていただいてももちろんオーケーです。
毎回、古地図数点を公開。見るだけOK、話しかけOK、古地図マスターこと本渡章さんがお話し相手をつとめる楽しいひととき。ここでは、1月に開かれた初めてのサロンの様子をご紹介。本渡さんが訪れた人へ宛てたメールの形式で綴ります。
たあと、展示していた本を手にとり、椅子に座って静かに読んでおられました。テーブルでは数人の方たちが、古地図をのぞきこみながら、あれやこれやとおしゃべりしておられます。
★「京都指掌図」のみ私にジャンケンで勝った方にお見せしました。本日のジャンケン勝率は前回に続き、ぴったり5割でした。惜しくも敗れた方、泣かないでください。
古地図サロンはどなたでも参加できます。地図が読めない、方向音痴だとおっしゃる方も大丈夫です(じつは私も方向音痴)。もし、これを読んで興味をもたれた方がおられましたら、気軽にお越しください。古地図を見るだけでもオーケー、私に話しかけていただいてももちろんオーケーです。
オープン時刻は3時でしたが、30分前からすでに3人の方が、珈琲や善哉などご飲食がてら待ち状態に入っておられました。出足の早さに驚きつつ、展示コーナーのセッティングを急ぎました。「古地図ものがたり」の案内スタンドの工作に手間どっている私を見かねて、店長の松田さんが助けて完成してくださいました。ご協力ありがとうございます。そもそもこの古地図サロンは、カフェfeufeuのご厚意がなければ実現しなかったものです。中之島の目の前、御堂筋沿いの名建築の1階カフェという最上の舞台を提供していただき、感謝々々です。
さて、3時少し前にオープンしますと、次々と来会者がありました。テーブルからテーブルへ、古地図をのぞきこまれ、私に目で訴えてこられます。これまで古地図にまつわる講座やイベントをたびたび行なってきましたが、至近距離でこういう目に囲まれたのは、この日が初めてでした。ひとりひとりから、いろいろなお話やご質問をいただきました。古地図の実物を見るのは初めてという方が多く、そのぶん新鮮な驚きを持たれたようでした。いっぽうで歴史や地理に詳しい方もおられ、やがて、それぞれのテーブルに人の輪ができると、その方たちが中心になって話が盛り上がりました。もちろん、じっと見つめ、耳を傾けるだけの静かな方もおられて、それもまたサロンにふさわしい空気をかもしだしていたと思います。
初回としては大成功で、主催者としては喜んでおります。3時間ずっと会場におられた方、おつかれさまでした。仕事を抜けて来られた方、ご苦労様でした。行き帰りに雪に降られた方、風邪をひかれませんように。初めてお会いした方、お話した方がほとんどでしたが、古地図のどこが面白いのか、ツボはほんとに十人十色で、私のほうも気づかされることが多く、大いに楽しみました。なお、本日の来場者は(途中からちゃんと数えられなかったのですが)およそ20人、男女比は6対4でした。ご参集ありがとうございました。かんたんですが、今回の報告はこのへんで。書けなかったこぼれ話は、また別の機会にいたします。
この他に昨年の高島屋ギャラリー「古地図・大阪まちものがたり」でお披露目した特製古地図ポスター6点。さらにもう一点、「名所細密挿画付・大阪市明細全図(明治26年・1893)この地図のみ私にジャンケンで勝った方にお見せしました。本日のジャンケン勝率はぴったり5割でした。惜しくも敗れた方、次は頑張ってください。