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【新刊情報】『古地図でたどる大阪24区の履歴書』発売!

2021年4月8日 木曜日

『古地図でたどる大阪24区の履歴書』

著者:本渡 章
定価:2,200円+税
判型:A5判・並製
頁数:232ページ
発刊:2021年4月27日

 

 

市よりも古い!
大阪の「区」、150年の歴史と物語。

大阪市の24区が現在の姿になったのは平成元年(1989)、わずか30年ほど前のこと。この本では、大阪の区がどのような変化を遂げてきたのか、大阪の古地図のスペシャリストである著者が、豊富な古地図資料を手がかりにたどっていきます。

また、現在の24区がいつどのようにして今のような姿になったのか、1区ずつ丁寧に紹介します。大きな歴史の流れを知り、小さな物語を拾い集めることで、大阪市と24の区についての解像度が高まることでしょう。

2020年、大阪市を廃止し4つの特別区を設置することの是非を問う2度目の住民投票が行われました。結果は否決されたものの、人口減による大都市制度の見直しそのものは引き続き大阪にとっての大きな課題です。そうしたトピックについて考えるためには、まずは私たちや家族、あるいは友人知人が暮らす区についてよく知ることが必要です。

本書では、各区を象徴するスポットの写真とともに街歩きに最適な各区の地図も掲載。楽しく歩きながら大阪についてより深く知ることのできる一冊です。

◎本書の特徴

大阪24区を地勢的条件や歴史的経緯を踏まえて3つのエリアに分類。さらにエリア内でも性格ごとに分類し、各区の個性をよりわかりやすくしています。

エリア1 上町台地とその東西
上町台地センターライン|中央区(旧東区・旧南区)/天王寺区
上町台地イースト|東成区/生野区/鶴見区/城東区
上町台地ウェスト|西区/浪速区/西成区

■エリア2 転換期を担ったフロンティア
ベイエリア・アイランズ|此花区/港区/大正区
ノースアイランズ|北区(北区・大淀区)/福島区
淀川リバーサイド|東淀川区/淀川区/西淀川区
サンライズロード|旭区/都島区

■エリア3 「大」住吉文化圏とそのマージナル
「大」住吉文化圏|住吉区/住之江区/東住吉区
マージナル・エリア|阿倍野区/平野区

 

◉4月27日頃より発売開始!お近くの書店やネット書店にてご予約も可能です。

 

 

 

新連載「街と書店、大阪の場合」はじまりました!

2021年4月7日 水曜日

関西の街に育てられた出版社として、
街のええとこ=書店のことを書いて、残したい

街と書店、大阪の場合

株式会社140Bはこの4月に設立15周年を迎えました。

この間に40数点の書籍を刊行し、書店さんにたくさん売っていただきました。

本のテーマは、大阪や神戸、京都。たまに堺だったり八尾だったり。
飲み食いのええ店から重厚なビルに美しいシルエットの橋、華を競うような鉄道、シンボリックな寺社に巨大古墳、そして独特の地形など、地元以外には「日本どころか世界にもちょっとない」ものばかりを出版物を通じてリスペクトし、慈しんできました。

「かけがえのないもの」が周りにたくさんある生活は、私たちの人生を豊かに彩ってくれます。この関西という土地は、それを日々実感させてくれる世界でも稀有な場所ですが、
「ご近所の本屋さんでほしい本が買える」ということもまた、「かけがえのない」楽しみだと言えます。

もちろん、書店で売っている本は大概は、「全国どこでも、同じ値段で買える」商品です。
けれどそれを、スマートフォンをクリックして買うか、それとも「本好き」の匂いがする空間で「なじみの人」から買うか、というのは、ぜんぜん違う体験ではないでしょうか。

そんな体験ができる書店のことを、「街のええとこ」として取材して書いてみたいと思い、この連載を立ち上げるに至りました。

昨年来のコロナ禍の中では、「本を書店で買える楽しみ」がなかなか実感しにくい現状ですが……いやいやなかなか。街の人にしっかり支持されている店は、店に立つ人たちの「顔」も違っていました。

食べたり飲んだり、の名店が「ええお客さん」や「それぞれの街に根づいた歴史」に支えられているように、街の書店もまた同様の財産を持っています。とにかく「書きたくなるネタ」が満載でした。

まずは、140Bのホームグラウンドである大阪24区から、街の「顔」である書店をめぐる旅をはじめたいと思います。

 

街と書店、大阪の場合
その1『コロナ禍を跳ね返す「本好きが来たくなる」店づくり』はこちらから

 

 

「島民」発行終了のお知らせ

2021年3月1日 月曜日


中之島のフリーマガジン「島民」
発行終了のお知らせ

2008年、京阪電車中之島線の開業をきっかけに創刊した中之島のフリーマガジン「島民」が、3月1日に発行される136号を持って発行を終了することになりました。

2008年8月、2ヶ月後に控えた中之島線の開業を前に創刊した「島民」。中之島線についてや中之島エリアを紹介するという枠組みを大きく超えて、歴史・アート・建築・働く人々などさまざまなテーマを取り上げ、発行を続けてきました。

また、発行の翌年、2009年10月からはナカノシマ大学もスタート。フリーマガジンだけではなく、リアルな場を創り出すことによって中之島や大阪の面白さをお届けしてきました。スタート時からは予想もしなかったことですが、中之島という場所を通して多くの方々と深く関わることになりました。

これまでご愛読いただいた読者のみなさん、配布に協力してくださった方々、取材でお世話になった方々ほか、「島民」を支えてくださった皆様に心から感謝申し上げます。

なお、これまで発行された号のバックナンバーは引き続き、ナカノシマ大学webサイトでPDFにてご覧いただくことできます。
「島民」バックナンバー
https://nakanoshima-daigaku.net/about/tomin/ 

また、ナカノシマ大学については、これまで通り毎月1回のペースで開催していく予定です。引き続き、よろしくお願い致します。今後はwebサイトを中心とした情報発信となりますので、ナカノシマ大学webサイトをご覧ください。皆様のご参加をお待ちしております。
ナカノシマ大学webサイト
https://nakanoshima-daigaku.net/

◉ジュンク堂書店大阪本店にて
月刊島民&ナカノシマ大学生まれの本フェア開催!

「島民」の発行終了を記念して、ジュンク堂書店大阪本店にて、月刊島民&ナカノシマ大学生まれの本を集めたフェアを開催していただくこととなりました。バックナンバーの配布も行います。ぜひお立ち寄りください!
期間/3月1日(月)〜31日(水)
場所/ジュンク堂書店大阪本店
https://honto.jp/store/detail_1570022_14HB320.html

拝啓・古地図サロンから 23

2021年2月21日 日曜日

2021年1月22日・本渡章より、これをお読みのみなさまへ。

【今回の目次】
■古地図サロン(1/22)のレポートと次回予定
●2021年初春の古地図活動(講座・イベント・出版など)
★古地図ギャラリー第3回
 ①東畑建築事務所「清林文庫」コレクション〈その3〉
②本渡章所蔵地図より〈その2〉
③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図〈その3〉

■古地図サロンのレポート

開催日:1/22(金)午後3~4時30分 大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて

皆さま、お元気でいらっしゃいますか。コロナ禍による緊急事態宣言下での今回のサロンは「30分の時間短縮」「私のトーク無し」「地図は分散展示」での開催となりました。来場者ゼロかもと思いましたが、お二人が来られました。かつてない静かなサロンになりましたが、展示の古地図への質問に答えつつ、雑談も少々。以前より私が探していた地図について、来場者から貴重な情報と資料を提供していただけたのは幸運でした。

今回の展示は、戦前~戦中発行の「大大阪」「大京都」「大神戸」と題された地図がメイン。横に長々とひらく「大神戸市街地図」が特にインパクトあり。光と影が同居した時代にも京阪神3都はそれぞれに個性を競いあいました。前回に続いて鳥観図絵師・井沢元晴の「小豆島観光絵図」も紹介。他に「出身県別入幕力士分布図」など、いくつか変わり種地図もお披露目。戦中生活の一面を物語る「厚生歩行地図」など、またいずれ再登場の機会があるでしょう。

というわけで、今回の報告は短いです。皆さまとまたサロンでお会いできるのを楽しみにしております。

◉今回のサロンで展示した古地図

《原図》
「大大阪最新地図」大正14年(1925)時事新報社編
「大京都市街地図」昭和16年(1941)
「大神戸市街地図」昭和16年(1941)
「新区制 東京全図」昭和23年(1948)
「最新交通遊覧案内地図」昭和9年(1934)
「敬神・史跡・探勝 厚生歩行地図・関急沿線編(16枚組)」昭和17年(1942)
「出身県別入幕力士分布図」昭和46年(1971)
「小豆島観光絵図」作・井沢元晴(古地図ギャラリー参照)
《復刻》
「大日本全図」明治9年(1868)作・星唯清
「諸国道中大絵図(大日本行程大絵図)」道中用心集・名所旧跡集印帳付 江戸時代末期

◉次回は2021/3/26(金)15:00~17:00の予定

会場は大阪ガスビル1階カフェにて開催。私の30分トークは16:00時頃からです。サロン参加は無料(ただしカフェで1オーダーが必要)。途中参加・退出OK。必ずマスク着用のこと。新型コロナウィルスの状況によって中止になる場合は、この場で事前にお知らせいたします。

★2021年は奇数月の第4金曜日午後3~5時に開催していく予定です。

■2021年初春の古地図活動

●朝日カルチャーセンター中之島での講座

①「古地図地名物語」は2月26日(金)、3月26日(金)の実施予定。各日とも午前10時30分~12時。
②「大阪古地図むかし案内」街歩きと座学は4月26日(月)と5月10日(月)。各日とも時間帯は午前10時~12時。テーマは東住吉の旧街道と名所。
③新刊「大阪24区物語(仮題)」出版記念講座は5月19日(水)午後1時~2時30分。

問い合わせ/06-6222-5222または朝日カルチャーセンター中之島で検索

講演「江戸時代の観光案内で見る住吉」

本渡章が「摂津名所図会」、大阪市立大学大学院文学研究科の菅原真弓教授が「浪花百景」を題材に住吉の話をいたします。昨年刊行の『図典「摂津名所図会」を読む』(創元社)とともにお楽しみください。

日時/2021年2月27日(土)午前10時~12時
会場/住吉区民センター小ホール

●「みはらす」に執筆

堺市美原区の街案内冊子「みはらす」(1月発行)の歴史紹介4ページを執筆。古代豪族丹比氏と黒姫山古墳の謎、世界文化遺産の百舌鳥・古市古墳群との関係など、美原の奥深い歴史を探訪。

●新刊本は4月刊行

ナカノシマ大学の連続講座「大阪24区物語」がまもなく本になって刊行されます。

●「歴史人」で監修・執筆

月刊誌「歴史人」2月5日発売号の「古地図と現代地図で巡る江戸・京都・大坂」特集で、大坂の話題を20ページにわたって監修と本文執筆。江戸時代の大坂の名所と暮らしを一望。

 

|古地図ギャラリー|

1.『江戸切絵図(尾張屋版)』『摂津国坐官幣大社住吉神社之図』
(東畑建築事務所「清林文庫」より・その3)

前回に続き、東畑建築事務所(大阪市中央区)のご協力を得て、世界有数の稀覯本コレクション「清林文庫」からご紹介します。

江戸時代は京都、大坂、江戸など大都市を題材にした絵図が盛んに出版されました。多くは一枚ものですが、「江戸切絵図」は分割図。100万人の人口を抱えた巨大な市街をくまなく描くために、エリアを細かく分けたのです。

18世紀の吉文字屋版、幕末近くの近吾堂版、尾張屋版が著名。中でも尾張屋版は色づかいが美しく、江戸土産に好まれたといいます。川や堀の藍色、道と橋の黄色、寺社の赤色の取り合わせがなんといっても絶妙。江戸城を描いた切絵図(写真)も藍と黄色のコントラストが美しく、大名屋敷群は塀の色を連想させる白に家紋の赤が映えています。左上に見えるのは桜田門。図を収めた箱には嘉永6年(1853)発行とあり、同年にペリーの黒船来航。桜田門外の変が起きたのはその7年後でした。もう一つの切絵図は隅田川流域の本所周辺。町屋は灰色。名所の地名、武家、医師などの名が記されています。

尾張屋版の「江戸切絵図」は約30枚でワンセット。どの一枚を観ても、配色の美しさに目を奪われます。川と道と寺社、武家屋敷、町屋の密度はエリアごとに大きく異なっているのに、それぞれが一級品のグラフィックアート。これはもう、実用の地図、旅の土産物の域をはるかに超えています。これほどに美意識に富んだ地図が生まれた背景には、江戸時代末期の成熟しきった文化があったとしか言いようがありません。

同じく「清林文庫」から「摂津国坐官幣大社住吉神社之図」。この図は明治25年(1892)発行。有名寺社の俯瞰図は江戸時代の名所図会でも盛んに描かれましたが、これは一枚もの。印刷技術が進んで地図もより細密な表現が可能になり、広い境内を一枚に凝縮して描く構図が広まりました。住吉大社の門前は松の林で埋め尽くされ、左下に船の浮かぶ浜が見え、名物の高灯炉が建っています。松の姿は一本ずつちがいますが、浜辺、門前、境内の順で松が大きく描かれているのにお気づきでしょうか。風景をリアルに描写しているようで、大社の威風がより際立つようにグラフィックな処理がほどこされているのです。江戸時代に磨かれた絵師の手技は、明治の地図にもさまざまな形で受け継がれました。

☆東畑建築事務所「清林文庫」
創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関しても国内外の書籍、原図など多数を収め、価値はきわめて高い。

2.『摂州箕面山瀧安寺全図』
(本渡章所蔵地図より)

「摂州箕面山瀧安寺全図」は、前掲の「摂津国坐官幣大社住吉神社之図」から30年近く経った昭和4年(1929)に発行されました。江戸時代には役行者作成の弁財天尊像が日本四弁天に数えられて有名に。図は、箕面の山と川と瀧に抱かれ、左下の一の鳥居から弁財天本堂へ続く参詣道を一望。主役の弁財天本堂は題字下の中央に坐し、まわりの樹木も他と比べて高く大きく描かれています。

山裾に流れる雲は神秘感漂う中世絵巻物風。箕面川手前の松を大きく、川向うの松を小さく描いているのは遠近感を演出し風景を大きく見せる工夫です。建物や石垣の描写の細密さは銅版の技術がもたらしたもの。古い絵図や絵巻の表現手法と近代以後の印刷技術が、昭和初期のこの図でひとつになりました。松の樹形はさまざまですが、他の木の樹形は様式化されているなど、独特のデザイン感覚もみられます。

「江戸切絵図」に示された江戸時代の文化の果実は明治以後も途切れずに、近代的なものと混じりあい、新たな個性を生み出しながら継がれてきたのです。地図には日本のグラフィック表現の洗練の足跡が刻まれています。「摂州箕面山瀧安寺全図」も、その一例でしょう。

3.『小豆島観光絵図』
鳥観図絵師・井沢元晴の作品より・その3)

 

昭和の伊能忠敬と呼ばれた神戸生まれの鳥観図絵師・井沢元晴の作品紹介も3回目ですが、地名入りは今回が初めて。これまで見ていただいたのは地名が記載される前の原画でした。

「小豆島観光絵図」も原画ですが、ご覧のとおり、びっしり地名で埋め尽くされています。部分図(写真)で地名が浮いて見える箇所があるのは、原画の上に地名を記したフィルムを重ねて撮影したためです。部分図中に「毘沙門堂48」「歓喜寺77」などと数字が付されているのは、小豆島88霊場の番号。オリーブで名高い島の観光名所と霊場の案内を兼ねた観光絵図でありながら、中身は井沢元晴の他の鳥観図と同じく絵画的な色彩表現を基調に見ごたえたっぷり。山々の稜線が線ではなく、緑の色目の違いで分けられ、浜辺の波、川の流れも青と白の色の動きで生き生きと描かれています。

井沢元晴の活動は戦後とともにはじまりました。鳥観図は戦前に大流行し、戦後も多くの絵師が登場しましたが、めざす方向性は絵師によってさまざまです。日本流のグラフィック表現の実験場でもあった地図は、戦後という大きな節目を経て、技法の追求を個々の絵師の個性にゆだねていくことになりました。そんな時代の流れの中で、最も絵画に近いポジションで独特の鳥観図を開拓したのが井沢元晴でした。色彩に富む山・川・海の日本の風景は、絵画的な技法に根ざす井沢式鳥観図にまさにぴったりの素材。郷土絵図を画業の出発点とした井沢元晴がめざした世界は、海と川の青、山々の緑の中にあったといえるでしょう。

☆鳥観図絵師・井沢元晴
井沢元晴は戦後から昭和末までの約40年間に、日本各地を訪ねて多くの鳥観図を描き、昭和の伊能忠敬とメディアで紹介されました。活動の前半期にあたる戦後の20年間は「郷土絵図」と呼ばれた鳥観図を作成。その多くは、子供たちに郷土の美しさを知ってもらいたいとの願いをこめて各地の学校に納められ、校舎に飾られました。学校のエリアは主に西日本です。「郷土絵図」の活動は60年代半ばまで継続し、新聞各紙にとりあげられました。

井沢元晴氏のご遺族は今、「郷土絵図」にまつわる思い出や絵の消息に関する情報をお持ちの方を探しておられます。当時の生徒さん、学校関係者など、このブログをご覧になって、少しでも心あたりがあるという方が、もしおられましたら、次のアドレスにメールをお送りいただければ幸甚です。小さな情報でもかまいません。よろしくお願いいたします。

足立恵美子(井沢元晴長女)emikobook@yahoo.co.jp

 

過去の古地図ギャラリー公開作品

第2回(2020年11月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「メルカトル世界地図帳」「オルテリウス世界地図帳」
②本渡章所蔵地図より「A NEW ATLAS帝国新地図」「NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図」
③昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「大阪府全図(三部作)」

第1回(2020年9月)
①東畑建築事務所・清林文庫より「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」
②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図より「ふたつの飛鳥と京阪奈」

 

 

機関紙『木族』で『まんが 墓活』が紹介されました!!

2021年2月19日 金曜日

皆さん~! 「きぞく」って言う機関紙ご存知ですか?

貴族が読む新聞と違いますよ!「木族」と書き、「日本の山の木で住宅を建てよう」という活動のもと、国産材住宅推進協会より発行されている機関紙で30年以上の歴史があるそうです。

その『木族』2月号の「ひと」コーナーで『まんが 墓活』の著者・井上ミノルさんが紹介されました~!!

コロナ禍で、墓問題も一層簡素化しているようですが、単に「墓じまい」とひとくくりにするのではなく、ステイホームの今だからこそ、改めて後悔しないようにそいういったことを考えるチャンスにしてもらえる一冊になっています。

 

新聞掲載のお知らせ

2021年1月8日 金曜日

11月新刊『ぶらり大阪「高低差」地形さんぽ』(新之介・著)を1月4日の朝日新聞朝刊でご紹介頂きました。

新年早々「こりゃ春から、縁起がいいや」とスタッフ一同喜んでおります。朝日新聞さんありがとうございました。

https://140b.jp/blog3/2020/11/p3326/

 

 

拝啓・古地図サロンから22

2020年12月15日 火曜日

2020年12月12日・本渡章より、これをお読みのみなさまへ。

【今回の目次】
■古地図サロン(11/25)のレポートと次回予定
●2021年初春の講座・講演・出版予定など
★古地図ギャラリー
 ①東畑建築事務所「清林文庫」の「メルカトル世界地図帳」「オルテリウス世界地図帳」
 ②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の「大阪府全図(三部作)」

■古地図サロンのレポート

開催日:11/27(金)午後3~5時 大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて

皆さま、お元気でいらっしゃいますか。今回のサロンはコロナ第3波を気にしつつ本年最後の開催となりました。来場者数はいつもとほぼ変わらずで、無事終了。2時間が過ぎるのが早かったです。

明治~大正~昭和と近代大阪の地図のバラエティを見てきた本年の締めくくりに、前回の古地図ギャラリーでとりあげた井沢元春作の鳥観図を展示しました。「ふたつの飛鳥と京阪奈」「河内路と飛鳥」「倉吉市と周辺文化遺跡絵図」の3点です。

野山の緑が美しい絵画的な世界に都市や史跡が溶けこんで、みなさん吸い寄せられるように見入っていました。いずれも井沢氏のご遺族から提供していただいた図で、特に大阪湾から琵琶湖までの広域を描いた大作「ふたつの飛鳥と京阪奈」のスケール感と迫力は満点。井沢元春の名を聞くのは初めてという方がほとんどで、戦後40年間を鳥観図一筋に生き抜き、日本各地の図を描いたことから昭和の伊能忠敬と呼ばれるに至った生涯を紹介すると、サロンが驚きの声で包まれました。平成2年に亡くなれたのが惜しまれます。没後30年が経ちましたが、今後の再評価が望まれます。

他の展示は、戦前~戦中~戦後の大阪の区分地図、近郊図など。変わり種は昭和16年の「大阪府中等以上学校分布図」で大阪市内と府下の中等以上学校を網羅した図で、現在の高校、大学の前身にあたる学校の名前を見つけるのが面白いです。浪速区、西成区、天王寺区の地図は、今と境界線が違い、思わぬ町が思わぬ区に属していたりして、意外性が楽しめました。

というわけで、皆さまとまたサロンでお会いできるのを楽しみにしております。

◉今回のサロンで展示した古地図

《原図》
「大阪市観光案内図」昭和13年(1938
「大阪府中等以上学校分布図」昭和16年(1941
「区域変更図」昭和18年(1943
「大阪市区分地図・西成区地図」昭和11年(1936
「大阪市区分地図・天王寺区地図」昭和11年(1936
「浪速区詳細図」昭和20年代後半
「大阪市街鳥観図」昭和21年(1946
「朝日新聞特選大阪府近郊地図」昭和27年頃

★他に昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図2点
「ふたつの飛鳥と京阪奈」(前回の古地図ギャラリー掲載作品)
「倉吉市と周辺文化遺跡絵図」昭和58年(1983
井沢元晴の作品は今回の古地図ギャラリーにも掲載しています。

◉次回は2021/1/22(金)15:00~17:00

会場は大阪ガスビル1階カフェにて開催。私の30分トークは16:00時頃からです。テーマは「昭和の地図」。サロン参加は無料(ただしカフェで1オーダーが必要)。途中参加・退出OK。必ずマスク着用のこと。新型コロナウィルスの状況によって中止になる場合は、この場で事前にお知らせいたします。

★2021年もこれまで通り奇数月の第4金曜日午後3~5時に開催していく予定です。

■2021年初春の講座・講演・出版予定

●朝日カルチャーセンター中之島での講座

講座「古地図地名物語」は7年目に突入。2021年初春は1月22日(金)、2月26日(金)、3月26日(金)の実施予定。各日とも時間帯は午前1030分~12時。テーマは上町台地西側エリアの「西区」「浪速区」「西成区」です。

問い合わせ/06-6222-5222または朝日カルチャーセンター中之島で検索

講演「江戸時代の観光案内で見る住吉」

本渡章が「摂津名所図会」、大阪市立大学大学院文学研究科の菅原真弓教授が「浪花百景」を題材に住吉の話をいたします。講演の後、「すみよし歴史案内人の会」による町歩きも予定。詳細は住吉区民ホールの案内、住吉区の広報などでご覧ください。

日時/2021年2月27日(土)午前10時~12時
会場/住吉区民センター小ホール

ナカノシマ大学での連続講座

大阪24区物語の書籍化が進行中。2020年3月頃、140Bから刊行予定。出版記念講演も予定しています。

 

|古地図ギャラリー|

1.『メルカトル世界地図帳』『オルテリウス世界地図帳』
(東畑建築事務所「清林文庫」より・その2)

前回に続き、東畑建築事務所(大阪市中央区)のご協力を得て、世界有数の稀覯本コレクション「清林文庫」の逸品をご紹介します。

まずメルカトルの『世界地図帳』。メルカトルといえばメルカトル図法で名高い16世紀最大の地図学者。彼の死の翌年(1595年)に出版された同書の扉には「アトラスまたは世界の創造と創造された(世界の)姿に関するコスモグラフィー」との長い副題が記され、球体を抱え持つアトラスが描かれていました。

アトラスといえばギリシア神話の天空を支える巨人の名が有名ですが、本書では、世界初の地球儀作成者とされるリビアの伝説の王の名に由来するものと考えられています。1606年には地図作成者ホンディウスの手で新図を加えて刊行された増補版が、メルカトル・ホンディウス版アトラスとして好評を博し、1640年までに30版を重ねて各国に広まりました。今でも地図帳がアトラスと呼ばれるのは、本書の扉が起源です。

「清林文庫」蔵の本書はメルカトル・ホンディウス版アトラスの一冊でラテン語阪。見開きの地図頁をご覧ください。左上にギリシア、右端に日本が描かれています。約400年前の作成とは思えない鮮やかな色合い。豊かな装飾性に魅せられます。

次はオルテリウスの『世界地図帳』。オルテリウスはメルカトルと同時代に活躍した地図作成者・出版者。メルカトルのアトラスに先立つ1570年に出版した『世界地図帳』は、世界最初の近代的地図帳とされ、1612年までに41版を数える大成功を収めました。

オルテリウスはメルカトルとも交流があり、ライバルが世界地図帳作成事業に取り組んでいるのを知って刺激され、先に完成させたと伝えられています。『世界の舞台』と題された地図帳には、日本列島が描かれた頁(写真)があります。時を経たものの重厚さが漂う表紙とともに、じっくりとご覧ください。

☆東畑建築事務所「清林文庫」
創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関しても国内外の書籍、原図など多数を収め、価値はきわめて高い。

2.『A NEW ATLAS帝国新地図』『NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図』
(本渡章所蔵地図より)

近代化に突き進む明治の日本が取り組んだ大事業のひとつが学校教育でした。世界地図帳がその重要な教材になりました。今回掲載の2点の発行年は次の通りです。

A NEW ATLAS帝国新地図』明治24年(1891)発行
NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図』明治39年(1906)発行

それぞれの表紙に「ATLAS(アトラス)」の文字が見えます。メルカトルの『世界地図帳』の扉をアトラスの絵と文字が飾ったのが、世界地図帳をアトラスと呼ぶようになったはじまりと先述しました。流れはこうして明治の日本にも及んだわけです。

A NEW ATLAS帝国新地図』は日本地図帳ですが、表紙は「JAPANESE EMPIRE」の英文字と地球がデザインされてユニバーサル志向。一方、近畿の頁の題名は「畿内全図」で、「畿内」は歴代皇居が置かれた大和・山城・河内・和泉・摂津の五カ国をさす古代以来の名称。新旧の日本が混然となった地図帳に、明治の子供は何を思ったでしょうか。

NEW SCHOOL ATLAS普通教育世界地図』の「世界現勢図」と題した頁を見ると、今とは国の数も国名もかなり違うのがわかります。フランス、ドイツ、イギリスの版図(領土)が別枠で載っています。凡例に日本の航行路、日本の海底電線とあるのが、近代国家の仲間入りをようやく果たした日本が胸を張っているようで、明治末の世界を覆っていた空気を感じさせます。

3.『大阪府全図(三部作)』(鳥観図絵師・井沢元晴の作品より・その2)

前回に続き、昭和の伊能忠敬と呼ばれた神戸生まれの鳥観図絵師・井沢元晴が残した作品を、ご遺族の協力を得て紹介します。

「大阪府全図」は、(一)北摂、(二)大阪・堺、(三)泉南で構成された三部作。それぞれの部分図(写真)を掲載しました。南北に長く連なる野山の緑と海岸線の青が美しく、大阪城や古墳群などの史跡、野を貫く鉄道、大小の市街の風景に時の流れと人の営みを感じます。

スケールのゆたかさと精緻な筆致を兼ね備え、細部を覗き込んでも、引いて眺めても見ごたえたっぷり。鳥観図の醍醐味が集約された本作は、井沢元晴の代表作のひとつともいえる逸品です。今回掲載の図では、画面を両断して太く流れる淀川をダイナミックに描いた一枚が筆者のイチオシ。右端に大阪城と中之島の東部も見えます。

2020年は井沢元晴没後30年にあたります。渾身の大作「大阪府全図」が節目の年に、再び人の目に触れる機会を得たのは喜ばしいことです。今回は部分図のみの公開ですが、いつか作品の全貌が多くの方に知られる日が来るのを望みます。

☆鳥観図絵師・井沢元晴
井沢元晴は戦後から昭和末までの約40年間に、日本各地を訪ねて多くの鳥観図を描き、昭和の伊能忠敬とメディアで紹介されました。活動の前半期にあたる戦後の20年間は「郷土絵図」と呼ばれた鳥観図を作成。その多くは、子供たちに郷土の美しさを知ってもらいたいとの願いをこめて各地の学校に納められ、校舎に飾られました。学校のエリアは主に西日本です。「郷土絵図」の活動は60年代半ばまで継続し、新聞各紙にとりあげられました。

井沢元晴氏のご遺族は今、「郷土絵図」にまつわる思い出や絵の消息に関する情報をお持ちの方を探しておられます。当時の生徒さん、学校関係者など、このブログをご覧になって、少しでも心あたりがあるという方が、もしおられましたら、次のアドレスにメールをお送りいただければ幸甚です。小さな情報でもかまいません。よろしくお願いいたします。

足立恵美子(井沢元晴長女)emikobook@yahoo.co.jp

 

過去の古地図ギャラリー公開作品(2020年9月)

①東畑建築事務所「清林文庫」より「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」
②昭和の伊能忠敬・井沢元春の鳥観図より「ふたつの飛鳥と京阪奈」

 

 

「いっとかなあかん店・大阪」3刷

2020年12月11日 金曜日

 

3刷の帯をアップしました。

 

 

『いっとかなあかん店・大阪』

著者:江 弘毅
定価:1,500円+税
判型:A5判ソフトカバー無線とじ
頁数:224ページ・Allカラー

 

残念ながら3年前の初版時のお店が閉店したところが数店ありました。実感としてはコロナ禍ではなく、後継者難が多かったです(あとがきでも書いていますが「いっとかなあかんかった店」になってしましました)。

で、新たに6軒を加えました。全店のデータもすべて更新しています。

https://140b.jp/blog3/2017/03/p2116/

【新刊情報】『ぶらり大阪「高低差」地形さんぽ』発売!

2020年11月9日 月曜日

『ぶらり大阪「高低差」地形さんぽ』

著者:新之介
定価:2,000円+税
判型:A5判・並製
頁数:200ページ
発刊:2020年11月9日

 

 

タモリさんを案内した大阪の地形のスペシャリストが送る、
大阪市内&府下34エリアの地形さんぽの楽しみ方ガイド。

平たい街だと思われがちな大阪ですが、実は高低差=デコボコ地形に溢れています。そこにはその場所の歴史はもちろんのこと、大阪という土地の誕生の物語まで刻み込まれています。

この本では、地形ブームの立役者とも言うべき『ブラタモリ』の「大阪編」「大坂城 真田丸スペシャル」に案内人として出演した著者が、大阪市内・府下を合わせて34のエリアをピックアップ。高低差のわかる地図とフィールドワークを行ったルート案内によって、誰でも地形さんぽを楽しむことができます。

大阪市内だけでなく、泉州・河内・北摂とさまざまなエリアを取り上げており、それぞれに違った個性を味わえるのも地形さんぽの魅力の一つ。あなたの住む町やゆかりのある町もきっとあるはず。この本を通して、今まで知らなかった町の新しい一面に出会えるはずです。

◎この本で紹介しているエリア
大阪市中・北部=龍造寺/空掘/天満橋/真田丸/京橋/大阪城1・2/梅田/十三
大阪市南部=道頓堀/天王寺七坂1・2・3/四天王寺/住吉大社/阿倍野/平野
泉州=堺1・2/貝塚/岸和田/岬町 淡輪
河内=古市古墳群1・2/八尾・久宝寺/富田林/石切/枚方/交野 星田
北摂=大山崎/高槻 摂津峡/豊中 曽根/箕面1・2

 

・プロフィール
新之介(しんのすけ)
大阪高低差学会代表。1965年大阪市生まれ。本名は新開優介。2007年よりブログ「十三のいま昔を歩こう」を運営し、2013年に大阪高低差学会を設立。地形と歴史に着目したフィールドワークを続けている。著書に『凹凸を楽しむ 大阪「高低差」地形散歩』『凹凸を楽しむ 大阪「高低差」地形散歩 広域編』『凹凸を楽しむ 阪神・淡路島「高低差」地形散歩』(いずれも洋泉社)。

 

 

拝啓・古地図サロンから21

2020年10月7日 水曜日

2020年10月2日・本渡章より、これをお読みのみなさまへ。

【今回の目次】
■古地図サロン(9/25)のレポート
●2020年秋~2021年初春の朝日カルチャーセンター中之島講座案内
●島民「水都」特集号
●出版予定
★古地図ギャラリー
 ①東畑建築事務所「清林文庫」の18世紀パリ鳥観図
 ②昭和の伊能忠敬・井沢元晴の鳥観図原画

■古地図サロンのレポート

開催日:9/25(金)午後3~5時 大阪ガスビル1階カフェ「feufeu」にて

コロナ禍による中止を経て7月に復活した古地図サロン。今月も「密」を避けた会場レイアウトでの開催です。

明治~大正と続いた今年の展示。今回のメインテーマは昭和の古地図(前編)で、初期から中期の図を見ていただきました。昭和3年刊の「東海道パノラマ地図」は清水吉康による鳥観図(裏面が浮世絵師・菱川師宣の東海道分間絵図)は折本形式の装丁が、江戸期の道中絵図を思わせます。昭和初めの大阪城天守閣復興にちなんだ「大阪城旧之図」も鳥観図(原画は円山応挙)。

昭和4年の「大大阪市街全図」に見る大阪市中は今と地形が異なる場所がいっぱい。古い浪花の記憶の色濃い昭和前期の地図から戦後まもない1930年代の地図まで、市街地が劇的に改造され、地図の描き方も大きく変わっていったのがわかります。街が変われば、もちろん、そこに住む人の意識も変わってくるわけで、そのへんをいろいろと想像させてくれるのが古地図の楽しさです。

今回の展示で最も年代が新しい昭和45年当時の「大阪市施設交通案内図」なども、他の図と比較してはじめて、この時期に施設・交通が主役の地図が発行された背景が見えてきます。

来会者の中でお二人が、昭和の東区の詳細な市街図を持参してくださったのも、場を大いに盛り上げてくれました。東区は平成元年に南区と合併し、今の中央区になりました。中央区の誕生についても、来会者それぞれに思うところがあって、話題は尽きません。

都構想の住民投票が近いということで、関西テレビの報道記者が来会され、区の変遷について少しお話しました。明治以来およそ150年間かけて、大阪市は現在の24区制になりました。どの区も大きな時代の流れの中で生まれ、150年間のどこかの時点で、大阪の歴史をつくる役割を果たしてきました。区の名前ひとつとっても、それぞれに由来があります。歴史を抜きにした議論は成り立たないと思いますし、行政区画と経済の関係についても現状の議論に疑問を感じます。そんな中で実施される都構想の住民投票。私は大阪府民で投票権がないのですが、結果には大いに注目しています。

この日は、前回のレポートで紹介した天保14年の古地球儀のレプリカ(写真)も展示し、好評でした。ご提供いただいた所蔵者の飯塚修三氏に御礼申し上げます。

というわけで、次回のサロンも昭和の古地図(後編)をテーマに開催します。昭和の伊能忠敬と呼ばれた鳥観図絵師・井沢元晴(古地図ギャラリー参照)の残した作品もご紹介します。

皆さまとまたサロンでお会いできるのを楽しみにしております。

・今回のサロン古地図
《原図》
「東海道パノラマ地図」作・清水吉康 昭和3年(1928)
「最新大大阪市街全図」昭和4年(1929)
「大大阪区勢地図・最新の北区」昭和13年(1938)
「最新大阪市街地図」昭和31年(1956)
「大阪市施設交通案内図」昭和45年頃(1970)
「大阪城旧之図」写・林基晴(筆・円山応挙)昭和6年(1931)
「大阪城旧之図」発行・福島豊次郎(筆・円山応挙)大正11年(1922)
「改正新版大阪市街新図 明治中期

《復刻》
「大阪市街新地図」大正13年(1924)

《特別展示》
天保14年の古地球儀(レプリカ)西宮市いいづか眼科:飯塚修三氏所蔵

◉次回は11/27(金)15:00~17:00

会場は大阪ガスビル1階カフェにて開催。私の30分トークは16:00時頃からです。テーマは「昭和の地図」。サロン参加は無料(ただしカフェで1オーダーが必要)。途中参加・退出OK。必ずマスク着用のこと。年内は11/27(金)にも開催予定。新型コロナウィルスの状況によって中止になる場合は、この場で事前にお知らせいたします。

★2021年もサロンは続きます! 奇数月の第4金曜日に開催予定です。

■最近の主な古地図活動

●朝日カルチャーセンター中之島での講座

古地図とともに大阪の区をめぐる「古地図地名物語」の第2期講座(7~8月)終了。7月24日「北区」、8月28日「大淀区(現・北区)」、9月25日「福島区」がテーマでした。

『図典「摂津名所図会」を読む』『図典「大和名所図会」を読む』の出版記念講座「奈良から大阪へ、謎解き名所の旅」も10月5日(月)に終了しました。

2020年秋~2021年初春は、以下の2講座を予定しています。
(1)「大阪古地図むかし案内」町歩き講座
10月26日・11月9日午前10~12時、阿倍野の熊野街道をテーマに教室講座と街歩き・計2回

(2)「古地図地名物語」第3期講座
2021年1月22日(金)、2月26日(金)、3月26日(金)に実施します。テーマは上町台地西側の「西区」「浪速区」「西成区」です。

問い合わせ/06-6222-5222または朝日カルチャーセンター中之島で検索

●「島民」9月号・「水都」特集に寄稿

7ページにわたって執筆。中之島はいかにして水都大阪の顔になったのか。大正~昭和の古地図を題材に1960年代にクローズアップされた新たな中之島イメージを紹介。

●出版関連

ナカノシマ大学での連続講座、大阪24区物語の書籍化に向けて、ようやく編集作業がはじまりました。諸事情によりお待たせしていましたが、来春には、140Bから刊行の予定です。

|古地図ギャラリー|

1.ブレッテ 1734年のパリ鳥観図
(東畑建築事務所「清林文庫」の古地図コレクションより)

前回の古地図サロンに来訪された東畑建築事務所(大阪市中央区)を8~9月にかけて2度訪問しました。来訪時にお聞きした同事務所が所蔵する「清林文庫」を拝見。世界有数の稀覯本コレクションには、国内外の古地図も多数含まれています。所蔵品を収めた書架が並ぶ姿は圧巻。多くの方に、その一端を知っていただきたく、同事務所のご協力のもと、ささやかですが、このコーナーで公開のお手伝いをしたいと思います。

写真は「ブレッテ 1734年のパリ鳥観図」より、セーヌ川沿い市街の見開き図、シテ島に架かる橋ポン・ヌフ周辺の部分図。同書はパリ市街を区分した鳥観図をまとめて書籍化したもの。表紙写真の風格ある装丁が、時代を感じさせます。

18世紀は欧州各国で鳥観図が流行し、繁栄する大都市が格好の題材になりました。パリ全市街を網羅したブレッテの鳥瞰図集は、巨大な風景を細部まで見尽くす視覚の楽しみ追求の所産。作成にかけであろう膨大な労力が、時代の熱気の沸騰ぶりを物語ります。部分図でしかお見せできないのが残念。次回もコレクションの一部をご紹介したいと思います。

 

☆東畑建築事務所「清林文庫」
同事務所の創設者東畑謙三が蒐集した世界の芸術・文化に関する稀覯本、約15,000冊を所蔵。建築・美術工芸・絵画・彫刻・考古学・地誌など分野は幅広く、世界有数の稀覯本コレクションとして知られる。古地図に関してもメルカトル「世界地図帳」(ラテン語阪)をはじめ国内外の書籍、原図など多数を収め、その価値は高い。「清林文庫」のコレクションは、2020年10月24・25日開催の「生きた建築ミュージアム フェスティバル大阪」で一部がオンライン公開される予定。

 

2.ふたつの飛鳥と京阪奈(鳥観図絵師・井沢元晴の原画より)

日本各地を歩きめぐり、郷土の風景と街の営みを目に焼きつけ、その成果を多くの鳥観図に実らせた絵師がいます。昭和の伊能忠敬と呼ばれた神戸生まれの鳥観図絵師・井沢元晴です。亡くなられて30年が経った今、残念ながら、その業績を知る人は少なくなりました。このブログが結んだ縁で、ご遺族から連絡をいただき、先日、残された貴重な原画を拝見する機会を得たのは幸運というしかありません。

以前、サロンで展示した「古京飛鳥」も、緑豊かな風土を歴史の彩りとともに味わい深く描いていたのが印象的でしたが、原画の迫力は別格でした。山々と河川の合間で育まれたそれぞれの郷土の美をありのままに伝えようとした強い意志が、どの原画にもあふれています。魅力の一端をブログ読者に知っていただくために、ご遺族の了解を得て、この場で一部を公開します。

今回は「ふたつの飛鳥と京阪奈」の原画の部分図3点(大阪・近つ飛鳥/古京飛鳥/京都・宇治・琵琶湖)をご覧いただきます。ふたつの飛鳥とは、近つ飛鳥、古京飛鳥をさし、円熟期の井沢元晴が好んで描いた題材でした。部分図からも、原画の広大なスケールを想像していただけることでしょう。次回もご期待ください。

 

 

 

 

 

 

 

☆鳥観図絵師・井沢元晴
大正4年、神戸市生まれ。戦中の従軍で任務として鳥瞰図を作成。戦友のほとんどが戦死したなか、九死に一生を得て復員。生き残った者の務めを果たしたいとの思いから、郷土を描き、子供たちに夢を持たせる鳥観図絵師を志す。各地を自転車で旅した40年間に「わたしたちの郷土地図」と題して多くの鳥観図を描き、新聞、テレビなどで「昭和の伊能忠敬」として、たびたび紹介された。原爆投下直後の爆心地を描いた画集を昭和45年に広島平和記念館に寄贈。飛鳥、吉備路、平泉など歴史の地を訪ねた鳥観図では、独自の境地を開拓するなど評価は高まり、昭和51年には吉川英治賞の候補にも挙げられた。平成2年永眠。