3月12日
大阪 北新地 黒門さかえ(12日、19日、20日、23日)

 ここ数年いちばん行ってる回数が多い店が、この北新地の『黒門さかえ』だ。2日連続もあるし、1日に昼も夜も2回行くこともある。
 3月後半はこの通りだ。
 この黒門市場発祥の「細うどん」の店については行く回数と同じで、単行本や新書、あるいはグルメ雑誌や週刊誌に書きまくってるからもうここでは書かない。
 昼はもちろん昼メシでうどんと炊き込みご飯とおかずのAランチ、夜はボードに書いであるアテ数品や天ぶらを揚げてもらってビール&酒。締めにうどんであるが頼むのを忘れて帰ることもある。これでは居酒屋だ。
 季節の野菜料理がおいしい。
 「京のおばんざい」などとレベルが違う。酒のための小料理である。この店に来て「食べながら飲(や)ってると」と、ああ大阪のこの手の食いもんは世界一やと思う。

 12日は食べた順に、若ごぼうのきんぴら、川エビと大豆煮、ちりめん山椒、セロリの酢漬け、ざるうどん。瓶ビール1本、菊正宗コップ2杯(多分1杯1合以上はある)。
 最初にいうたビールは、酒をいうまで3分の2から2分の1飲んで、飲み終わるまでゆっくりちびっと飲む。
 ヘンなクセやな。
 19日はサバ煮付け、新玉葱とジャコの三杯酢と酒。
 20日は筍と新ワカメ煮の炊き合わせ、アスパラのゴマ和えと酒酒、若ゴボウごはんなど。
 23日は2人で、若ゴボウのきんびら、ホウレン草とシメジの煮しめ、新玉葱とジャコの三杯酢、小海老ミツバのかき揚げにビール、酒酒酒、ざるうどん。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅