10月23日
大阪 北新地 アリラン亭

 韓国料理は、焼肉ホルモン、冷麺、ビビンバと親しんできたゆえに(それって日本の韓国料理やんという声が聞こえてきそう)、初めてサムギョプサルとかスンドウフを食べたときは、これはすごい、まったく別物だと思った。
 オフィス近所の北新地にある『アリラン亭』は、ゴージャス系の韓国料理店だが、そういう大阪人のコリアン料理嗜好をよく分かっている。
 黒毛和牛の焼肉もホルモンも、そして直球の韓国料理も出す。
 夜はまあ場所柄、接待とか宴会、あるいは同伴のご飯食べといった用途で使われることが多いが、ランチは完全に地元で働くサラリーマン、OL仕様。石焼きピビンバ、スンドウフやホルモンのチゲとご飯のセット、ユッケジャン鍋焼きうどん…というセットがいい。
 この日は「月・水・金 韓国ラーメン(キンパ付き)」というサインが出ていたので、「お、これはええな」とエレベータで上がって店に行った。が、席について、やっばりスンドウフチゲにしとこうと予定変更。メニューを見て食べたくなった。辛い料理の刺激が欲しくなったのだ。
 キムチからしてこの色、この量。そして石鍋でグツグツいわして出てくるチゲ。やっばし辛いなあ、エエだし利いててうまいなあ。半熟状の卵を白ご飯に掛けたりして食う。これもうまい。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅