9月30日
大阪 福島 ミチノ・ル・トゥールビヨン

 この1カ月で3回ミチノさんの仏料理を食べに行ってる。
 レストランはわざわざ食べに行くところだから(値も張るし)それぞれ違うものを食べたいよな、というのが人情で、アラカルトなしのコースのみがここのメニュー、前回と同じものだと愛想ない。
 多分そういうことを店側も思っていて、先週と違うものを出してくれる、みたいな感じなのかな。
 この日はある方の送別会で、作家の久坂部 羊さんが幹事。阪大招聘教授で大阪天満宮研究所の高島幸次先生、「エピジェネティクス」の阪大医学部仲野徹教授、文学部の「役割語の研究」の金水敏教授、MBSの西 靖アナウンサー…といったいつものメンバー。まあ平たくいえば宴会だ。みんな声もデカい。「1組ほかのお客さんもいらっしゃるので、ちよっとお静かに」とわたしから注意(その声もデカい)。
 料理は二の次、ということだが、そこは道野正シェフ。瓶のなかに燻煙とサーモン、野菜やら豆やらを閉じ込めて、食べる段になったらフタを開ける、みたいな料理に歓声が上がっていた。
 面白いな、おいしいな。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅