5月23日
神戸 三宮 のんちゃん

 この三宮にある焼鳥屋さんも30年以上行ってると思う。大好きな店の一つだ。
 会社帰りに先輩に連れられたり、大学の先生と行ったり、休みの日にたくさんで待ち合わせて行ったり、嫁はんと行ったりいろいろだが、なぜか一人では行ったことがない。
 長いカウンターがあって一人客をよく見るのだが、店員さんとの会話を聞いていると、家族や近所づきあいのような会話で、焼鳥屋に一人で行くのはそういう関係性がある人なのかなと思ったりもする。
 いつもいきなり「キモ、カワ、ズリ」と呪文のように注文して、そこからツクネ、ネギ身…という感じ。いつもラッキョも頼むがこの日はなしで漬物にする。
 ビールから1〜2本食べてから「酒いこか」となるのも常套。カワをパリパリに揚げたのも頼んで、一口食べるとビールの口になってまた1本頼む。焼きおにぎりもたまらん。で、ツクネとカワのリピート。一人3千円通しでお釣りがくる。焼鳥屋はあれこれ凝った店より、スタンダードな店に限る。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅