3月8日
JR芦屋 月桂冠

 「飲むこと、食うこと」に関してもずっと下町やら 繁華街で育ってきたので、芦屋や苦楽園といった住宅街の店はフレンチやイタリアンを含め、好んでは行かない。具体的に店がどう悪い、ということはないし、これは思い込みに違いないが、鮨もお好み焼きも定食も「なんか違う」と思ったりする。
 この日、仕事帰りに地元民に「芦屋では珍しい普通の居酒屋」と連れて行ってもらったのがこの店。『月桂冠』と書いた暖簾や店の外観を見て「ここ、来たことがある」と思い出した。
 こういう酒造メーカーの「宣伝店」はハズレはない、と10年ぐらい前なにかの用事の帰りに入ったのを憶えているが、だれと行って何を食べて飲んだかは憶えていない。
 黒メバルの煮付けやらポテトサラダやらを出鱈目に注文するが、どれも量が多くてお腹がー杯になった。ご飯屋感覚の居酒屋ということで、地元仕様としてベリーグッド。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅