5月13日
大阪 北新地 ういすたりあ

 急にお好み焼きを食べたくなるときがある。それは強力な欲求であり、「どうしても」となる。代替の食べものは無い。以前は焼肉や餃子もそうだったが、今は鮨とお好み焼きだけが「ああ、食いたい」となる。
 オフィスから近い北新地はクラブ、ラウンジの街であるが、結構お好み焼き屋が多い。以前は船大工通りの[がるぼ]もよく行ったが、このところこの店で食べる回数が多くなってきた。
 まずゲソ塩にビールから入る。1枚目のお好み焼きはいつも迷うが豚モダンにしとく。
 隣の客がステーキやらアスパラベーコンやらを頼んでそれが目の前の見事な変型○型鉄板で焼かれると、「こっちもそれ」と言いたくなる(ママさんやらホステスさん連れの場合はとくに言うてしまうことが多い)。
 食欲満点でモダンの後は、お好み焼きも焼きそばも同じ感じなので、趣向を変えネギ焼きを醤油で。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅