10月27日
大阪 北新地 堂島サンボア 黒門さかえ(27日、29日)

特別なお客さんととか接待とか、そういうことではなくて、用事済ませて誰かと近所で一緒に飲んで食べて、という場合『堂島サンボア』と『黒門さかえ』によく行く。
 どちらか1軒の場合もあるが、2軒ハシゴすることが多い。そして、どっちを先に行くかで状況が変わってくる。
 1軒目としてサンボアを先に行く場合は、まずビールでそれからウイスキーやカクテルに行くが、腹も減っているしビールをよりおいしく飲もうとして何か注文する場合が多い。
 ここのアテは他所に類を見ないすこぶるうまいものが多くてしびれる。ベーコンの厚切りグリルやホットドッグは大好きだが、それをどっちもいってしまうと『さかえ』で食べられなくなるので、ピクルスとオイルサーデン、とかに留めておく。2杯目はマティーニとかじゃなくて、ハイポール。
 ここの酒は基本的にダブルなので、3杯いってしまうとガツンとくる。しかし分かってていってしまう。

 「黒門さかえ」はうどん屋だが、ここのアテも抜群にうまい。酒は飲まないことはないが、うどんを食べないことも多い。座ったら前に置いてくれる手書きの品書きを見て、季節の野菜をあれこれ注文する。2日とも食べたのは鯛の子、四方竹、むかご。
 この週は2回、それも『サンボア』→『黒門さかえ』の順で行った。
 同じ店の同じ席で、同じ酒を飲み同じアテを頼む。こういうのが好きになってくると生活にアクセントがつくような気がする。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅