2020.04.18
封鎖二六日目
Lockdown Day 26隔離十四日目 self quarantine 14 曇りときどき雨
今朝はお義母さんのお葬式でした。いや、お葬式やないな。火葬の日ぃでした。朝9時。誰一人見送る人もないまま、お義父さんも眠る墓地の付属施設で灰になりはりました。儂らは普段着のまま居間のソファに腰かけ、ぽつぽつ喋りながら、西向きの窓から外を眺めて30分を過ごしました。
ワンフィンガーとはいえ空きっ腹にウィスキーを流し込んだんで、おなかんなかで小こい鼠が走り回ってるような気分。Midletonの12年もの。普段からこんなん飲んでるわけやのうて当然いただきもん。封切るチャンスがきたんで、ほな、いただきまひょかとなった次第。誰かを見送るにはええ酒やと思いました。
さいなら、オードリー。今日はちょっと寒いけど散歩が大好きで健脚やったし十万億土もすぐやわ。てゆうか、この一年ほどは歩くにも不自由でアレでしたな。あっちで
お見送りのあと、ツレは葬儀社に教せてもろてた国の機関に死亡報告の電話。親に果たすべく最後の義務。お義母さんはパスポートも免許も、レンタルビデオの会員証も、アイデンティティ証明がなんにもなかったんでちょっと不安やったみたいやけど、すんなりと話は通って五分で記帳終了。埋葬許可は義妹さんが市役所に連絡して、これも電話だけで話は済んだ。
こんなご時世やから簡略されてんのか、あるいはもともとがシンプルなんが英国式なんかは知らんけど、プラクティカリティに心が休まる。残るは遺灰の受け取りをお義母さんがいたケアホームと算段するだけ。親族の集まるお別れ会はいま相談しても先見えへんし、なんにも決めてません。決めません。
晩御飯はお精進もあらばこそ、ほんまに普段通りの献立にしました。「お酒、飲む?」と訊いたけど、今朝の一杯で充分やゆうことで素面メシ。柚子をたっぷり利かした幽庵焼き。リーキ(ポロ葱)のバタ醤油炒め。ポテサラ。そして、いただきもんの鶏レバぜいたく煮。お歳暮にもろた『東京吉兆』さんのこの瓶詰シリーズはほんまに重宝やわ。あと一品というところで登場してもらうと食卓が一気に華やぐ。
ポテサラをひとくち食べたらビールが恋しゅうなて顔を見合わせ一瓶だけ開けることにする。
東京吉兆
東京都中央区銀座8-17-4
https://www.kitcho.com/tokyo/tokyo_kitcho_honten.php