2020.06.20
封鎖八九日目
Lockdown Day 89 晴れのち曇り。
フットボール、プレミアリーグの無観客試合が始まりました。すべての選手と審判が銘々に――揃って、ではなく各自のポジションで、でもないのがポイント――片膝をつき拳をあげて #BLM の意思を表明することからスタートする〝Beautiful Game〟の理念があらわれたものでした。サッカーはもとよりスポーツ全般にまったく疎い
もっともアメリカでは同様の意思表明をした選手に大統領が悪態ツイートしてましたし、プロの世界はまだまだホモフォビックな風潮も残る閉鎖的なムラ社会です。けれど、ジョージ・フロイドの悲劇がこんなふうに染みてゆくのであれば、きっとそれはよい供養になることでしょう。
英国のもっともポピュラーな街路樹にロンドン・プレーンというのがあります。スズカケの交雑種で、けっこうな巨木になりますが、二階建ての屋根のあたりで「こぶ剪定」して成長を止め、そこから小枝を広く伸ばさせて葉を繁らせ夏場の日陰を作ります。
剪定された樹が並ぶ眺めもエドワード・ゴーリーが描く絵のようで雰囲気がありますが、春の終わりとともに刈ったところから新緑が吹き出すと、これがまた独特の風景をつくります。まるで鳥の巣のよう。
そんな印象のせいか儂にとっては、白鷺かなにかみたいな大きな鳥が飛来してロンドン・プレーンの先にとまって英国に夏が来るイメージがあります。が、今年は
さて、晩ごはんは天婦羅でした。昨年の秋口に胆嚢炎をやらかして摘出手術を受けて以来、油ものを控えてきたので食欲がサンバを踊ってる。このあいだカツは解禁したんですが、天婦羅はコロナのせいで欲しかったタネがなかなか入手できず、どうせここまで待ったのだからと我慢を重ねてました。
蓮根と春菊。春菊は衣に桜海老を混ぜてます。あと、海苔。冷凍してあった烏賊を発見したのでそれも。ここしばらくは天婦羅を揚げるときは二種類までにとどめてたんですよ。手間が全然違うので。けど久しぶりなので張り切って4種。案の定、余裕なくなりました(笑)。おまけに途中で天つゆがないことに気がついてパニックに拍車がかかった。
そして、こんなときに限って失敗しちゃっうんだな。うちの衣は小麦粉と片栗粉半々を氷水でざっくり混ぜたものですが、ポテトの粉を片栗粉の代わりに使ったらもっとさっくさくになるんじゃないかという気がしたの。
ならなかった。さっくさくじゃなくてガッチガチになった。それこそ拳のように固かった。
えーん。10ヶ月ぶりなのにー。
しゃあない。向田邦子さんも書いていらしたが、天婦羅の翌日に精進揚げを甘辛く炊いたんほど美味しいもんはない。それは〝本音の味〟だと。揚げものがタレを含んだ食感はもとより大好物。ガッチガチならなおさら旨かろう。気を取り直してまいりましょう。