2020.03.26
封鎖三日目
Lockdown Day 03 悲しいほど青空
ツレが発熱。コロナやったりするとこの日記も俄然ドラマチックなんやろけど実は昨年末から微熱が出たり引っ込んだりですねん。きんのの晩のショックもあったかもしれん。今日はいちんちへっこんでてもらうことにする。
繋がれた犬を見て触りたくって悶絶したけど、犬ともソーシャルディスタンスを守る。まさかとは思うけど間接的に感染らんでもないさかい。また、こんな時に限ってトラップのように犬があちこちに。しばらく犬もお預けか……と切ない気持ちで珈琲と帰宅。
ツレは寝込むほどではまったくないんで食事やお茶のたびに居間でお喋り。どうしても昔話が多なる。さほどセンチメンタルにならないのは、もう義母さんがアルツハイマーを患ってかなり長く、この一年はツレの顔も判然としてへんかったから。覚悟をする期間が充分にあったから。
ちなみにボケが顕著になってからは儂のこと、いいひんときは「息子のヨメ」と人に説明してはったそうな。でも「アツヒコは男やで」とツレが言うと「当たり前やん」と笑ったはったそうな。儂がいるときはちゃんと「息子のパートナー」と認識してはんにゃけど。
午後は免疫力アップを祈請してお薄を一服。冷凍庫に眠らせてあった、おとっときのお菓子を起こして供とする。『廣尾 瓢月堂』のその名も「六瓢息災」。いただいたとき、あまりに美味しくてパクパクいってしもて、これはヤバいと仕舞いこんだんやけど、これ以上ないタイミングを得てコールドスリープから目覚めてもろた。ナッツの香ばしさと糖蜜のまろやかさ。生姜が効いてていかにもその名に相応しいお味。
夜になってツレの熱がちょい上がる。晩ごはんのとき食欲あったし、六瓢息災も喰たし大丈夫やとは思うんやけど、どうしても心配になる。儂もくしゃみするたび咳するたびに「ひょっとして」と怯えてしまう。そやかて〝いざ〟となっても病院いけへんにゃもん。封鎖されるゆうんは、そういうことやねん。
三日目にして気を抜くと泣きそうになる。
廣尾 瓢月堂
東京都目黒区下目黒2-21-24
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