2020.04.30
封鎖三八日目
Lockdown Day 38 晴れときどき雨
おかげさんで腹下しは止まりました。こんな長いことかかったんは初めてやわ。痛みがなかったのは幸いやったけど、なかなか鬱陶しかった。
おかいさん(+梅干)とともに日本的病人食の代表ともいえる「すりりんご(別名リンゴ・スッター)」を昨日今日とデザートにいただく。電話口でお医者さんに「林檎はいいぞ! 林檎喰え!」と言われたので。ふだんはあまり食べないのよね。じいさんの歯には辛いんよ。そこで思い出したのがすりりんご。
子供のころは風邪ひくとこれを作ってもらって嬉しかった。あまりに美味しいので風邪が治ったあと、こっそり自分で擂ってみたらこれがちっとも美味しゅうのうて、ものすご不思議やったのを覚えてる。今回のすりりんごは記憶に残ってたんとは違ごたけど、想像してたより口に心地よいもんでした。
タイミングかもしれんけど食べたとたんに下痢の症状が消えだしたんで、これからも調子悪いときはやろうと決めた次第。柚子ジュースとか、生姜のおろしたんとか、ミントや紫蘇刻んだんとかを混ぜると普段でもデザートとしても楽しめそう。擂ってすぐ冷凍したら色も変わらへんしシャーベットみたいになるやろ。酸いかったら蜂蜜たらしたり黒蜜かけたり。
一番ひどかったのが郵便局で、普段は3人窓口のところがたった一人で対応してるもんやし45分もかかったらしい。さあ、自分の番というところで看護婦の身分証明を下げた女性が先に入らせてもらえないかと尋ねてきたそう。「もちろんいいですけど、ご用事は?」と訊くと手紙に切手を貼るだけだとのこと。ツレは「じゃあ僕が出しときます」と引き受けた。もちろん代金は丁重に辞退。彼女は笑顔で去ってった。
ええ話、というかちょっと昔の話みたいでしょ。人情(死語)とか藤山寛美的世界というか。ツレが特別に優しいとかやないねんよ。全国的にそういう風潮というか〝気分〟になってるのは喜ばしい。
友人たちに聞けば日本も行列がひどいことになってるみたいやけど、かなりお行儀の悪いお客さんらもいてはるてね。順番抜かしは当たり前、店員さん怒鳴りつけるようなやつもおるとか。普段行列せえへん英国人が藤山寛美化してんのに、慣れしとるはずの日本人が娘の藤山直美がやるような怖いキャラクターになっとるてどういうこっちゃねん。