2020.05.28
封鎖六六日目
Lockdown Day 66 晴れ。
昨日に続いて今晩も手抜き料理でした。また今日もシモの話かいな? というと、そうではなくて明日がツレの誕生日なんで本日より好物デーに入っているのです。フォアグラの缶詰にチキンサラダ。バタつきバゲット。ワインは2011年の「Famille Hugel Grossi Laue Gewurztraminer」。山椒の香りがするの! これで大喜びしてくれるんだから手もお金もかからないいいヤツです。おめでとー。
買い出しはしてきましたよ。野菜を大量に買ったので帰りの鞄が重くてね。えっちらおっちら坂道を上ってたら短パンいっちょの道路工事のおっちゃんに見つかって「でっけえディナーの準備だな。俺も招待してくれよ」とからかわれました。「ロックダウンが完全に終わったらね。ドレスコードはないから、そのままで来て!」と笑って手を振る。
なんでそんなに買い込んだかというと、そろそろ冷蔵庫の作り置きがなくなってきたから。サイドメニューとしてはもちろん、うちのランチは「プレート」と呼んでいる冷菜の取り合わせが多いので、飽きずに毎食を愉しむには常に4,5種類はあってほしい。
精出して拵えましたるは、まず、焼き大蒜や焼き野菜、レーズンやサンドライトマトなどを混ぜた贅沢フモス。蕪の甘酢漬け。焼き茄子。出回り始めた夏野菜で山椒の実入りラタトゥイユ。焼きエリンギのオリーブオイル漬け。人参のオレンジ煮。トルコ万願寺唐辛子とちりめんじゃこを甘辛く炒め煮したもの。
晩ごはんの話題はもっぱらカミングス上級顧問のこと。「のこと」ではなく、ほとんど「への苛烈な批判」だったけれど(笑)。首相官邸の庭で記者会見を行った彼は、貧相な顔に冷たい薄ら笑いを浮かべ「自分は行動を後悔していないし法にも触れていないし辞任する気もない」と言い放った。
この男はEU離脱の戦犯。徹底的に(ネトふくむ)ウヨの唯一の情報源である右寄りスポーツ紙を利用して、彼らの耳にナショナリズムの甘い言葉を吹き込んだ戦略で知られています。そんな大衆紙が挙って高級紙ガーディアンやファイナンシャルタイムズと足並みを揃え反カミングスに回っているという事実だけでどんだけ嫌われてるかが解ります。
彼をサポートするのは自分も封鎖期間中にルールを破っていた連中だけだ。それも、そのことに罪悪感すら覚えていない利己主義者だけに違いない――イギリス人たちは労働者階級からアッパークラスまで、カミングスに対して。モラール無用の悪党に正義のパンチをぶちかませ! ……といった気分なんです。
擁護を続けるジョンソン首相の株もだだ下がり。保守党内でEU離脱に賛同していた議員の半数までもが「カミングス辞めさせろ!」と合唱している異常さ。
コロナ対策はいま非常にデリケートな局面にあるというのに、ここにきて政府不信がどんどん高まっています。調査によれば国民の8割から9割(地域差がある)が【不安】に苛まれているとか。明瞭にロックダウン以前よりも数が増えているんですよね。