2020.05.16
封鎖五四日目
Lockdown Day 54 晴れ。
散歩範囲が広がると近所の様子や報道だけからでは見えへんかったもんがいろいろ視覚的にも実感でけるようになってきます。たとえば750万人の失業(5月12日段階)が与える影響なんかも如実ですわ。とにかくシャッター下してる店の多いこと。
いや、シャッターだけやったら封鎖解除とともにビジネス再開しはるケースもありますが、店の中ががらんどうやったら、もう、おしまいですわな。そういう、がらんどうショップが歯抜けにやのうて、いくつも並んでるんです。パブとか当面はビジネスが難しそうなお商売はベニヤ板で囲ったはって、これまた痛々しい風景。
ロックダウン段階で雇用者には収入の80%、最大32万円強が貰えるようにしはたゆうてジョンソン首相はえらい褒められてはったけど、金出すんは雇用者側でっせ。それを何の相談もなしにいきなり強制されたら馘切るしかないてなっても、そら、しゃあないでしょう。ほんで政府が、そういう企業に補正金を出すのは8月以降や。
日本もたいがいやけど実情は英国かて酷いもんです。
しかし、そんなシャッター商店街的風景でありながら街には活気が溢れてる。どこもかしこも行列してる。まあ、これは幻みたいなもんで、単純に緩和で人が戻ってきたんに加えて、以前はそこに並んでる人らはみんな店内に収容してたんからですわ。それが限定数しか入店させないんでこんなことになってる。
そやし行列そのものははよ
全部徒歩やしどうしても時間がかかる。お腹も減る。隣町でこーてきたもんで、ちゃちゃっとランチ。『Morley Butchers』のボイルドハム、『Dunn's Bakery』のコッペパン、『Waitrose』スーパーで「エシレ」のバターとコールスローサラダ、『GAIL's Bakery』のレリッシュ。
どれもなんでもないもんやけど近所では調達でけへんアイテムばっかしなんでやたらとうまい。行動範囲が広がると、特別ななにかだけやのうて、当たり前の、しかしそこにしかあらへん味を手に入れられるようになんのがほんま嬉しい。有り難い。
極端に暑うなったり寒うなったりもあるけど散歩日和が続いているのもこれ幸い。歳喰うて「歩いて行ける距離」が狭まってもーてるんは悔しいけど、そのぶん注意深く日常を観察すれば意外なみっけもんと出会える可能性かてあると思うしね。雑草しか生えてへんような場所に可憐な花を発見するみたいな感じでね。