2020.05.18
封鎖五六日目
Lockdown Day 56 晴れ。
頑なにマスク拒否やったツレが封鎖緩和とともに外出も増えるし、社会的距離(これ、どう考えてもこの日記の初期に使ってた「社交距離」「社交適正距離」のほうがええと思うけどなあ)を取っていても見知らぬ人との接近遭遇も回数が多なるしということでマスク着用にちょっと積極的になってきた。
馴染みの薬局で普通の使い捨て紙マスクがボッてへん値段で一枚500円。リスクの高い通勤仕事があるならともかく、ちょっと毎日するには厳しめプライス。これが現在のロンドン市内への【入場料】ということなんかもしれん。とりあえず4枚だけこーたけど。
そんなわけでツレは今日はいちんち中お針子ミミーのように針仕事。ちゅらちゅらちゅーらーらー。
完成品がこれです。うーむ。吾妻ひでおの漫画に、こーゆーキャラいーひんかったっけ。とりあえず飛沫が散らばらんかったらええので使用目的は達してる。プラクティカルには問題なし。だが、そういいきれんなにかがある。まあええか。緩和されても出かけんにこしたことはないし。有り難く使わせてもらいまひょ。
晩御飯はこないだステーキ食べたばっかしやのに「疲れたー! 肉喰いたい肉肉肉!」とツレが騒ぐので牛のたたき。儂のおなかの調子は悪はないけど、やや不安定なので脂身がほとんどゼロのハラミ肉。焙って〆て切っただけのもんやけど、こいつは美味いゾッ!
薬味たっぷりでポン酢的なソースでいただくもよし。だいこおろしにお醤油とか、山椒油に塩とか、バリエーション豊富なんでかなりの頻度で食卓にのぼる。今回はアスパラ茹でたときにこさえたベアルネーズがまだあったんでそれと焼肉のたれ。
サイドはもやしナムルと赤カリフラワーの甘酢。おトフのお味噌汁。とりたてて季節感のない普通の献立やけど、主菜が冷たいもんになるといっぺんに夏が近づいてる気がしまんな。冬来りなば春遠からじ。春来りなば夏遠からじ。コロナ禍もそんなふうにじゅんじゅんにあんじょういってほしいもんです。
ところで「冬来りなば春遠からじ」て19世紀初頭の英国の詩人、パーシー・シェリーの『西風の賦』(Ode to the West Wind)の一節からの引用やて知ったはりました? 儂は長いこと漢詩がオリジナルか和歌の下の句うかなんかやと思ってました。そのくらい口に馴染んでるし日本的やからです。 「死に行く年の葬送曲だ/夜は閉ざされ/巨大な墓場のドームと化しぬ」なんてコロナ禍の現在を象徴する予言詩めいたとこもある。でもね、この詩編の本質はね、圧政に苦しむ民衆を鼓舞なんです。もちろんコロナに対してもやけど、どさくさに紛れて自分らにだけ都合のいい法改正を押し通そうとしてくるような〝破壊者にして守護者〟にも精いっぱい対抗してまいりましょ。春遠からじでっせ。