2020.05.19
封鎖五七日目
Lockdown Day 57 晴れ。
散歩中ツレに「あれをごらん」と指さされて空を仰げばなにやら有機的にうねった雲が。そっちのほうはあんまり詳しないんで名前も知らんし、珍しくもない種類なんでしょうが、「白い炎」(斉藤由貴)みたいで初夏の空に映える風情が趣ある眺めどした。 「そういや」、
いや旅客機はともかく空港が封鎖されてるわけやなし、飛ぶ音もちょくちょく耳にする。なのに、あの天を分割するような真っ直ぐな雲がない。この辺はルートに当たっているのか空がストライプ状になってんのも当たり前。いつでも浮かんでるもんやったのに。
便数が減ったせいだけ違ごて青空を見上げる気持ちの余裕もやっぱり減ってんにゃろな。
この1ヶ月以上に及ぶ世界的なロックダウンで、人間たちが疲弊してんのとは反対に地球はちょっと一息ついてるみたい。それが如実に目に見えてる。苔色に濁った――それはそれなりで雰囲気あったけど――ベニスの水路が透き通って魚の群れが観察できるようになった写真には驚きました。
冗談でも口にしたらあかんにゃろけど、車の売り上げが半分以下に落ちて、交通量に至っては85%減やとか知ると、地球温暖化が問題になっているいま、年に1ヶ月くらい毎年ロックダウンしたらどや? と思う。英国では狐だけで年間10万匹が轢かれて死んでるんやけど、きっと今年はぜんぜん少ないでしょう。
ロックダウンすれば地球が元気を取り戻すのが【自然の理】やったら、ロックダウンすれば運動不足で太るのも【自然の理】。それでも肥えるだけなら「経済回しとるんや!」と馬鹿の真似して
なにしろ罹患する4人に1人が糖尿持ち。さらに死亡者のこれまた4人に1人が糖尿なんやもん。
まずはストレス解消薬とかゆうて
口が寂しくなるたびにナッツぽりぽりしながら、そういや飛行機雲は【vapor trail】とか【contrail】とかいうて英語では【雲】やないんよねとかぼんやり考える。目に見えたままの印象でものごとの名前をつける情緒的な日本文化。ものごとの本質に遡って