2020.05.10
封鎖四八日目
Lockdown Day 48 晴れ
「ロックダウンの空の下、会いたくて会いたくて震える人たちはどうしているのでしょう?」
――という問題について、ちょろっと考えてみたいと言ってましたが、まだ思索を続けています。ほんまに好きやったら感染する可能性があるのに逢うたりせえへんやろという根本のとっからなかなか
ちょっと三面記事的な要素を含むんで日本ではどんだけ報道されてるか知りませんが、つい先日、コロナ対策委員会を率いるインペリアル大学のファーガソン教授の解任劇があったんです。この人は「このままやと50万人死ぬる。緩和策(いま日本がやってるやつ)を取れば25万人くらいやろ。完全に戒厳令を敷いたら2万以下で済まんこともなくもなくもない?」と試算して国にロックダウンに導いた人。 素晴らしい業績をお持ちのセンセで、どっかの国のなんちゃって専門家や政府に忖度してばっかりの御用医者とはえらい違い。そんな人がなんで辞めさされたかゆうたら、この封鎖下に交際相手と逢引きしたはったんがスポーツ紙にすっぱ抜かれはったから。
もう、あっちゃー! ゆう感じ。おりしもジョンソン首相の軽減策発表を控え、ハメられた感満載。人命なんかより経済優先の保守党にとって教授は、結果を出したことも含め、いや、結果を出したからこそ目の上のたん瘤やったからね。
それでも色と欲にまみれた和泉首相補佐官と大坪厚生労働省官房審議官の不倫ばカップルがのうのうと胡坐かいとんのに比べたら、なんぼかマシやとは思う。けど、1ヶ月半もの間、震えてはるイギリス人カポーたちは感情的にならざるを得ません。
なんでそないな阿呆なこと、と人は言う。それでも封印を切ってしまうのが恋というもの。あれやがな、近松の『冥途の飛脚』ですがな。ふたりだけの旅立ちの朝、手を取り合ってゆく西の門ですがな……。 まあ、西の門どころか公園の門まで閉まってて子供が遊ぶことすら許されへんのやからしゃあないな。
さて、今日も暑かったんで晩御飯はあっさり。というか実はチョコだのクッキーだの食べ過ぎで血糖値が鯉の滝登り状態。カロリー抑えめ週間に突入しました。
『Walter Purkis & Sons』黒胡椒まぶした鯖の燻製。きうりもみ(ばら海苔)。『田中長奈良漬店』の瓜の味醂漬。大根おろしに柚子と醤油。ごちそうさまでした。
Walter Purkis & Sons
17, The Broadway, Crouch End, London N8 8DU
https://www.walterpurkisandsons.com/
田中長奈良漬店
京都市下京区綾小路通烏丸西入童侍者町160
https://www.tanakacho.co.jp/