2020.06.01
封鎖七〇日目
Lockdown Day 70 晴れ。
日本では西瓜に塩を振るんだよという話になって、イギリス人のツレにえーっ! と驚かれた。対比で甘さが引き立つんだと説明しても「理屈は判るけど……」と納得いかない様子。けれどトマトに塩を振る話は「それは英国でもやってる。甘くなって美味しいよね!」だって。同じことやーん!
あと、日本人はトマトに砂糖かけて果物として食べる人もいる。とりわけ子供は好きだよ。というと、そっちはまたやっぱり「なにそれ?」と眉をしかめている。早い話が慣れ親しんだやり方でないと頭では理解できても〝生理が納得できない〟んだろう。様々な社会の変化に対して柔軟に対応できても、こういうことでは融通が利かない。人間って面白い。
それが生理に根ざしているからなのか、あるいは自国式へのこだわりがあるのかはわからない。コロナ対策にしてもそう。他人(他国)のやりかたには、それがどんなにうまくいっていても受け入れ難い人がいる。
対策どころか治療法までそうだったりするのはおかしなことだよなあ。トランプみたいな世界の頂点に立ってのべつ放屁しているような輩ですら死亡リスクが増大するだけで治療効果なんてないと英国医学誌で言われても抗マラリア薬の服用を続けてる。きっとそれがアメリカでは是とされてるからでしょう。
たとえば日本ではかなり取り沙汰され、海外の科学誌でも可能性が認めらてたBCGですが、こちらではほとんど話を聞きません。英国は実施していた期間があるのにです(BCGにもいろいろあって日本のとはタイプが違うようですが)。
けれど、こちらではワクチン完成までの助け神として信じられている完治した患者からの輸血は、日本ではあまり支持者がいない模様。儂はプライドもポリシーもないうえにドグマもナショナリズムもないので「効くなら国籍問わずどこのでもー!」としか言いようがありません。あと、痛いのは厭。絶対厭。
ところで西瓜話の続きで苺の食べ方の話題になんたんですが、イギリス人は潰して牛乳かける日本でお馴染みの食べ方はしないようなんです。潰して砂糖、というのが好きな子はいるみたいだけれど、日本みたいに専用のスプーンが売られているくらいのポピュラリティはないそう。
ウィンブルドン名物の「Strawberry and Cream」というのは半割の苺を盛ったボウルに泡立てない生クリーム(Double Cream と呼ばれる濃厚なもの)をかけまわした食べ方ですが、たぶん一般家庭でもこれが一番ポピュラーでしょうかね。甘みが欲しい人は砂糖ではなくメレンゲを潰して散らすのが人気です。
あと、労働者階級はエバミルクで食べたそう。日本で苺×練乳スキーが一定数いるように現在でも苺にはネスレの『カーネーション』でなきゃ! という一派がいます。牛乳のほうが安いのに、とか、そういう問題ではないらしい。いまでもスーパーの配達品リストに載っているくらいは愛好家がいます。
食べたこと? ありますよ。不味くはないけど、うーん、そうねえ。〝英国の味〟なんでしょう。