2020.06.12
封鎖八一日目
Lockdown Day 81 小雨。
一日に始まりは玄関に新聞を取りに出ること。電車通勤だったツレは駅前のタバコ屋で新聞とチョコバーを買うのを習慣としていましたが、お店のご主人が引退して暖簾をおろすことにされて以来、配達してもらうことにしたんです。イギリス人にとって新聞はまだ生活になくてはならないもの。電車に乗ってもスマホをいじる人の数より新聞広げる人が多い。
銘柄は『The Guardian』。左寄りとされていますが、一貫してヒューマニティを核にしているだけ。あえていうなら英国らしい新聞といえます。ウヨ/パヨという意味では、あのオレンジ色の憎いやつこと『Financial Times』のほうがよほど偏ってたりするのが面白いですね。斜め方向に左寄り。
今回のコロナ禍で日本が混乱しているように見えたのは、そして情報の錯綜が激しかったのは、むろん政府の無策無能ぶりがひどかったせいもありましたが(なにせアベノマスクですから)日本には信用すべき情報源というのがなかったからだと思いました。
その結果、自分を気持ちよくさせてくれる140字に
まあ、黒川弘務前検事長と賭け麻雀やってた新聞メディアや、忖度で雁字搦めの報道を平気で流す公共放送のいうことなんざ聞く耳持たん! みたいなご意見もご尤もではあるのですが。それでも信用に足る、自分の考え方の羅針盤になるような作家やアーティストがいませんかね? 整形外科医とかじゃなくてさ。
実は料理にも似たところがあって、誰のレシピやメソッドを信じるかによって同じメニューでも結果はかなり異なってきます。信奉者が栗原はるみさんなのか、土井善晴さんなのか、グラハム・カーなのかで出来上がりは見事に変わってきます。
たとえばミートボールが食べたいな! と思ったときに誰の作り方を選ぶかで満足度はぜんぜん違う。とはいえそれは料理人の優劣の問題ではありません。いい悪いじゃないんです。美味しい美味しくないですらない。もちろんあなたの舌がいかれたわけでも。
「大好きな○○さんのレシピなのにおかしいな」と感じたら、それは自分がどんなミートボールを食べたいのかちゃんと認識できていないままに信仰に従ってしまった結果です。その日の気分や天候、健康状態、おなかの空き具合などによって調味料ひとつとっても塩梅するのが当たり前。ましてレシピをや。
本日ご用意いたしましたは、トマトソース代わりの作り置きラタトゥイユ。アメリカーンなチーズソース。山椒油とピンクソルト。『菜館wong』の元祖「食べるラー油」。そして葱たっぷりの白だしスープ。もっとも結果、満遍なく全部のソースで愉しんでるんですから世話はありませんね(笑)。